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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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総本山壊滅?謎の社長現る??


金剛仁王は蚩尤鬼王の一角を倒した。


しかし守護者不在の総本山に蚩尤鬼王が仲間達を連れて襲撃して来ていた。


法子の学園が歪禅率いる蚩尤鬼人の襲撃にあっていた。そこに座主様率いる守護者が総本山を出払っている同時刻、その総本山が青山 猛と呼ばれる蚩尤鬼王の一体率いる蚩尤鬼人の襲撃の魔の手が迫っていたのだ。


「つまらない。強い連中が一人もいないのなら、完全にハズレクジではないか?」


蚩尤鬼王の青山は既に仲間達を連れて五重塔の目前にまで来ていた。ここまでには幾つもの結界が張られ迷宮になっていたはず。しかし神の力を無効化するこの者達は結界は無力に等しかった。


「このまま五重塔を破壊して戻るも良いが、せっかくだから中を見てみようか」


人間だった青山の記憶の中に神社や寺廻りが密かに趣味だった事で好奇心を沸かせたのだ。


「お前達は外を見張れ?俺は中に入って来る」


そう言うと、五体の蚩尤鬼人のみ連れて他の配下は全て残し五重塔の中へと入って行く。


「これは凄い絶景だ!」


青山は仁王の間に足を踏み入れると、そこに奉られた二体の左右仁王像に目を奪われる。


次に坂上田村磨呂の間では鬼人の像が数十体と奉られていた。


そして三階には龍の像が奉られ、最後の晴明の間には祭壇が奉られていた。


そこには九尾の狐の像が一体置かれていた。


最後の塔にまで難なく登って来た青山は、ついに座主の間に入って来たのである。


「ここで終わりか…目の保養にはなった。十分に目に焼き付けた。個人的には残して置きたかったけど歪禅さんの指示には逆らえないからな?早速破壊して木端微塵にするか!」


青山は力を拳に籠めると五重塔を破壊するために殴り付け…


「あ~ん?客か?」


「!!」


青山は正直鳥肌が立った。何故ならその声の主の存在に今まで気配すら感じなかったからだ。


「誰だ?お前?いつからいた?」


青山の視線の先には座主の椅子が置かれていて、そこに男が腰掛け今まで寝ていたのだ。


「あ~えっと、お前、あれか?蚩尤鬼人って連中だろ?やっぱり来たのか?」


「知っていたような素振りだな?」


「ん?蛇塚が留守を頼むと俺に依頼して来たから何かあると思って調べさせたら、前に総本山襲った連中がまた来るって言うじゃんか?面倒とは思っていたが滅多に手に入らない酒を飲んじまったからな…あれは罠だった…うん。酒飲んだ後の約束は危険だなぁ…」


「意味がわらねぇな?おぃ?お前ら、とっととソイツを消してしまえ!」


青山は連れて来ていた五体の蚩尤鬼人に命じる。この五体も青山と同様、学園で同じボクシング部にいた生徒が化け物化した者達で特別に自分の側近にしていた。


五体の蚩尤鬼人は目の前で各々化け物へと姿を変貌させると、同時に座主の椅子に座る謎の男に襲い掛かったのだ。


「まだ二日酔いであんまり動きたくないんだよ…俺?それに俺は大企業の社長なんだぜ?社長自ら重労働って有り得ないだろ?マジに?」


直後、化け物達は男に乗り掛かり食らい付いた。


「ワケわからない奴だったが…呆気なかったな?」



が、異変に気付く。襲わせた仲間達が動かない事に?


「お前達どうした?」


青山が近付こうとした時、嫌な感じがしてその場から飛び上がって距離を取る。


「!!」


すると仲間の化け物達が身体中を斬り裂かれて息絶えて、その身体を寛通し両断した刃が青山に向けて振り払われたのだ。


「あら?勘の良い奴だな?お前?」


「お前、何者だ?」


「お、俺?俺は通りすがりの社長だよ?元学生の化け物のガキ!」


その男は褐色の肌をしたスーツ姿の中年男だった。自らを社長と名乗り、青山を前にして余裕を見せた上に五体の蚩尤鬼人を瞬殺したこの男の正体は何者?


「お前、腕が立ちそうだな?面白い…俺はお前みたいな強い連中を殺すために化け物になったんだ!」


青山は両腕を広げ上げると消えた?瞬間的なトップスピードで社長男に迫ると、その拳が放たれた!社長男を貫通して壁が破壊され、社長男のスーツが粉砕した。


「!!」


が、粉砕したのは着ていたスーツだけで、中身が消えていたのだ。


「何処に消えた?」


「ここだよ?」


「!!」


直後、刃が迫り青山は頬を斬られながらも躱す。


「やっぱり反射がずば抜けてるな?厄介だ。今のは首を落とすはずだったんだぜ?」


その男、褐色の肌に黒い忍者のような格好に変わっていた。そして黒い刃の刀を手にしていた。


「やはりバサラの黒刀を模した刀は斬れ味が良いな?正直、奴を思い出すから使いたくなかったんだが…お前達を斬るにはこれしかないんだってな?」


バサラ?


バサラとは先代の守護者の名である。坂上田村磨呂が守護者の暗殺部隊を任されているが、その前任者であり、実力は…未知数。


かつて総本山に入るまでは妖精部隊と呼ばれる暗殺集団であったが、総本山の座主であった卑弥呼様を暗殺に入り、失敗。そこをスカウトされたのだという。


更に特異な能力の正体が前世でカミシニだった者の転生者であったとか?その力が暴走した事があった。


卑弥呼様の後に正式に座主になった先代座主様との一騎打ちにて、その力を抑え込まれ、友情と誓いを新たに守護者として再び任に就いたのだ。


だが、その守護者バサラもまた蚩尤の王との一騎打ちにて戦死した。



「バサラの野郎!俺との決着付かない間に勝手におっ死んでしまいやがって…」



この男は過去の守護者のバサラと何か関係が?


