表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
55/713

蚩尤鬼王と呼ばれる新たな脅威!!


法子の学園に襲来した化け物の襲来


法子に迫る命のリミット?




私は法子!


私や学園に取り残された生徒達を救うために、総本山から十人の精鋭が血塊を破って入って来たの!晴明師匠を筆頭に戦士達は突入と同時に運動場に群がる蚩尤鬼人を蹴散らしていく。

戦士達は片手を挙げる晴明師匠の合図に各々拡散する!戦士達は三つの任務を与えられているの。


この学園に現れた化け物討伐、生き残った生徒の救出。残る晴明師匠は、この現況である歪禅を討伐に向かう。そして私の救出が優先されていたの!


歪禅は学園の屋上に血塊[結界]を張り、そこで恐ろしき事を行っていた。



「総本山の連中が入って来たようだな?だが、手遅れだよ。やがて、我等の一族のみが生存し支配する世となるのだ!」


歪禅もまた能力者であり、その能力とは『増殖』


「また新たな器が運ばれたようだ…」


天井の血塊から肉が盛り上がりながら向かって来て、この学園の男子生徒が吐き出されたの?まだ生きてはいるけど、手足がもがれ、痛みに今にも死にかけていたの。


「腹が減って手足を食らったな?欲求に勝てない連中だ…だが、生きていれば良い」


歪禅は死にかけている男子生徒の額に糸を伸ばすと問う?


「生きたいか?弱き肉体がお前を死に追いやるのだ。どうだ?強くなりたいか?新たな強き肉体を望むか?望むなら与えよう。拒むならそのまま我等の餌として死ぬが良い」


生徒は空手部のエースであり、襲われた生徒を庇い化け物に果敢に挑んだが、所詮は人間。腕と足をもがれてこの姿となったの。


「死にたく…ない…もっと強くなり…たい…」


「なら与えよう!我が一族の神聖なる血を!」


直後、少年は悲鳴をあげると、皮膚が硬直化し、失われた手足が再生し、その姿が化け物へと変貌する。


「新たな一族の誕生だ!」


歪禅の前には、同じく運ばれた生徒達が化け物へと姿を変えられて従えていたの。


「こんな寄生種出来立て連中で役に立つのか?」


そこに七人の蚩尤鬼人が歪禅に言葉を出す。この七人は他とは少し感じが違っていたの。この七人は歪禅と同様に過去、総本山が襲撃された時に逃げ出した蚩尤鬼の残党であり、人間にいち早く寄生していたの。つまり自らの特殊能力とカミシニの能力を熟知した厄介な相手に間違いなかった。


蚩尤鬼王と呼ばれる蚩尤鬼人の完全体!


「邪魔な総本山の連中を頼む。私は王の復活を任されよう」


「王の復活はお前に任せたぞ?俺達が幾度と王復活の邪魔をした総本山の人間共を始末してやろう」


七人の蚩尤鬼人達は出来立ての配下を引き連れて総本山の皆を始末に向かう。



そして、血塊[結界]の外で待機をしている座主様は苛立ちと不安を感じていたの。


座主様は私の身を誰よりも心配していたから…


「法子…必ず救って見せる!必ず俺が!」


その時、血塊[結界]から勢いよく肉団子が落下して来て、地面に衝突する!同時に飛び散った血が槍と化して待機中の座主様率いる総本山の皆を襲う!


「クッ!」


しかし今回討伐に待機中の精鋭は百輝夜行と呼ばれる猛者ばかり!


「百魂刀・網」


刀が伸びて網のようになって飛んで来た血の槍を全て防いだの!


その刀の主は二人の高校生の男女。


「凄い力を感じます!皆さん、気をつけて!」


「あの肉団子…血の障気が今までの化け物よりも濃い!」



二人は源義経と弁慶の転生者であり、百輝夜行の精鋭。


更にはカミシニの力を持つ刀を使うの。


肉団子は動き出すと、それは筋肉マッチョな、ボディビルダー的な気持ち悪い奴が現れたの?


