表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
73/713

総本山の危機!?坂上タムラの覚悟!


源頼光に斬られた坂上タムラ。


鈴鹿も浚われ、


総本山が頼光の陰謀の危機に!!


うっ、ハッ!


俺は坂上タムラ…


俺は身体を引きずりながら向かっていた。


その先は…


「こ、ここだ…確か…」


俺は総本山にある結界空洞に向かっていた。そこには退魔しきれない凶悪な魔物達が封じられていた。


俺は身体を引き摺りながら結界を破り、その奥へと入って行く。


「はぁ…はぁ…」


俺がここに来た理由は一つ。力を手に入れるためだ!あの源頼光をぶち倒すための力が!そのために先ずは酒呑童子が邪魔だ…


奴らは五重塔に向かったはず。俺にトドメを刺さなかった事を後悔させてやる!


俺は数々の突き出た結界石の中から、三つの巨石が固まった結界石を前にする。


「覚えている。この結界石に間違いねぇ…」


この結界石に封じられているのは、俺がよく知っている化け物だった。俺を長年苦しめ、命を狙っていた化け物。更に師匠や晴明さんに、あの男まで手こずらせた最悪の鬼神達!


「俺がお前達を再び蘇らせてやる!その代わり…」


俺は頼光に斬られ、自らの胸から流れる血を結界石に振り掛ける。


「ふふふ…」


すると結界石が揺れ初めて石に亀裂が入る。その隙間から障気が噴き出して、中より懐かしくも鳥肌が立つ化け物の姿が現れる。


「グルルル…」


三体の鬼神はかつて俺の命を狙っていた化け物。再び蘇らせて俺が何をしようって?


屈伏させる!


つまり奴等を俺が屈伏させ契約し俺の力とするんだ!


俺は以前、蛇塚師匠に連れられて先に守護者になった仁王の儀式を見せられた。


そこで仁王は一人でこの洞窟に入って行き、この中の魔神と契約を果たした。


その間、凄まじい覇気のぶつかり合いが洞窟の中から外へと伝わって来る。


「ビンビン伝わって来やがる?何て覇気だ…」


たまげる俺に蛇塚師匠は言った。


「よく見ておけ?いずれお前も…」


「えっ?」


それは俺がいずれ、この洞窟の魔神と契約する日が来るって事なのか?


出て来た仁王は傷だらけだった。だが、その目は確信に似た強さを得た感触に心奮わせ満ち溢れていた。


「俺はこの力を総本山に捧げようぞ!」


その誓いは、他の総本山の仲間達をも奮わせた。


俺もいつか…



だが、この契約は座主様から許可が必要であり、勝手に中に入る事は禁じられていた。だが、あの源頼光の酒呑童子もまたこの洞窟の中にいた魔神に違いない。奴もこの洞窟に入り契約を果たした…


俺は恐らく罰せられるだろう。


だが、今の俺が考え付く手段が他にねぇんだ!


許可を貰うにしては時間かかるし、許可なんか降りないだろう。


だったら強行突破だ!


俺は折れたソハヤの剣を手に目の前に現れた三体の鬼神の前に構える。


「さぁ?来いよ?とっととお前達を屈伏させて、やる事があるんだからよ!」


三体の鬼神達は俺を見るなり襲い掛かる。晴明さんから聞いた話だが、この三体は俺の転生前と因縁があるらしい。つまり昔の俺が斬った鬼なのだ。だったら今の俺も負ける気がしねぇ!


