その者は何者?救援は救猿?
蛇神製造の塔を破壊するために戦う蛟魔王と二郎真君の前に現れたのは?
死んだと思われていた鵬魔王であった。
俺は万聖龍王!
俺は輝皇覇蛇の持つ血を使い、蛇神の力を解放させた。
覇王より与えられた覇蛇の血。
それは俺に敵であった輝皇覇蛇の力を与えた。
黄金に輝く輝皇の鎧!
乙姫さんに何て言われるかな?
寄りにも寄って仇の力を使うなんて?
対して夜刀ノ神は同じく覇蛇の血を得て死の縁から甦り、さらに力を増したのだ。
「夜刀ノ覇蛇」
少なくとも条件は並んだ。
ならば後は根本の力で決まるのだ。
互いに剣を手にゆっくりと近付く。
「カッ!!」
間合いに入った途端に繰り出される連続攻撃。
身体は異常に軽かった。
そして思い通りに身体が動く。
それは俺に輝皇覇蛇と戦った時のイメージが強く残っているから。
圧倒的な力を見せ付けられ、極限の緊張と集中力の中で奴の次の動きを一つ一つ捌き、躱して戦った。
その時のイメージが逆に今の俺の身体に馴染み動かしているのだ。
「ツォおおおおおお!」
夜刀ノ覇蛇も負けるわけにいかなかった。
日本国を支配した蛇神の王。
そしてこの大国にまで進軍して来たのだ。
誇りを捨ててまで覇王の血を飲み生き長らえた。
力は手に入れたが、失ったものも大きい。
日本を背負う蛇神は今、覇王の血に侵蝕されてもう別の生き物となったと言えるからだ。
「俺は俺を捨ててでも敗北は許されない。我が夜刀の一族は闇を統べる蛇神の王なのだからな!」
それは誇りを持った戦士。
誇りを持つ者は自分自身が強くある事に暗示をかけ、その強い意志は限界を超える。
「でもよ?俺も負けるわけにはいかんのだよ。何せ愛のために戦ってんだからなぁ〜!そう。乙姫さんに任された以上、この命に変えててもあの蛇神製造の塔を破壊する!お前を倒してな!」
互いの意地とプライドをかけた戦い。
交差して衝突する度に腕が痺れる。
一瞬の油断が死を招く。
勝たねばならない・・・のに!
「うッ!?」
その時、身体に激痛が走った?
な、何だコレは?
身体が硬直したように一瞬止まる。
すると鎧が全て外れ足下に落ちたのだ。
う、動けない?
何が起きた?
それは蛇神の血が今になって俺を拒んだのだ。
しかしそれは俺の命取りだった。
見上げた先で夜刀ノ覇蛇が剣を振り下ろす。
お、乙姫さん・・・
場所は変わり、もう一つの塔のあった場所。
そこには乙姫さんと二郎真君が突如戦場に現れ、
白蛇の六頭のとどめを刺した鵬魔王を見上げていた。
「生きていたのだな?鵬魔王」
「当然だ。私は不死の鵬魔一族だからな」
「久方ぶりに茶でも飲んでゆっくり会話したい所だが、今はもう一つの塔を直ぐにでも破壊しなくてはならないのでな。それに私の相方も心配だ」
すると鵬魔王は突然笑いだしたのだ。
「何が可笑しい?」
鵬魔王の身体から炎が噴き出すと上空へと飛び立つ。
そして去り際に言った。
「もう一つの塔には最も頼りになる彼が向かっている。直に塔は破壊されるはずさ!」
その言葉に蛟魔王は首を傾げた。
「あの鵬魔王が頼るだと?何者だ?」
そして再び、
戦場は俺と夜刀ノ覇蛇との戦い。
俺は突如力を失い、その一瞬の隙を夜刀ノ覇蛇は見過ごさなかった。
振り下ろされた剣で俺の額は斬られると思っと時、
俺の視界の遥か上空から何か強い力を持つ者が落下して来た。
そして俺と夜刀ノ覇蛇の間に割って入り、夜刀ノ覇蛇の後頭部をぶん殴ったのだ。
??????
