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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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澠池(メンチ)城の張奎と高蘭英!


張奎は高蘭英と再会した事で、自らの存在を知る。


新たな生を手に入れ、カミシニの王として覚醒していく。


俺は張奎。


俺は男達に追われていた女を助けた。

その女は俺と生前で夫婦だった高蘭英だと直ぐに気付けた。

それは俺と高蘭英の血が混じり合う事での記憶の融合だと知る。

失われていた俺の記憶が断片的に蘇り、俺は張奎だと悟った。



「俺達は一度死んで生き還った魑魅魍魎なのか?」


「私の知る事をお伝え致します」


「頼む」



高蘭英は俺より早く転生した事で、記憶が多少多く目覚めていたのだ。

高蘭英が説明した内容は、生前に起きた仙界大戦にまで遡る。

そこで俺と高蘭英は一度目の命を失った。


俺と高蘭英、いや、それだけでなく仙界大戦で命を落とした者達の魂は導かれるように一箇所に集められた。

魂と魂が重なり合い、融合したような感覚の中で、光か闇か分からない空間で時が過ぎていく。

数十年?数百年?どれくらい経ったか分からない。

これが死の世界なのか?


だが、これは西王母によって企てられた計画の一つであった。

俺達の魂は道具として使われているのだ。

西王母はカミシニの血で傀儡を作り上げ、この空間に彷徨う魂を注入して新たな生を与え、己の配下としたのだ。

その為に過去の記憶は邪魔でしかない。

だから俺の記憶は失われていたのか。



「しかし何故記憶が戻ったのだ?」


「それは私の血と混ざりあった事で、私の記憶を共有したのです」


「何故、お前は記憶が残っていたのだ?記憶を消されていなかったのか?」


「それは・・・」



高蘭英が目覚めた時、その場所には同じく目覚めたカミシニが四人いたと言う。

その中の一人が紂王様だった。



「お前達に余の血を分け与えてやろう。この血を広めよ!広め、生前の記憶を持ち我が従僕となるのだ」



紂王様は生前の記憶を唯一残していた。

理由は分からない。

だからその血を分け与えられた者は記憶を取り戻していく。


「血の杯」


高蘭英達はその血を広めるよう紂王様に命じられたのだ。



「でも何故お前は追われていたのだ?」


「それは血の覚醒のため」


「血の覚醒?」



カミシニ達は同士で殺し合い、相手の血を吸収する事で、己の血を覚醒させられる。

だから殺し合い、力の無さそうなカミシニは徒党を組んで弱者を獲物としたのだ。

つまり血の質が濃く、強い者だけが生き残れる。



「だから命を狙われたのか?」


「はい」



さらに紂王の血で記憶を戻した者は同時に紂王様の従僕となる。

拒む事は出来ない。


「私は紂王様の従僕者。しかし同時に私には愛する貴方を探し求めていた」


「高蘭英」


しかし記憶が戻った俺はつまり?


「俺も従僕者なのか?」


すると高蘭英は首を振る。



「貴方様はどうやら特別だったようです。本当に特別な存在」


「特別?」


「私は貴方の血と混ざり合った時に実感したのです。貴方の血は私の中を廻る紂王様の血を薄める力を持っていました」


「よくは分からないが、俺は何者なのだ?」


「主様。貴方は王たる器。倶利伽羅の王の資質を持つ特別な存在なのです」


「倶利伽羅の王?」



倶利伽羅の王とは、カミシニの血をより濃く持つ特別な存在。

その者達は王たる資質を持った器で、頂点になれると。



「あははは!この俺が王たる器か?面白い」



そして俺と高蘭英は自分達の国を作り上げた。

俺と高蘭英が君臨する澠池メンチ城。



「俺の他にも王たる器がいると言うのか?話に聞いた紂王なる者か?」


「紂王も特別な王の器です。しかし選ばれし王たる器は十二人現れるのです」


「十二人だと?」



高蘭英は指先に傷を付けて血を垂らすと、机上に図形と点が浮かび上がる。



「見てください。王たる器は張奎様を含めて既に六名存在しております」


「ふむ。六人か」


「しかも紂王が陣取った場所に三人の器が集まっているようです。後は単独で動いている者が一人」



後に、紂王様に従うは聞仲殿、趙公明殿、金星霊母殿。

そして単独で動いている者は黄飛虎であった。



「ならば俺は一度挨拶に出向かんとな。その者達の腕前を知っておきたい」



そして俺は澠池メンチ城を高蘭英に任せ、紂王の新生殷国へと出向いたのだ。



「独角烏煙獣よ!」



俺が呼ぶと聖獣が出現し、俺を乗騎させた。

この独角烏煙獣もまた俺を王として従僕した聖獣だった。





その頃、新生殷国には天界よりカミシニの命を断つ太陽剣を手にした討伐隊と交戦していた。

俺はその戦いの中で、一人の武人が僅かな兵を率いて天界軍を殲滅させたのだ。

間違いなく王たる器に違いない。

そこで俺は戦場に残された戦利品を持ち帰ったのだ。



「これは?カミシニを殺す太陽剣ですね?何故持ち帰ったのですか?」


「高蘭英よ。まぁ、見ていろ」



俺は太陽剣に俺の手首から垂れる血を浴びせると、その剣を高蘭英の身体に押し付け注入させたのだ。



「あぁあああ!これは?あぁああん!」


「我慢せよ。俺がいない間、お前に何かあれば困るのだ。だからお前に力を与えたい。受け取れ」


「は、はぁわわ」



太陽剣を俺の血でコーティングし、体内に融合させた事で高蘭英の力は進化した。

既に第三仙血の力を持ち合わせてはいるが、太陽神針を撃ち出す事で格上の相手をも倒せる暗器となった。



「主様。私は貴方様をお慕いしております」


「俺もだ。お前は俺が守る。俺がお前を永劫愛し続けると誓おう」



俺達は抱きしめ合う。

カミシニ同士では生殖機能は無いらしいが、愛を確かめる行為は互いの絆。

そして俺は改めて外出した。

新生殷国へと!


が、俺は旅の途中、胸に強烈な痛みを感じ、苦しんだのだ。



「い、今のは?何が?」



全身が震え、止まらない。

同時に高蘭英の姿が浮かび、消えた。



「!!」



高蘭英の身に何かあったのか?

俺は慌て澠池メンチ城へと引きかえした。


その後、俺は高蘭英が姜子牙なるカミシニ殺しに討たれたと知り、その足取りを追った。


そこで俺は黄飛虎と一騎討ち。

倶利伽羅の力を覚醒し、その後は聞仲殿と趙公明殿に教えを乞う。

そして俺は更なる力を手に入れたのだ。




「時間を弄した。次は姜子牙だ」



俺の愛する高蘭英の仇を必ず討つ。

次回予告


張奎が姜子牙を討つために、その足を向けた。


その時!!

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