場所は変わる。


総本山の五重塔は突然起きた大地震に混乱していた。この地震は天災ではなく源頼光が五重塔を中心にかけた罠が発動したのだ。


「さて、お前達?今より古き者達を一掃し、天下を取る時が来たよ!」


頼光に従う四人の男達は手にした刀を手に付き従う。

頼光達は五重塔に足を踏み入れる。その中には仁王が一人待ち構えていた。


「どうやら今の地震はお前達の仕業のようだな?何だ?謀反か頼光?この俺を倒せる気でいるなら身の程を知れ!戯けが!」


「勇ましいですね?ですが先程の地震が何なのか解っていますよね?」


「………」


仁王の身体には重くのし掛かる呪詛がかけられていた。それは五重塔にかけられた結界。この中にいた者達全てに呪縛をかけたのだ。


「俺に敵わんとふざけた小細工をしおって!」


「敵わないかは別にして無駄な時間はかけたくなかっただけです。先輩?」


「待て!行かせぬぞ!」



すると四人の従者が仁王を囲み、刀を構える。


「さっさと片付けておけ!俺は上の階の蛇塚を殺る!」


配下に仁王を任せた頼光は階段を登って行く。


その階段の先に蛇塚さんは待っていた。


「やはり謀反を起こしたか?頼光よ…」


「知っていた素振りですね?それも巫女様の未来予知ですか?」


何も答えない蛇塚師匠に頼光は言葉を続ける。


「私はこの総本山を私の手で変えて見せよう!この総本山は生まれ変わるんだ!」


「お前にこの総本山を受け止められる覚悟があるのか?その覚悟が無ければお前は総本山を潰しかねん」


「覚悟とか必要有りませんよ?古いな?蛇塚さんは?もっと手っ取り早く、要領よく世界を手に入れれば良い話さ!」


「馬鹿者!総本山は支配者ではない!」


「交渉決裂。やはり古い思考のあんた達には理解出来ないでしょうね?だから総本山は私が手に入れる!」


「!!」


そこに頼光の背後に鈴鹿が姿を見せる。その目に光は無く、まるで意志がないように思えた。


「お前、その娘に何をした?」


「暴れるんで少し洗脳させて貰いました。この私に都合良く動く新たな総本山の巫女様としてね」


「どういう意味だ?」


「未来を見る巫女に何の価値がある?この女は邪魔な連中を黙らせる呪詛の力がある。簡単に世界を操れるんだ!簡単にな?」


「そんな真似はさせん!」


すると頼光の背後から酒呑童子が姿を現す。


「知っていますよ?蛇塚さんは以前の総本山崩壊の時に明王を失ってしまったんですよね?少なくとも、あの日より貴方から軍茶利明王を出した姿を見た者は一人もいない」


「それがどうした?」


「神の加護を失ったお前はもう守護者としての資格も力も無いんだよ!」



同時に酒呑童子が蛇塚師匠に襲い掛かる。鋭い手刀が鋭利な刃物と化して蛇塚師匠を襲う。


「渇!」


瞬間、酒呑童子が蛇塚師匠を中心に一回転、二回、三回と車輪のように回転し、そのまま床に叩きつけられる。


「くっ!仮にも元守護者の事は有りますね?でしたら私も力を見せなければなりません」


頼光は指に傷を付けると血が流れ、鞘から抜いた刀に染まる。すると、蛇塚師匠は顔が青ざめる?


「お前、その血は何だ?まさかお前!?」


「そのまさかです。私は手に入れたのですよ!神を殺すカミシニの血の力を!」


「何処までも外道に落ちぶれるつもりだ!」


「だから言ったでしょ?効率良く、要領よくやれば大いなる力も簡単に手に入るんですよ!」


頼光から振り払われた『銘刀・童子切安綱』の斬撃が蛇塚師匠を襲う。その斬撃は咄嗟に張った霊気の壁をも貫通し斬り裂く。


「ほら?やはり貴方はもう守護者失格!後は今総本山にいない晴明という抑止力さえ消えれば私の天下なんだよ!」


蛇塚師匠はそれでも戦う事を止めない。その目は決して折れない決意の目。この総本山を先代から任され守護して来た者の責任。


「さて、死ぬ覚悟は良いですか?今まで総本山を有難うございます。愚かな先人よ!」


頼光と酒呑童子が同時に蛇塚師匠に襲い掛かる。その直後、突然桁ましく壁が壊されて、そこから乱入して来た者が頼光と酒呑童子の攻撃から蛇塚師匠を庇ったのだ。


「邪魔者が?誰だ!」


すると、声が響き渡る。



「うちの師匠は俺が先にぶっ倒すんだよ?横入りしたければ先に俺を倒してからにするんだな?」


「キサマ!」


そこに現れたのは、この俺、坂田タムラだ!