一人言をブツブツと語り出す男に、無視をされている青山は頭にくる。


「おじさん?お前、俺の相手してくれよ?なぁ?」


青山は飛び出すと襲い掛かる。その動きは素早く破壊力ある拳から放たれる一撃は床や壁に穴を開けた。


「あちゃ~!座主の間をこんなに散らかしたら、蛇塚に俺が怒られちまうだろ?」


男は攻撃を全て躱しながら突如青山の視界から消える。


「消えた!?」


「お前、ボクサーか?動きが見え見えなんだよ?足下がお留守だぜ?」


男は青山の足下に蹴りを与えて転ばずと、そのまま逆の足で蹴り飛ばす。


「ぐわぁああ!」


青山は蹴り飛ばされ壁に穴を開け五重塔から外に転落する。それを追い掛け飛び降りて来た男は黒刀を青山の心臓に突き付けた。


「このやろー!」


青山は反射的に刀を躱し地上寸前で着地する。


「よく躱したな?天性の反射能力だよ。それは人間の持っていた素質か?」


「五月蝿い。黙れ!こうなったら連れて来た仲間全員で総攻撃にしてやる!全て破壊してやるぞ!」


青山は五重塔の外に待機させていた仲間達に総攻撃を命じたのだ。


が?


「どうした?何故に総攻撃をしない?俺の命令をきけ!」


だが、総攻撃をするどころか、蚩尤鬼人達は青山の目の前で次々と倒れていく。


「何があった?」


倒れていく仲間達の背後に黒装束の男達が立ち、黒刃を手に蚩尤鬼人達を始末したのだ。


「何だよ?こいつ達は?総本山の主翼は全て出陣したのではないのか?」


「俺の可愛い配下だよ。それに俺の配下は総本山とは別の組織」


「何だと!?」


その者達は腕すぐりの暗殺部隊であった。しかも総本山とは別の組織だと言う。


夜叉忍軍


この男は夜叉忍軍の頭領であり、社長?そして?



「そろそろ俺、もう少し昼寝したいんだわ?だから始末させて貰うぞ?」


「ふざけるな!俺は最強なんだ!最強なんだ!最強なんだ!」


「最強ねぇ~そういうの疲れないか?俺はもう疲れたし、他に楽しい事見付けてしまったから勘弁だな?あはは!それに…」


(バサラの野郎はもういねぇしな…)


遠い目をする男に相手にれない青山は、ついにアレを取り出したのだ。


「お前達は纏めて俺が片付けてやる。この歪禅様より頂戴した最強のアイテムを使ってなぁー!」


それは蚩尤の玉子。これは凝縮した仲間達の命。これを食らう事で、その寿命と引き換えに最強の力を手に入れられると言うのだ。青山は玉子を喰らいながら、


「俺は最強だ。試合でも一度も負けた事がなかった。一度も負けた事がなかったんだ!アマチュアじゃ相手はいなかった。プロだって俺はスパーで倒してやった!俺はチャンピオンになるべき男なんだぁー!」


その身体が筋肉で盛り上がり握る拳が膨れ上がる。


「俺はチャンピオンとなる。地上全土を支配するチャンピオンになぁ?」


「勝手になれよ?ただよ…世の中には強い連中は山程いるもんだぜ?例えば…」


男は自分自身を指差し、


「俺とかな?」


化け物と化した青山が巨体でも素早い動きで迫り襲い掛かる。固めた拳からの連打の拳圧が男を吹き飛ばした。


「うがぁああ!」


吹き飛ばされ大木に直撃した男は、頭を擦りながら答える。


「イテテ…やはり歳かな?60キロダイエット成功して身体が軽くはなったが、現役みたいにはいかないな?イテテ…」


すると、配下の中から白髪の着物姿の娘が姿を現したのだ?


「愚かな御父様、誠に無様ですわ?さっさと片付けてしまいなさい。そして私を連れて来た謝礼に好きなだけ買い物に付き合い貢ぎなさい!」


「あはは…」


白髪の娘は男の実の娘のようだった。


「何だ?小娘連れて来ていたのか?戦場に?何処までもふざけた野郎だ!まぁ、良い。なら娘を目の前で始末して、泣き面を拝んでやるよ!」


青山は白髪の娘に向かって軌道を変えて襲い掛かる。


「あら?」


娘の眼前にまで迫った時、青山は振り下ろした拳が止められている事に気付く?


そこには男が娘を庇うように瞬間的に飛び出して刀を突き付け止めたのだ。


「いつの間に??」


慌てる青山に男は初めて怒りを見せる。


「俺の可愛い娘に手を出す男は誰であろうと…消す!」


それはもう戦士ではなく父親の顔で怒っていた。


「愚かな御父様?仕方ありません。私の神をお貸し致しますわ?」


「娘との共同作業だな?」


「ウザッ気持ち悪いですわ?愚かな御父様」



男は刀を振り払うと娘を抱えて距離を取り、着地と同時に印を結ぶ。


「お前、強い奴と戦いたいんだろ?悪いが俺は強いぜ?とてつもなくな!」



そして唱える真言は…


『オン・クロダノウ・ウン・ジャク・ソワカ!』



男の姿が神の姿へと変わっていく。


次回予告


謎の男の正体、その正体は?



※この男は第二部 「神を導きし救世主」にて登場しています。



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