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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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四不象の主様?

姜子牙を救ったのは四不象と名乗る聖獣だった。




私は姜子牙だよ。

私を助けてくれた聖獣・四不象スープーシャンは、私の事を太公望と呼んだ。

しかし、おい!


「私はな?何度も言うが太公望なる者ではないぞ?噂に聞く太公望ってのは仙界大戦の英雄で、高位の神仙なのだろ?」


「ふむふむ」


「この私はと言えば、れっきとした人間で、しかも仙術を学んだばかりの下級仙なのだぞ?確かに忌眼なる力を得て、人間離れしているとは思うがな」


「ふむふむ」


「つまり私はお前の主人ではないのだ。助けてくれた事には礼を言うがな?」


「ふむふむ」


「フムフムって、ちゃんと話を聞いておるのか?スープーよ?」


「安心してください」


「なら良いが」


「ちゃんと聞き流しておりますよ。太公望様〜」


「聞き流すなぁ!馬鹿者!」



すると嫌そうな顔をしたので、私は背を向けて背中越しに言う。


「サラバだ。お前はお前のご主人の所へ戻るが良い。私は他人の空似だ」


「そんな事を言われても、太公望様は太公望様で、この私と魂の同調をしたではないですか?私ら聖獣は魂の契約をした主としか魂の同調は出来ないのですよ?つまり貴方は太公望様なのです」


「そんな事言われても知らんわ!」



全く、何を血迷っておるのだ?

私は私だぞ?


「それにお前の主の太公望とはいつ逸れたのだ?心配しているのではないのか?私に付き纏う必要ないぞ?」


「ご主人様とは今から半年ほど前に分かれたきりですよ」


「半年?やはりの〜。やはり他人の空似だよ。私の歳は十七歳だぞ?その太公望殿とは半年前にはお前の前におったのだろ?だったら他人だ」


「でもご主人様です」


「待て待て?話を聞いておったのか?お主の主は太公望殿!私ではない!つまり本当の主のもとへ帰るが良い」



すると四不象は私に近寄り上目遣いをして顔を擦り付ける。


「やめんか!」


「ふむふむ。止めます」


「素直で宜しく。お主の真の主とやらの太公望殿が待っておるのだろ?何処に居るかは分からないが、早く探し出すと良いぞ」



それだけ言うと、私はダッシュでその場から逃げるように走ったのだ。



「悪く思うなよ。私は急ぎ、仲間達の元へ帰らねばならないからな」


「背中乗ります?」


「お〜有難い。ん?」



気付くと、先回りした四不象が背中に乗るように首を振って誘っていた。



「も〜う〜何なのだぁ〜!!」



それからいくら言っても離れない四不象に対して諦めた私は、


「私の戦いは命懸けだぞ?ついて来るのであれば死を覚悟する必要がある。見ず知らずの私の巻き添えになって構わないのであれば好きにするが良い。後は自己責任だ。良いな?」


「ありがとうございます」


「感謝されても困るが、お主は万が一は己の身を一番に考え、場合によっては私を見捨てても構わんからな?いつでも見放して構わんぞ?約束だ!」


「ん〜も〜う!ご主人、優しい〜」


「うるさい!茶化すな!」



そんなわけで、私に新たな仲間が出来たのだが、どうなることやら。




それから私は飛んで来た道を四不像に乗って戻っていた。


「道は分かるのか?」


「既に主人の友達の黄天下さんとナタクさんの位置は把握しています」


「ん?気を探れるのか?」


「いえいえ。私は位置感覚能力が長けていて、数キロ先にある建物や、動く物体を認識出来ます。この一帯で天界の者と、熱感知の強いカミシニは珍しいので、直ぐに見つけられましたよ」


「お主、凄いな」


「お褒めいただき有難う御座います。それより・・・」


「どうした?二人に何かあったのか?」


「それが二人共捕まっているみたいです。私達を追って来たカミシニが近くにいて、その者の血で生み出された獣が至るところにウヨウヨしてます」


「そんな事も分かるのか?本当に凄いの〜。しかしやはり趙公明、諦めてはいなかったか。恐らく二人を殺さずに捕らえているのは私をおびき寄せる罠といったところか」



私と四不象は上空から二人を救出する策で近づいていた。


「ん?」


すると正面から何かが迫って来ていたのだ。

それは翼の生えた無数の虎の集団。

その全てが趙公明の血から生み出されたのだ。


「見つかったか!翼の生えた虎とか創作好きかよ!趙公明って奴は!」



襲い掛かって来る虎との空中戦が始まると、四不象はその姿から想像出来ないスピードで攻撃を躱す。


「本当に驚かされる。なら私は攻撃に徹するぞ!」



私は打神鞭に力を込めると、雷が放電して広がっていく。


「忌眼・豪雨雷神鞭!」



雷が降り注ぎ、無差別に飛行する翼ある虎を撃ち抜き、撃墜していく。


「ぬっ!?」



すると今度は正面から黒虎に乗騎した趙公明が姿を現したのだ。

そこで私は四不象にコソコソと確認する。



「本当に本当なのだろうな?例の裏技ってのは?」


「嘘は言いませんよ〜!私とご主人様が力を合わせれば、今よりも数倍?いえ!数十倍にパワーアップ出来ちゃうのです!」


「信じて良いのだな?そうでなければ、正面からノコノコ登場なんてしなかったのだしな」


「もう覚悟しちゃってください。私とご主人様は運命共同体からの〜赤い糸で結ばれた戦友なのですよ」


「赤い糸は違うだろ?」


「私の目を見てください!」


「ん〜いまいち分からんが、もう後戻り出来ないな」



そして私は、趙公明の前に進む。



「待っていた。仲間を見捨てないとは思ったが、覚悟は良いか?」



「当たり前だ。覚悟?それは趙公明!お主の方だぞ?何せ私は、全てのカミシニを殲滅するために生まれて来た執行者なのだからな!」



そして印を結び、前以て四不象に言われた通りに試してみた。

一か八かの実戦の本番。

私と四不象の意識を同調させ、魂が一つとなるように通わせる。

そして胸から感じる熱い力を引き出すようにして、限界を引き上げるのだ。



「聖獣変化唯我独尊・四不象!」



直後、私の姿が変わっていく。

私の身を包むのは四不象が鎧と化し、我が力を飛躍的に跳ね上げた変化の術なのだ。


「おっ、おっ、おっ!?これは正しく!」



漲る力が私の力を、忌眼の力をも強化させた時、私は趙公明に向かって飛び出していた。


「!!」



超スピードからの拳が油断していた趙公明の腹に炸裂し、仰け反った所に雷が降り落ちる。


「忌眼・打神鞭雷砲!」



雷が趙公明を飲み込みながら直撃し、そのめま地上に向けて衝突させたのだ。



「うぉおおお!私、マジに凄いぞ!四不象?」

(それが本来の太公望様の力ですよ?)

「だ〜か〜ら〜!私は姜子牙だっつうの!」




だが地面に倒れていた趙公明の指が微かに動く。

やはり不意打ちからの一撃で、あの者を倒すまでには無理であったか。


今、最強最悪の強さを持つ趙公明との一騎討ちが始まる。


次回予告


姜子牙は趙公明相手に策があるのか?



法子「無茶はダメよ」

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