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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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決死のナタク!最強の武人聞仲の壁!

ナタクと聞仲の戦い。


この戦いで勝利した方が、救援に向かう事が出来る。

勝つのは、どちらか!




俺はナタク。


この俺は、目の前に立つ聞仲と戦っている。

嘗て、仙界大戦伝説級最強の武人。

俺が対峙した最強級の覇王那我羅に匹敵する程の威圧感。

しかし身震いしながらも、俺の闘神としての魂が揺さぶられる。


「俺がお前を討つ」


「お前には無理だ」


「それは俺が決める!」


俺は剣の打撃を止めて鞘に納めると、無数に軌道を変えて迫る聞仲の打神鞭を紙一重で躱しながら接近する。


「俺の動きを見切ったか?否。俺の動きを想定し、準備して来たか?しかし俺を過小評価し過ぎだぞ」


瞬間、聞仲は打神鞭の動きを器用に変え始めた。

直線、うねり、短縮、緩急しながら、まるで生き物のように攻撃が変わったのだ。



「俺の打神鞭は俺の血を吸っている。俺の意思で手足同然に動かせるのだぞ」


予測不可能に軌道を変えて向かって来る打神鞭は、それでも俺の身体を捉えられずに空を切る度に背後から崩壊する壁や床が陥没していく。

まるで柳のように、そして幻覚を相手しているかのような動きで躱す。

しかし躱しているだけでは長期戦になる事は必須。

俺にとって不利である事は重々承知。

決着を付けるのは今しかない。

俺の温存した最大限の力を一気に使える今が好機なのだ。

俺は決意する。



「そうか。しかしお前も俺を過小評価し過ぎのようだぞ」


「ぬっ?」



俺は瞼を綴じ、見開くと同時に魔眼が光輝き

鞘から剣が解き放たれた。


「超神速抜刀」


それは俺の間合い全ての攻撃を全て消滅させる抜刀奥義。

蛇神達を討ち取った技だ。

しかも今は魔眼の力も上乗せされ、まるで時が止まったかのような視界の中で俺だけが動いて見えた。

そして間合いは広がりながら、その先に見える門仲へと迫る。


「!!」


しかし聞仲の眼が俺とは異なる銀色の輝きを放ち、時を制していたはずの俺の世界を打ち砕くかのように門仲が入って来た。


「ぐぉおおお!」

「させぬ!」


衝突した。

剣と打神鞭に伝わる衝撃の振動が互いの攻撃を止めた。



「互角か。ナタクよ、お前への評価を多少上げるべきだな。この俺の本気の一撃に合わせてくるとは」


が、俺は返答せずに、


「お前がそこまで口が滑らかとは思わなかったぞ。しかしお前は見抜けなかった」


「!!」


直後、衝撃の中で一瞬弾かれた聞仲の打神鞭とは違い、俺の振り払った剣が消失した。


「まさか残像の一撃で俺の攻撃を凌いだと言うのか!」


「真の一撃は既に鞘から抜かれたぞ」



俺の突き出した剣が一直線に聞仲の眉間へと吸い込まれるように入る。


「クッ!」


が、聞仲は片手を盾に受け止めたのだ。

手首を貫く俺の剣は聞仲の眼前で止まる。


「!!」


門仲は鳥肌が立つ。

受け止めたと同時に俺は唱えていた。


「天賦変化唯我独尊・大羅仙」


それは俺の究極変化。

六本の腕に三面が出現すると、六方向からの斬激が門仲の身体を斬りさいた。

勝負あったか!

完全に俺の攻撃は聞仲を上回ったはず。

しかし、



「残念だったな?ナタク。どうやらお前にはつきがないようだ。一瞬であれ、俺を上回ったその実力は認めよう。しかし勝利を掴むのは俺の方であったな」


俺は悔しさに己の身体に怒りを感じた。

俺の身体は急激な力を受け止められずに崩壊し、ひび割れし始めたのだ。

そして肘から先が砕け散り、俺は勢いそのまま転げて倒れた。


「クッ」


俺は失った腕が使えず身を傾けると、そこには門仲が容赦なく、打神鞭ではなく剣を俺の眼前に向けていた。

その時だった。


「!!」「!!」



突如、俺達のいる殷国城が揺れ出し、全身が凍り付くような力の波動を感じ取った。

その異変に聞仲は攻撃の手を止める。


「な、何が起きた?」


戸惑う俺に聞仲は頭上を見上げ、その更に向こうから感じる力の気配に、


「紂王様がお怒りになられたか!まさか姜子牙か?やはり命令とは言え、奴を会わせるべきではなかった」


「何だと!?」



姜子牙が紂王のもとへ辿り着けたのか?しかし何故、紂王が姜子牙を求めているとは?どうなっている?

しかしそんな事を考える時間はなかった。

そして倒れている俺に聞仲は剣を向けて言った。



「俺は紂王様のもとへと向かわなければならぬ。これ以上、ここでお前に時間を浪費するわけにはいかぬ。切り捨てるぞ!」



そして、その剣が突き出された。


「!!」


もう、これまでかと覚悟した。

それほど抗う余裕が無かった。

しかし、俺は生きていた。

何故なら、俺に突き出された剣は轟音と共に天井を貫き侵入した者が振るう剣によって弾かれたから。俺は助けた者の背中を見上げ、震えるような声で叫んでいた。



「そ、そんな馬鹿な・・・どうして?どうして貴方が現れたのだ!」



しかしその者は俺に振り向く事なく、その場に立ち、その凛然たる佇みにこの場の空気が一変した。同時に剣を弾かれ、微かに痺れる利き腕を見る聞仲が、その者を見て驚きながらも歓喜して言葉を発する。



「まさかお前程の大物が姿を現すとは予想外であったぞ。お前との決着は、まだ先だと思っていたからな」



そして、その名を叫んだのだ。


「李靖」


李靖とは、別名。

その本名は托塔李天王。

又の名を毘沙門天とも呼ぶ。

金吒兄さん、恵岸行者兄さん、そしてこの俺の父上であり、この天界を支配する天・四天王のリーダーなのだ。



次回予告


ナタクの父親である毘沙門天が現れた事で、戦況は変わるか?

しかし、それ以上に知らされる真実は・・・

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