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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編~始祖転生戦争~
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高貴な血統!始祖の血統!皇族の血統!彼女の決闘!

法子と剛力魔王は?


そして塔戦場に入り込んだ女達の戦いの行方は?



今、この女人国では至るところで女達の戦いが繰り広げていたの。


私は法子よ~


私と剛力さんは始祖の血統の瑤姫ようきを相手に戦っていたの。

と、言いたいけれど一方的に襲われている感じ。


「何故、逃走?私、戦闘望む」

「馬鹿言いなさい!剛力さん、消耗が激しすぎるわよ!今は撤退よ!撤退!」



正直、勝てるレベルじゃなかった。

始祖神って何なの?

あの森羅万象変化って何よ?

飛躍の仕方が桁違いの化け物よ~


「逃がしはしないよ」


指先から赤い炎が迸ると、私達が逃げる方向が炎に覆われてお慌てて立ち止まる。



「あ、危なく丸焼きになるところだったわ」


「やはり、戦う。お前、単独、逃げる」


「逃げないわよ!」


「どっちだ?」


「私はね、相手の隙を見て、万全の状態で楽して勝ちたいだけただよ!」


「・・・」



真面目な顔で返答する私に剛力さんは目が点になる。


「お前、孫悟空、似てる。ずる賢い、所」


「それは失敬よ?剛力さん?」


「・・・・・・」


すると炎の槍が私達に向かって飛んで来たの。


「も~う!仕方ないわね」



私は如意神向を振り払うと、飛んで来た炎の槍は軌道を変えて地面に突き刺さる。


「お前、力有る。なのに、何故、逃走?」


「言ったわよね?私は楽して勝ちたいの!勝った後に剛力さんと笑顔で楽しくお茶ベリしたいのよ」


「お茶、べり?」


「剛力さんと牛角魔王さんの恋愛話をじっくりお菓子を食べながら聞かせて貰うわよ!そのために、目の前の敵を倒すわよ」


「!!」



赤面する剛力さんの顔は乙女だった。


う~ん。


戦う女闘士って感じだったけれど、可愛いわ!

うん。絶対にお茶べり会する!


そんなこんなで私と剛力さんは瑤姫ようきを相手に本気に戦う事になったの。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





その頃、この塔戦場の最上階では最終決戦が始まっていたの。

新たな仙界の支配者東華帝君の配下として現れた金聖霊母と、この塔戦場で最上階の層を与えられ、囚われた西王母の片腕の九天玄女との対決。


二人の戦いは激しくも単純。

手にした剣で斬りかかるのみ。

下手な小細工はなく、単純に相手を斬るために渾身の一撃を繰り出しては衝突し、お互いの腕を震わせた。


「お前の他に五人、それに後から呼んだ助っ人も斬らねばならぬから、そう時間はかけられないですわよ」


「私達の他に?助っ人?」


その助っ人には心当たりはなかった。

なかったけど、意識をこの部屋の空間に広げた時、金聖霊母は何者かの接近に気付いた。


「何か来る?」


「何を余所見しているのですか?余裕ですわね」


九天玄女の蹴りが金聖霊母の腹部に直撃し、怯んだところに追撃の剣が眼前に迫っていた。

躊躇ない攻撃に、金聖霊母は斬られる覚悟をしたその時だった。


「!!」


突如、九天玄女の付き出した剣は弾かれ、その隙に金聖霊母は飛び上がり体制を整える。


「命拾いした。しかし誰だい?お前?」


金聖霊母は助けられたにもかかわらず、その相手に心当たりがなかった。

同時に九天玄女もまた不振がる。



「また侵入者が入り込んだようね。もう、今日は何て日でうか。この私に挑む強き挑戦者がこう現れる。しかし先に名を聞いておきますわ。貴女は何者ですか?」



二人の間に割って入った者は、その顔をローブで隠していた。


「・・・」


無言の侵入者に対して、二人は攻撃の手が止まる。

目の前の相手は敵か味方か分からなかったから。



「突然の割り込み申し訳なく思います。しかし目の前の相手は私の仇のため、他の者に斬らせるわけにはいかなかったのです。この金聖霊母を討ち果たすため、私はこの場に現れました」



