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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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吠えろ!坂上田村麻呂の底力爆発!!


坂上田村麻呂がゲスな黒川と激突!


しかし黒川の脅威的な力アップが!!



私は今、意識朦朧ダウン中の法子です。


坂上田村磨呂さんが私の代わりに歪禅と戦おうとしていた時、黒川がまたまた起き上がる。しかも自分の命を削る蚩尤卵なるアイテムを食べて更に強くなって…


その速度は田村磨呂さんをも圧倒し、しかも似たような強さの化け物が他に三体もいるって…


それって、つまり?



「つまり最後の砦のようだな?残り四体の化け物倒し、歪禅を始末すればチェックメイトだって事だ!」


ポジティブですね?



そして学園を覆う血塊の外でも、未だに中へ入れない総本山の皆がいたの。


そこには肉団子のような化け物が仁王さんと対峙していた。


しかも、仁王さんが押されていたの!


「あの者…先程とまでは桁違いに強くなっている?さっき何やら食べているように見えた卵のような物が原因か?」


「恐らく…」


座主様に晴明師匠が答える。二人は冷静に戦局を見ながらも内心は焦っていた。

だって、私の命が今日、この日間もなく消えると予言されていたから…


直ぐにでも駆け付け私の死の運命を変えるべく動きたかったはず。


しかし、目の前に現れた肉団子の化け物の後ろには学園を覆う程の血の結界[血塊]が行く手を塞いでいたの。先程はカミシニの力を持つ宮ちゃん達が血塊に穴を開けて突入出来たけれど、その穴も今は塞がってしまったの。


「やはり私が?」


「逸るな?晴明よ!お前は最後の要だ。直に救援が来る。それまで戦局を見ているのだ」


「解りました」


「それに、あの者ならこの状況をも覆せるはずだ!」


座主様にそこまで言わせる救援とは何者なのかしら?


「だが、その前に目の前の化け物共を全て駆逐する!」


座主様率いる総本山の精鋭の前には、血塊から抜け出して来る化け物を外に出さぬように戦っていたの。


「一匹足りとも狩り損ねるな!」


かつて総本山の襲撃の際に蚩尤の残党は各地へと散ってしまったの。奴らは気を持たないから居場所も突き止められずに受け身体制が続いたの。それが今、こうやって蚩尤の残党が一ヶ所に集まっている事は好機でもあったのよ。


そこにまさかの伝達が入る事になろうとは…


「座主様!総本山より緊急の伝令が入りました!」


「何事だ?」


「そ、総本山に!」



そして場所は再び私のいる学園屋上の戦場。


そこでは田村磨呂さんと黒川がバトルを繰り広げていたの。


しかし田村磨呂さんの一方的な攻撃を全て遊ぶように躱す黒川は完全に手玉に取っていたのよ。


「この野郎ぉ!」


しかし黒川のスピードは既に田村磨呂さんの動体視力で捉えられずに、かする事も出来ないでいる。


「どうしたい?総本山の守護者なんだろ?お前?全然大したことないよな?てか歪禅さんが総本山の連中は油断出来ないとか、特に守護者は脅威だと脅かすもんだから内心少しビビってたぜ?実際、過剰評価だったみたいだがな?ゲラゲラ!」


「持ち上げてくれていたんだな?歪禅!総本山に在籍していたから凄さが身に染みているんだな?」


二人の会話に歪禅が割り込み答える。


「確かに総本山の守護者は最強だ。だが、それは先代までの話!確かに晴明は恐るに値するが、元守護者の蛇塚は明王を失い、残りの三人の守護者はとるに足らんようだな?総本山、恐れるに足らず!」


「言いたい放題だな?」


「その総本山も今日を持って壊滅する」


「どういう意味だ?」


「総本山の守護者達が全て出払い、今の総本山は藻抜けの殻なのだろ?既に送り込んでいるのだよ。私の過去を葬るために刺客をな!」


「何だと!?」



その言葉通り、今や座主様も守護者も出払った総本山には、蚩尤鬼王が数体の部下を率いて向かっていたの。しかもソイツは、例の卵を手にしていたの。


青山 (アオヤマタケル)


人間だった頃の彼はアマチュアボクシングのチャンピオンで、最強を夢見ている正義感の強い高校生だった。卒業後はプロライセンスを取るかオリンピック候補として日本代表を目指すかで期待された優等生。


それが、今日…


突如、化け物の襲来に巻き込まれたの。彼は泣き叫ぶ女子生徒を庇って化け物に立ち向かった。


幼少よりボクシングを続け鍛えた拳は化け物に折られ、肘からもぎ取られた。その後も遊ばれるかのように両腕をもがれ、両足をもがれて泣き叫ぶ彼が運ばれた場所は歪禅のいる場所だった。


そして彼は死に間際に求めたのが最強への未練。


歪禅は彼を蚩尤鬼王として甦らせると、その前にいた四体の守護者の一体と戦わせたの。彼はその勝負に勝ち、新しい蚩尤鬼王の守護者として迎えられたの。その青山の最初に与えられた仕事が手薄となった総本山の壊滅だった。


既に総本山に降り立った青山に待機中の総本山の兵士達が錫杖を構え殴りかかる。


「容赦ないな?ついさっきまで人間だったんだぞ、俺は?手荒な真似をすると殴りますよ?」


瞬間、青山に接近した総本山の兵士が一瞬で消し飛び消滅したの!


