九天玄女!最強の女??
塔戦場の戦いを止めた者がいた。
その者とは?
あわ~
私は法子よ!
私は蛟魔王さんと剛力さんと一緒に抜けた空間の外には鉄扇ちゃんと八仙の何仙姑だったかな?それに蛟魔王さんのお姉さんのサクヤ龍王さん。壁際には眠っているのか玉面乙女が見える。
それに竜吉公主さんが金ぴかのカミシニと戦闘中みたい。
「この場にいる皆ぁー!私と戦い合いましょ~う!」
えっ?誰?
その女仙は中央に立ち、満面の笑みを見せて私達に向かって叫んだの。
な、何者?敵?味方?
「あの女仙、まさか」
その存在に心当たりある蛟魔王さんが目を丸くして見ていた。
「知っているの?あの女仙?有名人?」
「私も初めて目の当たりにするが、恐らくあの女仙は、間違いなく」
「間違いなく?」
「最も強い女かもな」
「えっ?」
最も強い女って何?
「それって蛟魔王さんよりも?」
無言の蛟魔王さんに、
「嘘よね?蛟魔王さんよりって、まさか、本当に?」
「奴は九天玄女。姉さんとの戦いに水を差すとは」
「九天玄女?」
蛟魔王さんは黙って凝視していた。
「えっ・・・」
すると、この場の空気を変えた九天玄女は一人一人に指を向けて言う。
「この場にいる皆は絶対に超有望よ!だから今、私が味見してあ・げ・る」
その一瞬、全身が凍り付くように寒気した。
まるで蛇に睨まれた獲物のような気分だわ。
「ちょっと待ちなさいよ!九天玄女!西王母様に言われた事を忘れたの?」
「忘れてはいないわ。けど欲望が約束を上回っただけ♪」
「だけ♪じゃないわよ!私達は西王母様に頼まれた玉面乙女の保護でしょ?どうしてもヤりたいのだったら、他の連中にしなさいよ」
「私は貴女ともやり合いたいのよ?」
「御免だわ!私は牛角魔王を討つまで死にたくないわよ!貴女と戦って勝てる気なんかしないから」
そのやり取りから、あの強い瑤姫が勝ち目がないなんて言わせる九天玄女は、間違いなくとんでもない化け物だとわかる。
「九天玄女!この金聖霊母は私の獲物よ!もし貴女が邪魔するのなら、私は貴女が相手でも許せない」
「う~ん。流石に姫様相手には手を出さないですわ。仕方ないです。その金ぴか女仙はお任せしますわ~」
するとくるっと振り返り、私達を一通り舐めまわすように見ると、
「貴女達、誰から相手してくれる?」
ぞわっとした。
私、蛟魔王さん、鉄扇ちゃんに剛力魔王さんは誰一人、指一つ動けなかった。
何なの?この威圧感は?
瞬間、「えっ?」
「行くわよ」
「えっ?な、何?」
九天玄女が煽ぐように掌を振ると突風が巻き起こし、私達を吹き飛ばす。
「きゃあああ!」
直後、私達四人は何が起きたかわからない状態で弾き飛ばされた。
凄まじい圧力が押し潰すように私達の足を止め、そして軽くなったと同時に飛ばされた。
「こぉの!」
私は吹き飛ばされながらも身を捻って如意神向を地面に突き刺し、そして勢いを殺して着地したの。
「皆、大丈夫?」
「問題、ない。しかし、奴、強い」
「みたいね」
私は、突然現れた九天玄女に対して、とてつもない圧迫感を感じた。
カミシニでもなく、始祖神でもない。
なのに何故?何者?
