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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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少年の聞いた石柱から呼ぶ声?


それは、過去の物語。


法子が過去へ行っていた時に現代で起きていた事件の始まり。


それは、平凡だった真坂正義くんの身に起きた物語。


彼は学校の修学旅行の集合場所に遅刻ギリギリに間に合うと、待ち合わせしていた友人達に謝る。


「ご~めん!」


「遅いぞ?正義!」


友人は四人。


永野 彰、坂本 隆、永井 美奈、横内 智恵子


真坂 正義君とは真面目に超が付く程のド真面目君である。その彼がテレビの特集番組を観ていて突然立ち上がったの!


「何だろう…この気持ちは?」


その特集とは富士山の異常な活発で噴火寸前だったニュース。それは総本山の皆さんの力によって鎮圧させたのだけど、


「今のニュースで一瞬映ったお寺?」


正義君は大のお寺好きだったの。既に日本の有名なお寺は夏休みや連休を使い制覇していたのだけど、富士の異変で古い寺が一瞬映ったニュースに胸がざわめく。しかも修学旅行先が、そのニュースの現場になっている場所の近くだったから楽しみで仕方なかったの。


「けど、ニュースで騒がれていた場所だから修学旅行も中止になるかと思った」


「よね?」


「その後のディズニーやスカイツリー、原宿がメインだからな?」


「でもうちらの宿泊先がどうして静岡なん?東京から遠くないか?」


「確かお茶積み体験とかなかった?」


「おちゃ~…じゃなくて、あちゃ~」


「あははははは」



と、話が盛り上がる中で正義君は例のお寺に行く事だけを考えていたの。


「宿泊先の近くに例のお寺があるんだよな…どうしようか…」


けど、その欲求に我慢出来ずに、正義君は深夜に修学旅行の宿泊先から抜け出したの。正義君は走って、宿泊先が見えなくなった後、


「こんな事をしたら駄目なの解っているんだけど…」


「だったら止めろよ?」


「えっ?」


正義君が振り返った先に永野 彰くん、坂本 隆くん、永井

美奈さん、横内 智恵子さんの友人がブイサインしていたの。


「どうして?」


「お前が部屋を抜け出したのに気付いてよ?俺がメールで召集したんだよ!」


「お前が珍しく無茶してるから、これは友人として見届ける義務があるよな?」


「私、止めたんだよ?」


「私はこういうのドキドキして嫌じゃないわ」


「つまり同罪ってわけな?」


「皆、不良だよ?そういうの!」


「お前が言うなって!」



そんなノリで正義君は四人の友人と一緒にお寺に向かったの。


この判断がどういう結末を呼ぶのか?知らずに…



「確か…この先だったよな…地図だと?」


「まるで肝試しね?」


正義君の隣に寄り添う女子生徒は永井美奈さん。彼女は幼馴染みで、学年トップの優等生。正義君の憧れの女の子なのね。


「う…うん」


先頭を歩く永野 彰君は皆のリーダー的な存在で、坂本 隆君は正義君の幼い頃からの親友。もう一人の女子生徒の横内智恵子さんは皆の姉さん的存在だった。


五人は何とか迷いながらも正義君の行きたがっていたお寺に辿り着いたの。


「でもマジにあったんだな?この寺?」


「隆?何でだよ?テレビの報道で観たって言ったろ?石柱のある寺があったって?」


「俺も観たけど寺なんか映ってたかな?」


「変な事を言わないでくれよ?ちゃんとあったんだからさ!」


確かに寺はあった。


山の頂上へと続く階段の上に聳え立つ石柱のある寺が!