そして顔を隠していたローブを脱ぎ捨てると、九天玄女は目を見開いて驚く。



「まさか姫様ですか?貴女は失踪し、既にこの世にはいないものかと」


「ふふふ。酷いわね。けど仕方ないわね。私は時の牢獄に閉じ込められていたのですから」


「時の牢獄?いったい、誰に?」


「それは、この今の現況を裏で操りし者の陰謀。私はその者の計画を知り、幽閉されてしまったのです」


「姫様・・・」


「話は後にしましょう。先ずは目の前にいる憎き仇を討つのが先」



その話を聞いていた金聖霊母は、目の前の女に心当たりがなかった。

いや?忘れていると言った方が正しいかもしれない。



「九天玄女ならまだしも、お前のような己の力量を見誤り、私の相手すると笑わせてくれるような者には私の足下にも及ばないぞ。早死にしたければそれでも良いが?」


「そうか、ならば教えてやろう。この竜吉公主がお前に引導を与える」



竜吉公主とは、天界の王の娘。

顕聖二郎信君の親戚にて、西王母の実娘。



「カミシニでもないお前のような神族が、このカミシニの頂点である倶利伽羅の私に触れる事は叶わぬよ」


が、


「えっ?」



油断は確かにしていた。

しかし間合いに入られる事など、考えられない事だった。

にもかかわらず、竜吉公主は金聖霊母の手首を握ると、力任せに投げ飛ばし、更に手にした大槍を突きつける。


「クソォ!」


金聖霊母は寸前で躱すが、頬が斬られて血が流れる。そして顔を傷つけられた事と誇りを傷つけられたダブルショックで逆上した。



「この下等な女が調子に乗りやがってぇー」



が、竜吉公主は怯む事なく印を結んでいた。



「この高貴な血統の私が下等と?笑わせるわ。この始祖の血統であり、皇族の私から見ればお前こそ調子に乗ったうつけ者よ」


そして唱えられたのは、



「森羅万象唯我独尊!」


竜吉公主の身体から異常なほど濃密な神気が膨れ上がり、そしてカミシニである金聖霊母の血の呪縛に能力を消される事なく発気した。



「お前は始祖か!」


「遅い」


竜吉公主は三叉の槍を突き出すと、金聖霊母は全身を貫かれて血だらけになって転がった。



「流石、姫様ですね。力は昔と、いえ、更に磨かれているご様子」


「全てはこの日のため。愛する夫、洪錦を手にかけたこの女は、この私の手で必ず討つと誓ったのだから」



すると血溜まりの中から金聖霊母が起き上がる。

真っ赤に染まった衣が異様な歪みを見せた。



「血が抜けて頭がスッキリしたようだわ。そうか、思い出したぞ?お前はあの時の女か」


「思い出した所で、悔いなく始末させて貰おう。洪錦を手にかけたお前には楽な殺しかたはしないつもりだよ」


「仇討ちか。ならば返り討ちにしてあげるわ!この私を相手にした事を後悔するがよいわ!」



金霊聖母は両掌を広げると、掌を中心に空間が歪み、そして何かが飛び出る。



「噛み砕かれなさい。竜虎如意」


それはカミシニの血で造り上げた竜と虎が意思を持ち竜吉公主に襲い掛かる。


「ふんーー!セェイ!」



竜吉公主は三尖両刃刀さんせんりょうじんとうを巧み使い、襲い掛かる竜と虎の接近を許さず、そして突きつけると虎の姿をした化け物が消滅する。

しかし竜の方は蛇のようにくねりながら移動して背後から牙を剥ける。


「!!」


竜の牙が竜吉公主の首に噛みつき、血が噴き出すと、そのまま頭をもぎ取った。


「そうか、忘れるところだった」


金霊聖母は背後に迫る槍を紙一重で躱して槍を掴み押さえると、その攻撃の主を見下ろして笑みを見せる。目の前で惨殺された竜吉公主は分身で、本体が背後から槍を突き付けて来たのだ。



「お前は身代わりの術を私に見破られて殺したつもりでいたのだが?竜吉公主」


「私は・・・」


確かに竜吉公主は殺されかけた事がある。

目の前の金聖霊母の圧倒的な暴力に。

しかし瀕死の状態で止めを刺されなかった事が幸いしたと言って良いのか。

嘗ての夫であった洪錦もまた瀕死の状態で動かない妻の元に身体を這わせながら近付くと、「俺の分まで生きよ!生魂の術」

己の生命力を与えて、身代わりとして妻の竜吉公主を生かしたのだ。



「愛した男の命の上に私は生き残った。やり遂げなければならない事があるから。それは洪錦の仇であるお前を討つ事。そして」


「そして?」


「嘗ての仙界大戦、そして今、カミシニなる異物を使い世界を滅ぼそうと全てを企てた黒幕を私が討つために」


「!!」



その言葉に金聖霊母は目を丸くする。


「お前、何処まで知っている?」


「知りたいか?お前は東華帝君と一騎打ちの末に敗れて配下に成り下がったらしいな。しかしそれはどのような企てだ?いや、話さなくとも知っている。お前もまた操り人形なのだから」


「そうか、お前は生かしては置けない。今度は必ず息の根を討つとしよう」


「討たれるのはお前の方よ」


互いの力か衝突し、そして力と力が交差した。

その揺れは塔戦場を揺らす。



「姫様、油断なさらず」


九天玄女は二人の戦いを見ながら思っていた。


「感情に飲み込まれてしまっては倒せる相手も倒せません。既に三度ほど倒せる機会を見逃してしまっている」


この二人の最強対決を前にして、この九天玄女の冷静な反応は恐ろしいものがあった。


「さて、私は二人の戦いを見届けるか、下の層の侵入者を討つか、熔岩地層に入った二人は瑤姫が相手してくれているから問題なさそうだけれど、他の者達も邪魔ね。特に・・・」



九天玄女は侵入者の中に、興味深い力を感じていた。

その相手とは一体?





ちなみに・・・


私は法子よ~

私と剛力さんは、もう危機的状況よ~


「剛力さーん!!」


血まみれの剛力さんが膝から崩れるように地に顔をつけた。



そんなこんな

次回予告


法子と剛力魔王は、桁違いの化け物相手に勝機はあるのか?


物語は塔戦場の中で混戦乱戦となっていく。

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