万聖龍王の単騎な戦い!
蛇神を作り出す塔の破壊に向かった蛟魔王と、万聖龍王は今
俺様は孫悟空。
覇王討伐に俺様達の戦いはヒートアップしていた。
蛇神兵を作り出している塔に単身乗り込んだ万聖龍王は夜刀の一族と戦っていたのだ。
「まだこんな連中が残っていたのか?」
万聖龍王は大槍を構え立つと、その龍気が激しく震えて何者も近寄せずにいた。
「誰から来る?時間ないから構わず向かって来いよ」
それは、かつて魔王と呼ばれた威圧感。
「なかなかの強者!私は夜刀四衆の一人・マムシ。私が尋常にお相手申す!」
マムシは万聖龍王と同じく大槍使いだった。
互いに腰を下げて構えると、互いに間合いを見計らう。
一瞬の油断が命取りだった。
「カァアアア!」
互いに同時に動いた。
突き出した両者の大槍が尖端で衝突して止まる。
「この私の槍を受け止めるとは見事。褒めてつかわそう!」
すると万聖龍王は呟き返す。
「再生負荷」
直後、膨大な再生の力が大槍を通して流れ込み、マムシの握る大槍に達した時、尖端から崩壊し始めたのだ。極度の再生は負荷を与えて崩壊を与える。
それが万聖龍王の奥義だった。
「う、うぎゃああ?な、何だぁあああ??」
大槍から伝わった負荷力は握られた腕からマムシの身体を崩壊させ塵に変えたのだ。
「次、来いよ?」
万聖龍王の殺気が夜刀一族を怯ませる。
すると今度は残る夜刀四衆の三体が前に出る。
「よくもマムシを殺してくれたな?今度は俺達が相手になるぜ?」
「次は俺だ!ほれ?誰を所望する?俺にしとけ?」
「出しゃばるな!奴は俺の獲物だ!」
夜刀四衆の蟒蛇、ホオズキ、カカシであった。
夜刀四衆は一対一の戦いを望んでいた。
恐らくは夜刀の一族は勝負に誇りを持っているのだろう。
「そうか、お前ら敵だけど誇りを持っているのだな?そう言うの嫌いじゃないよ、俺は」
万聖龍王は改めて夜刀の一族を見る。
「お前らの身なり、それ俺の故郷と同じだな?」
夜刀の一族は日本国から来た蛇神。
そして万聖龍王も同じく日本国出身だった。
「俺も時間は惜しい。やらなきゃいけない事もある。同郷のよしみだ。苦しくないように倒してやる!まとめて、かかって来いさ!」
「!!」
その強気な発言に夜刀四衆は誇りを傷つけられた。
「愚か者がぁー!」
夜刀四衆は三方向から同時に飛び出して攻撃を仕掛けた。しかしそれは既に万聖龍王の手中にあった。飛び出した夜刀四衆は万聖龍王の直前に張り巡らされた見えない糸に絡まり身動きが止められたのだ。
「い、いつの間に!?」
確かに、いつの間に?
見ると万聖龍王の大槍の尖端から糸が伸びていた。
「お前ら俺に釣られたんだ」
そして釣り竿を振るように絡まった三人を地面に叩きつけたのだ。
「俺ってば漁師だったから獲物を取るのはお茶の子さいさいなのさ」
するの大槍を強く引くと糸が強く締め付け、
「つ、うぎゃやぁああ!」
三人纏めて細切れにしたのだ。
「お前ら相手に時間さ、かけてたら、大物に割く時間が惜しくなるからな」
万聖龍王の視線の先には、残る夜刀の蛇神達の中央に居座る一際強い力を持つ親玉がいた。
漆黒の略奪王・夜刀ノ神!
戦場は変わる。
今、この戦渦で苦戦していたのはもう一つの蛇神兵を作り出す塔に向かった蛟魔王だろうな。
「コイツら厄介だな」
蛟魔王に襲い掛かる数千の蛇神兵。
蛟魔王一人で何とか出来る・・・のか?
直後、その拳は爆風を立てて蛇神兵を吹っ飛ばしたのだ。
アハハ・・・心配する必要なかったか?
本来ならコレで動揺した敵軍に対して勝機が見えるはずが、恐怖を感じない蛇神兵は構わずに向かって来ているのだ。
「ならば一掃させるしかないな」
蛟魔王は両拳に龍気を籠めて、握り構える。
正直、昔共に義兄弟として戦場を戦っていた時に、度々組み手をしていたのだが、俺様と牛角魔王は拳での戦いで蛟魔王相手に勝てたためしはない。
まるで爆撃の如き拳の連打に蛇神兵は面白いように吹っ飛んでいく。
「オラオラオラオラァ!」
倒しても倒しても切りがない。
それでも蛟魔王は攻撃の手を止めなかった。
蛟魔王は背負っているのだ。
龍神族の現当主としての誇り、そして仲間達からの期待。
そして未来を!
しかしそれでも限界は来る。
「もう一押しだな。あの龍神族もよく戦った」
「それでも万の兵隊を殲滅させたのは驚きだ。動かなくなった後は我々の手で改造し、蛇神化させてやろうではないか」
蛇神兵が更に増加しながら蛟魔王を囲み始める。
「!!」
直後、目の前の蛇神兵が足下に沈んでいくではないか?
何が起きたかは直ぐに分かった。
「影の連中かい?」
すると足下に影が広がっていき蛇神兵は影の中へと沈み消えていく。
そして代わりに影一族が影から現れたのだ。
その中心にいる影一族の長カナルが蛟魔王に告げる。
「蛟魔王殿!我々影の一族助っ人に参上致しました。それに!」
すると空中から新たな援軍が向かって来ていたのだ。
その援軍はナタクの陣営にも現れていたのである。
その数は八百万の精鋭!
一体、何処から?
それは天からであった。
ついに重い腰を上げた天界軍が地上へと降りてきたのだ。
「敵に回すと厄介だけど、今は素直に喜ばせて貰うよ」
蛟魔王の背後から現れたのは天界の軍の総指揮を任された二郎真君だった。
「遅くなった。そしてよく持ち堪えてくれた」
ついに蛇神討伐に天界軍を加えた総力戦へと突入した。
生き残るのは片方のみ!
そして覇王神殿に向かう俺様一向。
「どうやら動きが変わったようだな?」
「天界から数えきれない程の援軍が来てくれたみたいですよ〜」
「沙悟浄、マジか?そりゃ心強いぜ!」
「二郎真君さんの説得が通ったんですね!」
「オラ達も気を引き締めないとらな」
俺様、沙悟浄、八怪。
それに、
「おい!孫悟空!蛇神要塞の扉が見えたぞ!」
「どうやらもう引き返せないわよ」
紅孩児に鉄扇。
「そんなら派手に挨拶させて貰おうか?百獣王!やっておしまい〜」
俺様に言われて肩を回しながら百獣王が前に出る。
「この奥から強い力沢山匂うぞ!俺俺、腕が鳴るぞぉーーー!」
その拳に膨大な妖気が立ち込めると、見上げる程の要塞を守る扉に向かってぶん殴ったのだ。
「おっと!」
俺様達六人は一撃粉砕で崩壊していく蛇神要塞の扉を見ながら前に進む。
俺様達の真価見せてやるぜ!
次回予告
天界からの援軍で、更に蛇神軍との戦争は佳境へと突き進む。




