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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生夢幻現世回帰編!
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寝る前に孫悟空と・・・

まさかヒュプノス神達との戦いの最中、戦闘機から投下された爆弾。


法子達の安否は?


私は法子・・・


う〜ん?あれ?

此処は何処?何があったんだっけ?


「はっ!」


見回すと、そこは学校の保健室みたい。

てか、何故此処に?

夢でも見てた?

いや、私の衣装は戦闘時に着ていたものだわ。

間違いなく私は戦ってた。




私は思い出す。

ヒュプノス神他の神々の陰謀を防ぐべく戦っていた最中、突如、爆弾が投下して来たの。

そして食い止めるべく桜ちゃんが龍脈の波動を込めて外部に影響がないよう試みたのだけど、爆発は私達を飲み込み吹き飛ばしたの。


「私、生きているわよね?桜ちゃんが寸前で爆発の威力を抑えてくれたからだわ」


「ちょっと待て!俺様も褒めろよ」


「へっ?」


見ると孫悟空が扉を開けて入って来たの。


「よぉ!平気か?法子」


「孫悟空、あんたが私を守ってくれたの?ねぇ?」


「そうだぜ!あの爆風の中で戦闘を中断して法子を守ってやったんだ!もっと褒めろよ」


「あ〜そう。他の皆は?」


「知らねぇよ。あの後は散り散りになっちまって、お前を守る事に精一杯で、他の連中がどうなったかまでは把握出来てねぇよ。で、俺様を褒めろよ」



爆発が起きた時に孫悟空が飛び出して私を抱き抱えて救って脱出したのね。

それで私は無事だったわけだ。


「皆の事だから無事だと思うけど、どうして爆弾なんか降って来るのよ。しかもあのタイミングで。まさかこの世界じゃ戦争中じゃないだろうし」


「褒めろ!」



とにかく、私は孫悟空とこの保健室で休む事にしたの。まだ体力も回復していないし、慌てて外に出てヒュプノス神達と鉢合わせしても、私と孫悟空だけじゃ太刀打ち出来ない。


「なぁ?法子」


「何?」


「此処がお前のいた世界なんだな?」


「ちょっと違うようだけど、こんな感じの世界よ」


「そうか、そうなんだな。やっぱり」


「?」


珍しく、しみじみしている孫悟空に聞いたの。


「何?見るもの全てが珍しくて仕方ないでしょ?あんたの世界じゃこの世界は未知の世界だもんね」


「そうだな。聞くと見るとじゃえらい違いだ。動く鉄の乗り物や、飛行雲に乗らずに空を飛ぶ鉄の塊に人間が乗っているし。ヘンテコな建物に人間達がうじゃうじゃ住んで、何より妖怪が全然いない」


「あら?何か変に詳しいわね?」


「そうだな。昔、三蔵からこの世界の事を色々聞かされて、俺様なりに妄想したもんだ。けど、やっぱり全然違ったぜ」


「あっ」


三蔵とは孫悟空の師匠で、この世界から私と同じく過去に行って、一緒に旅をしながら戦って来たらしいの。しかも、その三蔵法師様こそ私の生き別れの本当のお父さん。



「本当なら観光気分で色々見て回ってあげたいのだけど」


「気にするな。それに俺様はこの世界で遊んでいる暇はねぇよ」


「そうよね」



過去の世界では、まだ仲間達が戦っているに違いないのだから。

やることやらないと、楽しめるものも楽しめないわ。


「それと法子、気付いているか?」


「何が?」


「この世界だと、俺様の妖気が全然発揮出来ねぇ。まるでカミシニの力で抑え込まれているようで、存分に戦えねぇんだよ」


「そう言えば!」


まるで足枷を付けられたような、それでいて結界の中にいるような感覚。

連戦からの疲労かと思っていたけど、この世界に戻って来てから、だるくて重いのよ。


「直に力が弱まって、戦えなくなるかもな」


「何でかしら」


と、思い起こせば思い当たる節がある。

私も元の世界から過去に行った時に、逆に力が強まった感覚があったの。

もしかして転生したら強くなった?

この場合は逆行って言うのかしら?

