白蛇の愛!
白蛇の巫女は動き出した。
それは覇王を目覚めさせるために・・・
私は白き蛇の精。
私は別の平行世界より、何者かの手によりこの異なる世界へと召喚された。
私がこの世界へと現れた理由、それは!
この世界の総始祖の支配者である蛇神の王・覇王を探し出す事。
もし覇王を見つけたなら、後はどうなっても良い。
今の私には生きるための目的が必要だったから。
見つけた途端に殺されるかもしれない。
それでも構わない。
目的がある事が私の生きる意味。
私はこの世界で先ず力を得る事に努めた。
本来持つ能力を高め、生きるための力。
道半ばに死んではならない。
この世界では蛇神は忌み嫌われ、力を持つ魔物や神を名乗る武神に幾度となく襲われた。
未来を予知し、逃げる時には隠れ潜み、可能な限り自らを高めていく。
同時に巫女としての能力も高まり、感知能力が世界を見通せる程にまでになっていた。
同種の力のある蛇神の棲家を探り上げては覇王たる資質の者かこの身をもって調べた。
「本当に現れるのだろうか?覇王とは?まさか私は謀れたのか?それともまだ探し方が足りないとでも言うのか?」
半信半疑になっていた時、私は探し方を変える。
見つけられないのであれば、呼び寄せば良い。
そこで私は覇王を選抜する闘技場を造る。
ここで千年に一度、力のある蛇神に念波を送り呼び寄せて戦わせたのだ。
そこには私も参加し、殺し合いの中で私は最後まで生き残ってしまう。
「何なの?私が勝利しても意味無いじゃないの?それとも私が覇王だとも言いたいの?あはは!馬鹿げているわ!」
そして再び千年後にかけた。
今度は私のいた平行世界、この世界では私のいた世界を魔神国と呼ばれていると後から知った。
その魔神国からも力ある蛇神の王達を呼び寄せた。
真蛇王エキドナ、真蛇王真蛇王テューポーン。
名をマダムとマダラと偽ってはいたが、始祖の血を引く蛇神の王達。
もしや?そう思った。
確かに潜在能力を探ると、私を遥かに上回る逸材。
ようやく私の覇王様が現れのかもしれないわ。
その頃になると私を崇拝する下僕も集まっていた。
覇王様を崇拝する私の血を与えて契約した直属の七体の白蛇法師達。
更には私の周りには忠実な兵団が出来上がっていた。
「いずれ覇王様に捧げる下僕達よ」
そんな時、異常なほど私の鼓動が高まった?
何が起きたと言うの?
私は本能的に察した。
「覇王様が出現すると言うの?待ちに待った私の覇王様が!?」
私は気配を探る為に地上全土に意識を飛ばす。
しかし見つからない?
何故?まさか私の錯覚だったと?
そんな時、私は絶望に空を見上げたの。
「!!」
私は気付いてしまった。
覇王様は地上ではなく、天にいるのでは?
神々が住まうと言われる天界に?
「うふふふ。どうりで探しても見付からなかったわけだわ。ならばお迎えに参りますわ」
私は地上界から天界へのゲートを開けた。
高度な時空間転移。
しかも誰にも悟られずに行わなければ。
私は掘られた洞窟内から儀式を行い、天界へと移動した。
そして蛇気を消して天界神の姿で捜索する。
「何処にいるの?私の覇王様!」
そんな時、この天界から強い力を持つ蛇気を感じたの。
私は身を潜めながら探し出すと、その者との接触に成功した。
しかし私の探している覇王様とは朗らかに違う。
その蛇神は天界族が蛇神の血を浴びて変異した蛇神の中では下等な雑種に過ぎなかった。
「残念だわ」
私は絶望し、天界を立ち去ろうとした。
その時、この天界の蛇神が天界の武神の討伐にあったの。
私は大して関わる必要もないと思っていた。
しかし、私は目の当たりにしてしまった。
天界の蛇神を斬り、討ち取った若い武神は、その蛇神の生き血を浴び、その身に変異を生じた事に。
「まさか蛇神化?あの者も?」
それは突然変異。
蛇神の血で蛇神化した天界神。
その男の名を那我羅と言った。
私は直ぐに姿を現さずにその男の動向を探る事にした。
まだ確証は無かった。
しかし見過ごすには胸騒ぎがおさまらなかったから。
私は気配を消しながら那我羅を見ていた。
天界神に成り済まし、私は那我羅の情報を得る。
那我羅は天界神の武神。
幼き頃に武神であった父親が討伐隊として出兵した後に戻らず、孤児となった。
しかしその扱いは雑兵に過ぎなかった。
魔物を討伐して、その報奨金を得る下等神。
しかしその眼は強くなる事に餓えていた。
朗らかにレベル差のある討伐に出向いては己の身を顧みずに戦いに明け暮れる。
周りからも変わり者と笑われ、友と呼べる者もいない。
誰も近付けない孤独を生きてきた。
それでも下級神で有りながら剣技に優れ、上官を差し置き、魔物討伐数を上げて報奨金を総取りした。
そんな那我羅を気に食わない他の中級神達は邪魔に思い、嵌めて陥れた。
みすみす殺されてたまるかと抗う那我羅は生き残り、罠にかけた中級神を惨殺し、そして追われる身となる。と、同時に負の感情が肉体の異変へと徐々に進行して、ついに半神の蛇神へと翻っていた。
そして蛇神として討伐命令が天界から下される。
那我羅は殺されてたまるかと抗い、討伐隊を返り討ちにしていく。
しかし私は・・・
「あの程度の小者に何故私が足を止められたのか?分からない。理解出来ないですわ」
私は興味を失い地上へと戻ろうとする。
しかし私が侵入して来たゲートに天界神が捜索している事に気付き、私は皆殺しにした。
運良く力の無い下級の武神兵、見習いのよう。
容易かった。
その中で、魔神の武神が私の邪魔をした。
まともに戦えば一筋縄ではなかっただろうが、どうやら仲間に毒を盛られたようで動けずにいた。
何処にもいるのだな。
魔神である事で、この天界の者に忌み嫌われているのだろう。
私はその者を見逃した。
滑稽な話だ。
騙され裏切られた姿が自分に被ったから。
「!!」
その時、私は感じた。
この地に強い力を持つ天界神が迫っている事に。
中檀元帥ナタク!
