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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生夢幻現世回帰編!
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裏技には汚いパンツよ!

神々を相手にするための秘策。


それは聖徳太子の転生者にあった。


私は法子よ!


私はヒュプノス神とその兄弟の三神の陰謀を食い止めるべく戦っているの。

けれど相手は神様。

そう容易くはないのよ。


そこで、この場所に来る前に太子くんには裏技のパワーアップをしてもらったの。


それこそ裏技!!


この世界は私がいた世界線とは異なると言う事はなんとなく理解したわ。

つまりこの世界の出来事と私のいた世界で起きた出来事とは似ていて否なり。

その違いは私がいるかいないかなの。


つまり私が存在した事で起きた事変はこの世界では起きていないと言うこと。

で、私がいた事で変化が生じた私のいた世界の事を、この世界に持って来れば変化を起こせるはず。そして私は過去にヒュプノス神と一戦交えているわけ。

そこに攻略法があるのよ!


聖徳太子の転生者の太子くんは、私の世界線では一度死んでいるの。

けれど別の身体を手に入れて復活したの。

その身体ってのが、転生前の聖徳太子としての器だったのよ。この器は、過去に聖徳太子さんを殺めた蘇我入鹿が己の陰謀のために手に入れ、自らの身体にしていた。

そして現世で私達と一悶着して、その体を返して貰ったの〜力ずくで。

するとね?なんと太子くんは本来の聖徳太子の身体に戻った事でパワーアップしたの。


「さて、ここで問題!」


この世界線でも蘇我入鹿はいるのか?

いますとも!

この世界の何処かで、この世界線の太子くんに復讐する陰謀を考えているはず。



「けれど居場所とかわからないと為す術もないのでは?法子さん?」


「それなら問題ナッシングよ!」


私は同じ世界線の太子くんから蘇我入鹿の居場所、つまり今の隠れ家を聞いていたから。

恐らく、多分、絶対に、そこにいるわ!

名前は蘇我入鹿から、藤原さんって名前で現代でも呪術家系として裏世界で有名なの。


と、本来ならここで蘇我入鹿との死闘を語りたいのだけど、そこは省略よ。

何せ、こっちには孫悟空もいたし。

日帰りで事を成したわ。



「これが私の本来の肉体ですか?信じられないくらいに馴染むし、それでいて力がわいてくるようだよ。けど・・・」


「何?」


「ついさっきまで他人が使っていたと考えると微妙な感覚なんですよね。強いて言えば兄弟の履きたてパンツを履いてる感覚みたいで、こんな状況じゃなければ断ってますよ」


「我慢しなさい!この世界が消えても良いの?」


「他人事だと思って〜」



と、まぁ〜そんな事があったのよ。

けど、そのままこの場所に来たため、太子くんの力が完全に定着するまで、半分程度の力で頑張って貰っていたの。

そこからの時間稼ぎは、私と桜ちゃんの役目。

太子くんに汚いパンツ履かせた分、私も汚れ仕事頑張ったわ!


