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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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夢見勝ちな女子高生?


三蔵 法子は今日も新たな日常が始まる。


それは、ちょっと刺激的な妖事件の始まり?



私、三蔵 法子!


ごく普通のお節介な女子高生よ?今日も新たな事件に首を突っ込む日常が始まるけど、準備は良い?


置いてかれないように着いて来るのよ?



私は昼間はごく普通の女子高生、


夜は魔物退治をしている正義の味方の陰陽師女子高生。


それが、あたし!


だから今も昼間のお仕事勉学に励んで…眠いです。


と、この会話ってもう飽きたよね?


では、今日の1日を話すわね?



「ねぇ?聞いた?隣のクラスの女の子の話?」


それは最近頻繁に起きている事件で、昨日まで何ともなかった子が寝たまま起きなくなるってニュースが学校中に広まっていた。お医者さんの話だと脳の病気と発表されていたけど、それがまるで感染しているかのように次々と同じ症例の子達が現れ、新種のウイルスが原因とも噂が広がってるの…


新種のウイルスね?


でも、噂の中に眠ってしまって起きなくなった子を見た子がいて、それが生きているのだけど…何かみるみる窶れていって、どんどん衰弱しているとかいないとか?


それって、まるで…


精気を奪われたみたい?


私は直感的にそう思った。


精気とは生きている者が持つ生命エネルギー。それを失えば力尽きて死に至る。

まさか、あの悪魔みたいな連中が悪さしているんじゃないかな?


でも実際に自分の目で見てみないと解らないわよね?



私は学校から帰宅し夜の準備をする。そして布団に入ると、再び目覚まし時計に起こされる。


私は身支度をすると、直ぐに出発した。その目的地は昨日のニュースで睡眠から目覚めない女の子の家だった。しかも私のクラスの娘でもあったので住所は直ぐに解ったの。


私は屋根に飛び上がると、ガラスの窓を外から鍵を開けて部屋の中に入る。そして結界札を部屋中に貼り付けた。


「これで少しくらいの物音じゃ、親子さん達に気付かれないわよね?」


彼女の部屋には難しい本や童話まで沢山並べてあり、読書家なんだと解る。そこで被害者の女の子が眠っているベッドの前に立つ。彼女は衰弱した顔で弱りきっていた。



「実際、出来るのか解らないのだけど…やって損はないわ」


私は特別な札を彼女の額に貼り付けると、その札と対極になる別の札を自分の額にも貼り付ける。そして霊気を高めながら意識を札に集中させる。


「精神感応」


私は無意識に他の誰かの記憶が流れ込んで来る事がある。それは相手の魂に同調し、同じ意識を共有する事で起きる能力みたい。


そこで、その能力を応用して、眠っている相手の夢の中へ私の意識を移す荒行を試しているのよ?


実際、初挑戦で思い付きでやってみるんだけど…


「上手くいって?お願い!!」


私の意識に彼女の記憶が濁流のように入って来た。まるで映画でも見ているような感覚だった。


けど、これじゃない!


更に私は意識を集中させると、今度は彼女の身体の中に自分の魂が憑依して肉体を動かしてしまった。


うん。これじゃない!


更に意識を集中させる私だったけれど、次第に集中力が切れかけて力が抜けてきたの…


あっ…ダメ…何か睡魔が襲ってきたわ…


気付くと私は変な世界にいた。


ピンクの空に、ぬいぐるみが浮いていた??


何これ?意味解らない…


やり直し!


ん?あれ?


そこで私は自分の頬を抓ってみたの。


やっぱりぃいい!


これ夢の中じゃない?


もしかして?


私は拳を握りガッツポーズをキメてみた。


私、出来ちゃった?もしかして天才?自画自賛しても良いよね?


誰か褒めて~


と、恥ずかしい自分自身は置いておいて、私は夢の中を移動してみた。


夢の中では、どうやら強い思いを籠めると自由に…


「キャア!空を飛べてる~」


私は、スーパーな正義の味方になった気分で空中浮遊を楽しんでみた。


と……


暫くして私は我に反り自分を責める。


「…何をやってんのよ?私は!」


私はとりあえず夢の中の本体である同級生の女の子を探してみる。


恐らく夢から出られない理由があるに違いない。


もしかしたら、夢に囚われているのかも?


