新生殷国突入して来た少女と魔眼の戦士達!?
新生殷国で戦う姜子牙と黄天下。
その窮地に、この新生殷国に突入して来た者は一体?
私は法子!
えっ?突然名乗られても知らない?
嘘!そんなふうに言わないでよ!
私は・・・説明するには長くなるから色々省くけれど、そうね〜簡単に説明すれば、そう!正義の女子高校生!
それが私、三蔵法子
私は仲間と一緒に天界に幽閉されていたの。
その理由はこれも長くなるのだけれど、地上界に神々の天敵なカミシニ達が跋扈する原因になったからとか。
ん〜悪気は無かったのよ?事故よ事故!
そんなわけで責任取るから地上界に出向こうとしたのだけれど、これ以上騒ぎを増やされては困るとかなんとかで、結界の部屋に閉じ込められていたのよ。
まぁ〜三食昼寝付きなのは良かったけれど、最初の頃より二キロ体重が上がった感覚するし、もう我慢出来ないわ!
「何とか抜け出すわよ?皆!」
と、直ぐに決行するにもお世話になっている天界の武神二郎真君さんの手前、そう簡単じゃなかったのよね。
でも、私達に入って来た情報に私達と交戦した西王母の一味が動き出したとか、新たに紂王なるカミシニが大国を建国し、カミシニ同士で地上界権覇権を争い、戦争始めたりとか、もう天界でも収拾出来なくなっているようなの。
そこで私は先に沙悟浄と八怪、鉄扇ちゃんを地上界に送り、情報収集をして貰ったの。因みに抜け出した事を天界にバレないように三人の分身を残していたのよ。
そこで面白い話を聞いたの。
奇妙な能力を持つ若者が、カミシニの若者と紂王の建国した新生殷国を相手に立ち上がったとか。しかも何故か知らないけれどナタクまで加わっているとかで、興味深かった。
私はそこで水晶を使い、地上界を覗き見しながら、彼らの同行を見守っていたのよ。
「よし!」
そして私達は動いたの。
動かざないといけない状況に陥っていたから、もう飛び出していた。
我慢したのよ?今日まで?
天界を刺激したら、私達の身の置き場にも困るから。
それに最後の決め手は私達の保証人の二郎真君さんが消息不明だとかで、その件でも二郎真君さんの残留思念が最後に途絶えた場所が地上界だって話なのよ。
安否を確かめる為にも地上界に行きたい。
もう私達を止めて置ける理由は無くなったの。
「皆?準備と覚悟は良い?」
すると孫悟空と阿修羅が頷き、玉龍君が私の為に麒麟の姿になって私を乗せてくれたの。
「これからは私達の独壇場よ!」
それから私達は私達を拘束する天界の結界を破壊して、追ってくる天界の武神達の追手を振り切り、この地上界へと降りて来れたの。流石に天界兵も今の状況で地上界にまでは追って来れなかったみたいで助かったわ。
地上界では八怪、沙悟浄、鉄扇ちゃんが待っていてくれたの。
「状況はどうなっている?」
「それがですね〜」
沙悟浄から聞いた話ではもう戦いが始まっているようなの。
先に話したナタクと二人組が既に新生殷国で戦闘を初めている最中とか。
「先ずは中に入らないと話にならないわ。この血界を破壊するわよ!」
「任せとけ!」
新生殷国の血界は本当に特殊中の特殊で、カミシニの血界ってだけでも破壊困難なのに、これまた一苦労だったわけよ。
でも私達なら大丈夫!
なにせ私達には特別な力があるのよね~
孫悟空、阿修羅、八怪、沙悟浄に鉄扇ちゃんが金色の魔眼を発動させて新生殷国の血界を破壊して侵入出来たの。
私達の金色の魔眼は、神の力を打ち消すカミシニの血の力に有効なのよ。
そして新生殷国の中に突入して、直ぐに目についたのが、
「けれど何?あの人が親玉なのかしら?少なくとも異常だわ」
「あの者が聞仲です!法子さん」
「あ〜そうだったわ!思い出した。あの一番厄介そうな相手よね?」
「はい。恐らくは、今、この地上にいるカミシニ最強かと思われます」
「うわ〜大変そ〜」
身震いする程の存在感だった。
かつて感じた覇王(那我羅)を彷彿させる程の底が見えない力を感じるわ。
「小娘、お前達は何者だ?天界からの討伐者か?」
「残念だけどハズレよ。私達はお節介な正義の味方よ」
「俺は今お前の相手をしている暇はない。邪魔立てするのであれば容赦なく斬るぞ?」
「あら?出来るのかしら?少なくとも私は簡単には落とせないわ」
「フッ」
「!!」
直後、私に向かって強烈な圧がのしかかり、更に聞仲が振り上げた打神鞭が雨のように私に向かって降りかかる。
「ぐっ!させるかぁ!」
私は如意神向を構えて前方に向けると、打神鞭の軌道が曲がる。
「軌道を変えただと?なるほど。口だけでは無さそうだ」
私は孫悟空と八怪に先に戦っていた二人を先に行かせるように頼むと、
何とか先導させて城内への門に入れさせる事に成功させたの。
「上手く行ったようね。その代わり、この場は任されたわ」
そこに聞仲が乗騎する黒麒麟が忠言する。
「聞仲様。あの娘の乗騎する麒麟は私と同格の聖獣です」
「何だと?つまりあの娘がそうだと言うのか?」
「恐らくは間違いないと思います」
「なるほど。変革者の候補者か」
聞仲の会話が多少聞こえて来て、私は少しプンスカ気分になったの。
「誰がヘンテコ者よ!失礼ね!」
しかし聞仲は特に返す言葉も無く、その手に持つ打神鞭に力を込める。
「打神鞭・強重圧」
「エッ!?」
その途端、私は強い力で抑え込まれるように地面に向かって急降下しながら落下する。
「きゃああああ!何よ〜もう!」
「僕が何とかします!」
「お、お願い!玉龍君〜」
「は、はい!」
すると玉龍君が麒麟の姿から人の姿へと変わり、私の上方に向かって叫ぶ。
「重力変動!」
すると身体が軽くなるように浮かぶ。
玉龍君は蛇神族との戦いで戦死した四海龍王の力を受け継いでいるの。
その中の黒龍王さんは重力を扱えたのよ。
そして私は玉龍君の手を繋ぎ、
「聖獣変化唯我独尊・麒麟」
私と玉龍君が重なり合うと、私の身に麒麟の鎧が纏われていく。
「聖獣の中でも麒麟は高異種。その聖獣に認められし者は、この世を変革する覇者となるか。間違いなさそうだな」
「聞仲様。いかがしますか?あの者は必ず聞仲様にとって必ず弊害になるでしょう。私は今この場で討つ事を進言致します」
「この場で討つのは容易い。しかし今は時間が惜しい」
「ならば私は聞仲様に従います」
直後、聞仲の姿が変わっていく。
「聖獣変化唯我独尊・黒麒麟」
その姿は私と同じく、いえ?黒い麒麟の鎧を纏って宙に浮いていたの。
「あらら。やっぱり強そうね」
冷や汗が流れ、身体中に汗が滲む。
帰ってお風呂入りたい気分だわ。
直後、私に向かって抜刀した聞仲が斬りかかり、私は如意神向で受け止めると、その衝撃波が波紋を広げて閃光が戦場を覆ったの。
どうやら私達の戦いは始まったばかりよ!
そんなこんな。
次回予告
新生殷国に突入した姜子牙と黄天下も新たな脅威を前にする。
この戦いは避けられない。
法子「えっ?私の出番これで終わりなの?」