「こんなお寺、今の今まで知らなかったわ。こんな凄い石柱のあるお寺だったら観光地になってもおかしくないのに?」


「本当だよ!最初は興味なかったけど、マジに凄いな?まるで塔だ!」


「あの富士の地震で倒れなかったのも凄いわ」


皆、見上げる石柱に驚きと興味を隠せないでいた。


寺の入口には誰もいなかった。考えれば地震があって危険地域になってもおかしくないはずなのに?こんな石柱がある場所、完全に通行禁止だから。


「早速、入ってみよう?」


正義君はまるで誰かに招かれ呼ばれるかのように、その階段を登っていく。


「ふぅ~今、何段?」


「もう大分登ったよな?」


と、その時隆くんが指をさして言った。


「頂上だぞ!」


何とか頂きに辿り着いた五人は、その間近に見える石柱に口を開けたまま見上げていた。


「凄いな…東京タワー?いや、スカイツリーよりも高かったりして?」


「そんなの…有り得ないと思うけど、そう言いたい気持ち解るわ…」


「それに何かマイナスイオン凄くない?これパワースポット半端ないわ!」


「よく解らないけど、正義の奴が目を輝かせてるぜ?寺オタの血か?」


「うん。こんなの見た事がないよ…お寺も立派で、この石柱自体が御神木代わりみたいだよ」


正義君は石柱に近付くと何か強い力を感じて石柱に手を触れたの。


《フフフ…ミツケタゾ!》


突然、頭の中に入って来た声と共に手に熱さを感じて慌てて手を離す。


「何ぃ、今のは!?」


他の友人達には今の声は聞こえなかったようなの。


「気のせいか?な?」


火傷したような手を眺めながら不思議に思う。


五人はその後、自分達の宿泊先に向かう。向かった先で何が起きてるか知らずに?


宿泊先のホテルには八十人の生徒達と教師数名がいた。そしてホテルの従業員が残っていたの。


「何とか中に入れそうだぜ?まさか正面扉が開いてるなんてな?」


彰君が合図すると、他の皆も一緒にホテルの中に入っていく。


《止せ?これ以上近付くと死ぬぞ?》


えっ?


正義君はまた謎の声が聞こえて来たの。


すると、皆が違和感を感じ始める。


「何か…物音一つしなくない?」


「夜中だからだろ?」


隆君は部屋に戻るように伝えると、皆も隠れながら部屋に戻る。


正義君も同じ部屋の隆君と一緒に自分の部屋に戻ると、部屋には同室の男子がいるはずなのに声一つしない?寝てるから?二人は皆に悪いと音を立てずに二段ベッドに入り眠る。


「それにしても、あの声は何だったんだろう?」


と、眠りにつく。


《ニゲロ!》


この声に気付く事なく正義君は眠りに付いたの。


朝、目覚めた時、茶積み体験のためにホテル前に集合する。教員達の指示の下、連れて行かれた場所は?


「あれ行くの茶積みだよね?」


「の、はずだけど?」


教師達はざわめく生徒達を並ばせると、


「今から君達は選別されます。生き残れるように頑張ってください」


生徒達は意味がわからずに笑い出したの。どんな冗談なのかと?


けど、生徒達の目の前で突然教師達の服が破れて化け物の姿へと変わったの!


「餌になるか、同族になるか?選ぶのは君達だ!」


それが合図となって、化け物と化した教師達が生徒達に襲い掛かったの。茫然と聞いていた生徒の一人が大口を開いた化け物に丸飲みされて、化け物の口から血が溢れ出した。この惨劇を目の当たりにした生徒達は夢でないと気付いていく。


