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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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敵か味方か?太白金星の本意?

孫悟空の死に、かつての師匠である太白金星が現れた。


その意味は?


私は法子よ。


私達は崩壊し、爆発した西王母の城から脱出したのもつかの間、カミシニ達の追手に襲われ、限界の中で迎えうった

その戦いの中で孫悟空は奇跡の力である金色の魔眼を解放させて、追手達を返り討ちにした。

けれど、その孫悟空に異変が起きたの。

徐々に消耗し、倒れた孫悟空の身体は冷たくなり、全く動かなくなったの。

沙悟浄の治癒術もこうを成さず、このまま本当に死んじゃうのではないかと思えた時、私は無意識に何かを掴んだの。


すると、そこに西王母の味方となって、敵になった孫悟空の師匠である太白金星さんが目の前に現れたのよ。



「た、太白金星さん?何用かしら?今は事態が事態だから、私達を追って来たのなら相手に出来ないわ!」



すると太白金星さんは、指先を私の手に向けて答えたの。



「その手を決して離すでないぞ。もし離せば孫悟空は本当にこの世から去るであろう」


「孫悟空はこの世から猿って、何を意味わからない駄洒落言っているのよ!」


「馬鹿もん!駄洒落じゃないわ!」


「あら?」



皆を見回すと、視線が痛かった。


「お主が掴んだのは、その孫悟空の魂じゃ」


「そ、孫悟空の魂ですって?」



慌てた瞬間、危なくその手を離してしまいそうになったけれど、掴み直す。



「ど、どうしたら?えっ?これを孫悟空に戻せば良いの?ねぇ?ねぇ?」



慌てる私に皆も戸惑う。

それはそうよ。

幽霊を見る事はあっても、生きてる者の魂を掴むなんて、今までないから。

ちなみ霊魂と幽体は別物なのよ?

専門的にはね。


詳しく説明したいけど、うん。それは別の機会で話すから、忘れてなくて知りたければ言ってちょうだいね?って、私は誰と話しているのよ~あ~頭がパニくる~



「孫悟空の霊魂は金色の魔眼のエネルギーに使われたのじゃ」


「どういう事よ?何か知っているなら教えて!お願い!」


「じゃが、その前に孫悟空を生き返らせてやろう」


「!!」



太白金星さん?

やっぱり敵になったわけじゃないの?

太白金星さんは手の空いている沙悟浄、八怪、鉄扇ちゃんに私の背中から、金色魔眼の力を注ぐように命じたの。



「皆、お願い。孫悟空を助ける手段が他にないのよ。言うことを聞いて」



皆は仕方ないと、言われた通りに私の背中から力を注ぐ。

皆の金色の魔眼が解放されると一気に力が膨れ上がる。


「もう良い。止めい!」



太白金星さんが叫ぶと同時に皆の魔眼の力は消えて、八怪と沙悟浄、鉄扇ちゃんは感じたことのない悪寒と、消耗を感じたの。



「お主達も限界間近じゃったのぉ。しかし一人分の力は溜まったようじゃな」


「えっ?」



見ると私の身体は金色のオーラに覆われて、力が漲っているのが分かった。

皆の力が私に注がれたのね。

そしてその手に金色のオーラを集中させ、太白金星さんに言われる通りに孫悟空の胸に手を置いて、力を注ぐ。



「孫悟空の持つ魔眼にお前達のエネルギーを喰わせてやり、孫悟空の魂を器に返してやるのじゃ。さすれば孫悟空は生き返る」


「本当に?」



半信半疑だったけれど、確かに孫悟空の顔色が元に戻り、血色がよくなる。

そして呼吸を吹き替えし、鼓動が微かに振動を感じたの。



「生き返ったの?孫悟空」


太白金星さんは頷くと、私達に伝える。

それは私達の魔眼について。


私達にいつの間にか宿り、まるで奇跡の力のように思えていた金色の魔眼。

しかしそれはチートな力じゃなかったの。



「その力はお前達の魂を喰らい、エネルギーとする諸刃の剣」


「えっ?」


「多用すれば今の孫悟空同様死に至り、今度は運良く生きて戻れぬかもしれんぞ」


「なっ?そんな」


「この孫悟空の奴は魂を欠けた状態じゃ。だから限界値を見誤り、一気に死にかけたのじゃろう」


「!!」



孫悟空が魂が欠けた状態ですって?

すると阿修羅が沙悟浄に抱えられて説明する。

それは阿修羅が原因だったから。



「孫悟空は昔、僕の魂を生かすためにその半分。いや、半分以上の魂を削れた状態で転生しているんだ」



それは昔、孫悟空が美さる王と呼ばれていた時代、義兄弟さの阿修羅の暴走を食い止めるために戦ったの。

そこで二人は一度死に、その魂を融合させて今の時代に転生したの。

それが私達と龍神界に出向いた時に孫悟空と阿修羅の身体は二人に分けられた。

その時は、孫悟空の中には阿修羅ではなく黄龍王が宿り、孫悟空の肉体を手に入れようと計画していたけれど、蛇神との戦いで和解して、今は孫悟空の身体は、魂は欠けた状態だったと聞かされる。


「そんな・・・」



太白金星さんは言葉を続ける。


「お前達も他人事ではないぞ。その力は諸刃の剣と言ったであろう。限界値の使用を誤れば孫悟空同様気付いた時には命枯れていよう。くれぐれも忘れるではないぞ」


「は、はい」


「それでなくともお前達は蛇神達との戦いで乱用したのじゃからな」



太白金星さんは私に手渡したのは、重なり合った札だった。



「その札は魂眼札。その札が尽きた時、今度は次がないと思うのだな」


「ちょっと待って」



立ち去ろうとする太白金星さんを呼び止めると、私は聞いた。



「太白金星さんは私達の敵じゃないわよね?何か理由があって、西王母の所にいるのよね?答えて!」


「・・・」


一瞬の間があった後、



「この儂はお前達の知る儂ではない。次にお前達の前に現れた時には、敵としてお前達の命を奪い取ろう」


「嘘よ!だったら何故私達を、孫悟空を救ったなよ!」


「お前達には使い道があるからじゃよ。儂らにとって今、一番の障害はお前達でも天界の者達でもあらん。この地上に飛び散ったカミシニの魂は、いずれ器を取り戻し、この地上を支配するために動き出すであろう。お前達はその当て馬よ」


「!!」


それだけ言うと太白金星さんは飛び上がり、飛行雲に飛び乗る。

その姿が見えなくなるまで私は太白金星さんの後ろ姿を見届けると、私達は天界へと帰還する事にしたの。



私達は天界から抜け出し、カミシニ達を地上全土に解き放った事で監禁された。

私達は無抵抗に、天界の言いなりになったの。

理由は消耗した体力と魂の回復。

そして金色の魔眼を使いこなす修行には、これ程安全な場所はないと思ったから。


そして私達は準備を整え、この地上へと降りて来たの。

全ての決着のために。

私達が結果的にしでかした失敗を取り返すために。


「けど、あの彼ら」


私達は新たに現れた紂王って強敵を相手にしないといけない。

けど、その後には西王母との再戦が残っている。

金色の魔眼を消耗は出来ない。

そんな時に現れたのが、ナタクと共に戦うカミシニの若者達。

彼らが何者か分からなかったけれど、何故だろう?

私の魂が彼らに任せるように訴えたように感じた。


決して楽したかったわけじゃないわよ?

それは運命が、私達ではなく、彼らが選ばれたのだと本能が感じたの。

だから私達は、彼らのサポートに徹するわ!



そんなこんな。



次回予告


紂王を相手に最後の戦いが、今、決着の時!

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