「皆さ~ん!私にダメージ与えられたら、西王母殿から任された鍵をプレゼントしてあげても良いわよ!」
「なっ!?」
それには瑤姫が反抗する。
「ちょっと!勝手な真似しないで」
「だったら、貴女が私を騙せてくれれば良いと思うの」
「ぬっ!?で、出来ないと思って酷いわ!」
「瑤姫~。貴女は相手の力量に対して怯み過ぎよ?死ぬ気で戦わないと面白くないわよ」
「そんな馬鹿な真似誰がいるもんですか!」
「いるわよ?」
「えっ?」
見上げたその時、
「馬鹿なの?アイツら!」
頭上から襲いかかって来たのは、私に蛟魔王さん、鉄扇ちゃんに剛力さん。
「一斉に討つぞ!」
蛟魔王さんの合図で飛び出した私達の奇襲。
「面白い娘達。疼くわ」
「馬鹿なだけよ!」
「私はそんな彼女達に教えてあげたいのよ。私って壁を!」
九天玄女は突っ込んで来た私達の動きを目に捉えると、その場から動かずに掌を叩いた。
「えっ!?」
その衝撃が私達の勢いを止め、更に静かに構えて拳を固めて撃ち込んだの。
「直撃!?」
私は如意神向を前方に向けて力を込めると、その軌道が微かに逸れ後方の壁が粉々になった。る
「あら?受け流した?特殊な力を持つ娘ね。けど力不足ね」
そこに間合いに入った剛力さんが拳を打ち込むと、その拳は止められる。
「馬鹿、な!」
その拳は九天玄女の2本指を縦に受けられ、拳を握り返して放り投げる。
「ぐわぁ!」
すかさず鉄扇ちゃんが芭蕉扇を両手に持ち、力強く扇ぐ。
「芭蕉扇・風雷の竜巻」
「その攻撃は陽動ね。そして」
竜巻の中を抜け出し、蛟魔王さんが飛び出すと、渾身の一撃を打ち込む。
「逆鱗・龍王拳」
己の龍血を活性化させた力の向上。
その一撃は無敵。
「この中では貴女が一番強いみたい」
蛟魔王さんの拳に合わせるように拳を打ち込み衝突させると、
「ぬっ!嘗めるなよ」
「嘗めないわ。だから本気出してみて」
「なら見せてやろう。この龍神国最強の私の力をな!」
蛟魔王さんの身体が光輝くと、
「黄龍変化唯我独尊!」
金色の黄龍の鎧を纏った蛟魔王さんは今、始祖の力を解放させて向かい討つ。
「始祖っ娘ね!来なさい」
二人の拳の衝突が、強烈な震動を起こした。
「ウォオオオ!」
あの蛟魔王さんの本気の攻撃に対して、九天玄女は笑みを見せながら拳を交わす。
「モットモット!モットモット!」
何て化け物なの?
「逆鱗・乱華」
蛟魔王さんの繰り出す拳が何十にも見える。
「凄い。うん。大したものよ!私を今日まで追い詰められる攻撃をしてこれた女子は貴女が二人目よ」
「そうか、そのもう一人は気になるが、お前を倒すのは私が最初になるかもな」
「楽しみよ。確かサクヤさんの妹よね?」
「蛟魔王だよ!」
拳と拳が衝突して、流石の九天玄女も威力負けして拳を引く。
「いったぁ~!」
拳に息を吹きかけながら、九天玄女は楽しんでいたの。
本当に戦闘狂のようね。
「血湧き肉躍るわ。あの赤髪の魔神族の女子以来よ。この私を楽しませる女子は」
その九天玄女の言葉に今まで二人の戦いに怯んでいた彼女の肩がビクンと震えたの。
「さ~て!私を本気にさせて!限界までね」
「速攻、潰すよ!」
九天玄女と蛟魔王さんが再び衝突しようとしたその時、二人は頭上より凄まじい勢いで乱入して来た攻撃に動きを止めて後方に躱す。
「何よ!邪魔しないでくれないかしら?今、私、とても感動しているのに~」
「お、お前」
二人の戦いに割って入り、邪魔をしたのは、
「蛟魔王!ここは私に譲って!」
「強いぞ?」
「見てれば分かるわ。それでも私が戦わないといけない。この女妖怪最強を謳う私が」
「そうか、譲ろう。お前の決意を力に変えろ。鉄扇」
頷くのは、鉄扇ちゃんだった。
「何よ!勝手に交代しないでよ!悪いけれどお嬢ちゃんでは役不足だと思うわよ。少なくとも蛟魔王より劣るわよ」
「そうね、でも今から限界超えるから」
「面白い事を言うけど、直ぐに決着つけて直ぐに蛟魔王と再戦するね」
九天玄女の姿が一瞬で消えて、その神速で鉄扇ちゃんの間合いに入る。
「その可愛い顔には傷つけないでいてあげる。その代わり、そのまだ未熟な胸に風穴空けて終わらすわ」
突き出された手刀は鉄扇ちゃんの胸を一直線に繰り出された。
「!!」
が、その手刀は掴まれて止められたの。
「あ、貴女、その姿、あの時の彼女と似ているわ。あの羅刹の女と」
「お前が戦ったのは私の義姉さん。義姉さんに代わって私がお前に敗北を教えてあげる」
鉄扇ちゃんの姿は羅刹変化で皮膚が褐色に、髪が燃える炎のように紅く靡いた。
「私の名は鉄扇、お前を倒す最強の女子よ」
「あら?これって縁ですかね。良いわ。かかって来なさい!」
二人が交差した時、その衝撃がこの場を揺らすと、残された蛟魔王さんは別の相手を見ていたの。
「姉との因縁か。なら私も因縁の貴女と決着をつけないとな」
その視線の先にはサクヤ龍王さんが同じく蛟魔王さんを見詰めていた。
「乙姫、また私に敗北したいのね」
「今度はどうかな」
因縁の戦いは続く。
そんなこんな。
次回予告
蛟魔王とサクヤ龍王再戦!?