「な、何だよ!?」


「いゃああああ!」


阿鼻叫喚となるホテル前は騒然となる。


「早く逃げるぞ!」


彰くんの声に隆君が美奈さんの手を引っ張る。そして横内さんと正義君が後を追うように逃げ出す。


「何だよ?これ?どうして先生達が?」


「そんなの分からないわよ!でも、あれドッキリとかじゃないわよ!」


正義君は横内さんと逃げているうちに、目の前に化け物が飛び出して来たの。


「うわぁああ!」


そこに彰君が金属バットをフルスイングして化け物の頭をぶん殴る。


「今だ!逃げるぞ!」


化け物は頭を擦りながら、


「教師に暴力…悪い生徒だ…お仕置き…お仕置き…」


それから無我夢中で逃げ迷ううちに五人は分かれ離れになった。正義君は震えながら膝を抱えて部屋の一室に隠れていた。隣には横内さんが同じく震えている。


「横内さん…普段は強気なのに、やっぱり女の子なんだ…僕がしっかりしないと」


正義君は拳を握る。


すると、自分達を呼ぶ声がしたの。


「真坂君?横内さん?」


声に驚きつつ、二人は声の人物を見て安堵する。


「木村先生!」


木村先生は五人の教室の女担任で、特別面倒をみてくれていたの。


しかし木村先生も震えていた。


「先生!何が起きてるんですか?他の先生はどうして化け物に?」


問い詰める横内さんに木村先生は震えて答える。


「昨日の夜…皆が静まり返った後…」


先生達は修学旅行初日に部屋に集まって明日の茶積み体験の段取りを決めた後、お酒を出して飲み会を始めたの。木村先生はお酒に弱く、風に当たりに部屋から出た直後!


「うぎゃあああ!」


部屋の中から悲鳴が聞こえ、木村先生は恐る恐る覗くと中では…


口を塞ぎ涙を流しながら見ていた。中では先生方が闇に飲み込まれ、泣き叫びながら生きたまま身体を蝕まれ、その身体が化け物へと変わっていく。そして再び人間の姿へと戻ると部屋から出て行ったの。


木村先生は逃げるように部屋から飛び出す。そして助けを呼ぶために一人ホテルの外へ逃げようとしたけれど出来なかった。


見えない壁がホテルを覆い、中から出られなくなっていたから。恐らく血塊の障気で、通常の人間には目で見る事は出来なく、下手に触れたら身体が熔けてしまうの。そこで木村先生は仕方なくこの部屋に隠れて身を潜めていたの。


「グゥルルル…」


突然、木村先生のお腹が大きく鳴る?木村先生は「見付かっちゃう!お願い、音を立てないで!」と、お腹を締め付けていた。


「どうしよう…正義?私達どうなるんだよ?」


姉御的な横内さんが涙を流して正義君にすがる。


「大丈夫!とにかく逃げよう!ここにいたら、いずれ逃げ場が無くなるから!」


正義君が立ち上がると、横内さんが正義君の差し出した手を掴み立ち上がる。


「先生も一緒に!」


その時、木村先生の行動を見て二人は冷や汗を流す。


「お腹の音が止まない…止まないよ…見付かっちゃう!どうしたら?何かお腹に詰めれば…何か?」


その木村先生の姿は人間の姿ではなく、口が裂けて腹からも大きな獣のように飛び出した口が開かれる。


「ば、化け物!」


横内さんが叫ぶと同時に正義君は横内さんの腕を引っ張り部屋の外へと走り出したの。


「待ちなさい…廊下を走っては…いけませんよ!いけませんよ!いけませんよ!いけませんよ!いけませんよ!いけませんよ!」


襲い掛かる木村先生だったが、勢いよく閉めたドアにぶつかり転ぶ。


「木村先生まで化け物に?そんな事って!」


二人は廊下に出ると至るところで叫び声や悲鳴が聞こえる。


あちらこちらの場所で生徒達が襲われていたの。


「とにかく逃げなくちゃ!けど、どうしたら?確か外には見えない壁があるって言ってたよな?」


そして横内さんの腕を引っ張った時、その軽さに正義君は勢いよく転んでしまう。何が起きたのかと手を見ると、そこには横内さんの握ったままの腕のみがあったの。


「!!」


そして、天井から何かが落ちて来たの。それは?


横内さんの首!?


あまりの衝撃に正義君は叫び声をあげる。天井に化け物がいて、横内さんの身体を喰らっていたの。


「うわぁああああ!」


その後は闇雲に恐怖で逃げる正義君は、


「何だ?これ?夢だ!夢だ!夢だ!夢だ!夢だ!夢だ!夢だ!」


直後、正義君は腕を掴まれて、壁際に押さえ込まれたの!


「うわぁああ!」


「静かに!正義!」


「!!」


そこには永野 彰くん、坂本 隆くん、永井美奈さんがいたの。


「正義、無事だったんだな?」


頷く正義君は気を失い、そこで再び声を聞く。



《急げ!魂を解き放て!》



その声は一体?


そんなこんな。

次回予告


正義くんと友人達の来た修学旅行のホテルで起きた事件。


これが、学園猟奇殺人事件の始まりとなった。




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