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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生夢幻現世回帰編!
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神の転生者!丹生朱水(みぶあけみ)登場!?

一晩を学校の保健室で過ごした孫悟空と法子。


そして、これから二人を待つのは?


私は法子よ。


私は学校内の保健室で孫悟空と一緒に一晩を過ごしたの。


「やっぱり保健室のベットは寝心地良いのは何故かしら〜」


よく授業中に保健室で仮眠した事を思い出す。

えっ?仕方ないじゃない?

以前は深夜に化け物退治していた正義の女子高生だったのだから大目にみてよ。

私は目覚めると直ぐに身支度する。

流石に休日じゃないのだから、朝になれば生徒達が学校に来ちゃうもんね。


「ぼちぼちかな?」


起きると体力の回復は出来ていた。

寝る前に部屋中に治癒の札を数枚ほど貼りつけていたから。 



「それでも万全じゃないわ。いつもなら全回復出来るのだけど?」


「法子、この世界は俺様にとって住みにくいぜ。何もしていないのに妖気を吸い出されているような感じがする」


「えっ?」


私は霊視で見ると、確かに私を覆う霊気が乱れていたの。



「どういう事?孫悟空の言った通り、私達の力が奪われているみたい」


そして窓から外を見上げたの。


「えっ?何?あれ?」


「あれが原因で間違いねぇな」



空に浮かぶ光の魔法陣。

その魔法陣に向かって、地上から数え切れない程の無数の光が伸びて上昇していた。


「まさか・・・」


あの光は生命エネルギーだわ。


「!!」


私は学校の窓から飛び出すと、駆けるように外を見回したの。


「何なの?これ!」



学生達が思ったより登校が遅いと思ってた。

教員もまだ来ないと思ってた。

いつまでも学校に誰も来ないと思ってた。


「こんなことになっていたなんて」


私や孫悟空のように持ち前の気が多いと、そこまで感じなかったけれど、力を持たない普通の人達はあの魔法陣に気を吸い出されて平気でいられるわけなかったの。



「おい!法子!」


「分かっているわ。あの魔法陣、人間から魂の力を吸収しているのだわ。このまま放置していたら、皆が死んじゃうわ」


「こんな真似する連中はヒュプノス神て奴らの仲間だろうな」


「きっと、そうね」


「で、あの魔法陣の位置。中心部に何があるか分かるか?」


「えぇ。あの方角は間違いないわ」



総本山!!

総本山で今、何が起きていると言うの?



