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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
43/713

イレギュラーな女子高生!!


果心居士と信長を追い込んだ法子達だったが、


寸前で逃げられてしまった。


このまま逃がしてしまうのか?


私は法子。


私は信長を連れ帰って逃げた果心居士を追っていたの。


霊気を一切持たないカミシニと違い、果心居士は人間だし気配が残るから逃げた方角の見当はつくの。


私が探せるのだから、ゲンさんと晴明師匠も私と同じく果心居士を追っているはず!現地合流して、協力してもらって、必ず果心居士と信長を止めないとだわ!


そして私はビルに登って気を探る。至るところでカミシニとヤオヨローズが交戦しているのが解る。けど私の目的はっと?


「いた!」


私は新たに手に入れた武器を握ると、力が籠る。この新型最強武器を持った私なら、必ず果心居士を止められるはず!確信に似たそんな自信がわく。


そしてビルの間を飛び越えながら、信長を抱えて飛行して逃げる果心居士を追う。


そして!


私は果心居士目掛けてビルから飛び降りると、


「止まれぇー!!」


「こ…小娘?いつの間に追って…ん?」


突然の奇襲?


私の突然の出現に果心居士は目を丸くしていた。


そして私が降り下ろした新しい武器を見て…


「アビャシ!」


果心居士は確かに止まった!!


果心居士は勢いよく、私の武器に衝突したの。そして私の持つ武器に対して怒鳴る。



「公共の物を私物化してはいか~んぞ~」


果心居士は落下しながら、精悍と武器を降り下ろした姿の私を見る。


その武器とは?


握られた重量ある白い棒に赤い三角形の先端。そこにはこう書かれていたの。




『止まれ』



私が手にした武器とは止まれの標識。確かに場違いかな?とか思ったけど、確かに効果抜群だったでしょ?


落下していく果心居士。


そして私も落下しながら悩む。勢いよく飛んだのは良いけど、着地まで考えていなかったから…


「きゃあああ!」


私の悲鳴が新宿に響き渡り、同時に人数が二つ飛び出して私を受け止めたの。


「馬鹿かぁ?お前は!」


「無茶にも程がある!何を考えているんだ?君は!」


落下中の私を助け怒るのは、ゲンさんと晴明師匠でした。


「でも、何とかなったでしょ?絶対に二人が何とかしてくれるって信じてたもん。私?その通りになったでしょ?」



二人は顔を見合せ溜め息をつくと、呆れ半分で笑い出す。


そして…


落下した果心居士を三人で睨む。



「何てイレギュラーな娘じゃ!」



果心居士の後ろには動かない信長が倒れている。


このまま果心居士さえ倒してしまえば、決着よ!


「イレギュラーな事態が続いたが、信長さえいればやり直せる!この度は不覚を取ったが、また改造して更に強靭な化け物に造り上げてやろう!そのためには、信長を連れて奴等のいない未来へ飛ぶしか他にない」


すると果心居士は再び印を結ぶと私達の視界が霧に包まれる。


「また逃げるつもりか?そうはさせん!」


私達は霧の中で果心居士の気配を探すけれど、この霧事態に霊気が籠められて私達の探知を邪魔したの。


このままじゃ、また逃げられちゃうわ?


「仕方あるまい。せっかく溜めた龍脈のエネルギーを使うのは心引けるが背に腹は変えられん。今より二~三年も未来へ飛べば、もう誰も追手は来れまい?」


果心居士が信長を抱き抱えて首にかけていた石を手に念じると、目の前に時限の穴が再び開いたの。このまま逃がしたらもう追えないわ?そして飛び込もうとした時!


「不動明王火炎昇!」


ゲンさんの背後に現れた不動明王が放つ業火が竜巻のように上流に向けて巻き起こったの!それは果心居士の霧をも消し去り、今、まさに時限の穴へと飛び込もうとしていた果心居士の姿が露になる。


「逃がさん!」


晴明師匠が咄嗟に九字の印を結ぶと、果心居士の作った時限の穴に結界が塞いだの。突然の出来事に果心居士は結界に直撃し、電撃が全身を感電させたの。


「ウギャアアア!!」


そして落下した果心居士に向かって私達が迫った時?


果心居士は立ち上がり叫ぶ。



「せっかく、ここまで来たのじゃー!こんな事で永年の儂の目的を台無しにしてたまるものかぁー!」


その形相は今までに見せなかった程に鬼気迫り、その目に涙が浮かぶ?


果心居士の目的って?


目的って何なの?


過去に信長を連れて行って何をするつもりなの?


過去の改変?


過去から世界を侵略するんじゃないの?



「果心居士?貴方の目的は一体何なの?何をするつもりなの?」


私の問いに、果心居士は放心状態で答える。


「儂は過去をやり直すんじゃ…過去に残して来た大事なモノを再び…この手に!」



どういう事?まだ意味が解らないわ…


その時、突然私達の目の前で信じられない事が起きたの!?


「えっ?」


私達の目の前で、果心居士が背後から背中を手刀で貫かれたたの??


「ウグッ…ぐはぁ!」


果心居士が信じられぬ顔で、その主を見ると、その相手は?