私は夢の世界を探索する。


何かしら怪しい力を感じれば解ると思う。


だけど、何処を探しても何も見付ける事が出来ないままだった。


そもそも夢の中ってどんだけ広いのよ!


私は考える。


そして、機転が働いた。


この夢は今、眠っている同級生と私の意識で見ているのよね?だったら、私が夢から覚めればどうなるのからしら?理論的には夢の中に張られた結界のせいで覚めないわけだから?内から結界破れば…


きっと、多分、推測だけど大丈夫!うん!


この夢に張られた結界を壊して、本人も目が覚めるんじゃないかな?



私は早速、試してみた。


私は夢の中から霊気を高めていく。広い世界を私の霊気が広がっていくと、その空間で私の霊気が見えない壁の前で遮断されたの?


「!!」


私は壁のある方へと向かうと、そこは…


「何か…嫌な感じがするわね?」



その見えない壁から間違いなく異質な力を感じたの。


この壁を壊せば、目が覚めるんじゃない?


私が拳を握りしめて、壁に向かって殴ろうとした時?



目の前を時計を持ったウサギが走り抜ける?


はて?


私が振り返ると、私の背後に玉子がいた…


「………何、あれ?」


私が唖然としていると、その玉子は突然立ち上がり、私に向かってウインクする?


それは顔の濃い中年親父の顔だった。


キモッ!


私は後退りする。


私は意味も解らないまま玉子親父を見ていると、さっきのウサギが玉子親父に向かって持っていた時計を投げつける。


私の目の前で無惨に玉子親父は砕け散った……


何がしたいのよ~!?


突然、グロテスクなモノを見せられて、私は気持ち悪くなった。


更に?


「ハッ!」


上空から私に向かって無数の槍が雨のように降って来たの??


私は慌てて、その場から逃げて無数の槍の雨を凌ぐと、今度は道を塞がれる。


そこにはトランプに頭と手足のある変な連中が行く手を邪魔していたの。


「何?やる気?」


私は慌てて構えると、トランプ姿の連中が無言で私に何かを求める?


「えっ?何?一枚選べって?」


私は意味も解らずに後ろを向いたトランプ連中から一人を選ぶ。すると、本当にそれで良いの~?と、私に無言で訴える。


くどい!


そしたら私が選んだトランプはハートの2だった。


「だから何?」


トランプ連中はクスクスと含み笑いをし、私に後ろを見ろと指差した。


私は言われた通りに振り向くと、後ろにはさっきのウサギが私の頬に指を押し付けた。いや?振り返った拍子に結果的に押し付けたられた………って、


「何なのよ~!!」


私は怒り狂い地団駄を踏むと、今度は人だか猫だから解らない生き物が現れて、ゲラゲラ笑い出す??


とりあえず…ここにいる連中、全員殴って良いかな?良いかな?良いよね?


決定!殴ります!


私は霊気を拳に集中させると、殴りかかった!


しかし、突然私の腕に糸が絡まり止められた?それは巨大なイモムシの吐いた糸だった。


身動きが出来ない??


突然のピンチに、気付くと足下にはお花が咲き乱れていた?いつの間に?


花には顔があり、私に向かって「ピンチピンチパンチポンチ!ピンチパンチパンチポンチ~」と、意味不明な歌を歌い馬鹿にされた。


そして、目の前に巨体のおばさん…じゃなくて、赤いドレスを来た女王様が出現し、私に向かって


「首をはねなさい!」


と、隣には王様らしき小さな親父が「お前の好きなように」と、従っていた。


更に身動き出来ない私に、帽子を被った男が現れたの…だけど、この男からだけは何か異質な力を感じた?


もしかして!?


男は鋭利な刃物のつばの帽子を、私に向かって投げつけた。あんなの当たったら私が真っ二つになっちゃうじゃないのよ?