みたいなオプション付き計らいかと思ったけれど、何らか違う気もする。



「とにかく休もう、孫悟空」


「そうだな。この近辺にはヤバい感じしねぇし、敵が来たら俺様が気付くからよ」


「お願いね」



私はベッドに横になりながら起きた事を冷静に分析して整理する。 


先ず私達の目的は過去の世界に戻る事。

そのために過去の世界に行く手段を知ると言う図書室に現れる名前を聞き忘れた女の子の言葉を信じて、ヒュプノス神達の陰謀を防ぐ事が約束。

彼女は私の状況を何故か知っているみたいで信じられると思う。


問題はヒュプノス神の他に、その兄弟の神々が何体かいるようね。それに味方になってくれると思った総本山からも目を付けられているのも問題だわ。


その理由。

この世界は私のいた世界とは異なる世界線と言う事が一番の問題。

どうやらこの世界は私が存在しない世界らしいの。


(やることなすこと山積みだわ)


そんな私に孫悟空が声をかけてきたの。


「寝られないのか?法子」


「孫悟空も?」


「まぁな。この世界に三蔵が生きていたと思うと、三蔵から昔に聞いたこの世界にある幾つもの夢物語だった話が現実を増してくるんだ。本当に・・・」


(三蔵法師、私の実のお父さんか・・・)


その時、私は違和感に気付いたの。


「あっ」


「どうした?法子?トイレか?」


「違うわ!」 


私は孫悟空に思いついた事を説明したの。



「私はこの世界に存在していない歴史にいる。

何故?いつから私がいないの?

そう思っていたの。

そして一つの仮説が閃いたの。

私だけでなく、私のお父さんの三蔵さんも存在しない世界だったとしたら、私がこの世界に産まれて来ないことも納得。

ならどうして三蔵さんがいないのか?」


「それで何が言いたいのだ?」


「わかんないわよ〜」


「はっ?」


「思いついた事を共有したかっただけよ」


「おまえな〜!」



と、結論は何も分からないまま終わったの。

こんな時に白鐸がいれば何かしら答えを教えてくれそうだったのに。

本当に何処にいったのかしら?



「ところで孫悟空?」


「何だよ?」


「そう言えばさ〜。旅中でもなかなか孫悟空と二人一緒に語れる事ってなかったわよね?せっかくだから聞かせてよ」


「何をだよ?」


私は真面目な顔で聞いたの。



「私のお父さんの事」


「!!」


「私さぁ。物心つく前に本当のお父さんと生き別れたから、全然お父さんの事憶えてないのよ。何か凄い人だったようだけど」


「そ、そうだな。そうか、うん。良いぜ」



すると孫悟空は私が寝付くまで、三蔵法師と呼ばれた私のお父さんとの出会いから、旅での事、八怪や沙悟浄との事も合わせて聞かせてくれたの。それは本当に物語のような展開で、私は夢中になって聞いたの。

そして、別れの時の誓いを終えた時、孫悟空は私に言った。


「俺様がお前を守ってやるからな」


「お父さんに頼まれたから?」


すると孫悟空は反対側を向いて、答えずにそのまま眠ってしまったの。


ん?何よ〜?



そして私も眠りについたの。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





場所は変わる事、ゴルフ場での爆撃があった後、ヒュプノス神達は私達を見失い悔しがっていたの。



「奴ら、気配を消して居場所が分からぬ」


「放って置けばまた邪魔をしてくるだろうな。計画を進めるか?それとも奴らを根絶やしにするのが先か」


「再び現れたのなら、その時始末すれば良い。それにこの地の守護者共も下手に手を出してはこれまい」


「この人質の事だな。この者を餌に呼び寄せ一網打尽にしてやろう」




すると全身を傷付き、神々の視線の先に意識を失いながら張り付けにされている者がいた。あの爆撃を止め、そして力尽きた黄龍の巫女・桜の姿だった。

彼女は神々に捉えられていたのだ。



「連絡が来たぞ。ついにあの方の結界の場所が分かったそうだ」


「我らが王の目覚めは近い。しかし我ら神々を邪魔する者達への制裁は必要だ」


「そのためにも我らはエリスを目覚めさせる事が最優先なのだぞ」


「エリスか。まさか末娘の奴が我らを導き、この世界を変革させる運命を与えられるとはな。エリスが復活すればこの世界は我らの思うがままだ。ヒュプノス、貴様の言いたい事は分かるが、最優先はエリスだ」


「クッ、そうだな。だが、どうやってエリスの居場所を探るつもりだ。この地の総本山に封じられていたエリスの結界は何者かに奪われていた。人間共の仕業となると、奴らを根絶やしにしつつエリスの結界の場所を吐かせると言うのか?小癪にも奴らの力量は我ら神に匹敵する強者共がいる以上、やはり戦力を増すために他の兄弟達と合流する必要はあるな」


「みなまで言うな。全て計画の内。そのために、あの者と手を組んだのだからな」


「あの者?総本山から我らに寝返りし密偵か。そのような人間を信じられるのか?」


「少なからず、奴は人であると同時に神の魂を持つ者。多少なりとも使えるのであれば、試して見るのも良かろう」


「分かった。私も兄上の考えに従おう」







私の知らない所で動く暗躍。

まさか桜ちゃんが囚われていたなんて。

それに総本山の裏切り者って誰よ?


そんなこんな。

次回予告


孫悟空と法子の前に現れたのは、神の力を持つ新キャラだった。


敵か味方か?


次話をお待ちください。

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