それを目撃した他の兵士は印を結び捕縛術の準備をした目の前に?


「あっ!」


眼前に接近した青山に気付くと同時に先程の兵士と同じく消し飛んだ。それは青山の拳が振動し、直撃した者は長高速で揺さぶられて肉体が耐えられずに崩壊してしまうの。


「強い奴、出て来いよ?俺を相手に3ラウンド立ってられるような猛者がいるんだろ?総本山って所は!」



戦場は再び私と田村磨呂さんがいる屋上。


「どうした?手も足も出ないか?守護者さんは?所詮は肩書きだけか?ゲラゲラゲラゲラ」


「調子こくなよ?雑魚が!今から大逆転を見せてやる所だよ!」


「はぁ~?今さら強がっても恐くねぇし!」


「嘘か本当かは死んでから後悔しろ?蚊ァ!」



坂上田村磨呂さんは印を結び唱えると、田村磨呂さんの影から三体の鬼神が出現したの。それは田村磨呂さんの三体の守護鬼神。そして更に印を結び直して叫んだの!


『鬼神変化唯我独尊!』


すると三体の鬼神は再び田村磨呂さんに吸収されていき、爆発するような閃光が放たれた後に強烈な覇気を放った漆黒の鬼神鎧を纏った田村磨呂さんが立っていた。


「これからが本当の見せ場だ!後悔しろよ?こらァ!」


が、それでも黒川の動きを田村磨呂さんは受け身防戦でいたの。


「何だ~?大袈裟な事を言ったわりに防御を固めただけかよ?おぃ?」


「………」


田村磨呂さんは刀で攻撃を受け止めているけれど、少しずつ体力を奪われていく。僅かな動きで黒川の動きを予測し攻撃を受け止める。それは次第に全ての攻撃を受け止め始めた。


「まさか俺の動きが見えているのか?見切ったとか抜かすなよ?」


「教えてやらん!」


田村磨呂さんはサハヤの剣を鞘に納めると瞼を綴じる。田村磨呂さんの鬼神変化は三体の鬼神を自らの身体と一体とする。その効果は三体の鬼神の特異能力をも得られるの。大嶽丸の再生力に、八面大王の持つ念動力、そして悪路王の持つ能力は超視力なの。動体視力と数キロ離れた針の穴をも見て矢を射抜き通す眼力!


数度と攻撃を受け止め蝕まれる身体で立っていられるのは大嶽丸の再生力あってのもの。更に八面大王の念動力で自分自身を中心に重力をかけ僅かに黒川の動きを鈍らせていたの。そして悪路王の眼がついに黒川の動きを捉えた!


「待たせたな?今から逆襲してやろう。これが俺の底力だぁー!」


田村磨呂さんは悪路王の眼を通して黒川の動きをとらえ、握りしめたサハヤの剣を抜刀したの!!


「なぁー!?」


完全に油断していた黒川は自分自身の身体に迫るサハヤの剣を躱しきれずに、


「なぁ!?」


掌に凝縮した血の塊で受け止めたの!!


「残念だったな?ゲラゲラ!そんななまくら刀じゃ俺を斬れやしねぇよ!せっかくのチャンスも途切れた今、お前の勝機はもうないぜ?」


田村磨呂さんは顔を伏せたまま、笑みを見せる?


「何を笑ってんだ?お前は?」


意味の解らない黒川は次に田村磨呂さんの変化が解けて元の姿に変わるのを見て気付いたの。


「力尽きたか?バカめ!強がって威勢が良いだけのようだったな?馬鹿な奴ぅ~!」


けど、田村磨呂さんの眼は諦めた目をしていなかった。それどころか!!


『鬼神・天地眼!』


天地眼とは先代の守護者である三千院様がカミシニを倒すためにあみだした奥義。それは己に宿る明王神の力を額一点に集中させ一瞬だけ爆発的な力を開放させる必殺奥義!それを田村磨呂さんは己の三体の鬼神で応用したの。


受け止められたはずのサハヤの剣が爆発的な勢いで力を増して、黒川の血の盾に亀裂が入っていく。


「チョッ?チョッ?ま、待て、待ってくっ…」


「待たん!!」


言い切った時、吠えるようにサハヤの剣を円を描くように黒川の身体を一刀両断にしたの!


「うおおおおおおおおおおお!」



崩れる身体を再生しようとする黒川だったけれど、両断された箇所から塵となっていく。


「う、嘘?俺、俺がこんな男なんかに…殺されるなんて、あってたまるかぁー」


「あるんだよ!」


田村磨呂さんは唾を吐き捨てると、黒川は塵となって消滅したの。


これで、葉子を傷付けたあの糞野郎は死んだのね?


けど、田村磨呂さんはサハヤの剣を次の敵に向けて言い放つ。



「前座は済んだ。次はお前の番だぜ!歪禅!」



そう。まだ黒幕は残っていたの。歪禅!この襲撃の張本人であり、恐らく最も危険な相手が!



そんなこんな。


次回予告


総本山を守護者は坂上田村麻呂だけでない。


仁王もまた守護者なのだ!

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