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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
68/711

最強の鬼神復活?坂上タムラの戦い!


鬼女を斬るために少年はマヌケな僧侶を出し抜き、


単身、戦いを挑む!


そして目の前に、ついに!


俺は坂上 タムラ!


俺は変な連中に鬼神達を押し付けて、自分に呪いをかけた張本人の首を狙い屋敷に殴り込んだ。


俺は次々と襖を蹴破り、ついに狙う首を見つけた。


俺を呪うなんてフザケタ奴は自分の手で始末する。だが、その前にその面を見せやがれ?


「!!」


俺はソイツの肩を強引に引っ張ると、顔が見える。

ソイツは半面の仮面を被った女だった。


確か鈴鹿山の鬼女と、呪術者達が死に際に言ってたよな?コイツに間違いない!

すると、仮面が外れてソイツの面が露になった。


ウッ!


ソイツの半面は醜くく爛れたような?まるで腐った臭いがした。


「気持ち悪い女だ!」


女は慌てて落ちた仮面を付け直すと、俺を睨み付けていた。


「お前、何者だ?」


「何者だはねぇだろ?お前が俺を呪っていた張本人だよな?俺にかけた呪いを解け!さもないと女であろうと殺す!」


「そうか…」


「そうか…じゃ、ねぇ!俺はマジだぞ?俺を見くびるなよ?」


刀を女の白い首に突き付ける。


「殺したいなら殺せば良いだろ?お前に出来るならな?」


「頭来たぁ!あの世で後悔しろや!」


俺が刀を振り上げた瞬間、俺の身体が金縛りにあったのだ?いや、背後に現れた鬼が俺の身体を押さえ付けたのだ。刀が手から落ちて床に刺さる。


「私を殺せる者がいたら殺せば良い。ただしそれは不可能。私は鬼に守られているのだからな?」


「マジに鬼女か…」


そこに、俺の入って来た事に気付いた何者かが入って来たのだ。


「侵入者が入り込んだようだな?」


「お父様…」



親父だと?


ソイツは神主のような姿で部屋に入って来ると、捕らえられた俺に気付きニヤリと笑う。


「ん?知っているぞ?お前、坂田組の小倅か?」


「テメェ、誰だよ?」


「口の聞き方が悪いガキだ。お前の父親も儂にたてつきおったから目にもの見せてやろうと、小倅に鬼を仕向け始末してやるつもりが生きているとはな?しぶとい生命力だ」


「お前が黒幕か?」


「小僧には関係ない。お前の命と引き換えに、お前の親父に組の権利譲渡を出していたが、何だ?お前の父親がガキを送ったって事は捨てられたか?」


「違う!親父は俺を信じてよこしたんだ!」



そう。俺がここに来る事は知られてはいけなかった。呪いがかけられた状態で地下牢から抜け出せはしない。何か代わりが必要だったのだ。親父は俺にこの御神刀を持たせると、組の連中の止めるのを無視して自ら俺の呪いを引き受けたのだ。今頃、親父は俺の代わりに苦しんでいるに違いない!だから、俺は一刻も早く呪いを解かねばならないんだ!そのために…


あの鬼女を殺る!


だが、俺は身動きが出来ないまま見えない鬼に押さえつけられていた。


「呪いを父親が引き受けているのか?なら、もう必要ない。父親も、このガキも始末してしまえ?」


「………」


父親の命令に鬼女は黙ったまま頷く。すると、辺り一帯が霧に包まれて鬼が実体化した。醜くも恐怖の象徴である鬼が俺を持ち上げて、


「うぎゃああああ!」


頭から引き裂かれた。


鬼女の父親の高笑いが響き渡り俺は意識が消えた。



死んだのか?


俺は?



気付いた時、俺は布団の上に寝かされていた?


「俺は死んだんじゃ?」


起き上がると、背後に気配がある事に気付く。


「鬼!」


俺は自分の刀を探したが手元にはなかった。このままでは鬼になぶり殺されてしまうだけだ!


が、鬼は微動だにしないで俺に答えた。しかも、その声は例の鬼女のものだった。


《慌てるな?死んではおらぬ。父には幻を見せてお前を助けた。二度と情けはせん。死にたくなければ父に見つからぬように逃げるが良い?》


なぁ?俺は助けられたのか?この鬼女に?何故?


だが、俺は返す。


「俺が逃げたら俺の親父はどうなる?俺の呪いを代わりに受けている親父は!」


答えなかった。つまり親父は死ぬって事だな?


「なら、俺は逃げるわけにはいかねぇよ!」


俺は立ち上がると、何か武器になるような物を探してみた。そこには祀りに使う弓と矢があっただけだったが何もないより良いと手にした。


「待ってろよ?鬼女!助けられたこの命でテメェに引導をくれてやる!」


俺は部屋を抜け出すと、そこは今、俺が出たはずの部屋の中だった。


「何?俺は間違いなく…」


俺が出た部屋を見ると、そこは闇に消えてなくなっていた。


「幻か?これも?」


俺は何度も部屋から出ようと襖を蹴破るが、最初の部屋からは出られなかった。

息をきらし、もう何時間も動き回り、ついに座り込んでしまう。


「何か出る方法を考えろ?何かあるはずだ!」


「!!」


その時、この部屋にあったはずの何かが消えている事に気付く。


何処に消えた?


それは俺を動かずに黙って見ていた鬼の姿だった。襲って来なかったから忘れていたが、あの鬼が幻の現況じゃないのか?


俺は考えても埒あかないと瞼を綴じて意識を集中させた。物音はしないか?気配はしないか?殺気は感じないか?何か感じたら、そこに鬼はいるはずだ!