完囲獣荷戒かんいじゅうにかい



太子くんの全開放の力がヒュプノス神と残る二神を光の籠(牢獄)へと閉じ込めたの。

本来なら夢獣を捕える奥義だけど、ちゃんと神様も封印出来るわ。


「くっ、まさか人間如きが神である我らを拘束する力を持っているなどと。決して許せぬぞ!」


「この完囲獣荷戒は私の力を触媒として、相手の力を吸収して封印する自家製封印です!貴方達の力が強ければ強いほど抜け出せはしませんよ!神様!」



光の籠に閉じ込め、そのまま空中から地面へとゆっくり降ろして行く。


「太子くん、どうするつもり?」


「桜さんの龍脈を使わせて貰います。龍脈に彼らの魂魄を重ねて分離し、そのまま大地を伝い魂魄と力を拡散させるつもりですよ!」


「二度と復活させない手段にしては正攻法だけど、かなりシュールね」


「では!神々よ、この地に眠りなさい!」



太子くんが両手を勢いよく下げると、ヒュプノス神達を閉じ込めた籠が大地へと沈んでいく。これにて彼らの陰謀も防げたわ。


「!!」


その時だった。

沈む大地が突然膨れ上がって、噴き出す力に閉じ込めた籠事上空へと吹き上げられたの。



「何が起きたの?太子くん?」


「僕にも分かりませんよ〜!」


驚く太子くんは気付く。

完囲獣荷戒で作り上げた籠が粉々に消えて、中よりヒュプノス神達が表に抜け出ていたのです。



「ちょっと、ちょっと!これ不味いんじゃない?」


「どうしましょう?もう不意打ちは通用しませんよね?やっぱり?」



すると足下が揺れ動く。


「な、何?地震?」


「法子さん!北の方角を見てください!」


「桜ちゃん?何?」



見上げた先に、人影が現れたの。

その者はヒュプノス神に似た姿だった。



「久しく会わない間に人間如きにおくれを取るなど、見ていて腹立たしい」



すると空中から降りて来たヒュプノス神は、その神に対して申し訳なくしていた。



「ふ、復活したのだな。スマヌ。恥ずかしい姿を見せてしまったようだ。もうこれ以上の失態は見せぬ。直ぐに奴らを始末し・・・」


「ヒュプノスよ。それにオネイロス!お前達は所詮は夢神。同じ兄弟でありながら失態を繰り返す姿は見たくない!黙って見ていろ!この俺が一人いれば全て塵と消えるのだからな」


ヒュプノス神もオネイロスも黙ったまま口答えする者はいなかった。

モーモスは、ぶつぶつと皮肉を呟いていた。


「この死を司る神。タナトスの手でな!」



そして掌を私達に向けたの。


「な、何?この神圧てば?出鱈目よ」

「か、身体が動きません」

「まるで蛇に睨まれた蛙になった気分です!金縛り?違う!恐怖で動けない」



私も、桜さんも太子くんも完全にタナトスを前にして命を掴まれた感覚になった。

ほんの少し動けば命が途切れるような。


「終わりだ。消えろ」


タナトスが私達に向けた指を降ろす。


「!?」


が、タナトスは手首を掴まれて動けずにいたの。

その手首を掴んでいるのは、



「何を好き勝手やってんだぁ?こらぁ〜!俺様の仲間に手を出したら、どうなるのか教えてやろうか?」


「孫悟空!」



それは寸前で現れた孫悟空だったの。

で、今度は本物かしら?


「何だ、お前は?下賤の者が神聖なる俺の身体に触れて生きて帰れると思うな」


「それはこっちの台詞だ!」


タナトス神は孫悟空に圧をかけるが、孫悟空もまた妖気を解放させて手首を握ったまま離さなかったの。

そこにヒュプノス神とモーモス神が駆け寄る。


「させねぇよ。お前達の相手は俺達だ」


「この先は通さん」


ヒュプノス神とモーモス神の行く手を止めたのは守護者の坂上田村麻呂さんと、仁王さんだったの。二人は孫悟空とバトっていたはず?



「お前達を信じたわけじゃねぇ。けどな、いかにもヤバそうな連中を前にして見放して置くわけにもいかねぇからな」


「それに黄龍の巫女よ。お主も総本山を離れ、勝手な行動を取った事は後で詳しく聞かせて貰うぞ」



とりあえず孫悟空が駆け付け、田村麻呂さんと仁王さんが来てくれたのなら、この状況を何とかしてくれるかもだわ!



そんなこんな。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


場所は総本山。


五重塔の間に座する座主。

そして側近の安倍晴明の姿があった。



「座主様。本当に宜しいので?」


「晴明よ。俺にはまだ分からぬのだ。確かにお前が預言した神の災いが迫っている危機を肌身に感じてはいる。その中心にあの娘が本当に関わっていると信じられぬのだ」


「ヒュプノス神とその使徒だけでなく、神族の兄弟までもが復活しているこの現状は早急に片付けなければなりません。恐らく奴らの目的は・・・」


「この総本山に封じていた邪神エリスの復活に間違いなかろう。奴らはまだその事に気付いてはおらぬようだがな」


「蛇神エリスの復活は間違いなくこの世界を滅ぼす火種となりましょう」


「あの日、先代の守護者と我が妻、卑弥呼が命を落としてまで封じたエリスの魂。それが、まさか・・・」


「十六年も昔、この総本山から何者かに盗まれていた事。そして恐らく・・・」


「蛇神エリスの魂は既に現世に蘇っているであろう。それがあの法子と名乗る娘であるとお前は言いたいのか?晴明」


「間違い有りません。あの娘から感じる歪みの力。あの娘が現れた時、この世界の流れが急激に乱れた事が証明」


「晴明がそう言うのであれば間違いなかろう。しかしもう少し時間をくれ」


「了承致しました。いつでも総本山全軍を率いてあの復活した邪神エリスを討つ準備は整えて置きます」


「頼むぞ」




私に降り掛かる騒動は神々相手だけでなく、味方だった相手との戦いまで待っているなんて、今の私には目の前の事だけで精一杯で考える暇はなかったの。



そんなこんな。



次回予告


孫悟空に、坂上田村麻呂と仁王の参戦。


しかし総本山にて語られるエリスとは本当に法子の事なのか?

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