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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
535/713

地上界を探索する者


姜子牙達は佳夢関を守る魔家四将を倒した。


その頃、何者かが動いていた。


え〜と、う〜ん?

私、沙悟浄です!

えっ?知らない?

ですよね〜出番、なかったし~



私は地上界へと現地再調査に来ていました。

そこは、過去に私達が旅の途中で訪れた西方の遺跡です。

ついこの前にも訪れたのですが、遺跡の中で調査している際に、何者かの襲撃を受けてしまったのです。


それから西王母との戦いに参戦し、その後の遺跡がどうなったかは不明でした。


改めて、この遺跡に調査に来た理由。

この遺跡には天界から地上界の過去の真実が隠されていたのです。

そこで私は法子さんにお願いして、この調査に出向く事を志願しました。

もう、遺跡は残ってはいないかもしれないと分かっていたけれど、鉄扇ちゃんが似た遺跡の存在を知っているとかで興味を抱いたのです。



「河童ちゃん?あんまり期待しないでよね?自信はないけれど、何か似たような装置みたいなのを見た事あったのよ〜」



それは牛角魔王さんの弟である蚩尤が根城にしていた遺跡を複写した城。

あの遺跡には転写装置なる装置があって、映し出した物の複写を作り出せるらしいのです。

様々な武器や防具。

蚩尤はこの複写した道具を使い、天界に再び攻め込むつもりでいたとか。

そして驚く事に、遺跡全てを転写したらしいのです。

その後、その遺跡の一部を飛行する天空城として再構築させた。


「ん?ソレって?」


私には心当たりがあったのです。

かつて玉面公主(今の玉面乙女)が使っていた飛行する天空城。

その城は鉄扇ちゃんが玉面公主を倒した事で墜落し、瓦礫の山となった。

実際には落下した時に地中深くに沈んで放置されたままだったのです。

そして私と鉄扇ちゃんは廃墟と化した天空城のある場所まで辿り着き、中を探索したのです。



「崩壊度が半端ないですね〜」

「そうね。期待したら駄目って言ってたでしょ?あはは」

「どうしたのですか?」


聞くに、玉面公主を思い出して腹立たしいからと、一度戻って来て暴れたらしいのです。

つまり破壊したのは鉄扇ちゃん??

その時に遺跡の中で見た装置に似た物を見付けたらしいのです。


「それでも中に入れますから、何か見つかるかもしれません!入りましょ」


私と鉄扇ちゃんは城の中に入り込むと、中は鉄扇ちゃんの天空城と中は一緒で、そこにあった隠れ通路に、私の知らない隠し部屋が存在したのです。


「たまたま見つけたのよ。何か役に立ちそう?」

「お手柄ですよ!鉄扇ちゃーん!」



そして隠し部屋への中に入り、そこに地下へと降りる階段を見つける。


「やはり有りました」


そこには何者かによって破壊された遺跡と同じく、真実を教えてくれる石碑があったのです。


「恐らく、この天空城は元の遺跡の複製で間違いないようです。そこに持ち主がリフォームして内部変更したみたいですけれど。鉄扇ちゃんの住処の天空城そっくりにカモフラージュしてね?」


「著作権侵害よ!全く!」


「そこで複製した際に、元の遺跡に存在したこの石版の装置まで残していたのですね。けれど使い道に手に余り、この場所に仕舞い込んでいたのですね〜」



そして私は石版に手を翳す。

己の意識を石版に同調させ、そこで石板に刻まれた歴史を読み解く。


「教えてください。仙界大戦で起きた真実を!」



すると仙界大戦で起きた歴史が私の意識に流れ込み、そこで私は知る事になる。

歴史の裏に隠された陰謀。

そして巻き込まれた四人の子供達がいた事を知ったのです。


「そんな事が・・・!?」



そして私は、この遺跡を造った者が、この子供達の一人だと知る。


「まさか?子供が造ったって?そんな天才?いえ、もう創造主レベルじゃないですか??一体、この遺跡を造った者は何者なのですか?何のために造ったのでしょうか?」


すると石版は私の問いに反応し、突如揺れ出したかと思うと、



「えっ!?」


私の目の前で塵と粉砕し消滅した。


「うわぁ〜!そんな〜??」


そこで全てでした。


「まさか石板に守秘装置が発動し、まさか自動的に壊れるようにされていたなんて〜」


「河童ちゃん」


「心配しないでください。あらかたの事情は分かりました。今、地上界で起きている戦争を収める手立てになるかもしれません。私はこれから法子さんの所に戻り、今知った事を伝えて来ます」


