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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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金剛仁王の果たす仕事!!


金剛仁王は先代の守護者である大徳力也より


守護者の責務を任せられる力を示した。


そして、蚩尤鬼王を前にして戦う!


俺は金剛仁王!


先代の守護者である大徳様に託された重い重責である守護者の任を受け止め、俺は総本山を必ず守り抜くと誓う!


俺は今、蚩尤鬼王の肉団子野郎を相手に戦っていた。肉団子野郎は玉子のような物を食らった後に突如今までよりも強大な力を見せたのだ。


「何らかのパワーアップアイテムか?自らの力で戦えぬ情けない者よ!」


「情けないのはお前の方だ!どれだけ何を言われようが死んだら意味がない。最後まで立っていられた方が勝者なのだ!」


「ならば、お前が情けない事実は変わらんな?なにせ勝者は俺だからだ!」


「ほざけ!人間がぁ!」


肉団子野郎は身体を丸めると鉄球のようになって宙に浮く。そして俺に向かって飛んで来たのだ!


「ふんぬぉ!」


俺は肉団子野郎を拳で殴り止めると、凄まじい衝撃が走る。


「まだまだ!こんなもんではないぞ?」


肉団子野郎は止まった状態から回転を始め俺の拳は弾かれた。拳を引いた俺は俺の周りを回転しながら逃げ場を塞ぐ鉄球に対して呼吸を吐き捨て構えをとる。


「回転する鉄球か?確かに近寄りにくいが、穴はある!」


俺は肉団子野郎に向かって駆け出すと、寸前で飛び上がり頭上から殴り付ける。それは回転の中心部。轟音を立てて肉団子野郎は地面に埋め込まれた。


「どうだ?」


すると肉団子野郎は地面から盛り上がって来て再び宙に浮かび上がる。


「ゲヘへ!痛くも痒くもないぞ?だけどムカついたから次はこれだ!」


肉団子野郎の身体から玉状の弾丸が飛散したのだ。俺は、


「金の錫杖!」


己の霊気を凝縮させて錫杖の形へと変えていく。更に懐から太陽神の加護の籠った数珠を絡めつけた。


神を殺す奴等の血に触れたら力を奪われ命まで持っていかれる。素手で攻撃するには危険なのだ。更に唯一神の中でも太陽神の力のみカミシニの血の影響が薄い事も実証済みだった。


「そんな玉ッコロ全て消し去ってやろう!」


俺は向かって来た弾丸を全て錫杖で弾き返す。


ん?


すると俺は咄嗟の判断で錫杖から手を離して投げ付けたのだ。


「これは!?」


錫杖には小さな虫みたいのがくっ付き、食い出していたのだ?これはさっきの肉団子野郎が飛ばした玉状の?それは一つ一つが虫のような生き物で、俺の作った錫杖だけでなく太陽神の加護付きの数珠まで食らっていたのだ。


「俺の可愛いコイツらは悪食でな?喰えないモノはなく、しかも栄養として俺に力が流れてくるんだぜ?」


「何だと!?」


小さな玉が地面を転がりながら俺に向かって来る。俺は飛び上がって移動すると本体が迫っていた。


「ぶっ潰してやる!」


俺は両腕を交差させて受け止めるが、そのまま弾き飛ばされた。


「うぐぐ…」


俺は地面に直撃して倒れるが直ぐに立ち上がろうとする。


が、そこに痛みを感じたのだ?


「!!」


落下した俺の足下には例の小さな虫が俺の足下から這い上がって来ていたのである。その数は無数と俺の全身を覆い、ついには動けなくなったのだ。


「お前は俺の可愛い連中の餌として蝕まれ、骨も残さず消えちまうんだよ!」


肉団子野郎は俺を仕留めた後、元の姿へと戻り座主様と晴明殿がいる本体に目を向ける。


「歪禅さんの話じゃ総本山の本体を潰せば軍を任せてくれるって言ってたよな?グヘへ!だったら俺が一番乗りだぞ!」


肉団子野郎は座主様に向かって進もうとした時、足下に重さを感じて立ち止まり原因を見る?


「なんじゃ?これは?」


気付くと肉団子野郎の足には霊気の縄が絡み付いていたのだ。


「こんなもんで俺が止められると思ったのか?こんなもん、ぷふぉーー!!」


口から血を混ぜた霧を吹き付けると縄は全て消えていく。こいつの血は霊気をも消し去るのだ。


だが、


「その縄は時間稼ぎのためだ!この俺が本気を見せるためのな?」


俺の声が群がる虫共が山になった場所から聞こえて来た途端、強烈な覇気が虫共を全て吹き飛ばして消滅させたのだ。


「何だと!?」


虫共の山の中から俺が姿を現すと、その背後に二体の魔神が仁王立ちしていた。


「今より俺の真の力を見せてやろう。この力はお前に引導を与えようぞ!」


仁王さんの周りから凄まじい神気が溢れだす。



「かつての守護者達は明王の力を借りていたが、俺のは執金剛神の力を借りる」


執金剛神とは二体の金剛力士が一つになった姿。


右手に『阿』の文字が浮かび上がり、左手に『吽』の文字が浮かび上がる。



「阿!ナマサマンダバ・サラナン・トラダリセイ・マカロシヤナキャナセサルバダタアギャタネン・クロソワカ!」


「吽!ナマサマンダバ・サラナン・ケイアビモキャ・マカハラセンダキャナヤキンジラヤ・サマセ・サマセ・マナサンマラ・ソワカ!」


「ヴァジュラダラ!オン・ウーン・ソワカ!」



二体の魔神が一体の更に強力な執金剛神へと合体すると、俺の体内へ再び吸収されていく。これは魔神と人間である俺との合体変化!



