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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生夢幻現世回帰編!
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守られし者たち・・・

恭介達は、特殊な能力を持つ勇斗と丹生と合流することが出来た。

しかし、タミネタもまた直ぐ近くに迫っていたのだ。


俺は恭介。

助けを求めて、妙應学園にいる少年を頼った。

しかしタミネタがこの場所にまで追って来てしまったのだ。

皆が同じ部屋に集まった所で、


「勇斗さん。あの化け物が来たのですか?なら逃げないと」


「心配しないで良いよ。それから敬語はいらない。貴方のが歳上だし、それに俺のことは勇斗で構わない」  


「あ、有り難う。それで化け物が来たんだよな?どうしたら」

 

「手は打っている」



勇斗は冷静に答えると彼と同い年くらいの女子の、丹生朱水さんに目配せする。



「大丈夫ですわ。この神社の周りには私の張った結界に守られていますから」


「結界?」


まるでアニメやゲームの世界だった。

本当に結界なんて存在するのか?


「私は銀使い。私の銀が神社を中心に鳥籠のように覆っていますのよ」


その結界は確かに張られていた。

タミネタは銀の檻の外から中に入れずに動きを止められいたのだから。


「でも、いつまでもこの場にいても仕方ないだろ?どうすれば」


焦る俺は、そこで気付く。

自分よりも歳が若い学生に頼り切り、何も出来ない自分の無力さを感じた。



「仕方ないですわ。今、あなた達のいる現状は普通の人間が立ち入れる境界線の裏の戦いですから。そして私達は裏の世界を生業としている特殊な存在なのですわ」


「あぁ。俺達はもう君達に縋るしかない。頼むよ。俺達を助けてくれ」


「気にしなくても良いですわ」



すると丹生さんは印を結ぶと、その結界がさらに頑丈になりタミネタの侵入を防ぐ。

タミネタも俺達の気配が結界の中から感じるのに入り込めない事に苛立ちを感じていた。


守られるだけなんて・・・


すると、カスミが俺の袖を引っ張り見つめて来た。

恐いのか?そうだろう。俺も恐い。


「大丈夫。お前も、皆も俺が守る」

「うぅん。違うの」

「何が違うんだ?」

「あのね。こんな状況なのに。不謹慎だと思うけど嬉しいの」

「はっ?」

「私達は今、守られているって状況が」

「あっ・・・」


その言葉の意味が俺にも分かった。

俺達は誰にも守られずに、世の中を諦めるように身を潜めて生きてきた。

だから縁で知り合った仲間達が唯一の救い。

友達がいれば、この抑え込まれるような世の中を生きていけると思っていた。

自分達の事は自分達で守らないと、誰も守ってはくれないのだからと。


「俺達は守られているのか。今」


すると、頼りの二人が怪訝な顔をしていた。



「あら?困ったわ。勇斗」

「どうした?」

「あの化け物。以前見たときより力をかなり増してるわ。結界が保たないかも」

「そうか、なら俺が出る」

「頼める?私は結界を張っているから手が離せないから」

「任せろ。救援が来るまでに俺があの化け物を倒してしまうかもな」

「油断大敵よ」

「上等!」



その会話をきいて、


「待てよ!戦うのか?あんな化け物と?」


「心配はいらない。俺達は化け物と戦う力を持つ」


「!!」



すると勇斗は部屋の襖を開けて出て行く。



「大丈夫なのか?勇斗くんは?」


「大丈夫。彼は神の転生者だから心配はいらないと思うわ」


「神様の転生者??」


「そうよ。私もだけどね。ふふっ」



全く持って信じられない。

神様の生まれ変わり?

厨二病とかじゃないよな?



「一人で大丈夫なのか?」


「う〜ん。どうだろう。あの化け物もかなり力を増してるから。でも、そろそろ此処に来るはずだから。救援がね」


「救援が来るのか!?」



そして単独、結界の外に出てタミネタの前に現れた勇斗は、目の前にいるタミネタの姿を見て少し戸惑ってしまった。



「コイツは俺の想像を超えていたな」



タミネタも勇斗の姿を見て言葉を発す。



「一人か?お前ボッチか?お前見たことあるぞ。あの人間を大量に喰らった場所で邪魔をした愚民だな?また邪魔をするのか。良かろう!この俺がお前をけちょんけちょんにしてやるんだからね!」


タミネタの口調は変だった。

大量の人間を喰らい、その大量の思考を吸収した事で意識に何かしらのバグが生じていたのだ。既に最初のタミネタとは別物の生物。

目的こそ西王母より与えられた姜子牙の奪還ではあるが、別の意思もあった。 



「アニメに漫画にゲーム!アイドルに大量の遊戯の宝庫がわんさか。この世界はおもしれ~よ!」



タミネタは大量のヲタクを取り込んだ事で、その規格外の妄想エネルギーに意識を奪われ一度は自我崩壊した。そして新たに蘇ったタミネタは進化したのだ。



「我が名はヲタ。新世界の王なり」


「・・・」



勇斗は背すじに寒気が走った。

何だろう。

この悪寒は?恐怖なのか?


「俺にはそういうの分からないが、とにかくお前は存在していてはいかないようだ」


「私の存在を否定するな!私こそ有り余るヲタ力を有効活用させ、この島国日本を高度成長化させる基礎を作る。そして働かなくても生きていける世界にするんだ!アニメや漫画家、ゲーム、娯楽関係者以外は全て餌にして、そして世界を支配し、新世界の神となるのだ。お前とは娯楽の趣味が違うようだから、俺の養分となり礎となれ」


「あ〜お前の言葉の意味が何も頭に入って来ないわ〜。もう結構だ!」


すると勇斗は印を結び、



「オン・アミリティ・ウン・パッタ!」



そして腕を交差させると、その姿は魔神と化す。

とぐろを巻く二匹の蛇を巻いた軍荼利明王の姿へと。


二人の戦いが始まった頃、俺は考えていた。



「救援って、一体誰が?」



そして、確かに直ぐ近くにまで向かって来ていた。


その救援者が。



次回予告


救援者とは、当然法子達の事だった。

彼女達は今、何をしていたのか?

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