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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生夢幻現世回帰編!
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夢世界で総バトル!目覚めし彼女は?

法子達は再び総本山に向かった。


この先に待ち構えているのは、神々との戦いだった。

私は法子よ。


私は孫悟空、アータル、姜子牙君に勇斗と丹生さんを連れて総本山に向かった。


着いてみると、そこは完全に異空間のようになっていたの。

恐らく一般人の目には見えないと思うけれど、霊力のある者の目には総本山を中心に空高く光の結界が施されていた。

しかもヒュプノス神達の張った結界は並大抵の攻撃ではびくともしない厚さだったの。

私は隣にいる孫悟空に確認してみた。


「これじゃあ。下手に近付いたら直ぐにバレバレよね?やっぱり」


「良いんじゃねぇ?真っ向から正面突破で行けば良いじゃねぇか」


「けど、この結界どうする?簡単には中に入れそうにないけれど」


「それはお任せください」



すると姜子牙君が前に出て、その手に握る鞭を抜いたの。


「打神鞭!」


音を立てて目の前の結界に衝突すると、結界の壁に簡単に穴が開いた。



「神族の結界なら、どんだけ厚くともカミシニの能力の前では無効なので」


「そうだったわね。助かるわ」



カミシニの能力。

敵にするには恐ろしく感じるけれど、味方になると便利な仲間よね。


けど、


私は結界の中に入るなり体内の霊気を掌に集中させ、棒状に伸ばして金の錫杖を構成する。

そして、構えると同時に叫ぶ。



「皆!もう相手のテイトリーよ!」


「おぅ!」


皆は周りから現れた化け物に警戒する。

それは血塗れの獣や、この総本山で命を失った兵士達の屍が、己の意思と関係なく襲って来たの。



「死者を操り襲わせるとは、死者への冒涜!このアータルのジャスティスが許さん」


アータルは掌を合わせて瞼を綴じると、その掌の空間に閃光が放たれたの。

その光は温かく、そして優しかった。



「亡者となりし者達よ。ジャスティスの神炎に身を任せ、永遠に眠れ」



閃光を浴びた死者の身体が朽ちるように粉と化し、そして跡形もなく消えていく。


「あれってば浄化の炎かしら?」


「三蔵が使う炎に似ているぜ」



すると今度は空中から私達に向かって声が響いた。

人影が三体。

その姿には見覚えがあったの。



「ゴミ掃除にはゴミ任せのつもりだったが役にたたないな。なら、見せてやろう。我らの神の力を」


ヒュプノス神の子供達と呼ばれる神子。

夢を形にするモルペウス、悪夢を見せるポベートールに、非現実的な夢を操るパンタソスだった。すると私達の立っている場所が揺らいで地面が盛り上がっていく。



「何ぃ、あいつらって夢を操るのよね?どうしてリアルの世界で能力を使えるのよ!」


「きっとこのヒュプノス神達が造った結界の中が、その夢の世界と繋がる空間なのだと思いますわ」



丹生さんの説明に、私は納得する。



「この空間、とてもあの異界の神達の能力を何倍にも使えるような有利な世界になっているようね。私の張る拘束結界とは全く異なる術式だわ」



丹生さんは術式結界が得意らしく、この手の空間結界に対して驚いていた。



「つまり面倒な結界ってわけね」


「ならば、私がその結界とやらを壊しに行くのが一番効率良さそうだな」


「姜子牙君?」


「私なら結界の張られている場所に行けば、この結界を元から壊せると思うぞ。それで良いか?法子よ」


「うん。頼んで良いかな?」


「恩は返すと言ったであろう。任せよ」


「任せた!」


「しかし結界の位置が分からぬ。何処に行けば良いのか・・・」


「あちゃ~駄目じゃん!」


「いや、それは、すまぬ」



そこに丹生さんが割って入る。



「そういう事なら私が案内するわ。ここから西の方に結界の気が集約されている力を感じますわ。付いてきてくださる?」


「おぉ。それは心強い」


そして姜子牙君と丹生さんが先に行けるように、私と孫悟空、アータルが道を切り開く。そして優斗が太い木の枝を飛び上がりながら登り、ヒュプノス神の三使徒に向けて攻撃を仕掛ける。