「へへへ!危機一髪でしたね?師匠?」


「お前…」


「感動すか?」


「後で壁の修理代を請求するからな?」


「って、それはないでしょ~師匠??」


と、冗談…師匠は本気に見えるが、それは今は置いておくとしよう。


「誰かと思えば死に損ないか?生きていたのか?」


「お前を倒すために冥土の底から抜け出して来てやったぜ?土産持参でな!」


「だったら今度はその首を跳ねて、二度と迷わずに来れぬようにしてやろう!」


俺に向かって酒呑童子が頼光の指示に従い襲い掛かって来た。


対して俺は冷静に印を結ぶ。


「お前、その印はまさか?」


驚く蛇塚師匠と俺の前に三体の鬼神が出現したのだ!


屈伏させたぜ…


これからは俺の守護鬼神として仲良くやろうぜ?


『大獄丸』『悪路王』

『八面大王』


俺は三体の鬼神に指示をすると、酒呑童子に戦わせたのだ。


「グゥオオオオ!」


荒れ狂う酒呑童子に三体の鬼神は互角以上の力見せる。この三体の鬼神は俺と契約する時に魂に語りかけて来た。


《我々が認める主となれ!》


その返答は決まっていた。


「お前達は俺を信じろ?俺はお前達を背負う主となろう。信じてくれる分だけ俺も責任を果たそう!」


そして俺もまた折れたソハヤの剣で頼光に斬りかかる。しかし奴の剣はカミシニの血を交えた剣!


先も豆腐を斬るように俺の剣を斬り裂いた。


それでも俺は戦わねばならないのだ!


そんな俺の戦いに蛇塚師匠は歯痒い感じだった。


自らが戦えぬ現状に…


だが、感じたのだ?


懐かしき力の波動が蛇塚師匠の魂に呼び掛け、それに答えるかのように蛇塚師匠は本来、この五重塔の二階層を守護していた先代の守護者が残した遺品に目をやる。



「バサラさん…貴方は死んでも尚、総本山のために戦ってくれるのですか…」


蛇塚師匠は移動し二階層に保管されていた祭壇の箱から漆黒の短剣を取り出すと、


「タムラぁあああ!」


俺に向けて短剣を投げたのだ?たまらず俺は自分のソハヤの剣で短剣を受け止めると、触れた瞬間に閃光が走ったのだ!


「これは!?」


蛇塚師匠が投げた黒い刃の短剣は俺のサハヤの剣に触れ、同化していく。


そして閃光を放ちながら黒い刃の長刀として蘇ったのだ。


「何だよ?こりゃあ?」


「それは先代の守護者の遺品。カミシニの血を吸い魔剣の力とした名刀だ!その刀で思い存分戦え!タムラ!」


「カミシニの血すら我が物にした名刀か…すげぇ!これは負ける気がしねぇ!」


「ふざけるな!そんなつき焼き刀で何が出切る!?」


頼光の童子切安綱が俺に迫るが、俺も咄嗟に新生ソハヤの剣で受け止めた。光りが刃を伝い、刃溢れ一つしない。


「これは殺れる!」


「馬鹿な!?」


「後は腕次第だな?」


「ならば、それでも私が上だ!」


「どうだかなぁー!」



俺と頼光の剣が幾度となく激しく衝突し、お互いの命を奪い合う!


今こそ決着を付ける!



だがその直後、俺は背後から抑えられたのだ?


「!!」


意識を奪われ、操られた鈴鹿によって…

次回予告


坂上タムラと源頼光との一騎打ち!


そして、鈴鹿との・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