天界でも指折りの元帥の称号を持つ若き少年神。
最高神の血統と神才を併せ持つ優れた武神。
那我羅は抗うようにナタクに挑むも、その力の差に全身を斬られて天界から落とされた。
両腕と両足を失い、地上に落下していく瀕死の那我羅は助かる事はないと思われた。
私は本能的に飛び出していた。
落下する那我羅を受け止め、共に地上へと落ちたのだ。
天界から地上への落下。
その衝撃に叩き付けられ、私達は消耗した。
それでも私は抱きかかえた那我羅を生かそうとする。
運良く叩き付けられた湖だったから即死はしなかった。
それでも叩きつけられた事は変わりない。
湖から動かない那我羅を抱えて泳ぎ陸にたどり着く。
既に治癒を施すも那我羅の身体は手の施しようのない状態だった。
どうすれば?
どうすれば良いと言うの?
考えた挙げ句、
「生かすために私に出来る事・・・」
一つの手法が浮かんだ。
私は那我羅の残った鎧と衣を剥ぎ落としていく。
両腕も両足も無く、息しているのも不思議だった。
それでも生きようと願う強い生命力を感じる。
それでも命の燈火が消えかけている。
私はゆっくりと濡れた自分の服を脱ぎ落としていく。
露わになった肌を那我羅に這うようにすり合わせながら、その身体の上に密着させた。
見下ろす那我羅に私は言った。
「私は今から貴方を産みます」
腰を動かしながら私の身体は高潮していく。
私が行ったのは那我羅の精を取り私の胎内で新たな肉体をつくり出す。
そして目の前で動かない那我羅の身体を私は喰らったのだ。
肉体も魂も私の中でかき混ざり、新たな肉体へと流れていく。
「あ、あ、あぁ」
私は産んだ。
新たな那我羅を!
私が探し求めていた真の覇王を!
間違いない。
この赤子こそ覇王たる者!
私を呼び寄せたあの者は言っていた。
私にしか覇王を探せないと。
私は覇王に仕える巫女なのだと。
それは私が覇王を産み落とす事を知っていたの?
本当に不可解な。
しかし分かったわ。
私はこの世界を覇王様に捧げる!
それから、
人間の巫女と覇蛇となる者達との遭遇。
覇王生誕祭にて成長した那我羅が真の覇王として覚醒した。
しかし救世主との戦いで再び傷付き、時を待つ事を余儀なくされる。
その間、私は着々と蛇神の軍を水面下で増やし続けていた。
来たる日のために。
そして今こそ覇王様の復活と共に念願の世界を捧げる日が来たと言うのに!
「覇王様の・・・私の未来を邪魔する者など全て消し去ってやる!例えこの私がその先の未来を見れなくとしても!覇王様の、那我羅様の道を阻む者は何者も生かしてはおけないわ!」
私は救世の魔眼を持つ沙悟浄と鉄扇と戦っていた。
けれど、これ以上覇王様の邪魔をさせる者を行かせてはならない。
せめてこの二人を巻き添えにしてでも!
「那我羅様ぁーーーーー!!」
私は閃光と共に目の前の敵と共に自爆した。
次回予告
壮絶なバトル展開は孫悟空と百獣王へと変わる。
その相手は・・・覇王!!
※今回の物語は白蛇の巫女登場の総集編
第三部 天上天下美猴王伝説
第四部 唯我蓮華~破壊神と呼ばれた少年~
今作の隔世異伝転生記の中での白蛇王視線です。