「どうしてじゃ?お前は…儂の?造り上げ…た、傑作?」



『織田信長ぁー!』



信長は果心居士の胸を貫き血だらけの手刀を舐めると、


「漸く余を支配していたお前を始末する事が叶ったぞ?果心居士!今まで余を道具のように使った屈辱、その命を持って償うが良い!」


そして倒れる果心居士の顔面を踏みつけると、


「潰れろ!」


その足に力を踏み込んだと同時に、私は止まれの標識を信長目掛けて投げ付けたの。信長は躱して私を見る。


「果心居士には私から落とし前付けて貰うつもりだったのに、邪魔したわね!」


「度重なる余の邪魔をする小娘よ?唯一余を傷付けられる不思議な力を持つイレギュラーな存在。うむ。気に入った!娘?余の道具にならせてやろう!」


「はい?何を言ってるの?馬鹿じゃないの?誰があんたの道具になるもんか!」



そこに私を庇うようにゲンさんが前に出て言う。


「それは却下だな?この気の強い女は俺が気に入った!俺の女にする!だからお前にはやらん!」


はっ?


なぁ?なぁ?なぁ?


何を言ってるかなぁー??


私はゲンさんを直視出来なかった。こんな直球ストレートな…こ…告白なんかされた事がないし、えっと、つまり、恥ずかしいじゃないのさ!



「あんた、何を言っ…言っちゃってるの?」


「はぁ~?まんまだよ?俺の子を産めよ?お前!」


「ふんにゃあ~??」


「てな訳で、この恋敵は俺が始末するぜ!」


「おぃ?口だけ公開セクハラ男!」


「何だよ?晴明?」


「倒す策はあるんだろうな?」


「そりゃ~あるさ?気合いと根性!」


「だろうと思ったよ。この馬鹿者が!どうやら奴の体内の千本針は全てカミシニの血で消えてしまったようだ。なら残された策は…」


「力ずくで倒す!」



二人は再び信長の前に立ち塞がる。



「愚かな…だが、余ももう手加減も油断もせん。ここまで余を楽しませた褒美として全力を見せてやろうぞ!」


すると信長を中心に嫌な気配を感じる?気を抜けば魂が抜かれるような感じ?これはカミシニの纏う障気の高まり!血流が脈打ち、信長を中心に赤い血の霧が覆い包む…


そして再び姿を現した信長の姿は、真っ赤な肌と髪に、カミシニの血が凝固して出来た鎧を纏っていたの。


「この姿の余は誰にも止められはせん!」


すると今度は晴明師匠の気が異常に高まり、九字切りを施すと魔法陣が出現する。そして、魔法陣から再び十二体の鬼神が出現する。


『十二鬼神変化唯我独尊』


更に唱えると、十二体の鬼神は強力なエネルギーと化して晴明師匠の体内に吸収されたの。そして凄まじい覇気を放つ、十二体の鬼神の模様の衣を纏う晴明師匠が姿を現したの。


それを見たゲンさんは?


「十二体の鬼神を同時に使役し、我が力に出来るようになったんだな?俺が知るお前は精々四体が限度だったが??」


「ふん!お前を葬るための取って置きだったんだがな?仕方あるまい!」


「お~恐~だったら俺も取って置き見せなきゃな?」


えっ?


すると今度はゲンさんが印を結んで唱えたの?


何をするつもりなの??



『ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!』



その直後、私の目の前でゲンさんの足下から噴き出した炎の中に覆われると、その炎は強力な神の姿へと?


「あれは?」


私が見たその神は、私達の裏世界にいる者達には知らない者はいない…


あの不動明王の姿だったの!


更に!


『明王合神!』


ゲンさんの姿が不動明王の化身へと変わったの??


何なの?


本当に何者なの?


この、ゲンさんは??



「よし!晴明?ここから先は消耗戦だ!必ず倒すぜ!」


「言われるまでもない!」


二人は確かに驚異的な力を私の前に見せたけれど、あのカミシニである信長には神の力は通用しないの。


だからこその、消耗戦!


黒い鬼神の闘気を纏った晴明師匠と、炎を纏ったゲンさんが信長へと飛び出した時、私は…



「ウググゥ…し…死んで…なるもの…か…死んで…たまるか…儂は帰らねば…ならんのじゃ…帰らねば…」


「果心居士!生きていたの?」


果心居士は身体を引きずらせながら、この場から逃げようとする。確かにさっきは反射的に助けてしまったけど、だけど、あの傷は間違いなく致命傷だわ。


「儂は…儂は…死にたく…ない…」


「何を言ってるの?あんたのせいで、どれだけの被害者が出たか解ってるの?富士山まで崩壊させてさ!」


果心居士は私に気付くと、



「そんなのは構わん…誰がどうなろうと…儂には些細な事じゃ…儂は帰らねばならんのじゃ!」


「帰る?何処に?」


「帰るんじゃー愛音の待つ…あの世界にー!!」


「えっ!?」


その時、果心居士の強い思いが私の魂を揺さぶり、濁流のような何かに飲み込まれたような感覚に陥って私の見ていた視界が変わったの?



それは夢の中のような?


違うわ?


これは果心居士の過去の記憶??


その時、私は果心居士の過去を知る事になる。


この謎に包まれし、果心居士の目的とともに?



そんなこんな。


次回予告


果心居士の過去が明かされる。


その過去は・・・

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