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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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歪禅!そいつが現況!?


物語は再び襲撃された学園に戻り、追い込まれていた法子を守ったのは


鈴鹿御前だった。


私は法子。


私の危機に現れた鈴鹿御前さんは、元女教師だった蚩尤鬼神を相手にしていたの。それにしても鈴鹿御前さんって憧れるわ~


「能書きは良いわ?部外者が学園に入り込んだ事は後で校長に報告致します。その前に私が生徒の貴女を罰します!」


えっ?私?


「だから部外者は校舎から出て行きなさい!警察呼びますよ?」


この先生、言ってる事が無茶苦茶だわ!


私が構えると鈴鹿御前さんが答える。


「授業参観です。彼女の両親の代理で来ました」


「両親の代理ですって?」


すると女教師は手にした書類を見て、頭を数回振りながら納得して答える。


「確かに彼女の親御さんは御父様だけみたいですね?それでは貴女は…お若いですが再婚なさる新しい奥様ですか?」


「違います。私には別にお慕いしている主様がいます。彼女の御父様は私の恩人なのです」


「そうでしたか。何か複雑な家庭環境なんですね?それでした学園に入る許可を致します」


「有難うございます、先生」


すると女教師はニヤリと笑い出して妖しい瞳で見る。


「学園に入った以上、私の餌になるのが決まりました。今から頂きます!」


女教師の口が開くと巨大化していく。廊下を覆う程の大口が私達に迫る


「逃げ場がないわ?どうしたら鈴鹿さん?」


「逃げる?必要ないですわ?法子」


えっ?


鈴鹿御前さんは両手に黒い刃の短刀を構えると、同時に振り払う。漆黒の斬撃が天井と床を斬り裂きながら、目の前の大口が真っ二つに両断されたの!


「きゃああああ!」


血だらけの女教師が顔面を覆いながらふらつくと、既に鈴鹿御前さんが接近していた。


「御悔やみ申し上げます」


瞬間、女教師は全身が細切れになって、崩れ落ちる。


強いわ…


これが守護者に匹敵すると噂される鈴鹿御前さんの実力なのね?


「さて…」


鈴鹿御前さんは逸る私を制止させると、着替えるように言ったの?


「そんな暇ないわ!」


すると鈴鹿御前さんは説明する。私の血まみれの陰陽師の衣は蚩尤鬼神の血を浴びて障気に犯されていると。これでは思うように戦えないと教えてくれた。


「そうなの…ですか?」


私は仕方なく陰陽師の衣を脱ぎ捨て、保健室にあった学校の制服を拝借して着替えたの。


「全く無茶して…」


鈴鹿御前さんは私の傷に気を送って治癒をする。痛みが軽減し身体が軽くなる。手渡された即効薬を飲み込むと、私は苦い顔をしながら舌を出す。


「う~キツイわ~」


霊気が回復する薬で自然治癒を早める。しかし体力までは回復出来ないの。


「私は直ぐに行くわ!有難う。鈴鹿御前さん」


「私はこの学園を襲った張本人を主様と狩りに来たのです」


「張本人?」


そこで私は歪禅と呼ばれる男の名を初めて聞いたの。


「何者なんですか?」


「歪禅は総本山にいた僧侶でした。しかも先代の守護者様であられた三世院様の側近でした」


三世院様とは、話の通り先代の守護者様であり、晴明師匠の前に総本山を統括し、歴代総本山の守護者で断トツの実力者。しかも卑弥呼様の兄上様であった伝説の方なの。


その側近だった歪禅とは?


天才と称された三世院様の側近として役目で留守にする際に、総本山を任せられる信頼を寄せられていたの。それが、あの総本山壊滅の時に狂い始める。


歪禅もまた、あの襲来の時に総本山にいた。そして蚩尤鬼神の圧倒的な強さに叩きのめされたの。


それでも血まみれの歪禅は三世院様の安否を確かめるために占領された五重塔の中を駆け回り、ついに三世院様を見付けた。


「そんな馬鹿な…」


そこで目にしたのは三世院様の悲惨な亡骸だったの。歪禅様は放心状態で亡骸に近付くと、泣き叫びながら喚き散らす。今まで憧れ、負ける事など考えも付かない絶対に有り得ない三世院様の死を前にして今までの価値観が崩れ落ちる。


そこに化け物達が生き残っていた歪禅に気付き、近付いて来たの。


「まだ生き残ってる虫けらがいるぜ?」


「腹へった。食っちまおうぜ?」


と、襲い掛かる化け物にもう歪禅は戦う事が出来ずに逃げ迷う。


恐怖!恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖!


かなりの実力者でもあった歪禅であったが、恐怖が脅える歪禅を無力にさせた。

そして五重塔のてっぺんから無防備に飛び出して落下したの。


「あ、あぁぁあ…」


両足は潰れ、頸椎損傷。身動き出来ずに瓦礫の中に埋もれた歪禅は、それでも息を殺して隠れていた。


仲間達が死に物狂いに戦っている声がするが、歪禅は何も出来ないし、恐くて逃げる事も出来なかった。


微かな息漏れが、見付かるのではないかと更に恐怖が鼓動を上げ、それすらが更に恐怖を増していた。


そして取った行動が口を押し込め、窒息死だった。


これが歪禅の人としての死だった。


自分が無様に死んだ事に気付いたが、意識が残っている事に死とはこういう事なのかと考えていた歪禅に声が聞こえたのだ。


それは同じく死にかけた蚩尤鬼神の意識?その意識が歪禅の薄れた意識と繋がった時に、恐ろしき事が起きてしまったの。


歪禅と化け物の意識が同調し同化した時に、そこに新たな化け物。蚩尤鬼人が誕生してしまったの!


