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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
505/713

妓楼の主!誘いの巣!

姜子牙は一人、地上界に跋扈するカミシニを殲滅する旅に出た。


そして、辿り着いた場所は?


うぉっとっと!


私は姜子牙きょうしがだよ!

今な?カミシニ達が集まる屋敷を見張っておるのだよ。


この屋敷はもともと廃墟であったのだが、カミシニの何者かが使う仙血術によって街一帯を創り上げたようだ。

なぬ?仙血術とはなんぞやと?


仙血術とはカミシニが使う能力なのだが、己の血を使った仙術に近い能力。

前に血を使って武器を構成するカミシニとやりあったが、武器は初歩的な能力。

そこに術を乗せる事が可能なのは第三仙血と呼ばれる進化したカミシニがおるって事なのだ。

この地のカミシニの主は、廃墟だった土地を自らの血を大量に使って町を創り上げたと言う事だ。この中は特殊な結界術のような作用があり、他のカミシニが入り込むと力を吸われ続け本来の能力が出し切れず、徐々に生気を奪われて吸収されてしまう。


つまりカミシニホイホイなのだ。


つまり、それだけ強力かつ恐ろしい奴がこの中におるのだ。

当然、神族が入り込むと数分足らずに命枯れるのだが、私は神族ではない仙術をかじったばかりの人間なので特別直ぐに命が尽きる事もないようだ。当然、この中では私の使う仙術の効果も弱いから色々と不便なのは確かなのだが。


「それにしてもよくもまぁ〜」



この町並みは妓楼ではないか?

いくつか並ぶ屋敷から綺麗な女達が顔を見せて手を振りながら男を誘い、誘われた男はヘラヘラした顔で部屋に入り、精魂抜かれて命が尽きる仕組みなのだ。

と、言っても男も女もカミシニだから特に助けてやる道理も教えてやる義理もない。

私は道を歩くと女達が手を振りながら誘って来ていたが、私は死ぬのは嫌だから目を合わさずに歩き続ける。しかし下半身は素直に反応していた。


カミシニ達は気やら察知能力がない生き物だから、この私を見ても人間ともカミシニとも判断出来ず、それはお互い様で私も油断すれば突然目の前にカミシニがおったりするから肝が冷える事が度々ある。


「さてと、先ずはカミシニの主が何者かを探らねばな」



と言っても、下手に動けばこの地の主だけでなく入り込んだカミシニ連中ともやり合わねばならぬからな。慎重に事を進めねばならんのだ。流石に一人でカミシニを束にして倒せるなんて思ってもいないからな。一体一体いこう。


私は町中を探りながらカミシニが何体いるか調べていた。

と、言うのも紛らわしく、かなりの人間までおるからなのだ。

つまり、この妓楼町は餌場なのだ。

すると私は二階から美しい妓女ぎじょが手招き誘われ、鼻が伸びる。


「アレで人間だったらどれだけ嬉しい事か。勿体無い。しかしこの地の情報収集のためにも足を踏み入れてみるか」



建物に入るとカミシニ臭がした。

この建物全てがこの地を支配する何者かによって創られているとは思えなかった。

部屋の中ではカミシニの男と女が行為をしていた。

奴らは唇を交わしながらお互いの血を吸い合っていて、余計に鳥肌が立つ。

そして連れられて入った場所に私の相手をする女が待っていた。


「主様、可愛がってくださいな」


「う、うむ」



う〜男としてこれ程辛い事はない。

ベッピンの女の開けた白い肌に、膨らんだ胸に目がいく。

このまま誘われてしまえばそれこそ極楽浄土なのだろうな。


「!!」


すると私はカミシニの臭いが一つ消えた事に気付いた。

恐らく先程下の階にいた男の方が妓女ぎじょの色香に誘われたまま逝ってしまったのだろう。すると私の目の前の妓女ぎじょが着ていた衣を脱ぎ落とし、私に向かって腕を伸ばす。


「お、ま、待て!気が早い」


「初心な主様」


そして私に絡みつくように抱きしめ、そして顔を近づけて来たのだ。


「おぉおおお!」



甘い吐息に臭う血の障気。

そして唇が開き私の眼前に迫った時、


「私の目を見てみよ」


「えっ?」


妓女ぎじょは私の目をみたその時、まるで電流が走ったかのように腰砕けしたのだ。


「な、何を?したの?」


身体が麻痺して動けぬ女に、私の右眼の忌眼が開かれていたのだ。


「お前達カミシニはこの忌眼には逆らえまい?お前から頂くよ。情報をな」



私の忌眼が妓女ぎじょの意識を乗っ取り、そして従順させるように喋らせる。

下級のカミシニ程度なら私の忌眼で意識を支配出来るようなのだ。

そして私は妓女ぎじょから聞き出した情報からこの地の主を知り得た。


高蘭英こうらんえいか…」



名前以外は何も情報がないが、間違いなく女当主の第三仙血のカミシニのようだ。

私は捕らえて気を失っているカミシニの妓女ぎじょを見て、溜息をつく。


「気持ち的に気が引けるが、仕方あるまいな」



下級と言えどカミシニの女。

私の役目はカミシニの殲滅なのだ。


「恨むなよ!ヌン!」


私は忌眼を発動して妓女ぎじょを見ると、その身体が砕けるように結晶化していく。


「封神!」



すると結晶は私の忌眼に吸収されて消えたのだった。

私は後から知った事がある。

それは大上狼君が残した書物から、この私の片目に宿る忌眼について記されていたのだ。

この忌眼はカミシニを喰らって力を発揮するのだ。

つまりカミシニの力が尽きれば能力も発動しないし、吸収するだけ力も強くなる。カミシニの命を糧にカミシニを殺しているのだ。そしてこの力が無ければ人間である私はカミシニ相手には虫けら如き弱者なのだかな。

躊躇は死を意味する。


「生き残るためには弱肉強食なのだ。こっちも崖っぷちなのだよ」



気分的には複雑だが、これが私の宿命。

そう言い聞かせていた。


「とにかく目先の目的は、この妓楼を牛耳る高蘭英こうらんえいを見つけ出して始末する事だな」





しかし、私以外に高蘭英こうらんえいの命を狙う者がこの妓楼に入り込んでいたのだ。

そいつの名は陳奇ちんきと呼ばれるカミシニ。

そして別に高継能こうけいのうなるカミシニが入り込んでいた。

このカミシニ達もまた第三仙血の進化した者達であったが、この妓楼の高蘭英こうらんえいを喰らう事でさらなる高みを求めていたのだ。


そして当事者である高蘭英こうらんえいは妓楼本殿奥の前にて、既に侵入者の存在に気づいていた。


「どうやら私の中に元気の良い餌が入り込んだようですね。うふふふ。この地に入り込んだ地点でお前達は私の巣に捕らわれたと同じ。逃げ場はないわ」



しかし高蘭英こうらんえいは侵入者の中にいる私の存在にも気付いていた。


「一体、何者なのやら」



このカミシニ妓楼にて、共食いの戦いが始まろうとしていた。


次回予告


妓楼の主を倒すべく向かった姜子牙。

そこには手練れのカミシニが集まったいた。



法子「なんか展開が早くない?まぁ~良いけど」

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