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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編~始祖転生戦争~
606/713

初戦は熱いバトルよ!剛力魔王と早魃!

塔戦場に入り込んだ法子達。


そこで始まるは三つ巴のバトルロワイヤル。


さてさて~

私は法子よ。


私はね、ふぅ~暑いわ~


「暑くて死にそうよ~!」


女人国塔戦場の中は、火山層の頂上だったの。


「耐えろ。お前、鍛錬出来て、ない」

「しょうがないじゃないのよ~」


私は全身に気を覆い、多少なりとも暑さから身体を守っているのだけど。


「暑いものは仕方ないのよ!」


「見ろ、現れた」

「えっ?何が?」


すると離れた場所から感じる殺気に気付き、私はその主の姿を見る。

その者は女仙早魃そうばつ


「お前達から始末してやるわ」


「見て分かるくらい私達の事を敵視しているようだけど、「誰?」


「この私、早魃そうばつを覚えていないのか?そうか、構わない。直ぐにお前達を枯らしてやるよ!」



全身から血蒸気が沸騰しているように噴き出すと、更に蒸し暑くなる。


「何?何?あのヤカン女は!」


放たれた蒸気は私と剛力さんを囲むと、中は完全にサウナ状態だった。

しかもカミシニの血蒸気だから神族ならひとたまりもないわ。

けど私は負けないからね!


「如意神向!」


私の神具・如意神向は、方向を変える能力。

私は頭上へと向きを変えると、血蒸気の流れは頭上へと逃げていく。


「法子、そのまま、いろ」

「えっ?うん」


私が血蒸気の軌道を変えて堪えると、剛力さんは薄くなった場所から飛び出して抜け出したの。


「んなぁ?私の蒸気から抜けでしただと?どうやった?」


その時、私が軌道を変えている姿が見え、


「あの小娘!余計な真似を」


が、既に目の前には剛力さんが接近していたの。

その拳から繰り出される圧力におされながら、


「生意気な!」


更に血蒸気を噴き出させて視界を消し、上空へと飛び上がり逃れる早魃そうばつ


「逃が、さない、私」


剛力さんは地面に腕を押し込み、そのまま溶岩石を持ち上げて狙いつけたの。


「飛べ」


熔岩石は飛び上がった早魃そうばつに向かっていくと、気付いた時には


「うぎゃあああああ!」


放り投げられた岩石の直撃を受けた早魃そうばつは落下しながら、全身に打撲を受けて、怒り形相で私達を睨んでいた。


「許さねぇ!許さねぇ!枯らす!枯らす!枯らす!この一帯、私残らず枯らしてやるわ」



早魃そうばつの身体に紋様が浮かび上がる。



「何?あれ?何か紋様みたいの浮かび上がったわよ?剛力さん」


「それ、だけじゃ、ない。アイツ、力、飛躍」

「マジでぇ~??」


濃厚な血蒸気を全身に纏い、まるで羽衣のように覆っている。


「今の私はかなり熱いよ!」


噴射した勢いで私達の間合いに入り込み、そして掴みかかってくる。



「あんなのに掴まれたら、シワシワのお婆ちゃんになっちゃうわよ」

「問題、ない」

「えっ?」


すると剛力さんの皮膚に黒き紋様が濃厚に浮かび上がり、更に筋肉が絞まる。


「同じじゃないわね?けど、剛力さんもパワーアップ??」


二人は私を除け者にして衝突したの。

私はと言うと二人の衝撃に吹き飛ばされないように、如意神向で勢いを反らして堪える。


「グググっ!」


剛力さんとは、


「熱波の断罪」


早魃そうばつの繰り出す高熱の手刀を弾く剛力さんは、その豪腕を突きだす。

凄まじい衝撃が背後の岩を粉砕し、その破壊力に早魃そうばつは負けじと熱気の羽衣を引き込む。


「ヌッ?」


剛力さんの腕に羽衣が絡まり、火傷を負わせなから動きを止めた。


「まだよ!まだまだ!」



更に全身に絡まり、剛力さんの動きを完全に拘束したの。


剛力さん!


「確かに馬鹿げた力を持っているようだが、力任せで勝てるほど私は甘くはないよ」


絞まる羽衣を操りながら、剛力さんの筋肉に食い込んでいく。


「そのまま引き裂かれろ!」


が、絞まりが止まる?



「私、身体、そんな柔、ない」

『剛・理・羅』


凄まじい闘気が発し、更に強化された剛力さんには漆黒の鎧が纏われ、そして力任せに早魃そうばつの羽衣を引き裂いたの。


「馬鹿力だけで私の羽衣を引き裂いただと?何て奴だ!あの黒い方は、肉体強化しか出来ないカミシニでも下級だろ?ありえん!」



肉体強化はカミシニの能力でも初歩的な能力であり、当然の能力。

確かに持ち主の個人差はあれど、その能力のみを特化させた剛力さんの力は下級とは呼べない。

孫悟空も、牛角魔王さん、それに蛟魔王さんでさえ剛力さんの事を高く評価していた。


「安心出来るわ」


剛力さんは腕に絡まる羽衣を強く引っ張ると、


「うえっ!?」


早魃そうばつは引き寄せられるように間合いに引き込まれていた。


「殴る」

「ヒイィィィ!」


その迫力に早魃そうばつは背筋が震え、そして迫る拳の恐怖に悲鳴をあげた。



「い、嫌だ。死にたくない。私は選ばれたんだ!金光聖母の紋様の儀式に耐え抜いたんだ!皆、皆、消えて死んでいく中で、私は生き抜いた。私は強い女だぁあああ!」



早魃そうばつは全身を高熱化させて防御ではなく攻める事に転じたの。


「その、魂の、強さ。伝わった」


剛力さんも受けて立つ。


互いの間合いが重なり合った時、剛拳と熱手が交差し、受け止め、弾き、剛力さんの肩が発火して火傷し、早魃そうばつもまた肋を砕かれながらも、眼光鋭く互いに引く事なく意地と誇りをぶつけ合う。


