孫悟空と桜を守護する戦士達!
総本山での総力戦は始まった。
そして孫悟空の前に立ちはだかったのは?
俺様は孫悟空だぜ!
俺様は4人相手に交戦していた。
奴らは法子が仲間と認めた桜って娘を護る守護者らしいが、俺様も法子を護る主人公様だぜ!負けるわけねぇーよ!
「燃え盛れ、朱雀の炎を纏いし赤龍の業火・朱刀龍手!」
赤龍朱雀が掌に凝縮させた高熱の手刀で俺様に斬りかかる。
「チッ!!」
見た目よりも破壊力ある攻撃だな。
一点集中型の至近攻撃か。
下手に攻撃を受けたら、俺様でも危ないかもな。
だが、俺様は退かぬ!
「面白い。相手になってるぜ!」
俺様は石化させた拳をスリスリさせて摩擦熱を起こし、燃え上がる拳で赤龍朱雀の手刀に合わせるように拳を衝突させた。
「俺様仙闘流・火流多!」
衝突した炎が俺様と赤龍朱雀の間で波紋を広げて光熱を発した。
「退かぬなら、黒焦げになっちまうぞ?」
「チッ!」
先に防御に入ったのは赤龍朱雀の方だった。
どうやら人の身では俺様のような妖怪の耐久力はないらしい。
互いの攻撃の余波に巻き込まれる前に攻撃の手を止めたのだ。
しかしそこに白龍白虎が俺様の頭上から踵落としで攻撃を仕掛けて来て、咄嗟にバク転して躱して逃れる。
「不意打ちか?」
「ヒュー。フゥー」
「呼吸?」
すると白龍白虎は口から吹き出すように真空の弾丸を撃って来たのだ。
「おっと~」
俺様は躱すと、背中越しにあった大木が貫通して風穴が空いた。
「まだまだだ!」
白龍白虎の突き上げた拳に雷が発生して、雷を纏う白虎のオーラが出現する。
「白虎雷通」
その踏み込みは雷が落ちたかのような桁ましい轟音を立て、まるで雷が俺様に向かって来るように突進して来たのだ。
「俺様とやり合うなら相手になるぜ」
俺様は腰を下げて構え、掌に気流を集中させると、
『俺様流・虎穴』
真空の拳を突き出した。
雷と真空の虎が衝突し、お互いに拳が衝突しあったまま止まる。
「マジかよ」
白龍白虎の奴は衝突した余波に全身を傷付きながらも、退かずにまだ俺様に牙をむく。
大した闘争心だが、相手が悪かったな?
相手は俺様だぜ!
俺様は衝突する力をずらすように力を抜くと、崩れるように体勢が下がった白龍白虎の手首を掴んで放り投げてやった。
「そこそこ戦えるようだが、百戦錬磨の俺様相手には分が悪かったようだな」
俺様は余裕を噛まして残りの二人を相手に、まだ戦うのか?と、睨んでやった。
「当然だ。俺達は我が主である桜のために戦うのが宿命。この命が失われようと、最期の最後まで戦う。たとえ敵わぬお前のような相手でもな」
双龍青龍は俺様の力の差を知った上で両手に二本の青龍刀を握り構えた。
「やはり戦うのか。でもよ。この俺様もあんまり長く時間をくれてやれないのでな。でも、多分お前達を殺してしまうと法子に殴られるから、手加減して本気でぶん殴り気絶でもさせてやるぜ」
と、片腕を出した時だった。
「お前、油断大敵だぞ?」
「へっ?」
背後に飛び出して来た黒龍玄武が俺様の身体に触れて通り過ぎると、
「ぬぅ~あっあああ!」
俺様の身体にのし掛かる重さに俺様は膝をついて動けなくなったのだ。
「重力の負荷かかかか??」
俺様を中心に陥没する地面に、俺様は動きを止められると、その俺様を見下ろす四人の姿を見上げて俺様は思った。
(もしかして油断して負けるなんてないよな~?この俺様?)
そんな俺様に容赦なく襲い掛かろうとする四人は、動けぬ俺様に向けて己の最大級の大技を同時に仕掛けようとしていた。
待て待て待て待て!ちょっと待て~
仕方なく、俺様も本気になる。
俺様は妖気を全開に解放させて、この押し潰すような重さの中で立ち上がり、叫んだ。
「いい加減にして、止めろぉお!」
「!!」「!!」「!!」「!!」
俺様の言葉は響くように四人の動きを止めたのだ。
「な、何だ?何をした?お前!か、身体が動かないぞ」
「何かの術か?幻術か何かの?」
「言霊のような能力かもしれん。奴の言葉を聞いた途端に力が抜けたぞ」
「俺の負荷した力まで解除させられた」
自由になった俺様は、腕を回しながら答えてやった。
「言霊?術だぁ~?そんなもんやってねぇ~よ!ただ、そうだな。お前達と俺様は既に主従関係にある間柄だからかもな。お前達は覚えてないだろうが、お前らの魂に宿る連中が俺様を相手に喧嘩する事を拒んでいるのだ」
「何だとぉ!そんな馬鹿な!俺達の主は桜だけだ!お前のようなアホ面の妖怪なんか主とは認めん!」
「誰がアホ面だぁ?コラァー!」
と、まぁ~落ち着いて。
俺様は感じていたのだ。
この四人の中に眠る魂の気配に。
その魂とは、俺様の魂と繋がれた四人の聖獣の王達であった。
先の戦いで俺様の転生前の姿で現れた美猴王と戦い、俺様の魂から引き離された聖獣の王達。
それが奴らから感じられるのだ。
「久しいな。朱雀、玄武、青龍に白虎」
俺様の言葉は四人の敵意を奪い、そして無意識に瞳から涙を流させたのだ。
「信じられない。この者の言葉は俺達の魂にまで響いているようだ・・・」
「俺達はこの者とは戦えないのか?本当に俺達の魂に眠る聖獣と主従関係にある者なのか?そんなことが」
「赤龍朱雀!白龍白虎!だからと言って、今の俺達は桜の守護者だ!俺達が戦わないと、あのエリスに桜の魂が完全に消されてしまうのだぞ!」
三人の言葉から俺様も状況が分かって来た。
「聞かせてくれねぇか?あの桜って娘に何が起きたのか?」
その質問に双龍青龍が答えた。
「その話は俺からさせて貰う」
俺様は四人から聞かされたのは、俺様と法子を守る為に結界を張って助けてくれた桜のその後の話だった。
次回予告
法子達を救うべく力を使い果たした黄龍の巫女・桜
彼女の身に何が起きたのか?




