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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主ロスト編!~始祖神滅の章~
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天界最高神とカミシニの神!

天界最高神である玉皇大帝とカミシニの神・楊戩。

この世界を分ける戦いが始まろうとしていた。

その者、若き青年の姿。

名高き凛々しき武神の名は、

二郎真君。

しかし姿こそ二郎真君であるが、その中身は異なる神が宿っていた。


玉皇大帝。


最高神たる玉皇大帝は、嘗て起きた神戦にて命を落としていた。

が、その魂は西王母にて補完され、甥である二郎真君の器へと移されたのだ。

そして蘇りし玉皇大帝は、復活を遂げた。

この復活は全て計算されていた。

二郎真君の持つ救世の魔眼を手に入れるための計画。


対するは、二郎真君と並び立つ武神として名高き、神才楊戩。

彼もまた蛇神族との戦いにて命を落とした。

だが、彼もまた復活を遂げた。

しかも、神を滅ぼすカミシニの神として。


並び立つ両神は対峙しながらお互いの領域から近付くこと叶わずにいた。


「不思議なものですね。真君の姿をした君(玉皇大帝)を目の当たりにするなんて」


楊戩は、そもそも玉皇大帝の聖獣だった。ハナタカダカと呼ばれた神鷹。

聖獣・華鷹駄伽が出現した時、それは神界が震えるほどの災いと危惧されたが、玉皇大帝によって御されたことで、契約を果たし守護聖獣となった。

その力を持った玉皇大帝は天界を統べし最高神として君臨した。


だが、聖獣・華鷹駄伽は玉皇大帝の聖獣として共に戦いぬく中で、玉皇大帝の身代わりとして命を落とし、その魂は新たな神鷹・宝天として幼少の二郎真君の前に現れた。


しかし運命は繰り返す。

幼少の二郎真君を守るために宝天は身代わりとなって瀕死の状態となったのだ。

そんな宝天に、幼き二郎真君は無意識に己の身体を二つに分け、新たな器を与えて生き延びさせた。


その後、聖獣としてではなく、人の身を持った楊戩と名を変え、その傍らで神友として共にいたのだった。

それは玉皇大帝も知る事になる。


運命の因果。


「華鷹駄伽●。いや、カミシニの神楊戩。私は世界を統べる王の責務として、お前を滅ぼさねばならぬ。それがお前を解き放った私の罰として」


玉皇大帝はゆっくりと楊戩に剣先を向ける。


「そのために甥である真君の身体を奪ったのですね。この私の持つカミシニの血をも焼き尽くす救世の魔眼を己のものとするために」


「そうだ。全ては私の過ちから始まったのだからな」


玉皇大帝は、甥である二郎真君の持つ救世の力(金色の魔眼)を手に入れるために、甥の身体を手に入れ、己の復活の器とした。

それも全ては、この日のために。


玉皇大帝と、楊戩の過去に何があったのか?

それは世界がまだ神々が地上界をも支配していた時代。 

支配下にあった神を模した「人間種」が反旗を翻したのだ。

人間は神の能力を失わせ、その魂をも消し去る能力を手に入れていた。   神力とは異なる血の力。

まるで手足の如く己の身体から流れる血を物質として操り、強化し、更には世界の理に対して特殊な歪みを起こした。

神が人間の餌食となる下克上。 

その頂点に君臨していたのが、この特殊な人間達カミシニを使役していたカミシニの神であった。


神と人間の生存をかけた神界大戦。

世界を創りし始祖神をも巻き込み、まさに世界の終わりが訪れようとしていた。そこに現れたのが、異界より現れし十二神(後の十二天)

その者達は金色の魔眼の能力を持って、カミシニ達と渡り合う。

神の能力を無力化させる天敵である血の能力に対して、魔眼は力を奪われるがなかったのだ。

まさに救世の力であった。


「あの力はいったい・・・!?」


カミシニに対抗出来る唯一の手段。

それを目の当たりにした。

大戦後、異界の十二神達はカミシニの神を世界の中心に封じた。


「あの力があれば」 


まさかその力を甥である幼き二郎真君が見せたのだ。


計画が過ぎる。

二郎真君の力を手に入れる計画が。

が、予想だにしない事件が起こる。

聖獣・華鷹駄伽が瀕死の状態になった時に、二郎真君が己の身体を分けて与えたのだ。後に二郎真君は金色の魔眼を開眼するが、それでは未完成。

分身体ではなく、完全な肉体でなけではならない。

このままでは計画に支障が出る。


 その後、玉皇大帝は計画を遂行する事もなく、新たな天界大戦にて命を落とす。が、その魂は妻の西王母によって補完されていた。

計画は西王母に引き継がれたのだ。西王母は玉皇大帝の魂を宿らせる器を手に入れようとした。救世の魔眼を持つ器を。


しかし救世の魔眼の覚醒は、死を限界に感じ、爆発する感情により覚醒める。そのような状況を作らないとならなかった。


その為に、西王母禁忌に手を出したのだ。

それが、封じられし蛇神族を呼び起こし、覇王を目覚めさせたのである。

それは世界をも慄えさせた。


同時に救世の覚醒者が幾人も現れたのだから、計画通りであった。


だが、やはり玉皇大帝の器として拒否反応を起こすことなく適応するのは、甥である二郎真君しかいなかった。


そして蛇神達の動きを陰ながら誘導させた。先ずは、分けられた二郎真君の身体を元に戻す。


蛇神との戦いで、楊戩が戦死した。

その魂(カミシニは遺伝子と呼ばれる核)を補完し時に備える。

同時に二郎真君は戦死した楊戩より、本来の分け身を戻して真の覚醒を遂げたのだ。


全てが計画通り。。。


蛇神達の大戦終局。

二郎真君は天界の反逆罪で追われる身となり、その身を捕らわれる。その後は、肉体を器として、玉皇大帝に与えられた。


玉皇大帝の復活である。

しかも二郎真君の救世の魔眼を手にした究極体として。


「全ては玉皇。貴方の筋書き通りと言うわけですね?」


「そうだな。しかし楊戩。お前は私が知る華鷹駄伽なのか?」


「そうですね〜。私は私。華鷹駄伽の記憶も、宝天の記憶も、楊戩として生きた記憶も持ち合わせしている・・・」


すると、楊戩の身体から血瘴気が噴き出したのだ。

そして妖しい瞳で玉皇大帝を見る。


「カミシニの始祖の記憶もね」


「お前の目的を聞こうか?」


「そんなの当たり前じゃないですか?私はカミシニ。その始祖たる私がすべき事は当然・・・」


『神と呼ばれる全てを無に』


楊戩の言葉に玉皇大帝は動じる事もなく、わかりきっていた回答に悲しい目を見せた。そして楊戩に対して返答した。


「楊戩。俺とまた一度一つとなろう!」



その言葉の意味とは?



次回予告


繰り広げられる戦いの最中、さらなる暗躍を知る者がした。

その記憶の中に、恐るべき未来が。。。

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