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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生夢幻現世回帰編!
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私がお願い聞いてあげる

フォン(役小角)の願いとは?


法子はその願いをどう受け取るのか?


私は法子よ。


私はフォン君から聞かされたお願い。

それが何なのか話す前に、そうね。

何処から話そうかしら。


それは、私の世界での話。

そこでフォン君は愛する妲己さんと生き別れになり、代わりに長寿を得たの。


それから年月が経ち、フォン君は知る。

妲己さんの魂が同じ時代に生まれ変わった事を。

フォン君は一目会いに行って知る。

妲己さんは安倍晴明と呼ばれる最高峰の陰陽師と生まれ変わったことを。

それから後、また時は流れていく。


妲己さんから安倍晴明。

そして再び、安倍晴明さんの転生者として現世に現れ、役小角として名乗るフォン君と邂逅する事となったの。


ここまでは同じ運命だった。



唯一の違いがあるとすれば、私のお父さんと出会わなかった事なの。



私の世界では晴明さんは私の陰陽師の師匠なのだけど、私のお父さんとは幼馴染で、犬猿の仲の親友だったそうなの。

役小角(フォン君)の死からすれ違い、二人は敵対して、やがて再び絆を取り戻した。


けれどこの世界では晴明師匠は私のお父さんと出会わなかった。

それが、この世界には大きな変化をもたらしたの。


それは歪み。


晴明師匠は私のお父さんと巡り逢った事で、心を浄化し、聖人として総本山の柱となった。しかしこの世界では、心は穢れ、魂が闇に蝕まれ、そう。総本山を影で支配して、世界を滅ぼさんとするフィプノス神達と手を組んだ裏切り者になってしまったのよ。



そして私が現れる前に起きた惨劇。



そんな晴明師匠の心を救うために、師であり、強い想いを持ったフォン君は一騎打ちをした。

多彩な晴明師匠の力と年老いても熟練の力が拮抗し、その戦いの最中に晴明師匠は追い詰められていく。



「私は世界に選ばれたのだ!」


「愚か者!」



その時、晴明師匠の魂に宿る妲己さんの力が覚醒し、獣神化した晴明師匠の抜いた剣に胸を貫かれたフォン君は敗れた。


そして命からがら生き延びたフォン君は全ての出来事を伝えるために、この私が現れる事を察知して、弟子の空海さんの力を借りて裏禁秘術で即身仏となり今に至ったの。


信じられなかった。


この世界で、私達の倒すべき敵が、本命が元の世界で私の師匠、安倍晴明だなんて。



「まったく、なんなのよ。この世界は」



私に出来るの?

仮にも私の師匠を倒すなんて。

倒すのは、説得は無理。

だって、この世界での唯一の縁を持っていたフォン君でさえ無理だったのだから。

私のお父さんはどうやったの?

どうやって晴明師匠の魂を浄化したと言うの?

何もかも分からない。

けれど、倒さないといけない。

この世界を守るために?


違うの。


この世界は滅びる世界。

これは変わらない運命なのだから。

でもやらなきゃいけない理由。



「晴明師匠の手で世界を終わらすなんて事が、フォン君にとっての一番の最悪なのだから・・・任せて!私がそのお願い聞いてあげる!」



たとえ晴明師匠がいなくとも、この世界は滅びを求め、新たな別の滅亡の主が現れる。

その主が晴明師匠であってはならない。

フォン君と未来に来たがために、その運命が変わってしまった妲己の魂を持つ安倍晴明。

全てフォン君が招いたなんて事はあってはならない。

仮にもそうなら、フォン君に出来なかったなら、友達の私が決着をつけないといけない。

いけないのよ! 


そして私にはもう一つやる事あるらしいの。



「えっ?どういうこと?」



それは、ある人物を確保するんだって。

空海さんに聞くとね、その人物はこの世界にとって異端。

私と孫悟空と同じくらい。

現在、仲間の神様が確保に向かっているようなんだけど、無理みたいなの。

何せ、相手は神の力を無効化させる能力者。



「か、神の力を無効化させるなんて、それってまさか??」


「カミシニの連中がいるのか?」


「孫悟空、この世界にはカミシニいないと思っていたけど、その可能性あるわよね」



空海さんの情報によると、私と孫悟空がこの世界に現れたと同時に発見されたらしいの。

特徴は神の能力の無効化。

それ以外は、どうも彷徨っているようなの。

目的もなく、ただ何処かに向かって歩いている。特に暴れる様子もなく、ただ格好が昔の中国のコスプレみたいで街中歩いているから何度か警察に補導されたり。

そうそう、発見時には丸太に縛りつけられていたようなのよ。


「・・・ん?」


丸太にカミシニ能力者?

はて?


すると孫悟空が何かを思い出したの。



「丸太だと?ん?何か最近見覚えあるようなないような」


「確かに。あっ、沙悟浄が西王母達に拘束されてた奴みたいのじゃない?」


「あ〜!なるほど!」



その時、記憶の映像がスローモーションになって思い出された。

確か、沙悟浄の他に誰か捕まってたわよね。

あの丸太は何処に?



「そう言えば法子が穴に落ちるのを妨害するために丸太投げた記憶あるぞ!」


「えっ?ちゃんと確かめた?」


「そんな暇は無かったぞ。でも沙悟浄は離れた場所にいたぞ」


「それって、もしかして」


「記憶が曖昧だが、あんな都合よく丸太は他にないよな。あはは!有り得るかもな〜」


「笑っている場合じゃないわよ!」



つまり、何?

その丸太に縛られていたのは沙悟浄の他にもう一人いたわ。

まさか、私と孫悟空と同じくこの世界に来てしまったと言うの?

しかも話に聞くと、何も考えないで彷徨っている姿って、間違いないわ。



「それって姜子牙くんよ!間違いないわ!」



私の知らない所で、とんでもない状況にあっていたのね〜



そんなこんな

次回予告


まさか法子と孫悟空以外に姜子牙が現世に来ていたなんて??


それはもう一つの騒動へと繋がる。

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