私は二人の戦いを見て思った。


「わ、私には無理だわ~」



あれが闘士同士の戦い。

人生を戦う事に捧げた女同士の戦い。

そして二人が互いに繰り出した一撃が、お互いを弾き飛ばした。



「剛力さーん!」


私は駆け寄り、剛力さんを見ると、全身に火傷を負いながらも、私の差し出した手を払いのけ、自らの足で立とうとする。



「私、助け、いらない。自分、足で、立つ」


「剛力さん・・・」



そして眼光はまだ先を見ていた。

その視線の先には、同じく自らの足で立ち上がる早魃そうばつがいたから。



「ハァハァ、マジに強い女だ。けどよ、私は負けないよ、負けてたまるものか!私は選ばれたのだから!」


それは儀式だった。

連れ去られ、集められた仙人達の中からカミシニとして生き残れるのは二割から三割程であった。そして残ったカミシニの中より、更に選別が行われた。

それは倶利伽羅の力を持つ金光聖母の儀式。

金光聖母は見所あると思われる者を自らの術で強引に潜在能力を引き出し、生き残った者を配下にしていた。嘗ては聞仲やチョウコウメイも弟子にしていたという。

そしてカミシニとして、倶利伽羅の力の欠片を注ぎ込み、その潜在能力だけでなく、強化させる実験を行った。

そして精神を保ちつつ、生き残れたのがこの金光聖母と、八仙の何仙姑だった。



「死んでいく連中を見て、私は思った。生き残れた私は特別なのだと!私は選ばれたのだぁー!!」


傷付いた身体を立て直し、更に力を全開にまで解放させたの。

皮膚に浮かぶ紋様が全身に広がりながら皮膚を破り、熱蒸気が噴き出しながら、高熱を溜め込む。もう限界を超えて、肉体が耐えられなくなっているの。


「まだ何かやる気なの?」

「法子、防御、しろ」

「えっ?」

「耐える。無理、アイツ」

「えっ?」



あのままだと、自分自身の力で暴発しちゃうのではないの?



「アイツ、力、見極め、誤った。この一帯、消失」


「ちょっと~!そんな冷静に言われても困るわよ~!」



もう間に合わない。

私の如意神向で耐えられるかしら?

分からないわよ~!



「私、爆発前に、奴を叩く」

「剛力さん」


剛力さんは早魃そうばつが爆発する前に、先に攻撃して止めるつもりなの。

けれども!


その時、私達の目の前で信じられない事が起きたの。



「えっ?アッアァ」


早魃そうばつが突然、背後からその身に衝撃を受けていた。

胸元を見ると、何者かの腕が背中から貫いていたの。



「お、おまえは何ぃ?」


その者は答える。



「私の領域ではしゃぐな」


「ぐぉおおお!」



突如現れた女仙に早魃そうばつは全身の高熱を浴びせるが、その者は平然と答えたの。



「温いな。本当の熱さとは、高炎とは程遠い。教えてやろう!これが真炎だ!」


「えっ?」


貫かれた腕が炎を噴き出しながら高熱が早魃そうばつの全身に広がっていき、目やら鼻、口から火が噴き出したの。



「うぎゃあああ!」



そして黒炭になって、その身は消滅した。


「ふぅ~。侵入者を一匹、確か他に五匹入り込んだはずだが?ん?あそこに二人いるな」


と、私達を見たの。

私は、コソコソと剛力さんに確認してみる。


「やっぱり敵よね?あの女仙?」

「・・・」

「勝てそう?」

「戦う可能。勝てる不明」

「逃げよっか?」

「逃走、闘士、卑怯」



剛力さんは受けて立つ姿を見せたの。


「逃げないのか?大した意地だ。しかし私にはお前達侵入者の殲滅の他に、やらなきゃいけない事があるのだ。時間は取らないよ」


「誰だか知らないけれど、貴女!やりたい事から先にやりなさいよ!私達の事は放って置いて結構よ!」


「変な娘ね。私の名は瑤姫ようき。早々にお前達を始末するわ。そして、この女人国の外にのこのこ現れた牛角魔王を始末しに行かないといけないからね!」


「!!」



えっ?牛角魔王さんに何か恨み?

その言葉を聞いた時、



「あれ?どうしたの?剛力さん?」


剛力さんの肩が怒りに震えていたの。


(あ、そうだった。剛力さんって確か牛角魔王さんの事を好きなんだったわ)



牛角魔王さんに恨みを持つ瑤姫ようきに、牛角魔王さんに惚れている剛力魔王さん。

当人不在でのバトルが始まろうとしていたの。


そんなこんな。


次回予告


法子と剛力魔王の前に現れた瑤姫。

不意打ちとは言え、苦戦した早魃を一撃で仕留めるのは実力?


法子「私だって不意打ちなら、膝カックンで誰でも倒せるわよ!」

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