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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主ロスト編!~始祖神滅の章~
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女戦士最強決定戦の戦い??

西王母と九天玄女の戦いに割り込んだ竜吉公主により、

腕を斬り落とされた九天玄女。

二人の始祖の末裔を相手にどう戦うのか?



腕を斬り落とされた九天玄女は、西王母と竜吉公主の親子始祖神を共に相手にするのか?


「わくわくするわ。私がライバルと認めた相手に、私が育てた才能の逸材。両方一度に味わえるなんて、漲るわ」


片腕を落とされても、その戦意を失わない九天玄女だったが、この二人を同時に相手出来るわけない。


「母上、貴女にはまだやるべき事がありますよね。この場で倒れられては困ります。無粋ですが、ここから先は私が相手します」


「竜吉・・・」


西王母は宿敵との戦いへの割り込みに、己の誇りよりも優先する事があった。

それは夫である玉皇大帝を支える事。


「しかしお前では、まだ九天玄女を相手に戦えるほどの力はありません。彼女の才能は始祖神をも飲み込む程の、異端者なのですから」


「存じています。私も彼女に育てられ、彼女の力を身近で感じていたわ。その上で、私は戦うと言っているのです」


竜吉公主は倶利伽羅の王の一人。

命の駆け引きの中で、己の限界を超えて宿敵だった金霊聖母を倒すまで成長した。


「これは私の傲りではないわー!」


竜吉公主の力は、始祖の力を覚醒させて気合いだけで大地を震わせた。

その力に、西王母も驚愕した。


「才能ある事は気付いていた。私と主の娘ですもの。当然ですね」


「これから始まる改革のため、私は父上と母上に従います!だから、この戦いは敗北するわけにはいきません!」


「良いわ。なら、共に戦いましょう。私達の目的のために、彼女(九天玄女)は今や、この場で倒すべき障害でしかない」


西王母と竜吉公主が並び立つ。

その勢いを肌身で感じた九天玄女は、竜吉公主の失われたはずの腕を見て、問う。


「竜吉さん。失われた腕は再生したのですね?」


「倶利伽羅の呪いで失われた腕は二度と再生しないと思っていましたが、母上の蘇生治癒術で元に戻して貰いました」


「なるほど。再生しないのであれば、死者の腕を繋いだってことですか。その手がありましたね」


「九天玄女。貴女の腕は私が斬り落としました。元通りに再生するまでには時間がかかりましょう?その前に終わらせます」


「出来るか?お前に」


「当然です!貴女が育てたのですよ!この私の力をご存知でしょー!」



竜吉公主の姿が消えたかと思うと、一瞬で間合いに入り、九天玄女の眼前に槍を突き出していた。

紙一重で躱す九天玄女は、残る左腕で竜吉公主を掴んで押さえると、


「右腕が無くても、この私に勝てると思っているなら、まだ甘いですわ」


「そうですかな?先生!」


「!!」


竜吉公主の覇気が高まると、九天玄女の掴む腕が痺れて手を離す。


「成長しましたね。甘さが消えた。貴女本来の力が伝わって来ます。しかも完全に使いこなせているのですね」


「私も先生相手に中途半端な気持ちでやり合えるなんて思っていません。私は貴女を倒して、貴女が育ててくれた事に恥じない力で、今日、先生を倒させて貰います」


竜吉公主が斬りかかると、躱そうとする九天玄女の足下が固まり一瞬動きを止められた。


「この私を忘れては困ります」


「西王母さん!」


竜吉公主の三又の槍が九天玄女の胸元に突き出された時、

その槍は何者かの攻撃により弾かれたのだ。


「な、なにぃ!」


完全に仕留めたと思われた。

しかしその攻撃は、新たな乱入者に弾かれてしまった。その女は赤い衣を靡かせ、手にした鉄の扇を構えて自信満々と立っていた。



「手伝ってくださいなんて、言ってないですわよ?」


「二体一なんて卑怯よね?この私も貴女達の戦い見ていたらさ~。なんかこう無性に身体を動かしたくなったのよ!それに最強の女戦士になるためにも黙って見てられないのよね。だから、割り込み、ごめんなさい!」



