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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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紂王との邂逅!

紂王を前に姜子牙の行動は?


紂王との邂逅。


私は姜子牙。


まさか倒すべき紂王と食事をする事になるなんて思ってもみなかった。


展開的に、あっ!紂王!お前を倒しに来たぞ!

お、曲者め~さぁ!バトルの時間だよ~って、なるのがお約束なのに。


(ブルブル)


四不象の奴は、相手が紂王だと知った途端にテーブルの下で震えとるし。

しかし、ん~なんだかな~?


(親玉だからと警戒してはいるが、殺気は全く感じない。それどころか奴の口から発する言葉は全て温かく感じるのだが)


私も戦う事は戦うにしても、色々と聞いておきたい事は沢山ある。

この機会に聞いても、大丈夫かな?



「どうしたんだい?余を前にして緊張する事はないぞ。取って食べるつもりはないからな?」


「うむむ。私はよくわからんのだ」


「何がだろう?話してみろ」


「噂に聞く紂王は恐ろしく無慈悲にて、人の死をなんとも思ってはいない大罪悪人だと聞いておったぞ。しかし目の前にいるお主からは悪意どころか温かさまで感じる。本当に正真正銘の紂王なのか?」


「真に余は紂王だ。噂には色々と尾びれせびれが面白おかしく付いて回るのは仕方あるまい。この世とて万民に愛される王とも思ってはおらんしな」


「う、うむむ」



なんて懐の広い男なのだ。

私はどうも、この目の前にいる紂王が嘘偽りを言っているようには思えなかった。


「な、なら!何故か問いたい!」


「慌てなくとも時はある。茶を飲みながら話そう。余はお前と話す事を楽しみにしていたのでな」


「この私と?何故、私を知っているのだ?」


「その右目は忌眼であろう?その眼を持つ者、関わった全ての者は数奇な運命に囚われ、決して逃れられない。この世を含めてな。ははは」


「わ、笑い事ではなかろう?」


「私はな。その眼を持った者を生前に出会っておる。私はその者から全て託されたのだ」


「そ、それって、妲己と呼ばれる妖狐で、ソナタを惑わした張本人だと聞いておるぞ」


「言ったであろう?噂には尾びれせびれは付き物とな」



私は、意を決して言った。



「そなたはこの世界をどうしたいのだ?この世界を統一したいのか?それとも破壊したいのか?」


すると紂王は一度無言になった後に、私を見て答えた。



「余はこの世界を創世するつもりだ。そのために、今の世を一度無に戻す必要がある。そのためにお前にも余の傍で力になって欲しいと思っておる。聞仲のようにな」


「!!」



その言葉には悪意も野望はなかった。

世界を支配したいのとは違う。

この世界を救うために一度滅ぼして作り直すと言っているのだから、その信念からは悪意など一辺も有りはせぬ。



「待て待て!世界を滅ぼさなくても良いではないか?そもそも作り直すなんて出来ると思っているのか?滅ぼしたら、そこで終わりではないか?」


その言葉に紂王は確信めいて答える。



「出来るさ。あの仙界の秘宝を使えばな」


以前、太上狼君から聞いた話だと、仙界の秘宝とは、この世にカミシニなる甦りが現れた元凶であり、嘗て仙界大戦で命尽きた魂を補完していた封印の箱。

そして仙界の王は、封じられていた武人の魂に新たな器を与えカミシニとして甦らせたとの事。



「それは話しに聞いた。しかし話ではその秘宝は何者かに破壊されたと聞いたぞ?その秘宝からは二度とカミシニは現れない。今、地上に残っている甦りしカミシニ以外復活はないと」


「あはは!それこそ偽りの噂だ。あの秘宝は今もなお仙界に残っている。その破壊された現物は、その秘宝の飛び出し口に過ぎない。仙界の者達はあの秘宝を使い、再び世界を混乱を撒き散らすつもりだ」


「何だって~??」



これこそ仙界の野望。

紂王は、その計画を阻止し、秘宝を手に入れるつもりなのだ。



「が、仙界の野望を打ち砕く力になら貸しても良い。しかし今の世を破壊する意味がわからん!」


すると紂王は目の前に置かれたコップを手に持つと、その底に僅かな穴を開けた。


「?」


コップから流れ落ちる液体を見ていて私は理解出来ずにいた。



「この世界には人が生きる場所はもう残ってはいない。この穴から抜ける液体のように、その魂は消えていくだけ」


「それは仕方あるまい?人はいつか死ぬのだ。その流れはかえられぬ」


「それは違うぞ。この世界は既に人の生き延びる場所は残ってはいない。早からず遅からず人は滅びる」


「それは、どういう意味なのだ?」



紂王はそこで立ち上がり、私の顔の正面を見て真面目な顔で言った。



「この世界は神が己の好き勝手に人間を滅ぼす権限があると勘違いした傲慢な支配権にある。言って置く。人間は神の所有物ではない。余は神族から人間を解放する!」


「!!」



私は目の前で熱く語る紂王に、その言葉から悪意は感じない。

その瞳は己の信念を貫く使命感に満ちて、本当に世界を救う信念で活動しているように思えた。



「だが、神に抗うなんて出来ると本当に思っているのか?そんなこと・・・!!」



そんなこと出来るのだ。

カミシニの能力があれば不可能ではない。

そして紂王がしようとしている計画が見えはじめて来た。



「わ、分かって来たぞ。お主が何を計画しているのか。お主の言う世界を滅ぼすとはつまり、地上に生きる全ての者をカミシニ化させる事!神の天敵であるカミシニの能力を人間に与えて、対等、それ以上の進化を与えるつもりなのだな?」


「そうさ。しかし天界の者達を野放しにはして置く必要もない。余は人間の世界を造り、神と対等の関係を作る抑止力で済ませるつもりはない」



その時、紂王の瞳が初めて恐ろしく見えた。



「余はこの世界に人間以外の生物を許さぬ。神族、それに類する種族は全て滅ぼす!これは革命なのだよ。今までのつけを返される番が来たと知らしめるだけさ」


「待て待て!神族だから全て滅ぼすなんて間違っておる!神族の、人間を滅ぼすとか計画している連中をどうにかすれば肩がつくのではないのか?」


「それは無理だ。このカミシニの進化は止まらない。一度この世に投下された以上、もう止まる事なく世界を覆い尽くす。しかも愚かにカミシニの進化を解き放ったのが、手に負えぬ力に対し自らの力を過信した神々の傲慢な失策だとは滑稽だと思わないか?」


「話には聞いたぞ。カミシニを甦らせたのは神々。噂では仙界の西王母の反乱とか?」


「西王母か。あの者は神々の手駒に過ぎぬ。今回起きた全ての計画には、もっと別の大きな存在が黒幕として存在している」


「黒幕??」



既に私の常識から掛け離れていた。



「ちょっと待ってくれ!断言してはいるが、どうしてお主がそこまで知っておるのだ?神々の計画を?お主も封神されて眠っていたのではないのか?」


「そうだな。余が導かれ、私の戦いを始めた理由。その全てを語らねばなるまい」


紂王は新たに茶を注ぎ入れると、



「語ろうか。この計画は既に数百年も昔から神々により計画されていたのだ」


「何だとぉ~??」



紂王から語られる、神々の計画とは?


次回予告


それは紂王から語られる生前の封神大戦の裏。


一体、何があったのか?

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