「血塊の外に虫が沸いてるようだから駆除しに来てやったぞ?覚悟しとけ?」


「義経!」


「あぁ…解ってる!」


マッチョからの威圧感が二人を萎縮させる。これまで現れた蚩尤鬼人とは比べ物にならない力を感じる!


「雑魚はどうでも良いな?どれどれ?頭はドイツかな?」


マッチョは総本山の百輝夜行のメンバーを物色した後、標的を見付ける。


「アイツだな?」


マッチョが標的に選んだのは座主様だったの!そして筋肉が盛り上がり、気合いと同時に猛ダッシュをかける。


「あっ!」


その一瞬の速さに義経さんも弁慶さんも動きを見失ってしまったの。

そして座主様の目の前に現れて拳を振り上げる。


「さぁー!一発でペッチャンコだぞぉ!」


「……」


座主様はマッチョの攻撃に身動き一つ出来ずに一言呟く。


「それどころではない」


直後、マッチョの拳は空を切り、視界が回転して地面に脳天から直撃した。


超絶な合気!


座主様はマッチョに触れるわけでもなく、その勢いを流すように軌道を変えて地面へと落下させたの。


「今は、キサマごときの相手をしている余裕がない。消えろ!」


マッチョは何が起きたか解らずに、埋もれた脳天を引き抜き片手の力のみで飛び上がって座主様より距離を取る。曲がった首を治しながら、座主がただ者ではないと感じる。


「我等に敵対する親玉の事はあるな?だが、俺は無敵マッチョ!この程度で勝った気になるなよ?」


再びマッチョが座主様に攻撃を仕掛ける。今度は先程よりも迫力が増している?すると、座主様を庇うように何者かが前に現れ、マッチョの攻撃を正面から受け止めたの!


「邪魔な雑魚が!」


「聞いておらんかったか?座主様は今、機嫌悪いのでな?お前ごときの相手をさせるわけにいかん!」


「ごときだと?」


「座主様、この狼藉者の相手は私めに!」


「任せるぞ、仁王!」


「はっ!」



それは、仁王さん!総本山の守護者である仁王さんがマッチョを相手に挑む!


「雑魚は雑魚に任せる」


マッチョの他に血塊[結界]から蚩尤鬼人が何体も飛び出して来ると、総本山の百輝夜行達が食い止める。


「仁王様!ここは私達が任されます」


「頼む!あの肉団子は俺が決着をつけよう」


「誰が肉団子だ?こらぁ!」


仁王さんは金色の棍棒を構えると、



「俺は総本山守護者の一角、仁王!俺の一撃で邪悪を断つ!」


二人の衝突が大地を揺らす。






そして、新たな敵が私達の前にも現れていたの。


「まだ人間が隠れていたようだな?ひぃ~ふぅ~みぃ~?全員で五人か?しかも全員、美少女ばかり!どの娘が好みかな?目移りしちまぅし、全員俺の玩具にしてやりたいわ~う~美味そうだぁ~」


私達がその殺気に気付いた場所は体育館の天井。奴は私達をやらしい目で見ていたの!


「何、アイツ?いつからいたの?気配を今まで感じなかったわ?」


私達は警戒する。


しかし、奴は私達の視界から消えると、突然床から現れたの!


「美少女さん達?他の連中じゃなくて俺に見付かった事は幸せだったな?気持ち良い事を教えてやってから美味しく食べてやるよ!」


「何、こいつ馬鹿なの?」


「私もそう思う」


「クソね!」



新たな蚩尤鬼人は自らの血で鋏を出すと、再び私達の目の前から消える!


「何処!?」


私が辺りを見回すと、突然悲鳴が聞こえたの?


「きゃああああ!」


新谷 玲羅、白石 雪、鈴木 美和の制服が突然破けて肌が露出する!