「オン・アミリティ・ソワカ!」


その身が軍荼利明王の姿へと変化すると、二匹の紅蛇が三使徒に襲いかかる。

その姿を見た孫悟空が驚いていた。



「あの姿は三蔵の能力?どうして三蔵の明王をアイツが変化出来るのだ?」


詳しくは省くけれど、説明すると長くなるから今は、この話はこっちに置いておくね。


「さてと、決戦だぜ!」


迫り来るは砂煙をあげる戦車。

そして大砲を放つと、孫悟空が拳で殴り返して爆発する。


「ふんぬぉ??」


真っ黒になる孫悟空に、私は気を付けるように伝えると、如意棒を手にして叫ぶ。



「伸びろぉー如意棒!」



伸びる如意棒が戦車を貫通し、爆発が起きると、今度は空中から戦闘飛行機が私達に向かって空爆して来たの。



「爆発物など、私の神炎には無力」


アータルが神炎を落下する爆弾を先に灰と化して消し去ると、辺りが静まりかえった。



「何と出鱈目な連中だ。しかし俺の能力の前には関係あるまい」


パンタソスが能力を発動させると、私達の立っている場所の風景が変わっていく。


「今度は何よ!?」


すると沈むように私達の足場が無くなり、水の中へと沈んだの。


「!!」


その場所は何もない海の真ん中だった。

私達は足場を無くして海の中に沈むと、飛び上がっていた優斗も落下しながら海の中に飛び込み沈む。


「このまま渦の中に沈め」


海流の速さが増して、鳴門海峡のような渦に飲み込まれた私達は海流に沈んでいく。


「うぐぅ~(溺れる)」


その瞬間、



『パン!』


手を叩く音が響き渡る。


「えっ?」


溺れていたはずの私達は次の瞬間には元の足場のある総本山の真ん中に座り込んでいたの。



「間に合いましたね~。この世界はどうやら私にとっても居心地良い世界のようですね」



その場に颯爽と現れたのは、飛鳥時代の衣装に身を包んだ聖太子君だったの。



「この私に夢能力は効きませんよ。そういうわけで手助けに参りましたよ。法子さん」


「太子くん!遅いわよ」


「そう言わないでくださいます~?私もずっと捕らわれていたのですから。突然、この結界が張られた事で逆に力を手に入れ、脱獄出来たのですから。その後は同じく捕らわれていた仲間達を救出して今に至るわけで。結構、苦労していたのですから~」



すると太子君によって救出された総本山の精鋭達が武装して、太子君の後ろから現れたの。



「法子さん。助っ人は多いに超したことはないでしょ?」


「ナイス・タイミングよ」


「後は、あの三人は私に任せて貰いましょう。夢には夢を!このグレードアップした聖徳太子の転生者、聖太子がお相手致します」



そこに優斗が太子君の隣に立つと、



「夢使いの能力者は接近戦は苦手だろ?俺がお前のフォローするから、思いっきり戦ってくれ」


「あ、有り難うございます」



そうなると~



「後は任せて良いわね?私達は先に向かわせて貰うわよ」



私と孫悟空、アータルは総本山の中心部にある五重の塔に向かって先を急ぐ。

恐らく間違いなく、そこにヒュプノス神含む兄弟神達や、晴明師匠がいるはず。


闇に墜ちたこの世界の安倍晴明師匠を救う事が、フォン君から託されたお願い。

そしてそれは私とて同じ願い。

たとえ別世界の晴明師匠でも、悪に染まる姿のまま放置なんて出来ないわ。




そして先に向かう私と孫悟空、アータル。

五重塔がある場所は幾重にも張られた結界の中心部にあるけれど、子供の頃から立ち入ってた場所だから案内無しでも向かえるわ。

獣道をすり抜けるように飛び出すと、五重塔へと繋がる長い石階段があった。



「この先にあるわ」


「おい、法子」


「何、孫悟空?」


「あそこに誰か倒れているぜ」


「えっ?」



私は大木に倒れるように眠っている少女の姿を見て、慌てて駆けつけたの。



「桜さん!」


その娘は、先の戦いで離れ離れになっていた黄龍の巫女・桜さんだった。

私は駆け寄ると、倒れている桜さんを抱き抱えようとした・・・


「ウッ!」


その時、私は本当に本当に無意識に身体が本能的に動いて、桜さんが突き出した剣を紙一重で躱して倒れたの。



「な、何をするの?桜さん?」


すると立ち上がった桜さんが怪しい瞳を見せて笑みを浮かべた。



「惜しかったわ。その顔を一突きにしてあげようと思ったのにな」


「何を言ってるの?まさか離れ離れにした事を怒っているの?それとも頭打ったとか?ねぇ、桜さん?正気になってよ」


「桜・・・じゃないわ。私は」


「えっ?」



すると桜さんは剣を私に向けて、振り上げる。



「私の名はエリス!邪神エリスよ!」



振り下ろされた剣を、私は錫杖で受け止めて堪える。



「一体、どういう事なの?」



本当にどういう事??


そんなこんな。

次回予告


法子の前の桜は、自分のい事をエリスと名乗った。


まさか邪神エリスの復活?


なら、本者の桜は?

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