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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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奇跡の魔眼!法子の特攻!!


鈴鹿御前に後を任せ、ついに法子が!


今、最終決戦が始まろうとしていた。


私は法子!


私は先を急ぎ、屋上を目指していたの。


もう後戻りはしない!


迷いはない!


必ず葉子を救い出す!



そして屋上の扉を開けた時、その先は再び異空間になっていたの。血塊で覆われた世界で待ち構えていたのは、あのムカつく黒川だった。そして僧侶の格好をした謎の男が一人?


もしかして奴が歪禅?この襲撃の黒幕!?


「どうやら来たようだな?待ちわびたぜ?お嬢ちゃん!」


「黒川!!お前、葉子をどうしたぁ!!」


怒り叫ぶ私に黒川は下卑た顔で答える。


「どうなったけかなぁ~?あはは。教えてやんない!ケラケラケラ!」


ふざける黒川に私は飛び出していた。片手に金の錫杖を振り上げると、


「お転婆なお嬢さんだ」


目の前に歪禅が結界の壁を作って私は弾かれたの。何とか着地して数珠を手に狙いを定めて構える。


『数珠連弾!』


手にした数珠を弾くと弾丸の如く歪禅と黒川に向かって放たれたの。


「ほぉ?なかなか腕の立つ娘のようだな?」


歪禅が結界の壁に向けて指を振ると、壁が強固になって重なっていく。


「くっ!」


私の数珠連弾は全て壁に弾かれて消えたの。


あの歪禅って奴…


強いわ?


その力は現在の守護者に匹敵すると鈴鹿御前さんが言っていたけど本当みたいね?


だけど、私は絶対に負けないわ!


私の強い決意を見た歪禅は私にある男の姿を被らせて見たの。


「まぁ…まさか?この小娘が?あの男の娘だと言うのか?なら、あの小娘が救世主なのだな!」


歪禅は私を見て確信する。


「ならば、あの小娘を捧げれば我が王が復活なされる!黒川よ?あの小娘を生け捕りにせよ!」


「へい!」


黒川は再び化け蚊の姿となって私の前に飛び出して来たの。私も金の錫杖を構えて迎え打つ。


「先ずはお前を倒して葉子を救うのが先決よ!」


「うぎゃはっ!ヤれるもんならやって見ろよ?お嬢ちゃん!」


黒川のスピードは先の戦いより速く、残像が幾つも出現して迫って来たの。


「私の言葉を聞いてなかったの?葉子は何処だと聞いてるのがわからないのかぁー!」


私は臆する事なく飛び出すと、無数の残像の中から本体の黒川をカウンターで金の錫杖で殴り飛ばしたの。弾き飛ばされた黒川は壁に衝突し埋もれる。


「!!」


驚く歪禅は私の異変に気付いていた。私の金色に光り輝く瞳に!


「救世主の魔眼…間違いない。あの娘こそ救世主の少女だ!」


確信を持った歪禅は絶対に私を手に入れようと、埋もれて動かなくなった黒川に近付き、口から伸ばした舌を突き刺して何かを注入したの?


直後、黒川が起き上がり立ち上がる。その姿は人の姿へと戻りつつも、それから感じる殺意は今までの比じゃなかったの。


「お前に新たな目覚めを与えよう。蚩尤鬼王二体分のエキスを注入してやったぞ?私のために善き働きを見せてみよ?」


「みなぎってきた…力が溢れそうだ。あの女をピィーする力が聳えたちそうだ!」


私は黒川の変化に冷静に感じ取っていた。今までとは比べようがない力が伝わる。


油断したら殺され…


「!!」


気付いた時、黒川は私の背後に立っていた。


「何をボォ~としてるんだい?まさか好きにして良いってことかい?」


「何をー!」


私の裏拳が空を切ると、黒川は私の真上から急降下して来たの。私は後方に躱すと、前方にいたはずの黒川が背後から私の髪を掴む。


「ノロノロだな?」


速すぎる?私の目でも捉えられないスピードなんて?


