表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
7/711

女子高生危機一髪?二人の聖徳太子?


法子を救った聖徳太子の転生者の太子少年は一体、何者だったのか?


そして、本当に味方だったのか?


さて、私は法子。


それは突然起きた事件でした。あの夜、獏退治をした後も夢から覚めない事件は続いていたの。


私は被害にあった人達の部屋に忍び込んでは、同じように夢世界へ入った。


倒す手段はあったの。


とにかく獏が宿主に接近する前に獏自体を先に倒してしまう事!


私は術札を駆使し、夢の中の理を上手く使って獏を退治していた。


「ふぅ~これで終わりのようね?」


私が獏退治を終えて夢世界から出ようとした時?


「!!」


私は背後からの殺気に気付いて振り返る。


私が見た先には、私が知る人物が私を見ていたの?


「太子君?」


それは聖徳太子の転生者である太子君だった。


「また夢世界で会ったわね?でも遅かったわね?獏は私がもう退治したわよ?」


と、彼に近付こうとした時、私は背筋に寒気を感じて本能的に飛び退いたの!


直後、私のいた場所に剣が突き刺さった。


もし移動していなかったら、私は串刺しになっていたかも?


この夢世界には三つの注意がある。


1、夢の宿主を傷付けてはならない。

2、宿主が目を覚ます前に夢世界から脱出せねばならない。

3、夢世界で死んだら、それは現実での死である。



「ちょっと!どういうつもりよ?まさか獏を私が先に退治したからの嫉妬?冗談じゃすまないわよ!」


私が怒ると太子君は両手を振り上げる。すると剣の雨が私に向かって降って来たの??


「こなくそー!」


私は術札を絡ませて縄状にすると、振り回しながら剣の雨を全て弾き返した。


そして全ての剣の雨を防いだ後には、その場から太子君の姿は消えていたの。


「あっ…あんの、やろ~!何なのよ~!」



私は額に青筋をたてて怒り狂った。そして誓う。


「今度会ったら半殺す!」


私は怒り収まらない気持ちで夢世界から出ると、他に二件の獏退治を終えて自宅に帰ったの。


そこで、私は…


「!!」


私の家の前で学ラン姿の高校生が立っていたのを発見した?


誰?


もしかして、私のストーカーとか?


まさかね~


…ん?あれ?もしかして?


私は気付いた。


「聖 太子ぃー!!」


普段の飛鳥時代の衣装じゃなかったから最初は気付かなかったけど、あの学ランの彼は間違いないわ!私はダッシュして駆け出すと太子の胸ぐら掴んで殴りかかる。


かかる…はずが?


「えっ?」


太子君は私に胸元を掴まれたと同時に崩れるように膝をつき、私は反射的に支えていた。そこで私の支える手にべっとりと生暖かい液体が付いたの?


「これって血?」


倒れて意識を失った太子君を、仕方なく、意味も解らずに家の中に入れて治療したの。放っておくのは出来なかったしね?だけど、目覚めて元気になったら殴るからね?


家にはお父さんも勇斗もいなかったの?


まぁ、いたら変に騒ぐから丁度いいわ!


私は太子君の学ランを脱がせ治療を始める。


けど、傷がなかったの?でも血が流れているし?何なの?


そこで私は気付く。


もしかしたら?


私は霊気の意識を目に集中させると、改めて太子君の身体を見る。


「!!」


太子君の身体は傷だらけの重症だった。だけど、それは肉体の損傷ではなく魂の損傷の方だった。


「ウグゥ…グゥ…」


太子君は突然苦しみ出すと、突然、私の目の前で血を吐いて胸から血が噴き出させたの!


まさか?


私は気付く。これが魂の損傷である事と、夢世界での条件から導かれる答えは?


「太子君は、夢世界で何者かに襲われてる!!」


私は立ち上がると、印を結び行動した。


行動とは太子君の夢世界へと入るこむ事!


理由は解らないけど、急がないと…


「危険だわ!」


私は太子君の夢世界へと潜って行った。


私は太子君の夢世界の中に到着すると、そこは現代とはかけ離れた世界?まるでタイムスリップでもしたかのような世界…テレビやドラマなんかで見るような飛鳥時代の世界だった。


「ここは太子君の夢?」



嘘じゃ…なかったの?


