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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編~始祖転生戦争~
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鉄扇!羅刹女を超える戦い!?

鉄扇は格上の最強無比の女戦士である九天玄女に挑む。


私は鉄扇。


私の前に立ち塞がる相手は、私の義姉さんと互角に渡り合い、そして決着が付かなかった相手と聞いている。


それは昔、私がまだ義姉さんと女妖軍を率いて旅をしていた頃の事。 



「やっぱり義姉さんは敵なしだわ!どんな男相手にしても敵う相手なんていないのだから」


羅刹姉さんは女のみの軍を率いて、地上界遠征で進軍していた。

当時は群雄割拠の中、羅刹姉さんは無敗を誇り、今も雄妖怪を拳のみで平伏していたの。

そんな義姉さんを私は誇っていた。

すると羅刹義姉さんは私を見て答える。



「男相手に戦って勝利したからと言って、最強を誇れるとは思わないわ」


「えっ?どうして?義姉さん?」


「男を全て討ち果たしたとしても、この世界には女もいるのよ」


「えっ?」



私は反応に困った。

確かに女にも強い戦士はいる。

けれどやはり男には敵わないと無意識に思い込んでいたから。

いえ、男の戦士を倒し続ける義姉さんだから、最強なのだと。


偏見?


私は無意識に男に対して女は弱いと思い込んでいたのかも。



「け、けど!私は義姉さんより強い女戦士なんか想像つかないわ!いるわけないと思う!いるはずないわ!」


「いるわ」


「ほら?そうでしょ?いるわけ・・・」


間が空いて、思考が廻る。


「いるの〜???」


「いると言うか、まだ決着がついてない女子はいるわ。けれど必ず決着は付ける。彼女と約束したから」


「信じられないわ。だ、誰?その女子って」


「そうね〜」



義姉さんは言った。



「いつか貴女が女戦士の頂点に近付いた時、必ず貴女の前に立ち塞がるわ」


「えっ?教えてよ〜」



それが義姉さんから聞いた唯一の情報。


最初は蛟魔王かとも思った。


それにサクヤ龍王も。


確かに龍神族の強さは半端ないわ。


けれど瑤姫や、玉面、西王母。


この場には私の知らない強い女戦士が集っている。

あの派手な金色の衣装のカミシニ女や、竜吉公主のあの变化。

誰も全員が最強の女戦士。

この場に間違いなくいると思った。

それが彼女だったのね。


「九天玄女!」


私が最強だと信じて疑わない羅刹女義姉さんと互角に渡り合える最強の女戦士。


それに・・・


「羅刹女義姉さんは言ってたわ。貴女と必ず決着をつけると。けれど已む無く私が代わって証明してあげる。本当の最強の女子を!」


私は懐から芭蕉扇をニ扇手に取ると、九天玄女に向かって攻撃する。

雷が放電そし、真空の刃が繰り出される。



「武器を手にしたから勝てるとか思わないで欲しいわ」


分かっているわ。

けれど、今、私が出来る全てを出しきらないと・・・

あの義姉さんと渡り合う九天玄女には相手にならない。

今の私が、羅刹女義姉さんに何処まで追いついたか、技量を問われる戦いでもあるの!



「この娘、私をみてない?失礼ね!」


九天玄女は拳を軽く握ると同時に、まるで放たれたかのような拳が私に向かって迫っていた。

(速っ!)

でも躱せないわけじゃない

私は紙一重で左右に揺れるように躱す。

けれど頬に、左腕に擦れて切れた皮膚から血が垂れる。

傷も痛みも気にしては駄目よ。

意識を前に、意識を集中させて、研ぎ澄ます。

今、私は目の前の敵を討つ刃!


「凄いわ、鉄扇?貴女、私の拳を見切っている?なら、もっと加速しても良いわよね」



マジッ?これ以上速くなると言うの?

一瞬、全身を凍り付かせるような死が迫る感覚に身が縮む。

その一瞬、身体の一部が失われた感覚がした。

持っていかれた?

腹部に受けた拳で肋が砕かれた。


死!!


「!!」



その時、私の記憶が走馬灯のように廻る。

九天玄女の拳の速さは更に加速し、私は全身から血が噴き出す。

それでも致命傷は避けられた。


「ふふふ」


私は笑みを洩らしていた。



「何が可笑しいのかな?気が変になったの?貴女?」


「そうかもね。この状況で思い出したのが」


「?」



私は死の直前、義姉さんとの約束ではなく、あの日の約束の事を思い出したから。

この塔戦場へと行く事を決めた時、河童ちゃんと交わした約束。



「本当に気をつけてくださいね」


「大丈夫よ!私を誰だと思っているの?」


「でも最近、鉄扇さんは何か気が張っているように思えたから」



それは宿敵、玉面の因縁ある事を知っていたから。

私の義姉さんを殺した張本人。

一度は私の手でかたきを討ったと思ったのに、カミシニとして再び蘇った。



「鉄扇ちゃん、私は信じています。鉄扇ちゃんは強く、格好良く、素敵だと」


「も〜う!もっと褒めて〜」


「だから、」


「?」


「必ず私のもとに無事に元気に戻って来てください」


「!!」



私は河童ちゃんの真剣な目に赤面した。


「当然よ!」

「約束ですよ」


そう、約束したんだ!

私は河童ちゃんの所へ必ず帰ると!


その時、九天玄女の拳が私の眼前に迫っていた。



「戦いの最中に他の事を考えるなんて余裕ね!」



突き出された九天玄女の拳は、


「あ、貴女」


私の振り上げた拳で跳ね上げられた。

そして見上げる私の前髪の隙間から瞳が輝く。

金色の魔眼

私の身体から金色のオーラが纏われ、同時に桁違いの力が湧き上がる。



「少し前から攻撃の直前だけその力を小出しにしていたようだけど、まだそんな力を隠しもっていたのね」



この魔眼の力は私の魂を削ると言われ、全開に開放させる事はしないようにしていた。

けれど、今、使わないと。



「これが私の全てよ!」



蛇神族との戦争の最中、覇王相手に出した全開の力。


「もう一度言うわ!私は強く、美しく、そして最強の女子!鉄扇よ!」



私は金色のオーラを纒った拳で九天玄女を殴り飛ばしていた。


「ウッ」



心臓が鷲掴みになるような感覚をおぼえた。

幾度と私に力をくれた魔眼が私を蝕む?

それでも、



「ギリギリの死線を越えて、約束を果たすわ!」




次回予告


鉄扇の魔眼全開解放は、九天玄女に通用するのか?


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