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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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聞仲との戦い!ナタクと李靖、初めての共闘!


万能なのか?聞仲の特殊能力は時を止める能力なのか?


聞仲を相手に李靖は、ナタクはどう戦う?

俺はナタク


聞仲の血界の力が発動した。



「俺の特殊血界は時を歪ませる。何者も立ち入れぬ俺だけの世界」


聞仲の特殊能力とは時を歪ませる能力。

つまり時を止めた。

いや?時の歪みに入り込み、その世界で身動き出来るのだ。

そして石化しているような父上の姿を凝視して、その剣を振り上げる。

直後、聞仲の剣が父上の首に直撃した。


「!!」


しかし剣は強固なオーラの壁に弾かれたのだ。

それに気付いた時、聞仲は忌眼を見開き、全てを悟った。


「・・・・・・」


時は再び元の世界を動かすと、強い衝撃を受けた父上が横転した。

が、今度は直ぐに起き上がり、次の攻撃に備えて構えを取る。


「やはりな」


聞仲は父上の戦いを見て、気付いたのだ。



「李靖。お前は俺との戦い方を知っているな?いつから俺の能力を知っていた?この能力は、俺と紂王様以外には、我が友趙公明ですら知らぬと言うのに」


「お前の能力が時を歪ませるとは半信半疑だった。しかし俺の本能がこの手を使わせた」


「!!」



父上は時を止められる前に発する波紋を感じるより早く、己の身に聖天の力を纏わせ、身体を強固な壁で守ったのだ。


二人の会話から、俺は初めて聞仲の能力を知る。

まさか時を止めるなど、ありあぬ。

しかし父上がこの状況で嘘を言い放つとは到底信じられない。

本当に時を止めていると言うのか聞仲は?


だが、しかし。

もしそれが本当だとしたら、今は対応している父上であろうと時間の問題。



「時を止められるのはどのくらいだ?時間をかければ、否?かけられれば俺の首を落とす事も出来ただろう。しかしそれが出来ぬと言うのは、お前が時を止められる時間が僅かである証拠。俺に一撃から数激当てられる程度か?俺はお前の攻撃に耐えられれば、容易く首は跳ねられないわけだ」


「そうか、ならば俺はもう手を抜かん。次にお前がその口を開く前に、その首は地に落ちているであろう」


「!!」



聞仲は三度、その力を解放させた。

波紋が広がり、その空間は時を歪ませる。

そして虚無とも思える音のない世界で、聞仲は渾身の力を籠めたのだ。



「やはり天を司る王は厄介であった。今、この場で断つ事は必須。お前の首を手土産に俺は天界を滅ぼす!」



振り払われた剣は倶利伽羅の力を纏い、変色しながら漆黒に歪む。


「倶利伽羅断頭斬」



その一撃は迷うことなく父上の首を捉えていた。

そして直撃すると同時に父上の身を守る聖天の壁と衝突し、金色と黒の衝撃が時の空間で弾ける。しかし押し込む剣が徐々に動かぬ父上の首元に迫り、焼けるように焦げる。


「さらばだ!李靖」



聞仲の剣が父上の首に押し込まれた時、


「!!」


聞仲は気付いた。

押し込む剣が止まり、動かぬ事に。

すると時が同時に動き出す。



「クッ!時間切れか!だが、このまま押し込むまでのこと!」



が、全く動かない。



「お前の攻撃の軌道が読めていれば、俺は全ての力を一点に集中していれば良かった。万が一お前が誇りを捨て、俺の全身を斬ったなら俺はなすすべなく斬られていただろうがな」


「だが、どうする?このまま力比べか?どちらかの力が消えるまで、この状況で我慢比べで決着を付けるとでも?」


「俺が防戦一方で攻撃の手を打っていないとでも思ったか?」


「何!?」



その時、聞仲は気付く。

父上との戦いに集中していた事で、視界から消えていた存在に。



「な、ナタクか!」



背後に迫る俺の姿があった。


「一対一の戦いに割り込むか!」


だが、聞仲は再び血界の力を発動させた。

寸前にまで迫る俺を過る波紋が時を止めていく。

その中で、聞仲の眼から血の涙が溢れ落ちて、激痛を感じ一瞬意識が飛びそうになる。



「流石に四度この能力を使うには限界があったようだ。しかしこれで、親子共々討ち果たすまでだ」



が、聞仲は時の空間がひび割れていく事に気付き、その中心に俺の姿を見た。


「ま、まさか!」



その時、まだ止まった時の世界へ、この俺が飛び込んで来たのだ。

俺の身体を覆う金色の輝きは、魔眼の光ではなく、父上の聖天の輝き。

まるで父上に抱かれたような熱い力が俺を包みこみ、同調するかのように俺の魔眼の力が極限にまで高まる。



「うぉおおおおお!」



そして硝子が割れるように時の空間を破壊し、聞仲の間合いに飛び込んだ。



「あガァ!」



俺の手には父上の剣が握られていた。

俺は、聞仲が時を止める瞬間、父上からの念話を受け取っていたのだ。


(ナタク、聞こえるか?)

(ち、父上?)


まさか父上から直接言葉を交わす事など、討伐に出向く際の事務的な会話だけだった。


(まだ戦えるか?)

(当然です。俺はまだ戦えます)

(よし。なら俺の指示に従え)

(はい)


父上は己を囮に、聞仲の隙をつき、この俺に賭けてくれたのだ。


(良いな)

(はい!)


父上は最小限の防御で自身の身を守り、その部位を聞仲に狙わせ、残る力を俺に与えていた。

しかも俺を覆う聖天の力は崩壊した四肢を繋ぎ合わせ、一時的に再生させたのだ。

そして俺の手には父上の剣が瞬間移動して握られている。



「俺は、父上の与えてくれた機会に必ず報いる」



そして突き出した剣は聞仲の胸を貫いたのだ。



「おのれぇえええ!」



胸元から砕ける聞仲の忌鎧が塵と化して拡散する。


「終わりだ、聞仲」


しかしその目の光はまだ完全に消えてはいなかった。


「!!」


聞仲がまだ何か動き出るその前に、先に動いたのは父上だった。



「ナタク!命の駆け引きの中で、相手の意思が完全に消えるまでは気を抜くな」



父上は腰から新たな剣を抜くと、その先端に聖天の輝きが集中し、膨張しながら天井を突き破り頭上を覆う。



「まるで金色の太陽のようだ」



金色の輝きは振り下ろされると同時に俺をすり抜け、背後の聞仲に放たれ命中した。



「聖天の輝きに、お前の野望は潰える」


「ぐぉおおおおおおお!」



聞仲の姿は光に飲まれ、その姿は跡形もなく消滅したのだった。




「お、終わったのか?あの聞仲を倒せたのか」


しかし俺一人では不可能であった。

すると父上は俺に目を向けずに頭上を見上げたまま動かずにいた。

そして険しい顔で呟いたのだ。


「手遅れだったか」


「えっ?それはどういう?」


「ナタク。何者かによって紂王が覚醒した。この地上界は荒れるぞ」


「!!」



その時、俺が立つこの城内が揺れだし、頭上が崩れだす。

これは先程の父上の力ではなく、もっと大きな、この居城、いや?この殷国をも揺れ動かす程の揺れであった。



一体、何が起きていると言うのだ?

まさか?

姜子牙が紂王と戦っているのか?


次回予告


紂王の怒りにふれた姜子牙。

この殷国を中心に世界が揺れる。

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