なっ?一体、何が起きた??
凄まじい勢いで吹き飛ばされる夜刀ノ覇蛇。
俺はもうあ然としていた。
そして助けて?くれた奴の姿を目の当たりにする。
金色の長い髪。
同じく金色の尾を持ち、
猿王の鎧を纏っていたのだ。
誰かに似ていると思った・・・
そう!それは乙姫さんの義兄弟。
孫悟空!!
しかし孫悟空は覇王討伐に向かったはず?
それが何故俺の救援に?
何かの手違い?
だが、違和感もあった。
先に見た孫悟空とは何か違う?
しかし俺が見た孫悟空はもう少し若かったような?
どちらかと言えば青年のようだ。
いや?俺はコイツを確かに見た事がある。
昔、俺が地上界を統べる魔王だった頃に、乙姫さんの様子を見たいた時だ。
地上界を妖怪達を引き連れた大魔王の姿!
でも、それは有り得ない話だった。
何故って?
夜刀ノ覇蛇は殴られた事と邪魔された事に怒りは頂点に達する。
「おぅ〜まぁ〜え〜!何者だぁー!」
すると孫悟空に似た者は答えた。
「はぁ〜?俺様か?今から冥土に行くオマエに教えてやっても良いが、その耳かっぽじいてよく聞け!
俺様は聖天大聖・美猴王様よ!」
美猴王と名乗ったのか?今?
しかしそれは有り得ない。
美猴王の転生した姿が孫悟空なのだろ?
なら今の孫悟空は何者になるのだ?
意味が分からなかった。
しかしこれは天の助けとも言える。
「俺様が眠ってる間に俺様の地上界を好き放題してくれたんだってな?そう言う輩は俺様が冥土に送ってやるぜ!」
直後、飛び出すと背負っていた武器を手に取る。
「如意破天棒」
それは本来持つ如意棒とは違うが、
「伸びろぉーー!」
如意破天棒が伸びて夜刀ノ覇蛇の肩を貫く!
「からの~、一気に縮め!」
そして、縮む勢いからの、
「金剛・華王石拳」
拳を金剛石の如く固め殴ったのだ。
その荒々しい戦い方は噂に聞く美猴王の如き。
まさか本者なのか?
「いつまでも調子に乗るなよ?」
夜刀ノ覇蛇は凄まじい覇気を放ち病を上空にまで吹き飛ばしたのだ。
「ふぃ〜!危ねぇな!かなり手強い奴のようだ。だ〜け〜ど!俺様は更に強い!」
美猴王は印を結ぶと妖気が膨れ上がっていく。
「何だ?あれは!!」
上空の美猴王を中心に四体の聖獣が出現したのだ。
あれは青龍?白虎?朱雀に玄武?
それほどの強い力を感じる。
しかし違う!何だ?
あの聖獣から発する禍々しい淀む気は?
「こいつらが俺様の可愛い四凶だぜ!」
四凶だと?
ならあの巨大な犬のようなのが渾沌
龍族らしき力を感じる牛人半獣のが饕餮
翼のある大虎が窮奇
虎と人型の半獣が檮杌
奴らは四聖獣の王と対なる力を持っていたが、聖獣王として認められなかった事で団結を組み、好き放題やって世界を荒らした反逆の魔獣の王達。
その暴虐ぶりに聖獣王達が封印したと聞いていたが、それを美猴王が解放させたと言うのか?
「へへへ。とんだじゃじゃ馬だったが、それこそ俺様の下僕には相応しい。いくぜ!」
すると唱えたのだ。
「四凶変化唯我独尊!」
四凶が全て美猴王の身体に飛び込み合体する。
すると凄まじい覇気が雷の如く大地に振り撒きながら漆黒の魔獣鎧を纏ったのだ。
こ、こいつはどうなっちまうんだ?
てか、
俺の存在が霞む・・・
次回予告
その美猴王は本当にあの美猴王なのか?
では今、覇王討伐にむかっている孫悟空は?
しかし美猴王の強さは本物だった。