私は髪を掴まれた状態で地面に押し付けられたの。


「ぐぅ…」


「やはりお前最高だよな?腕の一本くらいへし折って食っても良いかな?」


一瞬、私の腕を掴む黒川の手に力が入るが、


「その娘は王が復活するための供物だ。勝手な真似は許さん」


歪禅の一言で黒川の掴む手が緩み、私はその一瞬の隙をついて黒川の顔面に蹴りを入れて脱出したの。


「このアマ!」


激怒する黒川に対して私は焦りを感じていた。それは奴が異常に強くなった事よりも、助けに来た葉子の姿が見えなかったから。


まさか…


嫌な予感が頭を廻る度に私は否定した。


『そんなはずあるわけない!』と…


不安と焦りが私に冷静な判断を鈍らせる。額から流れ落ちる汗が地面に付いたと同時に黒川が私に襲い掛かる。


「こなくそ~!」


私は金の錫杖を振り回し接近を阻むと、次に数珠を弾いて狙い撃つ。


「あははは!何処を狙ってるんだ?当たらないぞ?当てるってのは、こうやるんだ!」


黒川は掌から血の刃を作りあげると、私に向かってナイフ投げの要領で投げて来た。私は数珠を飛んで来る血のナイフに当てて落とす。


が、数本のナイフは私の飛ばした数珠をすり抜け私に向かって来る。


「だぁああああ!」


金の錫杖を回転させながらナイフを落として凌ぐけれど、黒川はまだ余裕だった。


「あんまり遊んでいると怒られそうだな?歪禅さん?あの小娘は生きていれば手足は折っても良いですよね?」


「仕方あるまい。好きにしろ!ただし殺すなよ?」


「へ~い!」


黒川は掌から血を垂らすと両手に蚊の針みたいな槍を二本作り出す。


『蚊針』


「これに触れたらどうなると思うかな?」


それは蚊のような本体を持つ黒川のイメージから、触れたら血を1滴残らずに吸い取るような不器に思われるわね?つまり危険!


私は警戒するけれど奴の動きは捉えられない。なら考えつく手段は肉を切らせて骨を断つ!しかないわよね?けど、もし私の身体が耐えられなかったら?仮りに上手くいって黒川に致命傷を与えたとしても、まだ歪禅が残っているわ?それに、そんな身体で葉子を探して見付けられるの?


不安しかなかった。


「けど、やるしかないわよね!」


私は動きを止めて覚悟を決めたの。


「どうした?観念したか?お望み通り手足を貰ってやるよ?そんで、お前の目の前でもぎ取った手足を舐め回してやるよ!ぎゃはははは!」


やっぱり外道で気持ち悪いわ!この糞野郎!


奴の攻撃を最小限で受け止め、身動きを止めてからの攻撃!作戦を頭の中で何度とシュミレーションし繰り返して準備し覚悟を決める。後はタイミングよ!


最初はやっぱり痛いだろうけど、我慢しなきゃ…多分、抉るように私に突き刺さるはずだわ…


恐いけど、恐くない!


痛そうだけど、痛くない!


多分、恐らく、うん、私、死なない!



ま、先ずは致命傷になる前に突き刺さった瞬間に奴の動きを押さえ付けて、それから一気に…


狩る!


黒川が間近まで接近して来ていた。突き出したストロー状の棒が私にスローモーションのように近づく。きっと集中力が極限に高まっているからね?もう寸前にまで接近しているのが解る!


来る…私の皮膚に奴の棒が突き刺さ…ん


『やっぱり、嫌ぁー!』



瞬間、目の前で黒川が勢いよく一回転して床に倒れ、脳天を打ち、手離したストロー状の棒を私はキャッチすると同時に黒川の喉仏に突き付けたの。


一瞬の大逆転??


実は私も驚いてる。だって無意識だもの。ミリ単位でも触れたくない私の嫌悪感が身体にしみ込んだ合気道の技の空気投げで黒川をひっくり返していたの。


コイツは生理的に受け付けないわ!まして私に入れるなんて絶対に無理!


