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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編~始祖転生戦争~
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玉面乙女乱入!無粋に、腹立つ九天玄女!

法子と九天玄女の一騎打ちに乱入したのは玉面乙女だった。


しかし何か様子がおかしかった。


私は私は私は九天玄女。


私と魔眼を持つ人間の少女との命懸けの喧嘩に水をさしたのは、玉面乙女だった。

いくら西王母から任せられて守るように頼まれているからと言っても無粋に、腹立つ。



「玉面さん。貴女は私より格下。例えカミシニと同じ能力を持つ忌眼を持っていても、私の相手にならないと、貴方が来た時に教え込んだつもりだったけれれど、これはどういうつもりですか?今は黙ってみていなさい」


と、少し手荒に黙らせようとした時、


ゾワッ!


全身に鳥肌が立ち、本能的に伸ばす手を引き戻す。


「・・・」



思い出すわ。

それは西王母様が東華帝君の魔の手よりサクヤ龍王と玉面乙女がこの地に逃れ、この塔戦場に現れた時、玉面乙女は殺気だって私に向かって攻撃を仕掛けて来た。それはまさに獣の如き動きで、知性の欠片もない本能のみの攻撃に等しかった。


別に恐怖する事はなかったけれど不気味だった。

私に怨み?違うわね。本能が私を狩りに来たように思えたの。

カミシニは神を殺すように血の因子に強い思念が混ざっていると聞いた。

この仙女院国の中には西王母様の能力で、カミシニも神仙も等しく生活をしているから、こういった衝動は出ないはずなのに。


血が濃い?

聞いた話だと、忌眼を持つ者はカミシニと同じ能力を持ちはするが、純血のカミシニではない。

つまり忌眼発動時のみのカミシニ化。

中途半端な存在だと聞いていたのだけれど。



「何か不気味な力を感じるわね」


玉面乙女の能力が以前に戦った時よりも格段に跳ね上がっているように感じたから。

まるで何かに同調するかのように。

それは彼女から滲み出る陰の気。

憎しみ、怒り悲しみ、負の力が今にも溢れ出しそうなくらいに増幅されているようだった。


「それに・・・」


玉面乙女の目は充血し、本能剥き出しに私を見ていた。

いや、この場にいる全員を獲物のように物色し、狙いを付けているように見えた。



「フゥ、フゥルゥエ〜」


その直後、水血球が玉面乙女の周りに浮かび上がると、無数の弾丸となって向かって来た。



「濃縮かつ威力がかなりあるわね」


私はステップで無数の弾丸の中を潜り抜けて躱すが、その飛弾した血球弾に後ろにいた生き残った者達が巻き込まれた。

私と戦っていた人間の娘に、蛟魔王、瑤姫や竜吉公主、それにサクヤ龍王にまで。



「玉面乙女!気を確かに!負の感情に心を奪われないで!自我を取り戻すのよ!」


しかしその説得は玉面乙女の耳には入らない。

見境なく血球を飛ばして来た。



「サクヤ龍王さん。アレは何ですの?」


「暴走です。あの忌眼に魂が蝕まれ、本能のままに動かされているのです」


その説明を耳にした蛟魔王には心当たりあった。


「あの誘惑は私でも抗えない。私の負の感情を糧に目の前にある全てを破壊するまで・・・私が私で無くなるのだ」



あの蛟魔王ですら制御出来ないのか?忌眼とは?

すると玉面乙女の瞳が銀色に光り輝き、水血が触手のように伸びて来て私達に襲いかかって来たのです。蛟魔王は黄龍の盾で防ぎながら触手を躱し、サクヤ龍王も未来視の魔眼で先読みして躱していた。瑤姫は神炎を壁にして防御するが貫かれてしまい手傷を負う。


「何よ!この触手は厄介だわ」


傷ついた腕から力が抜けていき、即座に自らの炎で焼いて止めた。


「ふざけるでないわよ」


そして彼女も、


「ちょっとちょっと〜なにこれ!」


それは私と戦っていた人間の娘。


「えっ?何?」



見ていられずに私は飛び出すと、彼女の腰を抱きかかえ、持ち上げ飛び上がり触手の攻撃から守ってやった。



「何のつもりよ!助けてくれたって、私は許しちゃいないのよ!鉄扇ちゃんの仇は取るんだからね!」


強がる彼女に私は、


「今は休戦にしますわ。それに彼女を見なさい。彼女は生きていますわ」


「えっ?嘘?鉄扇ちゃん?」



鉄扇は私の使い魔の翼の生えた玄亀に守られて甲羅の上で静かに呼吸をしていた。


「ダメージを与えたから仮死状態にして治癒を施してあげていたのですわ。さっきは貴女を本気にさせるために嘘をつきましたの。だから許しなさい」



彼女を殺すわけないじゃないですか。

また、私と命懸けの勝負して貰いたいのですもの。



「ウッ!そ、そうね~ま、まぁ〜また戦って貴女に勝てる見込みないし、鉄扇ちゃんの無事が分かったことだから、今日のところは許してあげるわ」


「やはり面白い娘ね」


「その前にいい加減に覚えなさい!私の名前は三蔵法子よ!の・り・こ!」


「あら?ごめんなさい。法子」


「分かれば良いのよ。で、どうするの?」


「どうやら玉面乙女の暴走を止めないと、法子達とまた遊べないみたいだから」


「遊んでません!命懸けでした!」


「ふふふ」



そして、この法子ともまた命の駆け引きしないとですね。

その話を聞いていた蛟魔王、サクヤ龍王、竜吉公主、瑤姫が仕方なしに加わってくれた。



「待ちなさい!あの女を倒すのは私だから」



そこに目を覚ました鉄扇が飛び降りて来て参戦する。

この女だらけの布陣は他にない最強の組合わせね。


面白くなってきたわ。


次回予告


暴走する玉面乙女に敵味方同意の最強の女達が手を組む。


法子「少し休ませてよ~」


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