沈黙の中で、俺は今まで生きて来た中で一番の集中力を高めていた。その中で俺は異様な何かを感じたのだ?これは何だ?


瞼の先の闇の中で、ぼんやりと薄い光が陽炎のように見える?


あの陽炎は?


考えるより先に俺は弓を構えて矢を射っていた!


「!!」


幻が消えていく?その中心に例の鬼の額に矢が突き刺さっていた。


幻が消えて、俺は自分が感じたのが生命エネルギーなのだと…ずっと後になって知る事になる。


「とにかくここを出るのが先だ!」



俺が脱出を試みていたその同時刻。


「蛇塚~マジに面倒いぞ?コイツら~」


倒しても倒しても復活する英雄鬼神を相手に、例の二人の僧侶が苦戦していた。


「結界で拘束するにも三体を同時に封じないと駄目ぽいぞ?コイツら!」


一体を結界に閉じ込める事に成功したのだが、どうやらこの鬼神達は魂で繋がっているために、一体でも残っていれば結界から別の鬼神の身体を通って抜け出してくるようなのだ。


「三体を同時に結界に入れるなんて…お前が二体やれよ?」


「無茶言うな!」



と、そんな二人に対して別の誰かの声が?


「苦労しているようなら助太刀しようか?二人とも?」


二人は声のした方を振り向くと、そこには髪の長い陰陽師姿の男がいた。


「晴明!」


その男は美女と見違える程の美形で、過去に実在した安倍晴明の転生者。後の総本山の統括参謀となる安倍晴明だった。


「どうしてお前が、ここに?」


「私も驚きだよ。まさか二人に出会すなんてな」


「まさか卑弥呼が援軍にお前を寄越したのか?」


「いや、残念だが私は別件でここへ来たのだ」


「取り敢えず二人とも?この鬼神を何とかしないか?」


金髪の僧侶に言われ、三人は横並びに印を結ぶ。


「久しぶりに連携だ!」


三人は結界の印を結ぶと襲い掛かる三体の鬼神の周りに霊気の壁を幾つも張る。道を塞ぎ、出口を奪い、更に結界で鬼神達の力を失わせていく。


『封神結界!』


三人が更に力を込めると、目の前には三体の鬼神が結晶の中に閉じ込められた状態で固まっていた。


「取り敢えず足止め程度だがな?」


「この鬼神と契約している者を倒さない限り、再び蘇ってくるでしょうね」


「そんじゃあ、先に進むとするか?お前ら!」



三体の鬼神を倒した凄腕の三人もまた、屋敷の中へと入っていく。


しかし、この屋敷の中では今、恐ろしき計画が行われようとしていたのだ。そこは屋敷の奥にある体育館並の広さのある祭壇のある場所だった。


「これより最強の鬼神を目覚めさせるのだ!」


最強の鬼神?


それは呪い神と呼ばれ、日本で三本の指に数えられている鬼神だった。


儀式の祭壇の中心に例の女がいた。この女は父親の命令に従い、闇の中に開いた穴に念を送る。すると下等な鬼が何体も飛び出して来たのだ。


「このような小物ではない!呪いで儂の邪魔する者を全て排除してやるのだ!その為にお前の力で伝説の鬼を目覚めさせるのだ!」


娘は更に呪いの術を強めていくと、顔の仮面が外れて火傷のように爛れた顔が露になる。


「うっ…」


膝と腕を付いた娘の顔から血が垂れて、吐血した。


「何を休んでいる?頑張らんか!」


娘は父親に頷くと再び穴に向かって念を籠める。気付くと百体以上の鬼達が娘に膝をつき頭を垂れていた。鬼どもは、この鬼女には逆らえないらしい。


そして結界の中にいる父親は妖しい笑みを見せて状況を楽しんでいた。


「鬼が実在し使役出来るなんて知ったのは本当に拾い物だったわ。しかも娘が鬼を自由に操れるなんて神の与えた儂への褒美だよ!」


かつて何も知らないこの男の前に鬼に憑かれた娘を助けた僧侶がいた。その僧侶は人間でありながら鬼を退け、多額の請求書の返しに魔除けの札を渡したという。


「万が一また鬼に憑かれたとしても、この魔除け札があれば大丈夫!一枚百万で売ってやるぜ?」


父親はぼったくりと解ってはいたが、背に腹は変えられずに購入した。


しかし?その魔除けの札の中に、別の札が一枚混じっていたのだ。それは使役の札。つまり鬼を自由に操れる札だった。と、言っても素人には只の紙切れに過ぎないが、この娘には素質があったのだ。


鬼を使役する素質が!


それが発端。父親はその娘の力を使い、邪魔な組織や組を黙らせて支配下に置いた。邪魔をしようものなら祟り殺し、鬼を送って始末させていた。そんな父親の暴挙に嫌気をさした妻は娘と引き離そうとしたが、父親によって殺されたのだ。



「儂の邪魔はさせん!安心しろ?娘はいずれ支配者になるのだ!そして儂こそ支配者の父として君臨してやるぞ!あはははは!」



心が腐った父親だったが娘は逆らえなかった。何故ならそれでも血を分けた自分の父親なのだから…


既に群がる鬼の巣窟となったこの場所に、例の穴から強烈な負の念が押し寄せながら向かって来たのだ。



「ノロエ~ノロエ~ノロエ~ノロエ~!」



そのナニかが発する声は小物の鬼でさえ耳を塞ぎ悶え苦しみ、力のある鬼達には逆に力を与えていく。


「いよいよ現世に蘇るぞ!儂を王へと導く最強の鬼神が!」




今、この鈴鹿山に邪悪にて呪いの権化たる鬼神が蘇ろうとしていた。



次回予告


現れし最強の鬼神とは?


坂上タムラは?


鬼女とともに波乱の予感!

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