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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生夢幻現世回帰編!
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総本山激闘!?法子と孫悟空!

総本山に来た法子と孫悟空が、総本山の守護者達と衝突する。


この事態は何が起きてるのか?


私は法子よ!


私を救ったのは孫悟空だった。

まさか私と同じく過去から現れたなんて。

心強いけど、相手はあの坂上田村麻呂さんだから油断は禁物よ!


孫悟空と鬼神変化した坂上田村麻呂さんが衝突すると、二人を中心に衝撃波が波紋のように広がって大木が倒れていく。


「こんな化け物を飼いならすあの娘、やはり災いの女神で間違いないようだな!」



すると二人の戦いを見ていた私は、背後から殺気を感じて躱したの。


「よく躱したな。けれど次はそうはいかんぞ」


「あっ!!」


それは百魂刀の義経さんと弁慶の転生者の百瀬恵さん。

まさか二人も私に襲いかかるの?


「義経さん!止めてよ!私、法子よ!」


「申し訳ない。俺は君を知らない。謀るのは止せ」


「きゃあ!」


義経さんが短剣を抜くと、私に向けて投げる。


「もう!何がなんだから本当に分からないわ!こうなったら私も黙って殺られたりしないわよ!覚悟してよね」


私は錫杖を振り回して攻撃するけど、義経さんも簡単に避けては攻撃を仕掛けてくる。

当て身で倒せる相手じゃないわ。


「ちょっと本気見せても怒らないでね」



私の中で神気が高まると、身体が軽くなる。



「こう見えても私、昔の私とは桁違いに強くなってたりするわよ」



少なくとも、普通に修行するより実戦に勝るもの無し。

けど、私の戦歴は指折り数えても数え切れないレベルなのよ。

私の動きが加速し、さらに洗練される。

その動きに翻弄された義経さんの突き出した腕を躱して手首を掴むと、

 

「合気」


義経さんは視界を奪われたかのように地面に叩きつけられたの。


「そんな馬鹿な」


倒され驚く義経さんと同じく、投げた私の方も驚いていた。

私、私は間違いなく強くなっている。

過去の中国での戦いは、私を成長させてた。



「負ける気がしないわ」



すると今度は私の周りに他の兵士達が囲む。

義経さんを心配する恵さんを見て、心痛むわ。


「何か、私が悪者みたいじゃ~ん」



そして孫悟空は坂上田村麻呂さんとの戦いに、楽しくなってきていた。



「こんな馬鹿強い人間は三蔵以来だぜ」


「三蔵?誰だソイツは?この俺くらい強いとは疑わしいな」


「安心しろよ。三蔵はそれでもお前の数億倍は強いからな!」



孫悟空は如意棒を突き出すと、坂上田村麻呂さんは紙一重で躱してみたが、


「伸びろぉー!如意棒!」


「何だと!!」


如意棒が伸びてギリギリ躱した坂上田村麻呂さんの胸を突き上げてふっ飛ばしたの。

そして飛び上がった孫悟空が坂上田村麻呂さんに向かって拳を振り上げると、



「俺様の拳でおねんねしてなぁー!」



岩石に衝突して起き上がれない坂上田村麻呂さんに向けて拳を突き出すと、別の何者かの伸ばした片手で受け止められる。



「馬鹿な。俺様の拳を止めやがった。お前は何者だ?コラァ!」


「俺は仁王。この坂上田村麻呂と同じく守護せし者」


「チッ、もう少しで倒せたのによ」


「そうかよ」



すると坂上田村麻呂のサヤハの剣が孫悟空の首元寸前に向けられていたの。

あのまま突っ込んでいたら、危なかったかもしれない。

お互いにダメージ半端なかった。


「珍しい。苦戦しておるな?田村麻呂」


「うるせぇ」



孫悟空は飛び退くと、立ち上がった坂上田村麻呂さんと仁王さんの二人を睨みつける。



「チッ、奴も只者じゃねぇな」



二人がかりで襲われたら、孫悟空もただでは済まないかもしれないわ。

こうなれば私が孫悟空と一緒に戦う。


「えっ?」


そう思った時、全身が何かに縛られて動けなくなっている事に気付いたの。



「もう動けないです。私が貴女を縛りました。無駄な足掻きは止して投降して」



振り向く私の先に立っていたのは、私と同い年くらいの女の子と、その後ろに四人の男の子達だった。


「貴女は誰?」


「私の名は竜宮寺桜。この五重塔を守護する者。そして私の守り人達よ」



その時、私は思い出す。

そう言えば総本山には座主様を筆頭に晴明師匠、坂上田村麻呂さん、仁王さん。それからもう一人守護者がいるって聞いた事あるわ。

それが彼女?

まさか私と同じくらいの女の子だったなんて、何か嬉しいかも。

友達になりたいわ〜


あ、あれ?

ちょっと待って?


私は彼女を知ってる?