三人は大切な場所を隠して座り込みながら、


「何?変態?スケベ?こいつマジに馬鹿なの?」


「わ、私も…そう思う!」


「うわ~私の王子以外に肌を見られた…絶対殺す!」


三人の恥ずかしがる様に蚩尤鬼人はニヤニヤして姿を現したの。



「へへへ!目の保養だ~!マジに美味そうだ…今直ぐに丸飲みしてぇ~」


鋏を指で回転させると、


「次は内臓見たくなったよ…俺…ムラムラしてきた!」


この蚩尤鬼人の本体である人間は以前、ニュースに話題になっていた。引きこもりだった彼がストーカーで訴えられ、逆恨みから同級生の女生徒を殺害。更に味をしめた彼は逃亡しながら目を付けた女生徒を快楽的に殺害を続け、ついに警察に囲まれた挙げ句、人質に取っていた女子を殺害する寸前に警察達の銃で撃たれて命を落とした…はずだった。確か未成年だったけど、名前がネットで晒されていたわ…黒川哲男って?ニュースで未成年を発砲した警察官が罪か否かで話題になっていたけど、その撃った警察官が失踪したニュースも続けて話題になっていたわ。


その凶悪未成年犯罪者の黒川が、再び蚩尤鬼人として甦ったの!つまり、撃った警察官はもう生きてはいないと思う。復讐を果たした黒川は再び快楽殺人のために私達の目の前に現れた!


「うひゃ~美少女の生肌から裂かれて飛び散る内臓が大好物なんだよ!俺ぇ!」


黒川は刃物を回しながら再び目の前から消える。


「!!」


気付いた時には遅い?刃は玲羅さんの首筋に触れて、引き裂いたの!


「一人始末したぁ~!」


けど、


「あ~れぇ~?」


首筋が切られた瞬間、玲羅さんは噴き出す血を一瞬で凝固させて止血したの。けど、そのショックで倒れる。


「玲羅!」


友達を倒された雪さんと美和さんが怒りを見せる。下着姿でも構わずに立ち上がり、刀を構える。更に血を使い能力を発動させたの。


「私の王子様!私達の敵を八つ裂きにして!」


美和さんの背後に真っ赤な獣頭の化け物が出現する。


「七人の小人達!あんな奴、凍らせて!」


雪さんの周りに七人の小さな氷人形達がポーズを取る。


あれが二人のカミシニの力なの?


宮ちゃんも狼とか使い魔的なのがいたけど、似たような能力ね。


小人達が床に向けて掌の冷気を籠めると、まるでスケート場みたいになっていく。



「床を行ったり来たり移動出来るみたいだけど、これで逃げられないわ!」


この氷はただの氷でなく、カミシニの血が混ざった赤い氷。黒川が特殊な能力で移動しているなら、その能力を無効化出来るのね!


「王子様!今よ!」


美和さんの合図に獣頭の化け物が飛び上がり、一瞬で黒川の頭上に降りて頭を掴む。


鈍い音がした。


黒川の首が捻れるようにして転がったの。


「勝負ありよ!」


しかし、首だけになった黒川が動き出して、虫のような羽がはえて飛び出したの!


「まだ死んでないわ!」


羽つき頭部は自分の胴体だった身体に向かって行くと、その身体に口からストローみたいのを出して突き刺し、吸出したの??


「あいつ自分を食べたわ?キモい!」


「私もそう思う」



自分の身体を喰らった黒川の頭部の形が膨らみ、その姿は化け蚊に変貌したの!


「血ぃ…吸ってやろか?」


その瞬間、黒川の姿が視界から消えると、雪さんと美和さんが血まみれになって倒れる?


その一瞬の動きは私達の動体視力で捉えられなかったの!?