虚言じゃなかったの?



まるで見て来たかのようなリアルな飛鳥時代の風景だった。しかも今まで入った夢よりもリアル感が半端なく、これは夢術師が見ている夢だからなのかな?と、思った。


そこで私は飛鳥時代の衣替えをした。


そこで夢の世界を歩き情報収集をする。


夢の世界は下手に外部の者が弄くると、宿主に影響を与えてしまうみたい。以前では私は夢世界で滅茶苦茶やったせいで、ちょっと大変だったみたいなの…


記憶障害


知らなかったとは言え、私は深く反省した。運が良かった事に太子君がアフターフォローしてくれたから大事にはならなかったのだけど、夢世界もナイーブなのよ?


そして私は太子君の夢世界が歴史の教科書通りに時が進んでいる事に驚く。


彼の夢は彼の記憶?


前世での記憶なの?



私は宮殿に夢の中の太子君を見付けると、霊体を飛ばして覗き見る。


574年、橘豊日皇子と穴穂部間人皇女との間に産まれた。


当時は厩戸皇子(うまやどのみこ、うまやどのおうじ)と呼ばれていた。


ここは面倒だから聖徳太子さんと統一しとくわね?


後に請願を聞く儀式の時に10人の全ての人が発した言葉を漏らさず、また子供36人の話を同時に聞き取れ、豊聡耳…豊かな耳や、頭が良いと言われる逸話があった。


が、実際は?


「先に皆の夢に入って情報を知っていれば容易いもんな~しかも、勝手に持ち上げてくれるし~」


既に夢術師の力に目覚めていた聖徳太子は、その力を要領よく政治に使っていた。伝説にもある蘇我馬子と物部守屋の戦争で、精強な物部氏の兵に対し四天王の像を作り、勝てれば仏搭を作り仏法を広めると祈願すると見事に勝利を手にした。


「あれは敵軍を前日に奴等の夢に入って悪夢を見させ不眠症にし、更に仲間達に仏像に祈願させて意欲を高めて勝ったに過ぎない~上手くいって良かったよ?うん。これで私の功績も上がり安泰だな~」


と、本当に要領良く仲間達の考えを先に夢で知り、己の力で政治を回し上手く出世していた。


「さてと~」


こんな調子良い聖徳太子であったが、片岡山に遊行した時に、飢えて倒れていた民を見て、己の衣を脱ぎ与え、更に食物を与えた。


が、翌日に使者よりその民は飢えで死んでいたと聞いた。太子君は嘆き悲しみ、その亡骸を手厚く埋葬したの。そして与え汚れた己の衣を再び身につけた。


「この国は…悲劇の国」


その後、太子君は政治に己の人生をかけた。更に神社や仏像を数多く奉り、更には遣隋使を派遣し外交も行った。


そして役人を個人を対象に格付けし、「冠位十二階」を定め天皇政治を行う。その後、憲法17条によりルールを作った。


日本の基盤を作ったような彼であったが、49歳の時に妃の死を看取った翌日に亡くなった。



「これは歴史の教科書通りよね?太子君が夢術師だった事以外は?だけど…何だろう?死の真相が気になるわ…」



私が再び太子君の夢を覗き見ようとした時、私は背後に気配を感じたの!


「!!」


そこにいたのは太子君?この夢を見ている太子君の本体だった。


私は太子君に向かって叱り飛ばす!


「ちょっと!どういうつもりよ?私に攻撃して来たかと思えば、今度は怪我した状態で現れて!何か理由があるなら言いなさいよ!言い訳くらい聞いてあげるわよ?鬼じゃないんだから!でも、一回は殴らせてよね?礼儀として!腹の虫が収まらないし?」


そんな私に向かって太子君は微笑んで返す?


「何?何なの?笑って誤魔化すつもりじゃないわよね?」


すると太子君は無言でゆっくりと私に向かって近付いて来たの?