会ってる?何処で?

あの魂の色、覚えてる。

私は呟いたの。



「黄龍姫ちゃん?」


その言葉をかけた時、彼女が頭を抱えてうずくまったの。

駆け寄り黄龍姫を支える四人の守り人達。



「な、何?私、彼女に手を出せない」


「どうした?姫!」


「分からないの」  


「なら、俺達が代わりに!」



そして拘束が解けると私は自由になって孫悟空に向かって駆け出していた。そんな私に四人の守り人が攻撃しようとした時、孫悟空が叫んだの。


「法子に手を出すなぁー!」


「!!」


私に攻撃を仕掛けようとしていた四人の守り人達は孫悟空の声に反応して手を止める。



「何故だ?攻撃出来ない。俺達の本能があいつ(孫悟空)の声に逆らえない」



そして私と孫悟空が隣り合うと、その場を総本山の兵士達が集まり囲んでいた。



「法子、こりゃ手加減は出来ねぇぜ」

「そうかもね。どうしようか」



その時、囲む総本山の兵士達が道を開けるように広がっていく。

その中心に二人の人影が近付いて来たの。


「何だ、お前は!うっ!?」



孫悟空が飛び出そうとすると、まるで金縛りに合ったかのように動けなくなっていたの。


「動くのは止めなさい」


その声は間違いなかった。



「晴明師匠?」



私は涙溢れて口に出した。 

これで全て解決する。

どうして皆が私の事を覚えていないのか?

そして過去に戻って、残して来た皆と一緒に戦うために。

晴明師匠なら何とかしてくれる。



「災いの女神エリス!この世を滅ぼす前段階のために総本山に来たつもりだろうが、そうはさせん!」



えっ?晴明師匠?


すると晴明師匠が印を結び、



「臨兵闘者皆陣烈在前」


「十二鬼神・神雷降」



雷が私に向けて落とされたの。


「させるかぁー!」


そこに孫悟空が如意棒を伸ばして避雷針にして雷を受け止めると、孫悟空は全身に痛みを感じて麻痺し膝をつく。


「うぐぅ。何て重い雷だ。ナタク並みだ」



嘘?嘘よね?

まさか晴明師匠まで私の事を覚えてないの?

そんな、なら私は誰を頼りにすれば?

って、そんなことよりも今の状況をどうしたら良いの?ねぇ?

ショックで愕然とする私の腕を孫悟空が握って叫ぶ。



「法子、ここは撤退だ!金斗雲!」



空から飛行雲が飛んで来て、孫悟空が私を抱えたまま飛び上がる。


「逃がすか!」



追おうとする坂上田村麻呂さんだったけれど、孫悟空が印を結び術を発動したの。


「脱出猿術・煙幕」


広がる煙幕が覆い、私と孫悟空の姿が消えていく。

そして雲に乗って飛んでいく。



「がっはははは!この俺様を掴まえたかった来て見やがれ!追ってくれば返り討ちだぞ?それでも良ければお尻ペンペン」



お尻を叩いて挑発する孫悟空の頭を小突く私は一礼して消えたの。



「このまま逃がすと思うなよ。てか、マジに孫悟空(西遊記の主人公)の物真似しやがってよ!くそったれ」



消えていく私達を目で追う座主様は晴明師匠に質問をする。



「あの者で間違いないのだな?晴明」


「断定は出来ませんが、この世界に、しかも日本に現れる災いの女神。このタイミングで我々のもとに現れた事。我々の情報網に無くあれほどの凄まじき力を隠し持って存在していた事。少なくとも何かしら関係していると思います」


「そうだな。先ずは拘束し、それから真相を調べるとしよう」



座主様が腕を上げると、その場にいる総本山の兵士達が一瞬で姿を消して、逃走した私と孫悟空を追った。

と、皆さんが飛んでいく私達を追っているのをよそに、私と孫悟空は走っていました。

皆さんが追っているのは孫悟空の分身と私に変化した偽物だったの。

あの煙の中で、私と孫悟空は皆を謀り走って逃げていたのよ。



「馬鹿な連中が偽物を追っている間にとんずらしようぜ!」


「でも、何処に行けば良いの。分からない。もうこの世界で頼れる人は」



その時、結界を抜けた私と孫悟空は、逆に入り込んで来た者と衝突して尻もちする。



「くそぉ!まさか勘づかれたのか?いや、たまたまか?とにかく気絶させるか」



と、孫悟空が相手の首元を掴んで持ち上げると、相手はバタバタ暴れながらもがく。



「何なんですか〜?君は?何でこんなことするのですか〜??」


あ、あれ?この人?



「まさか聖くん?」


「へっ?どうして僕の名前を?」



それはまさかの再会だったの。

あの聖徳太子の転生者。


聖太子君。


そんなこんな。

次回予告


まさかの聖太子の登場に、法子と孫悟空は何か打開策を見付けられるのか?

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