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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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戦うべき敵!

姜子牙を先に向かわせ、聞仲の相手を引き受けたのはナタク。

聞仲を相手にシュミレーションした成果は?



俺はナタク。


ついに聞仲とやり合える。


嘗ての仙界大戦で、その名声は広がっていたが、直接手合わせる事は無かった。

そしてカミシニとして甦ったと聞いて、半心心躍らせた。

しかし討伐隊を率いて地上に降りて早々、俺は完膚なきまでに敗北した。

それも神の力を消す血の力が原因。


しかし今、俺には金色に光り輝く魔眼を手に入れた。

この魔眼の力があればカミシニの血を相手に力を消されすに戦えるのだ。



「聞仲、俺がお前を討伐する」


「ナタクか」


「俺を知っているとはな」


「お前の名も仙界大戦では名高く届いていた。しかし今はあの姜子牙を討つのが先だ。道を開けろ」


「それは俺を倒してから向かうが良いだろ?出来るのならな」



その言葉が引き金となった。

聞仲は手にした剣の形を打神鞭へと変えると、俺に向けて打ち込んで来た。

閃光が四方八方から迫る。

その一撃が大地を震撼させる程の破壊力を持ち、一撃必殺の鞭。


「神速抜刀剣」


俺は剣を鞘に一度納めると同時に閃光が拡散した。

それは抜刀の連撃。

聞仲の打神鞭と俺の剣が衝突し、この場の戦場が光に覆われ波紋の如く広がっていく。


「鋭くも重いな」


聞仲の打神鞭は超重圧の一撃。

当たれば陥没した床と同じく潰されるだろう。

しかし俺もまた雷を纏わせた衝撃に加え、剛力の腕力から繰り出す剣は負けてはいなかった。

もしこの城がカミシニの血で創り出された建造物で無ければ、今頃塵と消えていよう。

互いに退かずに、意地がぶつかり合う。

繰り出される力の塊が空間を歪ませ、押し負けた方に押し寄せる。



「見事な力量だ。しかしお前は俺の力を見誤ったようだ」


「!!」


額が割れて見える瞳が銀色に光り輝く。

それは正しく忌眼の力か?

直後、聞仲の力が跳ね上がったのだ。

空間を歪ます両者の力の塊が俺に向かって押し寄せて来る。


「終わりだ。ナタク」


衝撃波が俺を中心に爆発した。


「!!」


かに思えた。

しかし力の塊は徐々に持ち上げられるかのように上昇すると、天井を突き抜けて飛び散ったのだ。そして中より、姿を変えた俺が立つ。



「天賦変化唯我独尊・大羅仙」



俺の身体に雷が走り、その姿が変わる。


三頭、八本の腕。


そして宙に浮かぶ七つの光る珠が、俺の両眼と同じ働きをし、視野を広めた。

この俺の究極体の变化だった。


「この俺の全力。全て見せなければ討てぬと理解しているつもりだ」



俺は飛び出すと、その八本の腕に握られた剣で聞仲に斬りかかる。

その攻撃に受けるのではなく躱す聞仲は、その第三の瞳で動きを見切ろうとしていた。


「俺を止められると思うなよ!」


俺は指を引くと、聞仲の背後より七つの光の珠が放たれ、その背中を貫通する。


「!!」


だが、俺も気付く。


(姜子牙同様、良く見える瞳だ)


恐らく視界だけでなく、自分を中心に周辺視野が広がる空間認識能力。

以前、姜子牙を相手に修行を付けていた時に本人ですら気付いて無かったようなので教えてやった事がある。あの忌眼の能力が解放している間は、力の増幅以外に空間認識能力。

そしてカミシニの力を略奪し、力を増すのだと。


「厄介だが、今の俺も負けるつもりはない」


俺の金色の魔眼も同様、飛躍的に力の増幅させ、蛇神やカミシニ相手に力を奪われる事なく戦えるのだからな。


「後は個人の問題だ」


俺と聞仲の力は互いに拮抗した。

聞仲もまた俺の強さに焦りを感じ始める。



(まさか、ここまで戦えるとは思ってもみなかった。このままでは紂王様のもとに奴が辿り着いてしまう。それだけは阻止せねば)







その時、既に紂王の前に現れた者がいた。



「久しいな。紂王!お前を殺すために甦ったのだ!俺と戦え!そして滅びよ」



その者は姫伯邑考。

姫伯邑考は単独で新生殷国に侵入して、紂王の首を狙っていた。

が、しかし気付く。


「そ、そんな馬鹿な!」


姫伯邑考が紂王だと思い込んだ者は別人であった。



「キサマは殷郊いん こうだな!そこを退け!俺が用があるのはお前の父、紂王だ!」


「貴方の事は知っている。生前、我が父上により処刑され、その身を・・・」


「!!」



かつて姫伯邑考は紂王にその素質を見込まれ、殷国に招かれた事があった。

しかし、姫伯邑考はその誘いを断ったのだ。

それが逆鱗に触れ、姫伯邑考は処刑され、その肉を料理に振る舞われたのだ。

自らの父親への褒美として。


父親である文王ぶんおうもまた紂王に従う事を避けたかったがため、その場をやり過ごす必要があった。その肉料理が息子の身体を解体した品だと知りながら、顔に出さず、気づかぬふりをした。そして自らの子の肉で料理されたご馳走を口にして、「美味」と答えたのだ。


これ以上ない仕打ち。

心を鬼に、その場を笑顔で誤魔化し、その場をやり過ごし、紂王もまた文王に対して脅威になる器ではないと見過ごしたのだった。



「そなたへの父上が行った仕打ちは確かに人道的ではなかった。しかし今、逆らい無駄死にする理由が何処にあると言うのだ?」


「何処にあるか・・・分からぬなら、お前の身体を解体し、お前の父親である紂王の前に出してやろうか?」



姫伯邑考は腰の鞘から剣を抜く。


「七星剣」


その一振りは星をも砕くと言われる王剣。


「ぬっ!仕方あるまい。言葉で分からぬなら、再びお前に死を与えるのみ」


殷郊もまたその力を解放させる。


「六手三顔の術!」


その姿は三面六臂の体。

血の魔装を纏い、その姿は阿修羅の如き。

倶利伽羅ではないが、第六仙血の力を持ち合わせた武人であった。

互いの剣が衝突し、お互いの力が交わった時、両者の血が噴き出す。

その時、殷郊は姫伯邑考の返り血を浴び、その血の記憶が染み込むように流れ込んで来たのだ。



「そ、そうか。お前、その姿に見誤った!お前は姫伯邑考ではない・・・その身がカミシニとして若返った姿ゆえ、似ていて当然。お前は!」


姫伯邑考は振り返り、殷郊を睨みつける。



「俺は復讐者。俺は自らの息子の肉を食わされ、道化を演じた文王・姫昌だ!」


姫伯邑考の正体。

それは我が子を殺された文王・姫昌であった。


次回予告


姫伯邑考の正体。

それは我が子を殺された文王・姫昌であった。

文王の前に立ち塞がる殷郊を相手に復讐の牙がむく。



法子「あら?複雑な展開になった?」


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