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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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聞仲の特殊血界!歪まされた世界!?

ナタクの前に現れたのは、因縁あり、天界最高神の李靖。


托塔李天王の姿であった。


俺はナタク


俺の危機に現れ命を救ったのは、天界にて君臨しているはずの父上であった。

父上は倒れている俺に何も言わずに目の前に立つ敵、聞仲を睨んでいた。


「急ぎ、紂王様のもとへと考えていたが、気が変わった。まさかお前のような大物が目の前に現れるとは」


「・・・」



答えぬ父上に聞仲は言葉を続ける。


「天界を落とすため、その最高峰に君臨する頭目に辿り着き討つ事が目的であったが、自ら地上へとのこのこ降りて来るとは。お前の息子の命が気掛かりであったか?」



それでも答えぬ父上に、俺は内心複雑だった。

何故なら、


(あり得ぬ)


父上は幼少時の俺をその手で殺そうとした。

いや?確かに一度、俺は父上に殺された。

しかし釈迦の慈悲により、俺は蓮の花より新たな肉体を与えられて、その魂を留めたのだ。

俺を殺す父上に、俺を救う理由がない。

すると父上は口を開く。



「ナタクに与えた力を捨てるわけにいかなくてな。この俺自ら取り戻しに来たまで」


「!!」


そ、そうだった。

俺の魔眼は父上から貸し与えられた力。

恐らくは天界の宝だろう。

この力が何なのか、まだわからないが、失ってはならぬ力に違いない。



「息子の命よりか?」


「お前には関係ない話」


直後、父上が視界から消えていた。

そして次に衝突した余波が俺を壁際にまで吹き飛ばしていた。


「う、うぅう」


俺の視界には父上と聞仲が剣を突き合わせ、拮抗する力を押し付けている。



「李靖!お前、この俺のカミシニの血の力を前に何故出来る?」


「フフッ」


確かにそうだ。

カミシニの血の前に全ての神力は無力とかす。

唯一、この金色の魔眼だけが対抗手段だったのではないのか?

すると父上から俺の持つ金色の魔眼に似た力を感じたのだ。



「この俺の聖天の力は魔眼を制する力。お前達の持つ血の力も無力」


「何だと!」



聞仲は初めて戸惑う。

それは力が通じなかったからではない。

聞仲だからこそ気付く違和感。



「その聖天なる力、カミシニの王たる倶利伽羅の力と類似し、反撥している。分からぬ」



倶利伽羅の力と類似?

聖天の力が?

聖天の力とは天界の王のみが持つ至上の力。

父上はその力を持ちし天界の王。


(他にもあった!)


俺は姜子牙の持つ忌眼の力が頭に過った。

何故なら、俺も感じたから。

俺の持つ金色の魔眼と、銀色に輝きを放つ忌眼が類似しているように。

ただ何処までも清浄な力と相対した禍々しい力こそあるが、その根本に似た何かを感じてはいた。そして今、確かに感じた。

倶利伽羅の力と聖天の力。

似て非なりこそすれ、相反し、それでも引き合うような力の共鳴を?



(何かあるのか?この力には?)



その考えを打ち破ったのは父上であった。



「ここで消えるお前には答えは知らなくとも良い事。聞仲よ!お前と俺では格が違う!」



その一閃に聞仲は弾き飛ばされる。


「グゥウウ!」


あの聞仲を凌駕する父上の力。

初めて目にする父上の本気。


ここまでとは・・・


もし本当に聞仲が、あの蛇神の覇王であった覇王那我羅と同等の力を持っているならば、もしかしたら父上が率いる同格の力を持つ四天王達が出陣していれば、あそこまで被害を出さずに蛇神達を討伐出来たのでは?

少なくともエデンを復活させる前に倒せたかもしれないと思わせられた。



「流石は天界の王。一筋縄ではいかぬか。ならば俺も本気を見せよう」



すると聞仲の額の忌眼が強烈な力を発し、その身に纏う血咒の忌鎧装けつじゅのいがいそうが変形しながら、より禍々しい形へと変わる。



「倶利伽羅の王の器には、更に覚醒の扉があるのだ。見せてやろう。俺の特殊血界を」



それは倶利伽羅の模様が鎧と化す血咒の忌鎧装を纏い、忌眼の力を持ち、更に覚醒するだと?

だが、父上はその状況を知っていたかのように説明をした。


「倶利伽羅の王の覚醒。それは歪みの力。歪みの力は理を歪ませ、その者の持つ魂の歪みを形にする。お前が覚醒する事は知っていた。だから早めに詰むために俺が降りて来たのだ」


「詳しいな。しかし俺の特殊血界の力を前にして、何者も抗う事は叶わぬ」



その瞬間、聞仲を中心に何かが波紋の如く広がり、何事もなく抜けていった。

(い、今、聞仲は何かしたのか?)

が、直ぐに気付く事になる。



「そ、そんな馬鹿な!!」



俺は驚愕した。

何故なら、俺の目の前で屈強なる父上が全身から血を流して膝をついていたのだから。


「な、何が起きた?」


父上は剣を杖にして立ち上がると、油断をせず、確実に間合いって来れば返り討ちにするつもりでいた事が出来ずに、逆に全身が斬られている事を理解した。

そして俺も戸惑う。

俺は父上が膝をつく姿を初めて見た。



(俺の眼でも捉えられない速さか?それとも暗示にかかったとでも?これが奴の能力なのか?)


だが、聞仲もまた手応えが甘かった事に疑問を抱いて、警戒していたのだ。


(確かに斬った。本来なら今ので李靖の首は落ち、全身を切り刻まれていたはず)


だが、聞仲は改めて己を鼓舞する。


(俺の血界は、誰にも破られはせん。出来るはずがないのだ!)



すると聞仲は再び血界能力を発動させ、その歪みの力で曲げたのだ。

その直後、誰も動かなかった。


聞仲以外は・・・



「俺の特殊血界は時を歪ませる。何者も立ち入れぬ俺だけの世界」



そして石化しているような父上の姿を凝視して、その剣を振り上げ、


「!!」


聞仲の剣が父上の首に直撃した。

次回予告


時をも止める聞仲の能力。

その能力の前に打つ手はあるのか?


そして李靖の命運は?

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