再び姿を現した黒川は身に染まった彼女達の血を舐める。



「何か濁ってるな?俺達と似た血の味だぞ?微妙だ…ん?」


その時、黒川は私達を見てニヤニヤする。


「そこにまだいたじゃないか?美少女の血肉がよー!ぎゃはは!今、直ぐに吸ったるわ!」



黒川は私と葉子に標的を変えて向かって来たの!


私は自力で何とかなっても葉子には防衛手段がないわ!


絶対に私が食い止める!


「!!」


私の頬から冷や汗が垂れる。


私は恐る恐る後ろを見ると、今の今まで私の背後に隠れていた葉子が消えていたの?


「ウギャホィ!女、ゲットだぜ!」


「はっ!」


私は声のした方向を見上げると、そこに葉子を掴まえて宙を飛ぶ黒川がいた。


「きゃああああ!」


葉子の悲鳴に私は助けに飛び出そうとした時、私は力抜けるように倒れたの?


あれ?


見ると、私の足が刃物で切られて血が流れている。


いつの間に切られたの?あの一瞬で?


私は痛む足で立ち上がるけど、力が入らない。奴と葉子のいる高さまでジャンプする力が…



「誰も俺を掴まえられないぜ?」


「待ちなさい!」


「どれどれ?美少女ちゃんを味見してみようかな?」


黒川が舌を出して葉子の頬を舐め上げると、葉子は意識を失った。


「コノォ!葉子に手を出すなぁああああ!」


私は痛む足に容赦なく、力任せにジャンプしたの!


手には金の錫杖を持ち、殴りかかる。


「残念~」


私の錫杖は空を切り、私は再び落下する。私は葉子に向かって腕を伸ばしながら落下していく。もう着地なんて出来る状態でもなかったの。


黒川が口からストローを出して葉子に突き刺そうとしていた。その先が葉子の胸に触れ、ゆっくりと押されながら力をこめる。


いや、いやいや…


葉子が私の目の前で死んじゃう…


そんなの嫌ぁあ!


私の目から涙が溢れ、ボヤける視界に見えたのは?



「てめぇー!姉貴を泣かせやがったなぁあああ!」



天井をぶち破り、勇斗が飛び出して来て寸前で黒川をぶん殴り、葉子を救ったの!そして落下する私を誰かが受け止める?


「お前は?」


それは鮮血の狼?


「全く、いつも無茶ばかりして!って、何度言っても貴女は聞き分けないのですけどね?」


巫女姿の金髪のオサゲ髪の女の子、宮ちゃん!?


「助けに来てくれたの?」


「仕方ないわ。晴明師匠に頼まれたら嫌と言えないし、それに妹分が未熟だからね」


「えっ?」


宮ちゃんの視界の先に玲羅に雪さん、美和さんが倒れていたの。


妹分って?あっ!そうか!玲羅達が話した孤児院の実験にされた中に宮ちゃんもいたのね?どうりでカミシニの血の力が使えるわけね!


「その蚊は私に任せなさい!」


宮ちゃんが叫ぶと、勇斗が無視する。


「あら?耳に入ってないようね?完全体は二人一組って言われてるのに、仕方ない子ね!」


「完全体?」


完全体とは今日出来上がった蚩尤鬼人達よりも前に覚醒し、己の能力と血の力を熟知した厄介な連中らしいの。更にその殆どが過去に総本山を襲った残党の寄生種だから、より強い力を持っているの。


蚩尤鬼王と呼ばれる化け物!


そんな化け物を相手に勇斗の目はすわっていた。



「姉貴を泣かしたな…テメェは俺の手で万死に値する!」


と、完全にキレてたの。


「貴女、モテモテね?」


「あら?知らなかった?勇斗は弟よ?」


「本当にそれだけかな?」


と、意味深な言葉にちんぷんかんぷんの私は、勇斗が男らしく逞しくなって、ちょっと嬉しかった姉の心境。そんなこんな。


次回予告


異常な強さを持つ黒川に、法子達はどう立ち向かうのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