目覚めた歪禅は自分が何なのか解らなかった。死んだはずの肉体は目の前に転がり、化け物の身体に寄生した自分が起き上がる。


「あはは…あはは…私は生まれ変わったのだ!無力な人間から新たな生命に!私は選ばれたのだ!」


歪禅は目の前に転がっている自分の肉塊を食らうと、その姿が人の姿の歪禅の姿となる。



「身を潜めよう。やがて時が来よう。その日まで…」



歪禅の消息が消え、再び時が経ち動き出す。


新たな災いが再び総本山を脅かす!


その目的は、かつて総本山を壊滅させた蚩尤王の復活させ、王の復活後は邪魔な総本山を再び壊滅させる事だった。


そして噂で耳にした救世主の少女が王を目覚めさせる鍵だと知る。


救世主の少女はまだ高校生らしく、この近辺の学校に隠れ潜んでいると…


それが学校を中心に化け物が発生した理由。更に化け物は増殖し、新たな学校に侵入して生徒達を襲い続ける。


そして、今…



「私の学校に来たのね…」


頷く鈴鹿御前さんに私は怒りを込み上げる。


「それにしても救世主の少女って何者なのかしら…」


鈴鹿御前さんは「えっ?」って顔になったけれど、真実を全て告げるのは酷だと言葉を濁した。


私は鈴鹿御前さんから予備の術札と勾玉。数珠を貰ったの。


「これで戦えるわ!」


「本来なら貴女を連れ返すように言われていたけれど…」


「却下します!私の親友が捕まったの!直ぐに助け出さないと駄目なの!」


「なら、私が同行します。それなら良いですね?」


「あ、それなら私的には嬉しい限りなんだけど」


私と鈴鹿御前さんは再び戦場に飛び出すと、私達に気付いた化け物達が何処からともなく現れる。


「こんなに何処から?」


それが歪禅によって学校の生徒達が化け物にされていると私は知らされた。


「そんな事って…」


許せなかった。例え歪禅に対して少しでも同情出来るものがあったとしても、それは死んだ歪禅であって、これから待ち受ける化け物歪禅は敵以外なかった。


「先ずは葉子を助ける事が先だわ!」


私が目指す先は屋上にいる外道の黒川から葉子を救いだし、


「あの蚊野郎を殺虫罪の刑でぶん殴る!!」



その前に、目の前の化け物を倒してやるわ!


「待ちなさい。あの程度の者達に貴女が出る必要はないわ」


「えっ?」


化け物が鈴鹿御前さんの舞いのような動きを前にして一体、一体と倒れていく。


強すぎる鈴鹿御前さんだったけれど、突然動きが止まる?それは前方から迫る強力な存在が発する嫌な感じからだったの。


「どうやら一緒に行ってあげたかったけれど、少し時間がかかってしまいそうです。法子?先を急ぎなさい!」


「鈴鹿御前さん?」


前方から迫る強力な化け物は蚩尤鬼王だったの。


「総本山からの客って奴だよな?お姉さん?あはは…当たり引いてしまったわ!俺?」


そいつも黒川と同じくニュースで噂になった少年だった。人間だった頃の彼は酒飲みの父親の虐待にあい、母親は他の男を作り彼を残して家を出た。心が荒み、気付くと近所の野良猫や犬を罠にかけては、棒ガンで射った後にガソリンをかけて火をつけた。しかし学校では優等生で健全な少年を演じては証拠を残さずに弱者を虐める首謀格であった。金を集めさせ、煙草や薬、更に同級生の女子を売春させていたの。そんな彼だったけれど、自殺を謀った生徒がキッカケとなって警察が動き、捕まったの!


そんな彼の家からは父親の腐った遺体が見付かり、精神鑑定で彼は施設に運ばれる途中、自殺を謀った生徒の父親が移送中の彼の車にトラックを運転しぶつけたの。炎上する車の中で彼は思う…「何がいけなかったのか?何も悪くないだろ?悪いのは俺を認めない世の中だ!」それが彼の最期であり、新たな目覚めだった。彼にも歪禅が種を授けたの。甦った彼はしゆう鬼王として歪禅を慕い、右手として働き始める。


彼の名は榊原賢


「あの女を殺せば、また歪禅さんから一気に100ポイント貰えるんじゃね?一人殺して1ポイントは効率悪いって」


「使われて人を殺す事に喜びを感じているのですか?貴方は?」


「はぁ?変な事を言う女だな?人を殺すのもゲームでシューティングやるのも同じだろ?」


「そうですか。なら貴方にお悔やみは申し上げません。穢らわしい虫けらとして始末させていただきますわ」


「物騒なオバサンだな?あはは!殺ってみろよ?けど、オバサンからも臭うぜ?殺人者の臭いがプンプンとな?あはは!同属嫌悪ってやつか?あはは!」


「そうかもしれません。そして貴方に忠告しときます」


「何だよ?」


「24歳はまだ若いです。悪しからず!」


瞬間、鈴鹿御前さんの刃が斬撃のように振り払われると、榊原の身体が両断された…はずの身体が蝙蝠の姿へと変わる。


「!!」


しかも斬撃が蝙蝠の身体に触れる前に打ち消されたの?それは口から発する超音波だった。超音波は鈴鹿御前さんにまで届くと、衣が破けて身体から血を噴き出す。


「きゃあああ!」


鈴鹿御前さんが倒れた所に榊原蝙蝠が迫る。


「お前は私が斬る!」


私を先に行かせるために残った鈴鹿御前さんの戦いが始まる!



そんなこんな。


次回予告


法子の前に黒川が再び!


捕らわれた親友の葉子の安否は?

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