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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編~始祖転生戦争~
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蛟魔王とサクヤ龍王!姉妹激闘!

法子と剛力魔王の前に現れたのは蛟魔王


かつて敗れた実の姉、サクヤ龍王との再起戦勃発!


私は蛟魔王。


「サクヤ姉さん・・・」


「この私をまだ姉と?フフフ。貴女の知る私はもう死んだのよ。この私はカミシニ。お前の敵よ!」


「そうだな。なら姉の姿を持つ偽りのお前を、この私の拳で冥土に送るまでさ」


「やってみなさい、乙姫!」



その瞬間、サクヤ龍王は私の動きを捉えられずに腹部に拳を受ける。


「ウッ!」


後退しながら仰け反るサクヤ龍王は唇から血を垂らしながら私を見た。

カミシニの能力が通用しない?

先の戦いで無力だった私とは完全に別物だと認識していた。


「その神の力を消す忌まわしい能力を上回る力でねじ伏せる。この始祖の、黄龍の力で」



私は黄龍の鎧を纏い、その力は以前にサクヤ龍王に敗北した時とは別格だった。



「本当に恵まれ、龍の血に愛されているのね。そんな貴女が私には憎らしかった!」


「!!」


「私は拐われ、呪われし血に全身を犯され、龍神国に帰還出来た後も、この血が龍神国を滅ぼすと知り、この命を己で絶った」


「やはり、そうだったのだな」



かつてサクヤ龍王は戦場で強者相手に単独で挑み、その身を氷の棺の中で息絶えたと聞いた。

しかし私は信じられなかった。



「たとえ強者を相手にしたと聞いても、それでもお前の負ける姿が信じられなかった。お前は、己でその身を絶ったのだな。龍神国を守るために!姉さん!」


「止めなさい!今の私はもう別の存在。今はカミシニと呼ばれる世界を滅ぼす生物。お前の敵!そして義妹の玉面を守る者」


「実の妹の私より、カミシニの血を受け入れると言うのか?」


「そうです。私は新たな生を手に入れ、今度は自由に、思うが人生を歩むと決めたの」


「そうか、ならばやはり私はお前を止める」


「出来ますか?今もなお私を姉と呼んだお前に!」


「出来るさ。お前と戦うために、この黄龍の力を手に入れたのだからな」



私は飛び出していた。

しかしサクヤ龍王に接近する間近で足下から膨れ上がる巨体の者が阻む。



「お前は!」


それは人型の血の塊だったが、徐々に姿を現していた。


「私の血に宿る彼が、この私の身の危険に応えてくれたのね。一角鯨龍王」


その者はサクヤ龍王の男。

共にカミシニとして復活したが、浦島により討ち取られはずだった。



「生きていたのか?」


「お前の男は大したものね。私の彼を討つほどの男なんて、お前の見る目は本物よ」


「?」


「さっきね、そこに倒れている八仙の何仙姑が死者蘇生の術を私に見せてくれたの。その術は女のカミシニが使える特殊な能力。血の絆で結ばれた死者を召喚する秘術。だから女である私にも使えると思ったの。どうやら成功したようね。ふふふ」


「血身蘇生操」


一角鯨龍王は巨体から繰り出す巨剣を降りおろし、私はその勢いに後方に飛び退く。



「噂に聞く力だ。一角鯨龍王よ。しかし二人がかりで戦えば私に勝てるとでも思ったか?見誤るな!」


「見誤っているのはお前の方よ。彼は私と一つになるために甦ったのだから」


「何?」



私の目の前で、一角鯨龍王がサクヤ龍王を包み込むように背後から抱きしめると、その姿が吸収されていく。


「血魂融合式」


サクヤ龍王の姿は血のように真っ赤な一角鯨の鎧に身を包んでいた。


「行きます」


「!!」


その動きは有り余るパワーで飛び込むと、私に向かって双剣を打ち込む。


「クッ!」


受け止めた黄龍の盾から伝わる剛剣の威力。

足が床に埋め込み、地盤が陥没した。


「このぉ!」


振り払う拳は空を切る。



「忘れたの?私にはお前の動きが手に取るように分かるのよ」


(わかっているさ)


サクヤ龍王は未来を読む力を持つ龍眼を産まれなからに持つ巫女だった。

その力は龍神国の繁栄のために、危機的災難を視るだけではなく、戦場の中では相手の動きを先読み出来る厄介な能力。

その為の対処法として、サクヤ龍王の反応が出来ぬくらいの動きを手に入れるために黄龍王の力を覚醒させてパワーアップを試みたのだが、まさかまだ奥の手があったとはな。


「流石は姉上だよ」



恐らく覚醒した力の向上は私の方が上だろう。

しかしサクヤ龍王の先読み出来る分、その動きや対策を出来る分、力量の差は・・・


「互角!」


私は手首から龍鞭を伸ばすと、サクヤ龍王に向けて打ち込む。



「私の未来視は先読みとは違う。この先の未来を見て判断するのよ」


「そんな事は分かっている」


私の龍鞭を伝い龍気が籠められると、枝分かれしながら龍の姿と化してサクヤ龍王に向けて牙を剥き襲いかかる。


「力押しですか?私も力負けはしませんわ」


手にした双剣が膨れ上がり大剣となり、軽々と振り回しながら襲いかかる龍を切り伏せていく。



「私本来のスピードに加え、一角鯨龍王の剛剣をも加わり、まさに無敵ですわ」


(しかも攻撃の手が読めれば恐いものはない)


そうサクヤ龍王が確信した時、突如見えている未来視が歪んだ。



「えっ!?」



未来の確定が定まらない?

それは無数とある未来の選択肢が別の力で確定を拒んでいるように思えた。


(選べない??)


こんな事は初めてだった。

しかし、この状況が何なのか知らないわけでもなかった。




「私以外に未来に干渉出来る者が、この場に他にいるって事なのですか!」



それは私ではなかった。


私とサクヤ龍王の戦いに水を差す者は?

次回予告


厄介なサクヤ龍王の未来視を歪ませる者の正体は?


その者は何者?

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