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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編~始祖転生戦争~
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鉄扇と九天玄女!最強の武女!!

鉄扇は現存する最強の女武神・九天玄女を相手に奮闘する。


私は鉄扇!

私の魔眼覚醒に、全てを出し切る!


「うぉおおおおお!」


「凄い!凄いわ!何よ?それって魔眼よね?そんな隠し玉を残していたなんて人が悪いわ」



私の両鉄扇の打撃を、武器も持たずに無手で受ける九天玄女は、本当に化け物だわ。

けれど私は私の戦いをする。


「鉄扇連華!」


雷と疾風が私の動きに威力を増し、加速すると同時に衝撃波が音速を超えて破裂音が響く。


「風雷爆鉄!」


渾身の一撃を腕を十字に受け耐える九天玄女は、顔を上げて笑みを見せる。



「良いわ。身体が温まって来たわ。今度は私が見せてあげる」


「!!」



九天玄女は印を結び、唱える。


「聖獣変化唯我独尊・始祖聖鳳」



すると全身が炎に包まれ、その背後に鳳凰が出現した。

九九色彩翠の衣を纏い、玄黒狐の毛皮の衣を羽織った姿だった。

そして全身を覆う闘気が纏われると、全身の肌が黒く変色していく。



「まさかお前も魔神の血を?しかも始祖の力に聖獣との变化まで?何なの!!」


出鱈目!

完全に神をも逸脱した存在。



「私がこの姿になって相手したのは過去に二人。一人は男の武神で、もう一人は羅刹女だったわ」


「あ〜そう。もう驚くのも馬鹿らしいわ」


私は金色の魔眼から放たれる金色のオーラを全身に纏い、そして恐れる事なく九天玄女に向かって突進すると、衝突と同時に衝撃が全身を震わせた。



「鉄扇、信じ難いのですけど、貴女は私に近い相手と戦った事があって?」


「教えてあげない!」



そう、あの蛇神の覇王相手に戦った時は、一瞬の隙で命が失われる。

そんな戦いを繰り広げた経験が、格上の相手に戦う勇気と手法が無意識に馴染んでいた。


「鉄扇乱舞・羅刹斬」


繰り出す一撃は私自身の筋肉を軋ませる程の衝撃で、その破壊力はもう私の限界を超えていた。にもかかわらず、九天玄女は私の攻撃を受け流し、繰り出す拳が私の命を狙う。



「河童ちゃん。私は負けないわ!」



その時、私は思い出す。

それは河童ちゃんの術練習を見学していた時の記憶。


「ふふふ〜ん」


河童ちゃんは蛇神族との戦い後からの成長は著しく、元々の妖術や仙術だけでなく、神族が使う光術も備えたようなの。



「捲簾さん、いえ、お父さんの記憶が私の知識となって、使える幅がかなり広がりました。でも、使えるのと使い熟すのとは別です。戦場で間違いなく確実に自在に使えるように鍛錬はかかせません」



河童ちゃんは印を結ぶと湧き上がる気が凝縮しながら糸状になり、無数の神気の糸が枝分かれしながら広がっていく。


「むむむむっ!」


糸状の神気は絡まりながら一箇所に集まっていき、今度は太い大木状になったの。



「その大木で鐘を打つように攻撃するのね?」


「違います。確かにこのままでも破壊力は十分だとは思います。けどもう少し見ていて下さい」


「何が始まるの?」



すると河童ちゃんは両手を合わせ、掴むようにして強く念じる。


「うぅ、うぉおおおおお!」



大木状の神気は震えながら徐々に圧縮されつつ、細い棒状になっていく。

細くて折れやすい?

違うわ。

より洗練され、鋭く強固なはず。

恐らく先の巨大な大木と衝突させたら、いとも簡単に貫通させられるほどに。


「光明の神槍」


その槍を天に向けて投げると、雲を貫通させて上昇し、弾けて爆発した。

波紋が広がって炸裂する破壊力に、私は目を離せずに驚いていたの。

あの時と同じだわ。


「今の私の力を一点に集めて、打ち込む」


私は九天玄女との戦いの中で、力の流れを拳へと移していきながら、そしてタイミングを見計らう。集中しながら、相手の攻撃を受け流す事は、まさに死とギリギリだった。

(私のイメージを、形にする)

けれどこのイメージは私にとってはその形は既に決まっていた。

かつて私の親友だった蝎子精は、このイメージを針や糸状にしていた。

そして羅刹女義姉さんも同じく、このイメージの先にある奥義を体得していたの。

私は過去、何度と挑戦してみたけれど極められなかったけれど、今なら出来そうな気がするの。



「私の信じる鉄扇ちゃんは、絶対に負けない女の子ですよ」


河童ちゃんの言葉が私の背中を押して、更に不可能を可能にするような気にさせてくれた。

これって愛よね?

私の唇がニヤけた時、


「な、何!」


九天玄女は私が今から繰り出そうとしている何かに敏感に反応し、鳥肌が立つ。



「何よ?何を見せてくれるの?まだ何かあるの?けれどその奥の手が通用しなかったら、私は間違いなく鉄扇!貴女の首を落としているから覚悟して、かかってきなさい!」



私に恐怖はなかった。


「うおぉおおおおお!」



私の雄叫びに同調した雷と風の芭蕉扇が私の手首に巻き付くように装着され籠手へと変化する。更に呼ばれたかのように別の方向から

何仙姑が使っていた芭蕉扇が飛んで来ると、私の胸当てになって装着された。


(これは?まぁ、良いわ。貰ってあげる)


そして拳を開いて引き裂くように左右から振り下ろした。



「羅刹の極み・刹那剣」



それは金色に光り輝く閃光の曲線。


「一撃一撃に恐いほど破壊の力を感じるわ。受けてたつわ!」


九天玄女が拳を振るうと波紋となって衝撃波が私の放った閃光と衝突する。



「玄武衝拳」



それは分厚い波紋衝撃の層。


「!!」


しかしその防御は私の攻撃の前にナイフで斬られたかのように切断され、九天玄女を四方向から迫る。



「凄いわ。死を感じちゃう」


切断は九天玄女の防御層よりも濃縮かつ圧縮された刃。

面白いように切れ味鋭い攻撃。



「どうやら諦めるしかないわね」



九天玄女は目を綴じると、その姿は斬撃の中に細切れとなって消えた。



「か、勝ったわ!河童ちゃッ」


その時、私は背後から強い衝撃を受けて白目をむき、気絶した。



「ふふふ。そう簡単に最強の座はあげませんわ」



私を倒したのは、全身を切り傷で血を流しながら満面の笑みを見せる九天玄女だった。

九天玄女は私の攻撃を最小限のダメージを受けながらも掻い潜り、脱出していたの。



「誇っても良いわ鉄扇さん、貴女は私の次よ」



な、何かムカつく。

けど身体がもう動かない。

力が魔眼消失と共に急激に抜けていく。



わ、私は殺されるの?


か、河童ちゃん、ごめん。


けど、私、頑張ったよね。


次回予告


竜吉公主と金霊聖母。

この女達の因縁の戦いはまだ決着がついてはいない。

この二人の因縁とは?

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