表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生夢幻現世回帰編!
652/713

侵入者、法子??

現世に戻ってしまった法子は、この状況を何とか出来る座主と安倍晴明のいる総本山へと向かっていた。


私は法子よ。

私はその足で総本山に向かったの。

あ、電車移動で。

あ、お金は家から拝借しました。

まぁ〜お小遣いだと思って、ごめんなさい。


暫くは徒歩で数十キロ歩いた後、森林の中に足を踏み込む。昼間だと言うのに暗闇に覆われ、更には方向感覚に襲われ、右も左も分からなくなる。これはもう総本山に近付き、結界が発動しているからなのだけど。

この総本山は魑魅魍魎から悪神まで、邪悪な者は入り込めない強力な結界に守られているの。

当然、一般人は入り込めないのよ。


「此処まで来たら、後は」


私は九字を切って唱える。


「輪・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前」



すると前方の結界に穴が開いて、私はその中に飛び込んだ。

結界の穴は直ぐに閉じていく。


「さ〜てと。後は晴明師匠のいる五重塔に向〜かおう」


「!!」


その直後、私の身体が動かない事に気付く。


「な、何?何なの?」


私は霊視で自分を見ると、身体中に糸のようなものが絡みついて捕縛されていたの。


「ちょっと〜!何なのよ!」


すると木の上から人影が飛び降りてきて、


「怪しい侵入者。きさま、何者だ!」


「えっ?あ、私は法子よ!貴方、知らない?私のこと?一応、此処の関係者なんだけど〜あ、もしかしたら新人さんかしら?」


「何をふざけた事を!このまま拘束して、とりあえず廊に入れて置くべきか」


「ちょっと止めてよ!」


私は力を籠めると、絡みついた糸を引き裂いて脱出する。ちなみに攻略は絡みついた糸と同種の気を糸に流して、その形を糸状から変形させて切れやすくさせるの。


「馬鹿な!捕縛術を打ち消したのか。やはり放っては置けぬ」


「放っておいてよ!そうそう、晴明師匠!安倍晴明さんに用があるのよ。呼んでちょうだい?嫌ならこのまま行かせてよ」



すると密教の兵士が錫杖を構え、私に向かって殴りかかって来たの。



「も〜う!手荒な真似はしたくないのに〜」


私は錫杖が触れるより先に一歩移動して躱すと、その錫杖の威力を受け流すように密教の兵士さんごと投げ飛ばしたの。


「ぐはぁ!」


まさかの攻撃に不用意に頭を打ち、意識を失ってしまう兵士さんに、私は「やっちまった〜」と、その場から逃げ出した。

うん。今のは正当防衛だからね〜


「あっ」


私は気配を感じて、その場から離れると、私を追って来るように・・・

3人?いえ4人かしら?

あ〜もしかしてさっき投げたから、同僚の仲間が怒ってらっしゃる?

やっぱり私に激怒?



「こうなったら五重塔に行って、晴明師匠に代わりに謝って貰うしかないわ!」


そこで前方から私に向かってクナイが飛んできて、咄嗟に気を圧縮させて錫杖を構成し、クナイを弾いて防ぐ。



「も〜う!いい加減にしてよ!いくら私でも少し怒るわよ!もしかして久しぶりに帰って来たから忘れたなんて言わないわよね?何とか言ってよ!」


すると前方より二人の人影が道を塞ぐ。


「あ、もしかして」


その二人は、大学生くらいの歳の男女。

そして、私は以前に会っていた。


「九郎さんと恵さん?あ、お久しぶりです。私、法子です。前にお世話になってますよね?」



九郎さんは源義経さんの転生者で、恵さんは弁慶の転生者なの。

ちなみに恵さんは見た通り女性で、その魂から特殊能力を持つ刀を作り出せるのよ。

すると九郎さんは私に答えたの。



「君は何者だ?俺は君を知らない。恵、君は知っているか?」


「私も心当たりないわ」


「そうか、俺達と顔見知りと言えば油断すると思ったか?」


「そう言う意味じゃなくて、本当に私の事を忘れてしまったの?法子よ?私」


九郎さんは自分の手を恵さんの胸に翳すと、恵さんの胸から剣が出現して手に掴む。


「百魂の刀・疾風牙」  


九郎さんは刀を私に向けると、


「許可なくこの総本山に立ち入る者は容赦なく倒す。嫌なら抵抗するのは止すんだな」


「えっ?嘘?」


私に向かって斬り掛かって来たの。

私は錫杖で受け止めると、九郎さんが蹴り上げて私の腹部を狙う。



「何かのドッキリだったら本当に怒るわよ!もし本気なら、私も黙って斬られたりしないわよ!」


私は蹴り出された足を躱して、手甲に気を送ると数珠が飛び出して手に取る。


「少し本気よ!数珠魔弾」


数珠は鉄砲のような破壊力で弾かれたけれど、九郎さんは刀から疾風の壁を作り防ぐ。



「どうやら本当に曲者のようだな。ならばもう容赦しない」


斬りかかる九郎さんに私は印を結ぶ。


「発光閃光華」


炸裂した閃光が一帯を覆うと、その場から私の姿が消えていた。

つまり目くらましよ。


「逃げたか。追え!」


九郎さんの指示に、密教の兵士達も私を追う。


「何者かな?九郎」

「油断は出来ない相手だった。お前も用心するんだ、恵」

「うん」



二人も私を追って消える。


ふぅ〜なんなの?


私は身を潜めて五重塔に向かう。

とにかく晴明師匠にさえ会えば、何とかなる。

きっと何かの間違いだわ〜

まさか総本山全員で私へと歓迎ドッキリ?


そして総本山中央まで私は気配を消しながら、遠回りしつつ何とかやって来れたの。

私は辺りを見回して、先方に見える五重塔目掛けて駆けたの。


後、十メートル!

もう少しで五重塔の中に侵入出来るわ。

中には晴明師匠いるし、もう少しで安全領域よ。

けれど、私は見えない圧力に押し退けられ、その場に尻餅を付いてしまったの。



「いったぁ〜!今度は何よ?」 


すると私は目を丸くしたの。

だって、前方からこちらに向かって来たのは、この五重塔を守護する一人。



「あ〜ん?お嬢ちゃん。お前が例の厄災ってわけで間違いねぇな」


「へっ?あ、貴方は!」

(何それ?私がなんですって?)


その人は、この総本山を統べる座主様の親衛隊。

四人の守護者と呼ばれる一角、坂上田村麻呂さんだったの。


すると田村麻呂さんが何を血迷ったのか私に向かって剣を抜いて斬り掛かって来たの。



「ちょっ!ちょっと待って〜!田村麻呂さ〜ん!」



私は今、絶体絶命のピンチに遭遇、


そんなこんな。


次回予告


法子に斬りかかる坂上田村麻呂。


これは本当にドッキリなのか?


カメラは何処に隠れているのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