「直ぐに向かわないと」


「けど、良いのか?奴ら、その総本山の連中は俺様達を敵視しているのだよな?また交戦になるんじゃないか?」


「そうかもしれない。けど、見てみぬふりは出来ないわ」


「俺様は法子がやるなら従うまでだ。まぁ〜俺様に出来る事は喧嘩だけだがな」


「まぁ〜私もだけどね」



私は孫悟空に笑って見せた。



「孫悟空!総本山に向かうわよ!」


「法子、直ぐには無理そうだぞ」


「えっ?」



すると孫悟空の視線の先に、校門の入口から誰かが私達に向かって近付いて来たの。

少なくとも、一般人じゃないわよね。

この状況で平然と登校するなんて。



「気を探って来てみたら、どんぴしゃりってとこみたいね」


「あの〜何方ですか?」



その者は密教僧の格好した女の子だった。



「私は裏高野の丹生にぶ朱水あけみ。世界の災いを防ぐため、その原因である貴女を退治に参ったのよ」


「裏高野?私を退治ですって?冗談じゃないわよ!」


「直ぐに終わらせてあげる」



すると彼女は掌を合わせると、銀の指輪が形を変えて水銀が集まっていく。



「水銀変化・銀槍」



そして私と孫悟空に向かって、銀の槍が飛んで来たの。


「あぶねぇな!」


孫悟空は如意棒で弾くと、彼女は笑みを見せて私達を徴発して来たの。



「私は神の転生者。神は世界の災いたる者共を消し去るために存在するのです。安心しなさい。私の前では、お前達は・・・へっぽこぴぃなよ!です」



そして彼女の周りに銀色の液体が生きた蛇のように浮いて止まっているの。



「私は水銀を意のままに操る華麗なる正義の女神!さてさて〜成敗される覚悟は出来たかしら?あんた達、お二人さん」


「突然現れて、自己紹介したのは良いわ!けど、こちらの言い分聞かずに構わず襲って来るなんて、正義じゃないわよ!」



反撥する私を背に、孫悟空が前に出る。



「あら?彼氏に守られるなんて、大した身分ね!」


「彼氏じゃなくて下僕ですが、何か?」


「こら!法子!俺様は下僕じゃねぇ!俺様はお前を守ってやっている天下の孫悟空様だ!」


「はいはい。では、孫悟空!あの娘は女の子だから、泣かせない程度に追い返してちょうだいな」


「へ〜い!」



そんな私と孫悟空のやり取りに丹生さんは嫉妬した顔でイライラし始める。


「リア充、KOROす!」


水銀が変形して剣になると、私と孫悟空目掛けて突き出されて来たの。


「そんな剣に串刺しにされる俺様じゃねぇぜ!如意棒ぉー!」



孫悟空が向かってくる丹生さんの銀剣を打ち弾こうとした時、その剣は寸前で液体のように弾けると、銃弾のように孫悟空に撃ち込まれる。


「ぐはぁ!」


予測不可能な水銀の攻撃は形を持たず、液体、固体を繰り返しては変形して伸縮しながら孫悟空の如意棒をすり抜けるように孫悟空の身体を傷つけていく。



「何をやっているのよ!孫悟空!まさか負ける気?そんなのは却下よ」


「ヘヘッ、当たり前だ!俺様がそう容易く負けるはずねぇーだろ!」



孫悟空はダメージを受けた部位を触ると、丹生さん目掛けて如意棒を向ける。



「伸縮自在は専売特許だ!如意棒、伸びろぉおおお!」



孫悟空の手から如意棒が伸びて丹生さん目掛けていくと、


「そんな直線的な攻撃は無駄ですわ!」


丹生さんは水銀を前方に集めて銀の盾を構成して如意棒を受け止めたの。



「うふふ。残念だったわね〜」


「本当に残念だったな?」


「えっ?うげっ!」



見ると背後から孫悟空が現れて丹生さんを羽交い締めにしたの。でも前方には如意棒を持った孫悟空が構えた姿勢で目の前にいる。


「もう良いぜ。分身よ!」


すると如意棒を持つ孫悟空の姿が煙とともに消えたの。

そして本体の孫悟空が丹生さんを締める力を強めた時、



「分身とは、ひ、卑怯よ!いえ、そんな事より、い、嫌〜私、穢される〜」


「はっ?」



青ざめ、赤面しながら悶える丹生さんの姿に、私も赤面してしまったの。


(い、嫌、嘘?男に背中から、こんなに強く抱きしめられるなんて初めてよ!もうお嫁に行けなくなっちゃうわ!私の純情が、潔癖が、破廉恥な男にめちゃくちゃにされちゃう〜そんなの嫌よ。こうなったら)


「お、お前!私の彼ピッピになりなさい!そうすれば許してあげるわ!だからもうそんなに逞しい腕で私を抱きしめないでよ!」


「はぁ〜?お前、何を言っているんだ?なんだ?その彼ピッピとは?」



孫悟空は私に向かって彼ピッピを聞いて来たので、私は答えたの。



「生涯の伴侶のことよ!」


「何?それはつまり結婚か!?」


「そうよ!夫婦になることよ!」


そんな私と孫悟空の会話に、


(付き合ったら結婚まで飛躍しちゃうの?この後、私はこの男に好き放題されちゃうの?そんな〜まだ早いわ〜心の準備が、まだ)


「冗談じゃねぇよ!誰がお前と結婚するんだ?調子こいてるんじゃねぇよ!この勘違い変態女!」


「ふ、ふられた〜??この私が?何故?はっ!まさか、この男とあの女子はもうそういう関係で、私の事は弄んだだけなのね?そうなのね!最近よ!非道よ!極悪人よ!」



と、丹生さんの思考ダダ漏れ状態に、私も呆れて何も言えなくなって来たの。



「孫悟空、とりあえず手柔らかに眠らせてあげてね」


「おう!」



と、孫悟空は丹生さんの頭を小突くと、彼女は目を回して気絶したの。

とりあえず落ち着いて話せる相手じゃなかったから、仕方ないわね。

そんな私達の様子を上空から一部始終見下ろして見ていた者がいたの。



「あの者達が、あの方が待ちわびた者達なのか。本当に現れるとは・・・」




そんなこんな。

次回予告


法子と孫悟空を知る者。


一体、何者なのか?


そして待ちわびた者とは?

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