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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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仙人になろうぜ!無欲の境地編の試練?


呂洞賓の覚醒!?


彼の身に何が起きたと言うのか?


それは時を止められし呂洞賓りょどうひんが拘束された血界牢。

呂洞賓りょどうひんは師であった鍾離権しょうりけんを玉面乙女に使われ命を落とした事に激高し、襲い掛かった所を止められ、封じられていたのだ。



すると呂洞賓の前に障気を放つ扇が開き、その中から思念体が浮かび上がる。


《呂洞賓よ。カミシニとして甦ったお前は嘗て持っていなかった感情を持った事で、遙かに弱くなった。お前は無心で非ねばならぬ。それがお前の真髄だったはずだ!思い出すが良い。己を!》



すると思念は流れるように呂洞賓の血界に染み込みながら、その中で記憶を呼び覚ましていく。


それはまだ呂洞賓が人間だった時の話。



まだ八仙が存在せず、その当時は鉄拐李 と鍾離権しょうりけんのみで旅をしていた。



「新たな同志を募ると?」

「そうだ。俺とお前の他に弟子を作り、同志を結成するつもりだ」

鍾離権しょうりけんよ、気まぐれか?」

「気まぐれではない。俺は授かったのだ。我が師が夢の中に現れ、そして八の仙人を集うようにと」

「八仙か?しかし意味が分からぬ」

「意味か、お前だから話そう。実はな?俺が見た夢とは・・・」



その話を聞いて鉄拐李も納得し、そして鉄拐李と鍾離権は八仙の同志を集めるべく旅を始めたのだ。と、言っても誰でも勧誘していたわけではない。


「我らの持つ宝具と同調出来る者を探そう。この宝具は持ち手を選ぶ。宝具が認め、我等が納得出来る者こそ我らの同志に相応しい」



鍾離権の前で浮かび上がるのは瓢箪、芭蕉扇、剣、花かご、笛、蓮の花、魚鼓、玉板であった。

そして鉄拐李と鍾離権の長い旅が始まった。

世界各地をその足で周り、その四季うらうらの美味しい地方の食べ物を食べ、美しい風景を見ながら思った。



「旅って良いなぁ〜」


「じゃ、ねぇーだろ!」



そして二人は手分けして、仲間を集めた。

それが呂洞賓、藍采和、韓湘子、その他は何仙姑、張果老、曹国舅。

優れた仙人。

しかも共通して元人間の仙人であった。

張果老に限っては妖仙であったが。



「集いしお前達は俺の信念に共感し、そして選ばれた同志!我々は今より八仙と名乗ろうではないか!」



拍手喝采の中で、鉄拐李は鍾離権が連れて来た呂洞賓に興味を抱いていた。


「あの者なのか?」


「間違いなく、恐らくな。いや?俺は信じているよ。何せあの者は直感的に感じた。只者ではなく、不気味に規格外」



それは出会いから心惹かれた。

鍾離権は旅の途中、呂洞賓の噂を聞いた。

そして見に行って心惹かれた。


「感じる。あの者は、まさか!」


そして見守りながらも、試練を与えたのだ。見定めるために。

その者は生まれながら異形だった。

その母親は白鳥が夢に現れ、そのあとに出生した。

成長した呂洞賓は文武両道。

身長8尺2寸。

華陽巾を被り、黄色の襴衫を好んで着ていた。


しかし緊張屋さんの呂洞賓は科挙に落第し、落ちぶれるも野心家で出世するために励んでいた。実力あるのだから緊張しなくなれば良くね?とは思うが。


そこに鍾離権が現れ術をかけた。


それは幸福な未来を呂洞賓に夢として見せる術。

そこで見た夢は科挙に及第合格、一気に出世まっしぐらし、良家の娘と結婚し子沢山の中、40年が過ぎた。しかし転機が起こる。


幸せ街道を走っていたように思われたが、ミスから罪を負わされ、家は暴落、家族も離れ離れで何もかも失った。


「こんなん嫌だぁあああ!」


そこで目が覚めて人生の虚しさを知り、首を吊ろうとした所を鍾離権に引き止められ、仙人の道を選びたいと申し出た。


呂洞賓はこの夢を境に人が変わった。



そしてこれは鍾離権が与えた


[仙人になろうぜ!無欲の境地編の試練]


だった。




第一試

洞賓が帰宅すると家族全員が病死していた。しばらくすると死者は生き返ったが、呂洞賓は何とも思わなかった。


「生きてたのかな?」


第二試

市へ物を売りに行ったら相手が値段の半分しか払わなかった。しかし洞賓は気にしなかった。


「恐そうだから何も言えない・・・」


第三試

乞食が施しを求めてきたので飯を与えた。そしたら乞食はエスカレートし、家長になって仕切り始めた。しかし洞賓は何とも思わなかった。


「もう好きにして・・・」


第四試

羊の放牧中に飢えた虎に襲われたが、逆に不気味がられて退散していった。


「俺を見て脅えないでくれよ・・・」


第五試

ボンキュッボンの美女に迫られたが、何もしなかった。


「ど、童貞だから・・・」


第六試

帰宅すると財産が全て盗まれていた。


「俺は貧乏だから財産なんてそもそも無かった」


目の前に小判が落ちてた。


「ギックリ腰で拾いたくても腰が曲がらなかった」


第七試

銅器を安く買って帰ったら金でできていた。ラッキーかと思えば返却した。


「ウンコ付いてた・・・」


第八試

毒薬が売られていいたので買って飲んだが何も起きなかった。


「俺は健康だから・・・」


第九試

大勢の人々と共に河を渡っていたら台風で流されたが無事だった。


「ここにきてラッキー来た??」


第十試

目の前に魑魅魍魎が現れたが恐れる事なく見ていた。その中の霊が、俺はお前に前世で殺されたとイチャモン付けられたので、死んで詫びれば良いか?と、自殺しようとした所で鍾離権に止められた。


「生きていても仕方ない・・・」


「完全に無欲の無我の境地に達したようだな。恐いくらいに・・・」



そして呂洞賓を弟子にして、剣のみ興味を持たせるように調教し、八仙とした。


この無我の境地が呂洞賓の恐るべき力となるのだが、永き仙人生活で多少、人間味が出て来てしまったが、鍾離権が死んだ事で全てを思い出し、そして記憶の逆流が新たな人格をも呼び覚ましてしまったのだ。



それが、この新たな呂洞賓の姿だった。



「俺が何者か全て思い出したぞ・・・」


次回予告


呂洞賓の覚醒は、金光聖母を相手に勝機は?



法子「あら?ギャグ物語に戻ったのね?」

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