新たな仲間??四不象登場!
趙公明から姜子牙を救った者とは一体?
それはまさかのサブタイトルでネタバレされるのであった。
だ、誰だ?私を背負っているのは?
私を助けてくれたのか?
あの攻撃の中で私を寸前で救出し、そして追ってくる趙公明の攻撃を躱しながら猛スピードで飛行している。
しかし目が開かぬ。
あの趙公明の出鱈目な攻撃が私の全身を打ち、指一つ動かせぬ。
皆は無事なのか?
しかし不思議だ。
私を背負うこの何者かから伝わるのは癒やしか?
恐らく悶絶する程の痛みを受けたはずなのに、痛みを和らげ麻痺させながら、回復を施しているようだ。
しかも何故だか、懐かしいような?
「お前は、一体?」
変な気分だ・・・
かつて昔、同じく背負われ、世界中を飛び回ったような感覚が?
有り得ぬがな。
私の人生にそのような記憶はない。
気のせいだ。
追ってきていた趙公明は、逃げる私を追いながら、
「まさか私の攻撃を寸前で救出した者がいるとはな。彼らの仲間か?」
趙公明は自分乗騎する黒虎聖獣の飛行でも追い付けず、しかも自分の飛ばす血弾をも躱してのけるのだ。
「王の選定騎種。まさかアレも高異種の聖獣か?もしそうであれば、真王の器は彼の方なのかもしれないな。それならば此処で討たねばならないな」
趙公明は片腕を上げると、再び強い力を持って前方を飛行し、私を背負う者に向かって狙いを定める。
「今度は逃しません」
その掌から放たれた閃光は飲み込むように私達を消し去った。
「やはり並の聖獣ではないな。瞬間移動(神速)を使うとは、やはり王の選定者か」
王の選定者と呼ばれる聖獣が存在する。
「聖なる端獣が選びし真王は、私が選定する」
趙公明は印を結び、全身から噴き出す血蒸気が噴き出した。
広範囲にどんどん広がり、私が進む前方から四方八方全てを一瞬で覆い隠したのだ。
しかもその血界は、反則級に超猛毒ときたものだ。
「血蒸気の血界か・・・私らを逃さない為に大掛かりな」
すると血界に覆われて巻き込まれた民家から人が出て来てもがき苦しむ。
更に動物や鳥の奇声が響き、腐るように塵となって消えていった。
私は何故無事なのだ?
これも私を乗せた生き物の治癒の力か?
「だ、誰か知らぬが、私を助けてくれた恩人よ?私を捨て、お前だけなら逃げられるのではないか?なら、私を捨てていけ!お前まで巻き込まれる必要ないぞ」
すると、私を助けし者は答えた。
「死なせない」
私の視界が戻り始め、私を背負う者の姿を見て驚いた。
「な、何なんだ?お前は??」
その姿は鹿のような角に、頸部がラクダみたいで、蹄が牛のようで、尻尾がロバのようだったが、そのどれでもないような?おっ?そうか!強いて言うなら、そう!トナカイか?
「主よ、私は四不象」
「すー、スープーしゃん?」
「私はずっと貴方を見守っておりました。なので今は貴方を命に代えても守るので、ご安心くださいませ」
四不象?
私を今まで見守っていた?
「!!」
心当たりはあった。
寧ろ今の今まで何故、その事に触れなかったのかがおかしいくらいだ。
張奎に瀕死の状態で助かった時も、今の今まで気を失い、気付くと当たり前のように何者かに治癒されていた。
それは大上狼君との修行時代も度々救われていた。
いや?それより前からか?
何者かが私をいつも見守り、手助けしてくれていた。
名乗らずに、顔を見せないから今の今まで、自分から姿を現すまでは自分からは探す事はしなかった。その者が、今、初めて私の前に姿を現して、再び助けてくれたのか?
「本来なら主人に呼ばれるまでは姿を現さない約束でしたが、今回に限っては本当にどうしようもなく、姿を現してしまいました」
「つまり、それだけピンチだったと?いやいや!ソレより、お前は何者なのだ?いや、名前は聞いたぞ?スープだよな?何故、私を助ける?私の事を主人を言うが、私はお前の事を知らぬぞ?有り難いが謎だらけだよ!」
「それは、この場を凌いでからに」
「そ、それもそうだな。出来るのか?」
「ご主人が私に力を貸し与えてくれれば不可能ではないです」
「私がお主に力を貸す?どうやって?私に出来る事なら、何でもするぞ?」
「それは、このように」
「ぬっ!????」
私の中から力が抜けていくように吸い出されているかのように魂の力が奪われる??
「何をし、してぉるのだ??」
すると四不象は答えた。
「私の魂と同調してください」
「えっ?魂の同調だと?どうやるのだ?突然言われても分からないぞ?」
「私が導きます。私を信じて」
「お、おぅ!」
すると抜け出る魂の感覚に、四不象の意識?魂が同調していく感覚に陥る。
「!!」
直後、追っていた趙公明が私の姿を突然、見失ったのだ。
自分の張った結界の中を見回しても何処にもいない。
そして風が抜けるような音がして見上げると、風穴が開いていたのだ。
「まさか私の血界を抜けたと言うのか?あの一瞬で消えて何処に行ったと」
見上げる巨大な風穴を見て、
「どうやら私から逃げられるほどの力を持っているのなら、そうですね。本腰を入れて捕らえましょう」
まるで狩人のような目になる趙公明は握られた掌を開くと、血飛沫が飛び散り、その血が無数の獣の姿と化して増えていき四方八方へと追っていく。
「血獣達よ!見つけ次第、私に報告、連絡、そして総当たりで攻撃しなさい。大切なのはホウ・レン・ソウだよ」
その頃、逃げ延びた私と言えば?
「まさか本当に逃げ延びれたのか?」
瞼を開けた目の前には四不象が私を見ていた。
「お主のお陰だよ。スープよ。で、聞きたい事が沢山ある」
「ようやく主人と話が出来て嬉しいですよ。私は。太公望様」
「へっ?」
た、太公望?
お主もかぁよ〜??
次回予告
姜子牙の事を主と呼び、太公望と思い込む四不象。
姜子牙はその誤解をとく事が出来るのか?
法子「誤解とかなくて良くない?」




