高継能 、高蘭英 、陳奇!澠池城の戦い!
澠池城にて高蘭英、高継能、陳奇がカミシニ同士の戦いが始まる。
そして姜子牙もまた動く。
澠池城にて、カミシニ同士の三つ巴が繰り広げられていた。
「お前たちは私に触れる事は勿論、近づく事も叶わぬわ」
この澠池城から妓楼を統治する高蘭英。
この女カミシニによって誘われ、足を踏み入れた者を餌としていた。
「俺の可愛い蜂共!そこのふんぞり返つっている女を好きなだけ刺してやんな!」
高継能の身体から噴き出すように無数の蜂が飛び出すと、防御と攻撃を繰り出す。
下手に近付けば、無数の蜂が攻撃してきて串刺しになる事は間違いない。
「ウヒヒヒ。お前の虫如き、俺の口臭(毒ガス)でイチコロだぞ」
陳奇の身体から異様な臭いが立ち込める。
それはカミシニをも殺す猛毒。
先ずは陳奇が先に動いた。
口から吐き出された猛毒が広がっていくと、
高継能の飛びまわる鉢が次々と落下して息絶えていく。
「お前の可愛い虫けらは他愛もないな?うへへへ」
「ぐぬぅう」
高継能にとって陳奇は天敵であった。
お得意の蜂攻撃が通用しないのだから。
すると天井が突然穴開き、充満する毒ガスが外へと排出していった。
それはハンカチを口にしている高蘭英が行った行為だった。
「あの女ぁ!おーれーのー毒ガスをー!換気しやがったぁー!」
と、そこに高継能が蜂を飛ばすと陳奇の身体に突き刺さり、毒を打ち込む。
「ぐへぇ!」
だが、陳奇は笑みを見せて笑い出す。
「この俺に毒は通用しねぇ〜よ!」
が、直ぐに痛みを感じた。
「なんじゃ〜こりゃ〜??」
蜂が噛みつき自分の肉を喰らっているから。そして慌てて払い落とす。
「知らなかったか?蜂は肉食なんだよ!てめぇの小汚い肉も喰らってやるよ 」
と、そこに高蘭英が二人目掛けて掌を向けて念じると、床下が血に染まっていき何かが盛り上がっていく。
「おっと、これはこれは」
高継能と陳奇の前に現れたのは妓楼にて男達を誘う女達であった。
この女達は高蘭英の妓楼にて傀儡にされた女カミシニ達。
高蘭英の命じた通りに二人に襲い掛かる。
「血瘴気口臭!」
陳奇の吐き出すカミシニ殺しの毒ガスであったが、この妓楼の女達は傀儡。
命亡き操り人形。
毒ガスを諸共せずに掴みかかる。
「チッ!厄介だぞ〜こいつら!だったら頭を潰すまでよ!」
と、陳奇は飛び上がり狙いを定めると、その相手は高蘭英だった。
「頭とは傀儡を操る高蘭英の事だ!血管から神経まで犯す俺の猛毒にお前は耐えられまい!犯してやるぜ!女ぁ!!」
飛び掛かる陳奇は全身に猛毒の霧を纒い、その姿を消して突進して来た。
「近寄るな!下劣」
高蘭英は己の血を杭にして投げるも、陳奇の纏う猛毒の中に入った途端に蒸発して消えていく。
「誰も俺には手を出せねぇ〜よ〜」
猛毒の霧は噴き出しながら高蘭英の両腕を掴み抑え込むと、無防備になった高蘭英の口に向かって陳奇の顔が現れる。
「人妻とて関係ないぜ?うひひ。お前の唇から体内にかけて俺で(猛毒)いっぱいにしてやるからな〜」
が、高蘭英は笑みを見せて唇を開く。
「誘っているのか?往生際が良いな?」
その唇に迫るように唇を合わせようとした陳奇が突然、
「うぎゃああああー」
悲鳴をあげながら高蘭英を手離して天井に向かって飛び退いたのだ。
そして猛毒の霧が消えて露わになった本体が床に落下する。
「な、何だ?こりゃあ??」
陳奇の胸には光り輝く針が数本刺さっていたのだ。
「何だ?これは?身体が熱い!熱いよ〜!うわぁあああ!」
痛みに悶え苦しみ陳奇は泣き叫ぶ。
「言ったろ?私は主人以外は相手にせぬと。おほほほ。お前のような猛毒使いにカミシニの血は無意味と思ってな?この私の太陽神針を撃ち込んでやったのよ」
それは陳奇が迫ったその時、高蘭英は口の中より針を吹き出していた。
太陽神針。
カミシニを殺すために必要なのはカミシニの血の他に、太陽神の加護が有効。
※金色の魔眼や覇蛇の血は特例
高蘭英は特有の仙術で針に太陽神の加護を込める事が出来る。カミシニ同士の戦いは上位種に優越が発生する中で、この太陽神針は上位種にも通用する秘策だった。
「お前のような輩に使うとは思わなんだよ」
すると陳奇の皮膚が剥がれ落ちて身体が干からび始める。
「う、うぎゃあたああ!た、助け」
瞬間、内部から強い光が爆発するように破裂して消え去った。
その最期を見た高継能は身震いする。
「とんだ奥の手を隠し持っていたな。だが、陳奇は俺にとって厄介だっただけにお前を倒す方が気が楽だぞ!」
高継能は全身から無数の蜂を出現させると自在に操りながら、高蘭英に向けて襲わせるが、その身を投げ出した女達が蜂の大群に向かって破裂すると、その鮮血が蜂をトリモチのように粘り付き捕まる。
「お前の虫は全て私の傀儡が相手になるわ。そしてお前も虫けら如き」
傀儡の女達は高継能に抱きつくように絡みつくと、その身が膨らみ始める。
「クッ!自爆する気か!?」
高継能は咄嗟に身を回転させて抱きつく傀儡を放り投げると、その場で大爆発した。
「厄介な女だ!」
と、油断した高継能の足下に倒れていた傀儡の女がしがみつき、ニコリと笑う。
「や、ヤバくそ!」
直後、爆発した傀儡に高継能は壁際に飛ばされて動けなくなると、澠池城の壁から幾つもの腕が出て来て掴み上げる。
「他愛もないわね?これでお前は私の餌になるのよ。それとも私の玩具(傀儡)になりたいか?選ばせてやろうぞ」
完全に優勢な高蘭英が高継能にトドメを刺そうとしたその時、
突如何処からともなく声が響いたのだ。
「お前たちの戦力は見極めさせて貰ったぞ!これより私がお前達を封神してやろう。なにせ私はお前達カミシニを殲滅させる執行者だからな」
戦場に舞い戻った姜子牙が参戦する。
次回予告
姜子牙の登場に澠池城の戦いは一転、二転する。
法子「七転び八起きよ!」