「分かったわ。私はこのまま玉面乙女を追うわ」


「私が戻るまで戦闘は駄目ですよ?」


「分かっているわ」



そして私は鉄扇ちゃんと分かれたのです。

そして粉々になった石板に記された名前を見て呟く。



「太公望さん。貴方は何をしようとしているのでしょうか?本当に、天界で噂されている通り?」


この玉面公主の廃墟に来る前に、地上界にある天界神達が残した城に寄ったのですが、そこはもう完全な廃墟になっていました。

残留思念からこの場所でカミシニ同士が戦ったように思えました。そして廃墟の中から、誰かが私と同じく仙界大戦について書物で調べた形跡が残っていたのです。


「不思議ですね〜?カミシニと人間が一緒にいるように思われますが?そんな事って?」



私とは別に仙界大戦について調べている者がいる?

しかもカミシニと同行しながら?

一体、何者なのでしょうか?



私は地上界に残された天界へ渡る隠し通路にまで辿り着くと、この通路をカミシニから守り、私を待っていた者が声をかけてきてくれたのです。



「河童ぁ〜!遅いらよ〜?飯は手に入れてくれたらかぁ〜?」


「八怪兄貴〜。忘れてませんとも!」


私は袋に詰めた食料を手渡すと、八怪兄貴を見る。

褐色の肌をした魔神族。

見た目は人歳にして十六歳、私と変わりませんが、私の信頼出来る兄貴分の一人で、そして友。



「法子はんの所に着いたら、決行日を早く教えてくれるように言って欲しいら!いつでも天界に殴り込みして、救出に向かうらよって!」


「大丈夫ですよ〜。孫悟空兄貴も阿修羅さんも傍に付いているし。それよりこの通路をしっかりお守りくださいね?」


「任せるらよ!」



この天界への隠し通路は私が法術で繋げたので、天界の神々もカミシニも知らない。

それでも稀にカミシニが見つけて襲撃して来るのです。

理由は天界への通路から天界へと侵入し、攻め込むため。

八怪兄貴は一人、この通路を守るために門番をしてくれているのです。


そして私は地上界の探索が仕事。

人間と妖怪のハーフである私なら、カミシニからも見分けがつきにくいから、私には取ってつけの仕事です。

そして私は光の通路を通り、天界へと渡ると、そこには龍神族の万聖龍王さん(浦島)が待っていました。

ここは龍神界と天界の中心部にある隠れ家なのです。



「おぅ!この通路は俺が守っているから安心してよいぞ?天界の連中にもバレないようにな〜」


「浦島さん本当に感謝しています。それに玉龍君も」



そこには龍神族の玉龍くん。

私の弟弟子になります。


「これから法子さんの所へ行かれるのですよね?」


「そうですよ〜。法子さんに伝える事は何かありますか?」


「待っています!そうお伝えください」


「分かりました」



それから私は印を結び、天界へと霊体を飛ばす。

そして最上層にまで意識を飛ばすと、そこには結界が施されていた。



「流石、沙悟浄だよ。厳重な結界で入り込む事すら困難なのに、霊体を飛ばして天界の最上層にまで行ける奴なんて他に知らないよなぁ〜」


「本当に沙悟浄さんは凄いです。蛇神族との戦いの中で、本当に成長し、そして頼もしくなりました」


「そうだなぁ。でも玉龍?お前も頼もしくなったぞ?その為に俺の下で修行しているのだろ?」


「は、はい!師匠!」



二人は対峙し再び剣を合わせると修行を始める。

そして私も厳重な結界をくぐり抜け、その中でも新しい城に入り込む。

此処は新しく建造された主神に与えられたのですが、そこに今、法子さんがいらっしゃるのです。与えられた?と言うより、今は西王母との戦いで地上界に増え続けるカミシニ達の責任を負い、この場所に監禁されていると言った方が正解かもしれません。

覇王エデンとの功労者である以上、手荒には出来ないのが本音。

近付く者を排除する攻撃的な結界。

しかし私なら、


「結界侵入!」



私は結界を破壊せずに、天界の神々にも悟られないように、結界をくぐり抜けて入り込む。

そして意識の視野が部屋の風景を写し出すと、そこには・・・



「来たようだぞ?」


それは孫悟空兄貴の声。


「法子、来たよ」


そして阿修羅さんと一緒に窓辺の奥から眩しい光に照らされた十六歳くらいの女の人が、私に振り向いて強い眼差しで答える。



「沙悟浄、教えてちょうだい」




私達はまだ立ち止まってはいない。



次回予告


新生殷国もまた動き出す。


新生殷国の将軍達もまた世界の動きに企てていたのだ。



法子「久しぶりに私、登場~!けど、出番少ないわよ~!引きとかいらないから~」

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