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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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黄天下の決意!因縁の宿敵!


絶対的な危機に、謎の援軍。


姜子牙と黄天下の決死の戦いはまだ佳境の中にいる。


私は姜子牙だよ。


私と黄天下は謎の助けのお陰で、何とか城内へと入り込む事が出来た。

本当に何者達だったのだろう?

もし生きて、生き残れたなら礼を言いたい。

そして語り合いたい。

その為に生きて勝ち抜いてやるぞ!



「なぁ?姜子牙。俺達の目的は紂王って奴を倒せば良いのだよな?」


「とりあえずな。しかし残して来た聞仲が戻って来たら当然倒さないと」


「さっきの奴等が倒せる可能性は?」


「それは分からない。そもそも敵か味方かもまだハッキリしていないしな」



私は懐から小さな包を放ると、煙を出して小さな壺が飛び出し手にする。



「治癒の霊薬だ!少しでも回復して置かないとな」


「ありがとう。助かる」



黄天下は躊躇いながらも飲み干すと、身体の痛みが軽減する。

ナタクの特製とか言っていたが、私のは人間用で、黄天下のは敵のカミシニから奪った血を錬成した霊薬らしい。それでも黄天下は同種のカミシニの命を食しているようで最初は拒んでいた。

そんな私もカミシニを忌眼で封神し、その力を糧にしているから同じだ。



「私達が生き残るため、勝ち残る為には嫌でも口にするしかない」


「わ、分かっているよ。分かっているが、うん。飲むよ」



この霊薬はナタクの特性で実験的な物だから、数がない。

痛みと傷は何とかなったが、体力までは回復していない。


「フゥーーー」



呼吸法で酸素を吸い込み、体内の血流を廻らせて多少でも活力を戻す。



「何とか回復した体力は半分か。何とか戦うには心許ないが、何とかなるか」


「何とかなる。か・・・」


「ん?どうした?」



突然、立ち止まる黄天下が前方に待ち構えていた武人に警戒したと分かり、自分も急停止した。そして改めて目の前に立つ武人を見た時、全身に鳥肌が立った。



「お、お前は!」



その者を私も黄天下も知っていた。

私達にとって、いつか必ず倒さねばならないと決めていた敵であった。

その者の名は、


「張奎!」



張奎とは、私が落とした澠池メンチ城の城主にて、高蘭英の夫。

高蘭英はこの私が倒したのだから、張奎にとって私は仇。

そして私達の前に現れた時、その圧倒的な力の差に敗北した。


しかし私らを庇い黄天下の父である黄飛虎が一騎討ちをしたのだ。

そこで私達を生かすために庇った黄飛虎は戦死した。

だから黄天下にとっては倒すべき仇でもあるのだ。

張奎は手にした剣を構えると、我らに向かって一歩一歩と近付いて来る。



「二人がかりで倒すぞ!黄天下」



私が叫んだ時、黄天下は私を一目見て呟いたのだ。



「姜子牙。ここは俺に任せてくれないか?」


「はっ?な、何言っているんだよ?」


「俺では倒せないと思っているのだろ?そう思われても仕方ないよな」


「あ、いや、それは。あ〜そうだよ!無茶だ!無謀だ!不可能だ!」


「そこまで言わなくても」


「ここは二人で戦うべきだ!二人がかりなら、可能性はゼロじゃない」


「確かにそうかもしれない。けれど奴は俺が倒さないと意味がないのだ。俺が王になる為に。父上を越える為にも!」


「!!」



私は黄天下の目を見て、もう何も言わずにその胸に拳を当てた。



「本当に頼んで良いのだな」


「任せろ」



その瞳は決意の目。

恐らく、この日が来る事を待ち構えていたのかと知った。



「ウォおおおお!張奎ぃーー!俺が相手だぁー!」



炎を噴き出させて視界を奪いながら特攻する黄天下に、



「我が妻を殺めた者を逃すと思うか?二人まとめて、この場で始末する」



が、私は既にその場を抜けるように入って来た逆方向の通路に駆け出していた。


「逃がすものか!」



追おうとする張奎の前を塞ぐように黄天下は迎え討ち、衝突した。



「お前は黄飛虎の倅だな?せっかく見逃された命を粗末にするのであれば容赦せん。この俺相手に小物が出しゃばるには機嫌が悪すぎたぞ」


「俺が本当に小物かどうか、お前の身体に教えてやるよ!」


「!!」



その時、黄天下の右腕が真っ赤に染まり、黒き龍が浮かび上がる。



「倶利伽羅の拳!」



突き出された拳に、



「倶利伽羅の力を感じるだと?その右腕は黄飛虎の腕か?まさか右腕に奴の力が宿ったと言うのか?愚か者め!それで己の力を過信したか」



弾き返そうと剣を合わせ、斬りかかる。


「爆炎烈火!」



が、寸前で先に炎が爆発して張奎を吹き飛ばしたのだ。


「ぐぬぅううう!」


影が視界を過ぎる。


「うぉらああ!!」



堪える張奎は声のする方を見上げると、追い打ちをかけるように黄天下が二撃目の拳を突出して

炎の打撃を放ち、張奎の足下を炎の海にする。



「俺は今、命を燃やす!父上の夢見た真の王になるために!」


「身分不相応な力を持った半端者が!真の倶利伽羅の力を持つ我が手で、その夢ごと砕いてやろう!」



今、あの日の再来。


因縁の戦いが繰り広げられようとしていた。


次回予告


黄天下と張奎との戦い。


圧倒的な敵を前にして黄天下は勝てるのか?



法子「私も頑張っているから、あんた達も頑張ってよ」

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