『執金剛神変化唯我独尊!』



その姿は二体の魔神が模された鎧を纏い、仁王立ちした俺の姿があった。


「こけおどしが!」


「こけおどしかどうかは今に解る!」


俺が拳を放つと、離れた場所にいる肉団子野郎がその拳圧に仰け反る。


「ウガッ!」


俺は更に拳を地面に向けて放つと、地割れが起きて虫共が埋もれていく。


「怪力無双!覇気の拳!」


肉団子野郎はよろめきながら立ち上がり、宙に浮かび上がって逃れる。


「何て馬鹿力だ?だが、お前の神力も俺の前では無力。全て喰らってやろう!」


肉団子野郎の口から再び虫共が吹き出されて弾丸の如く飛んで来た。


「俺は守護者の中でも完全防壁を誇る。虫ごときに崩れ落ちると思うな!」


俺は両手を交差させながら右手を天に、左手を地に構える。


『難攻不落・絶対防壁』


すると今度は両手を合わせるように叩く[猫だまし?]と、強烈な振動が飛んで来る虫共の軌道を逆行させ跳ね返したのである。


「神力を使わずとも力業でお前の攻撃を無効に出来るのだぞ?」


「馬鹿な!?」


神力を持つ者の天敵であるはずの蚩尤鬼王が、逆に力が通じずに攻撃出来ずに戸惑い始める。既に顔に余裕は消えていた。


「そうか…ならば俺も本気を…真の姿を見せてやろう。歪禅さんに止められていたが…もうそんな事は言ってられるか!それだけムカついたのだぞ!だが、こうなった俺は自我を忘れて暴れ回るからな?もうお前は勿論、他の連中も全滅だぁー!ぎゃはははは!」


肉団子野郎は宙に浮かび上がって行く。逃げるつもりか?違う。奴が向かった先は学園を覆う巨大な血塊の防壁だった。肉団子野郎は血塊の頂上に飛び降りると、みるみる同化していく。



「この血塊全てが俺の半身であり、俺の真の姿なのだぁ!さぁ?お前ら全員全滅だぁー!」



学園を覆っていた巨大な血塊が動き始めると、肉団子の姿へと変わっていく。それは見上げるほどの巨人であった。


「でかくなっただけか?そんなこけおどしが俺に通用すると思うか?」


俺は全神力を額の一点に集中させると、溢れ出す力が額へと集約されていき変化が解けていく。


「阿ぁあああ!」


突如、俺の額がばっくり裂けると、第三の瞳が出現したのだ。


『天地眼!』


この力は先代の守護者方があみ出した秘奥義。全ての神力を一点に凝縮させて爆発的な力を解放させる必殺技。この奥義は神の力を無効化させるカミシニをも消し去るのだ。


仁王さんの手には光輝く金剛杵が握られていたの。


『これが俺の最大奥義!天地眼・退魔金剛杵だぁー!!』



俺は見上げるほどの肉団子野郎に向かって、全ての力を一度に解放させ放った。


俺の一撃は巨大肉団子の身体を直撃し、その爆発は学園を覆っていた血塊[結界]事、消し去ったのだった。


「ふぅ~」


俺は全ての力を使い果て膝を付くと、俺に向かって隠れていた蚩尤鬼人が襲い掛かって来たのだ。


「!!」


だが、ソイツは一刀両断に?いや、二刀両断になって消滅した。


「仁王様?大丈夫でしょうか?後は私達にお任せください」


それは二人の男女であり、その手にはカミシニの血を吸った刀を所持していた。百魂刀を使う源義経と弁慶の転生者だった。



「あぁ、だが戦いは終わってはおらん。まだまだこれからだ!」


俺は一歩足を踏み出そうとするが、身体中に力が入らない?天地眼の奥義は強力であるがゆえに、その反動は一気に力を消耗する諸刃の剣。タイミングが必要だった。あの血塊を破壊するために先に使っていたら、本体であった肉団子が生きていれば再び再生していただろうし、肉団子のみを倒していても血塊は残っていたかもしれぬ。俺は天地眼の奥義を使うために肉団子が本体である確信と、血塊と一度に破壊する必要があったのだ。


「まだ戦いは終わってはおらん。俺はまだ戦えるぞ」


と、そんな俺の背後に座主様が現れ、


「仁王よ?お前はもう充分過ぎる働きをした。後は我々に任せ、休め?」


「しかし…」


「お前を失いたくないのだ。解ってくれぬか?」


「!!」


座主様の言葉に俺は胸が熱くなった。現在の座主様であられる蛇塚殿は先代より唯一生き残れた守護者なのだ。多くの仲間を失いながらも今の総本山を立て直し、悲しむ暇もない程の責務と俺なんかよりも比較にならない重圧があったであろう。俺もまた座主様を傍で見ていたから解る。



「あぁ、少し休ませて頂きます。座主様」


「うむ」


だが、俺だけでなく総本山には勇猛な猛者達が集っている。


この総本山。もはや俺だけでなく、ここにいる全ての戦士が守護者と呼ぶに相応しい信頼持てる仲間達であった。俺は仲間達を見回し、安心して後を任せられると戦線離脱したのだ。


だが、


俺達の帰るべき総本山が今、守護者不在の中で侵入した蚩尤鬼王の襲撃の危機にあった。


次回予告


守護者不在の総本山に迫る脅威!


再び、総本山は壊滅してしまうのか?

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