私は唯一動く足で、私の身動きを止めているイモムシを蹴り飛ばした。イモムシは飛んできた帽子で真っ二つになり、軌道が変わった帽子の刃のタイミングを見て身を反りながら私を拘束する糸を切った。


「ラッキー!」


私は糸から抜け出すと、そのまま再び新たな帽子を被った男に向かって突っ込む。そして印を結ぶと帽子男に向かって霊気弾を放つ。


帽子男は意外と簡単に消滅したけど、その悪意はまだ別の場所から感じる?


私はその殺気の方をゆっくり見る。


そこにいたのはドレスを着た金髪の女の子だった。


私はその女の子に見覚えがあったの…


あの娘は!


藤木 有栖さん?


その娘は私の同級生で、この夢を見ている寝たきりの娘だった。


「有栖さん?」


しかし様子が変だ?


私は理解した。有栖さんは誰かに操られてると…


この夢の中に閉じ込めた何者かによって!


私は周りを見回すと、


「いい加減に出て来なさいよ?有栖さんを夢の中に閉じ込めてる監禁の犯人さん!」



だけど姿を現す事なく、有栖さんが手にした剣を持って私に襲い掛かって来た。


「夢の中とはいえ、同級生に怪我させるのは…それも女の子には出来ないわ!」


私は振り回す剣を紙一重で躱すと、彼女の手首を軽く掴んで投げたの。


合気!


転がるように倒れた有栖さんを、私は術札を背中に貼り付けて拘束させた。


「茶番は終わりにして出て来なさいよ!さもないと…」



私は印を結ぶ…


けど、別に策はなかったのです。うん。ハッタリ。


「…………」


暫くその状態で固まる。


どうしよう?


これはもしかして恥ずかしい状況ではないの?


すると突然夢の中の空間が淀んできて、嫌な感じがして来た。そして見上げた先に、巨体は化け物が現れたのよ!!


『ウゴォオオオ!』


それは巨大な化け物?


けど、夢の中にいる化け物って言ったら恐らくばくに違いないわ?


人の夢を喰って生きると言われるが、ばくとは悪夢を見せる夢の中に現れる化け物!


私は懐から術札を取り出し指に挟んで霊気を籠める。


「これでも食らいなさい!」


私が術札を投げると、ばくに向かって真っ直ぐ飛んでいき、直撃とともに大爆発する。しかし獏はびくともしないで私に向かって来た。


「なら、これならどう?出血大サービスよ!」


私は両手に術札を挟み霊気を籠める。今度はさっきの二倍よ!投げた術札は獏に貼り付いていく。そして耳を塞ぐと、術札はダイナマイトのように爆発した。


これが『爆札よ!』


獏の身体は爆発で悲惨な状態になっていた。取り敢えずこれで勝利よ!


と、私が勝ちを確信した直後?


何処からか私に向かって男性の声がしたの。



「油断するな!獏は夢の中では死なん!前を見ろ!」


えっ?


私が獏を見ると、獏は既に再生して私を押し潰そうとしていたのよ!


「きゃああああ!」


流石に油断した私は不覚にも悲鳴をあげてしまう。その時、身体が浮いたように誰かに抱き抱えられて救われたの?


獏は手応えを失い見上げた先に、私と…


「貴方は誰?」


そこには歴史の最初で習ったような飛鳥時代の衣を纏った、私と同じくらいの歳の少年がいた。


彼はニヤリと笑うと、私に向かって答える。


「なぬ?私の名を尋ねたのか?なら、教えてやるかな?そうだな?まだ早いかな?そうでもないかな?」


「勿体ぶらずに早く答えなさい!」


私が叱ると、その彼は渋々と名乗ったの。


しかも…


「助けてあげたのに、せっかちだなぁ~?まぁ、良いか?答えよう!」



『夢術師・聖 太子!聖徳太子の転生者さ!』



へっ?


夢術師?


しかも聖徳太子の転生者って?えっ?なにそれ?


私は突然の登場の彼に対して、取り敢えず不信感しか抱かなかった。



そんなこんな。


次回予告


夢の世界で現れた謎の少年?


夢術師・聖 泰士!


彼は何者?聖徳太子の転生者って?



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