「どう?今から死ぬ覚悟は良いかしら?」


「ま、待て?ちょっと待てよ?俺を殺したらお前の友人の居場所が解らなくなるぜ?良いのかよ?」


「お前を殺した後、くまなく探させて貰うわ?」


まるで悪役の台詞を殺意をこめる。


「待て?待て!待て!言う。言うから、ちょっと待て!なぁ?言うからちょっと待てよー!!」


黒川は私の後方を指差して言った。


「あそこに吊る下がった胃袋みたいのが吊る下がっているだろ?あそこだ!良いか?さっきお前が来る前に女を放り込んだんだ。急がないと死んじまうぜ?」


「!?」


瞬間的に私は黒川にトドメを刺すよりも先に飛び出していたの。


私が胃袋に向かって飛び出して解放された黒川は起き上がり叫ぶ!


「馬鹿めー!俺を殺す前に飛び出しやがった!この俺をコケにした事、痛いほど身体に教えてやるよ!」


が、身体に痛みを感じる?


黒川が起き上がると同時に飛んで来た自分のストロー状の武器[蚊針]が胸に突き刺さり串刺しになったのだ。


「あのアマ…」


私は一直線に胃袋間近へと飛び上がり、気持ち悪いけど黒川のもう片方のストロー状の武器で斬りつけたの。1撃!2撃!3撃!


繰り出す連撃は胃袋の表面を傷付けるだけで、破る事も出来ない?


早くしないと葉子が!もう目の前にいるのに!


焦るより考えろ!考えろ!考えろ!考えろ!考えろ!


その時、私は気付く…


考える時間が勿体ない。考えても駄目なら力ずくだと!!


『金色の魔眼ぁーん!!』


私は自分の不思議な力で無意識に発動していた力を、この時は気合いで強引に解放させたの!


瞬間、私の瞳が金色に光り輝き、爆発的な力が宿る。


「南無三!後はもう突っ走るだけよー!」


私は黒川のストロー状の武器を突き出しながら、胃袋に向かって特攻した。



「うおおおおおお!」


胃袋の中へと飛び込んだの…


沈黙の後、


中から光りが胃袋を破り裂くように爆発を起こして、中から私が葉子を抱き抱えて飛び降りる。


「はぁ…はぁ…」


私は着地と同時に葉子の安否を確かめた。


「!!」


そこには確かに葉子はいた。けれど、呼吸は無く、身体中が毒や火傷で蝕まれ、あの綺麗な葉子の姿はなかった…


「う…嘘!?」


私は顔を覆った。


「!!」


けれど、微かに葉子の脈拍を感じ、私は首を振って諦めなかった。


直ぐに人工呼吸をし、治癒の気を送る。


「全体に助ける!取り戻す!葉子は私が絶対に守るって約束したんだからー!」


瞬間、再び私の金色の魔眼が光り輝き、その光りは葉子の腕を掴む私の手から伝わるように葉子の剥き出しの肉や骨、皮膚を再生していく。それは正に奇跡の力だったの。


『再生の魔眼』


見る見る私の目の前で毒に蝕まれた葉子の身体が再生し、元の綺麗な葉子に戻っていく。そして全てが癒えたその時…


「何なんだよ?この女ぁ?死にかけた小娘を再生しやがった?何なんだ?何なんだよ?このチート女は!」


私の背後に黒川が立っていたの。しかも私に対して畏怖を感じ、このまま生かしていては脅威となりかねないと殺意がわく。


「歪禅さん?こいつは駄目だぁ~生かしていたらヤバすぎるよ?悪いが殺させて貰うぜ!」


黒川が蚊針を振り上げ私と葉子を背後から貫こうとしている。


けれど、私は立て続けの魔眼発動に指先一つ動く体力が残っていなかった。


せっかく葉子を助けられたと思ったのに、ここで終わりなの?私?


「死ねぇー!!」


黒川が突き出した蚊針が私を貫くと覚悟したその直後!


蚊針は寸前で弾かれ、黒川は何者かに蹴り飛ばされたの?


えっ?


すると私を寸前で助けた人は私の頭を撫でて言った。



「頑張ったな?鈴鹿に先を急げと急かされてな?ギリギリセーフだったぜ!」



その人は総本山の四人の守護者で、鈴鹿さんの愛する男性。私が知る、頼りになる大先輩の坂上田村磨呂さんだったの!



「お疲れさん。後は休んどけ?ここから先、ガキを守るのが大人の役目だろ?」


その言葉に私は涙を流して安堵し意識を失ったの。


そんなこんな


次回予告


またまた後戻り?


鈴鹿御前さんも戦っています。

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