その女戦士、鉄扇が最強の女達の戦いに乱入したのだった。

二対一の戦いになるかと思いきや、そこに鉄扇が割り込んで来た。



「鉄扇。私は一人でも宜しくてよ」


「別に私は貴女のために戦うのではないから!ただたんに、強い奴と戦いたいだけよ」


「うふふッ。鉄扇~貴女も好き者よね~。本当。そう言う所、好きよ」


「黙りなさい!」


すると鉄扇は腕を落とした九天玄女に、


「戦えるの?」


「腕を落としたのは二回目よ?問題ないです。せっかく再生したばかりだったのにね」



九天玄女は

仙女院国での戦いで、片腕を失った。

仙術治療で再生させるのに三年かかった。

だから、この戦いで瞬間再生なんて事は出来ないが、既に止血はされていた。

片腕無くとも、その戦闘力が衰えるどころか、先ほどよりも闘気が高まっていた。


「戦えば戦うほど強くなる。それが貴女の売りよね。まるで衰えてないわね。本当に化け物だわ」


「ありがと。鉄扇」


立ち上がる九天玄女と、目の前の敵に闘志を高める鉄扇。そして同じく西王母と竜吉公主が向かい合いながら闘気をぶつけ、激しく衝突しあっていた。


両者、四人は同時に動いた。

絡み合うように攻撃が交差し、激しく衝突する度に、大地が震えた。



「本当によくやるわね。鉄扇・・・」


玉面乙女は四人の戦いを前に足をすくませていた。


「妾は動けぬ。あの四人と妾では、格が違い過ぎるわ。悔しい。悔しい。サクヤ義姉様の仇も取れずに、妾は何をしているのじゃ」


竜吉公主の突き出す三又の槍を鉄の扇で受け止め、互いに力の勝負となる。


「邪魔はさせませんよ」


「それは、こっちの台詞よ!卑怯な真似をするなら、すれば良いわ。けど、私は見過ごせないのよ。あの九天玄女とは短い間だけど、手解き受けたからね!」


「あら、そう。なら私は貴女の兄弟子よ!」


「知らないわ!そんなのー!」



激しく衝突する三又の槍と、鉄の扇。

突きの連激を、受け流し、弾き返す。

鉄扇の動きから、無駄な動きが無くなっていた。潜在能力はあった。

金色の魔眼を持ち、溢れる力を持ち、力任せに突っ込む事が多くなっていた鉄扇だったが、九天玄女との組手を繰り返すうちに調教されていた。少しでも乱れれば尻を叩かれ、拳骨で頭を殴られた。

次第に洗練されていく鉄扇の動き。

そして目の前で教える九天玄女の動きが眼から離れなかった。完成された動きが目に焼き付き、その動きをイメージトレーニングしては、己の身体に落としこむ。



「まるで先生と戦っているみたいよ!貴女!」


「あんたは力に頼り過ぎよ!」


鉄扇は眼前に迫った槍を寸前で躱して間合いに入りこむと、


「芭蕉扇・鵺の雷」


「!!」


雷鳴が鳴り、竜吉公主の身体を襲う。


「くっ、うわぁああああ!」


が、直ぐに気合いで雷をはねのける。


「まだまだよ!芭蕉扇・風爆」


扇がれた突風が真空の波動となって、竜吉公主の身体を吹き飛ばした。


「くッ!」


竜吉公主は体勢を立て直すと、


「舐めるなぁーーー!」


爆発的に解放された力は、神々しくも眩い始祖神のオーラであった。


「本気のようね。良いわ。私は本気の貴女達と戦ってみたかったのよ!」


「手加減はしない。直ぐに楽にしてあげる」


竜吉公主の動きは、まるで瞬間移動だった。

気付いた時には鉄扇の背後に現れて、三又の槍を振り下ろしていた。


「上かぁ!グッウウ」


鉄扇は鉄の扇で受け止めると、その衝撃に押し潰されそうになる。

が、抜け出すように脱出すると、



「やっぱり強いわ。これが始祖の血縁ってわけね。けど、私の本気も見せてあげる」


鉄扇の白い皮膚が黒く変色していき、そして髪が鮮血のように真っ赤に変わっていく。


「羅刹変化・唯我独尊」


鉄扇もまた、戦闘に特化した魔神の血縁。

その血が活性化すると、魔神族の力が解放されるのだ。



「私達、始祖神が世界を支配していた時代。遠く永きに渡る新たな進化の中で、特出した能力を持つ者達が誕生してきたわ。その中でも蛇神族と龍神族に匹敵する一族が、魔神の一族。世代交代とか言わせないわ。私達、始祖の一族が最高神であることを証明してあげるわ」


「やりあえば分かるわ。私は全女妖怪のボス!いえ、女戦士最強になる女よ!」



誇りをかけた戦い。

プライドの高い意味で、互いに似た者同士でもあった。


我が儘な面でも。



次回予告


始祖の血縁の竜吉公主と、魔神族の血を持つ鉄扇。

この戦いの勝者は?

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