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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編~始祖転生戦争~
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欺かれる東華帝君!?西王母の計画!


東華帝君が全てを手に入れたかに思えた。


しかし、東華帝君の前に現れたのは逃走中の西王母だった。


東華帝君は忌眼を手にした己の右腕が何者かによって切断され、落下していく。

この状況に東華帝君も怒りの感情が沸いた。


「おのれ!何者、お前は!」


その姿を見て悔しがる東華帝君は、相手が西王母だと気付いたのだ。



「よく集めてくれましたね。東華帝君。全て私の計画通りに事を進めてくれましたね」


「何を抜かす!」


すると落下した忌眼を掴む右腕を、太白金星が掴み捕縛して手に入れたのだ。

念じても戻らぬ右腕に、東華帝君は口惜しく歯ぎしりを鳴らして睨みつける。

そして手首を眼前に向けると、血が溢れ出して新たな腕が再生される。



「何処に隠れ潜んでいたと思えば、盗っ人猛々しいとはこのことだ。西王母」


「それはお前の方であろう。東華帝君」



お互い対峙して睨み合う始祖神両雄。



「始祖神であろうと今の俺の前では太刀打ち出来ぬ事は身をもって知ったのではなかったのか?またお前を封じても良いのだぞ。いや、次は始末してやろうか」


「確かにお前と戦えば私一人では敵うまい」


「そこで太白金星となら俺に太刀打ち出来ると?さもなくば奴ら(阿修羅達)と手を組むつもりか?」


「この私が何も考えずに現れたと思ってか?ちゃんと仕込み済みよ」


「何だと!」



すると、空間に歪みが現れ、新たな者達が姿を現したのだ。



「西王母さん。本来なら僕達を使う事は高くつきますよ。なんて冗談です。あの方の頼みであれば、無償でその輩を始末致しましょう。この命尽きるまで」


「お、お前は!」



その者は申公豹であった。

そして背後には数人の手練のカミシニ太刀打ちが付き従えていた。


「紂王に従い、敗れ去った後は西王母に組みしたのは知ってはいたが、何処にいたかと思えば今頃現れたか?しかし下等な者がいくら集まろうが烏合の衆と知れ」


「そう思うなら、やって見れば良い。お前達は手を出さなくて良いよ。殺されてしまうからね?此処は僕一人でじゅうぶんだ」


申公豹は直属の配下達を退かせる。


「身の程知らずが!」


が、その自信は本物だった。

東華帝君の目の前で申公豹に変化が起きる。

全身から湧き出る血蒸気の濃度は、


「ま、まさかお前は!」


「その通りですよ。東華帝君殿」


申公豹の身体が鎧に纏われていく。

その鎧は正しく血咒の忌鎧装けつじゅのいがいそう

つまり申公豹もまた倶利伽羅の力を持つ王であったのだ。



「倶利伽羅の王の力を持つ者がまた一人。しかし俺は倶利伽羅の王をも超越した唯一無二の真王なのだぞ!」


「ならば遊んでみましょ。この僕と」


申公豹が指を鳴らすと、指先から垂れる血の粒が珠となって幾つも浮かび上がり回転している。そして操られるように東華帝君に向かって撃ち放たれた。


「このような玩具」


が、寸前で嫌な予感に東華帝君は剣で弾き飛ばす。


「よく気付きました。お見事です」


「腐っても倶利伽羅王か」


申公豹の撃ち放つ血珠は、極限にまで凝縮し、更に回転を加える事で威力が異常な破壊力を持っていた。もし油断して防御していれば、東華帝君でさえも全身が貫通していただろう。

さらに己の剣に触れた血珠は生き物のように口を開き剣を蝕んでいく。

倶利伽羅同士の攻撃は有効、東華帝君は剣を捨て去ると新たな剣を自らの血で出現させる。



「倶利伽羅の王と始祖神が手を組めば、この俺に敵うと思ったか。所詮は烏合の衆」



東華帝君は剣を構えると、その殺気が西王母と申公豹を震わせた。



「ふふふっ。私達の目的はお前の足止めに過ぎない。それも全て時が満ちました」


「何だと」



その時、空から異様な気配が感じられた。

まるでオーロラのような光が視界全てを覆っていく。

その中心に浮かぶ巨大な塔のように見える封神台であった。 



「何を始めるつもりだ?封神台だと?」


封神台とは死者の魂を封じる結界装置。

この封神台より、西王母は封神大戦での死者や、数多くの魔物や妖怪達をカミシニとして甦らせたのだ。しかも目に見える封神台は、嘗ての封神台よりも巨大かつ神々しい光を放っていた。



「封神台より新たな死者をカミシニとして生み出そうと考えているのか?何処までも小賢しい。この始祖神最高の俺を差し置いて、誰を呼び起こすつもりだ?まぁ、その復活をみすみす放ってはおかんがな!」


東華帝君は封神台に向かって飛び上がると、破壊のために剣を振り上げるが、東華帝君の動きが金縛りにあったかのように動けずに空中で固定されたのだ。



「俺を金縛り?違う。この空間より先が、封神台を中心に時空間を歪める程の厚い断層に覆われておるのか?このような術式、西王母だけでは不可能なはず。他に手を貸している愚かな始祖神が協力しているな」



すると西王母が封神台に向かって行く。

西王母には東華帝君を妨害する断層を擦り抜けるように封神台へと近付いていく。

しかもその手には太白金星より渡された二つの鍵が握られていた。



「ふふふっ。あはははは!今より、この世界を統べる真の王が甦るわ。この手に入れた忌眼が最後の鍵だったのよ」


その思惑を妨害するよるに、東華帝君は、



「この俺を差し置いて何が王だ!この俺を妨害し縛るものは存在せぬ!」



東華帝君より放たれる力の波動が波紋の如く広がっていき、妨害していた断層の壁に亀裂が入っていく。そして一刀のもとに粉々になった。



「その封神台も西王母よ!お前の策略ごと消し去ってやろう!」



振り払われた斬撃が空中高く放たれると、塔のような封神台に直撃して崩れ落ちる。

崩壊する封神台に、西王母は立ち止まり動けずにいた。



「崩壊する封神台と共にお前の夢も崩れ落ちたか?もう良かろう。未練が消えた今、お前の命もこの俺が断ってくれよう」



が、西王母は笑みを見せる。

すると崩壊する封神台の中心に透明の瓢箪状の箱が浮いていた。



「お前では破壊出来るのは、この封神瓢箪の力を抑え込む結界の壁のみよ。それも今となれば全て無用。今こそ世界が真王の下にひれ伏すであろう」



西王母は手にした忌眼を差し出すと、宙に浮かびながら透明の瓢箪の中に消えた。

すると、その瓢箪の中の液体に揺れて人影が揺れ動いた。

生きているのか?死体なのかは誰にも分からない。



その人影が太陽の日差しに照らされた時、この場にいた数名は目を奪われた。


その人影の姿は・・・




消息不明の顕聖二郎真君であった。


次回予告


西王母の封神台の中にいるのは本当に消息不明の二郎真君なのか?


そしてその生死は?

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