そして目の前に立って止まると、


「何よ?」


睨む私に向かって手を伸ばして来たの?


その時、離れた場所から叫ぶ声が?



「そやつから離れよー!法子さーん!」


「!!」


それは私の知る声であり、反射的に目の前の太子君から私は飛び退いて距離を取ったの!そして声の主を見て私は驚く?嘘?そこにいたのは太子君?


「太子君がふ…二人?」


私の目の前に太子君が二人いたのよ?


つまりどちらか偽物なんだよね?


だけど…


二人の太子君からは同じ存在感を感じたの?瓜二つとか、双子とかそういう問題でもなく、それは二人とも同一人物としか思えなかったの?


だけど…


私は傷だらけの、私を助けた太子君に向かって駆け出すと、その胸元を掴んで怒鳴る。


「あんた!何なのよ?何があったのよ?何よ?その怪我は?」


質問責めの私に太子君は頼りない顔でへたりこむ。


「あはは…私を信じてくれて嬉しいよ…」


「そんな事より、奴は何者?どうして太子君とそっくりなのよ?化けるにしても他人の空似にしては本人過ぎるでしょ?」


「あはは…怪我人にあんまり質問攻めにされても順を追って話すから、今は!」




すると太子君は指を鳴らすと、空から風船が落ちて来て割れると煙が視界を覆ったのよ。同時に私は腕を掴まれ引っ張られる。


そして離れた場所の、物置小屋に腰をおろすと息を潜め気配を消す。



「で、何なの?って、大丈夫?」


落ち着いたと同時に太子君は青ざめた顔で息が荒くなり、私の目の前で意識を失ったの。夢の中でも意識を失える事に私は新たな発見をした。と、そんな事を考えてる場合じゃないわ!


私は太子君に霊気を注ぎ込み、魂の治癒を施す。


少し落ち着いた時に太子君は意識を取り戻し、私の手を掴むと、私は嫌そうな顔で太子君を見下ろした。



「別にセクハラじゃないですから!それより、状況を説明するに、この方が手っ取り早いので…少し我慢してください…」


私は頷くと、太子君の記憶が私に流れ込んで来たの。


それは現世でごく普通に学生生活を送る太子君の目の前に謎の男が現れたの。太子君の目の前に現れたのは、自分に瓜二つの男で、意味解らない事を言って襲って来たの。


「永らく探しましたよ?厩戸皇子皇子!」


その瓜二つの自分に押されると太子君は走って来たトラックに轢かれ、そのまま事故にあった。


しかし…


奇跡的に命を取り止めた太子君は、その意識不明の状態の時に長い夢を見たの。その夢は自分が聖徳太子の転生者であった夢。意識を取り戻した後、それこそ夢だと思ってはいたが…自らに聖徳太子が使っていた夢術師としての能力が覚醒している事に気付いたの。


最初は夢術師の力を使い遊んでいた太子君だったけれど、再び夢の中で自分が死んだ理由を知る。


それが死にかけた事故に繋がり、現世でも命を狙われている事を理解した。



このままでは身の危険が…


だけじゃない!奴は必ず自分の身近な者達も手にかけるに違いない…


現世の家族や友人達までも…



「…あの時みたいに!」



そして決心した。


どうせ逃げても一生追ってくるなら、自分から奴を見つけ出して先に倒してやると!それに自分にならそれが出来るのだと!


それから太子君は夢術師として修行を初める。


そもそも転生前に使っていた能力だから飲み込みも才能もあった。


そして旅をしながら宿敵を追ったみたいなの。


奴は必ず再び自分と戦うだろう。


転生前からの宿命!


奴には痕跡があった。


獏を使い、人間を襲い精気を奪いながら…


この現世まで生き永らえた化け物!


宿敵…



蘇我入鹿!!



今、現世に蘇我一族と聖徳太子の因縁が再び勃発するのか……かな?


と、とんでもない話に巻き込まれた女子高生?


取り敢えず主役は私ですからね?



うん。


そんなこんな


次回予告


聖徳太子の歴史を学ぶ法子は、そこで隠された歴史の真相を知る?


もしかしたらテスト出るかもよ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