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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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三蔵法子の残した戦い?

覇王との戦いで戦死した法子。


しかし・・・


覇王と法子の世界の命運をかけた戦い。

それは法子の壮絶なる戦死で終わりを告げた。

そして世界の命運をかけた戦いは孫悟空達に引き継がれたのだ。

しかし法子の戦いで語られてなかった事がある。



法子は覇王と最後の斬り合いとなった。

その時の法子は間違いなく超越した強さだった。

しかし、その相手が悪かったのだ。

悪かったと言うのは相手が史上最高の強さを持つ覇王だったから・・・

と、言うわけではない。

「!!」

覇王は斬り合う寸前に法子と旧敵が被っていた。

旧敵の強さは本物で、その戦いの後は力の消耗に復活まで時が必要とされたくらいに。

旧敵との時の戦いがあったからこそ、その動きを見た時に無意識に身体が反応したのだ。

法子の渾身の振り下ろした剣は覇王の急所を逸れて躱され、逆に振り払った覇王の剣が法子に突き刺したのだ。それは過去に戦った経験が本能に宿り無意識に動いた勝利。

もし初戦であったなら勝敗は変わっていたかもしれない。

「アッ!!」

法子は覇王の攻撃に肉体は反応出来なかった。

けれど意識だけは動けたのだ。

覇王の剣が迫る寸前、玉龍との変化を解いて飛ばしたのである。

「えっ!?」

引き離された玉龍はその時の反動で吹き飛ばされ、残った法子は自分自身に起きた状況を理解した。

胸を貫く覇王の剣がゆっくりと抜かれる。

そして口元から血が溢れ出たのだ。

「ゴホッ!」

急激に力が全身から抜けていき、

そのまま法子は大地に落下したのだ。



覇王は法子を貫いた剣に残る血を黙って見ていた。

そして怒りを噛み締めるように唇を噛む。

見下ろした先には落下した法子を受け止めた玉龍が治癒を施していた。

「解せぬ」

覇王は法子との戦いを納得していなかったのだ。



玉龍は涙を流しながら治癒術を施すが全く回復する兆しは見えなかった。

「法子さん!法子さーん!」

止まらない出血に青褪めながら、それでも玉龍は止めずに治癒力を高める。

倒れている法子の正面の空間が歪み、そこに白蛇の巫女が転移して来たのだ。


「覇王様に逆らいし穢れた人間が!その無様な姿を残して置くのも許せぬ」


玉龍は治癒の手を止められなかった。

けれど白蛇の巫女の接近に為す術なかった。

すると白蛇の巫女は法子の足下にある聖魔の剣に気付き、唇を噛みながら余計に腹立つ。

「その剣は私が覇王様に返させて貰います。そしてお前は跡形もなく塵に致します」

そして手にした障気が法子に迫ったその時、


「私のもんに触るなぁー!」


傷付いた法子が玉龍を押し退け、立ち上がったのだ。

法子はこの状態でも生きていたのだ。


「ふふふ。こんな怪我人に手を出して何が楽しいのよ?しかも私のモノを取ろうなんて火事場泥棒ですか?今すぐにお巡りさん呼ぶわよ?」


法子はフラつきながら軽口を叩く。


「小生意気な!小娘!その剣は覇王様にこそ相応しい真王の証!泥棒はオマエの方よ!」

「却下よ!私のモノは私のモノ!もし私がいなくなっても、墓場まで持っていくわ!」


すると消えかけていた金色の魔眼が再び法子に発現して白蛇の巫女を近付けさせなかった。

そして落ちている聖魔の剣に向かって、


「こめんね?私が主になって。でも、このまま貴方を残して置けないのよ」


すると剣は答える。


〈活かすも殺すも主次第。貴女の意思に〉


その言葉に法子は笑みを見せると、


「ハァアアアア!」


金色の拳で聖魔の剣を殴ったのだ。


「馬鹿目!そんな拳で聖魔の剣がどうなるわけでもあるま・・・なぁ!?」


白蛇の巫女は目の当たりにした。

法子の拳で砕かれ塵と化す剣の様を。


「そんな!?ありえない!あってたまるものですかぁー!」


既に法子は力尽き崩れるように倒れ込んでいた。


「何て事を!何て事を!何て事ををを!?」


白蛇の巫女が倒れている法子に向かって襲い掛かる。

「!!」

が、その肩を掴まれて止められたのだ。

「な、何者!?」

振り向いた白蛇の巫女は自分の肩を掴んで止めた者の姿を見て、即座にひれ伏す。

「も、申し訳ありません、覇王様!」

そう。その場にいたのは覇王だった。

「白蛇よ、その者に手を出す事は許さぬ」

「なっ?は、覇王様?」

覇王はゆっくりと法子のもとに近付いていく。


そこには倒れた法子を庇うように玉龍が立ち塞がっていた。

玉龍は覇王相手に恐怖も感じず怒りと悲しみに満ちた目で挑むつもりでいた。

刺し違える覚悟を持って!

しかし覇王は立ち止まり、法子に向かって問う。


「キサマ!この覇王たる俺に情けをかけたつもりかぁーー!」


それはどう言う事なのか?


「この俺を斬る瞬間、攻撃の手を止めたな?」


そう。

確かに覇王は法子の振り下ろす剣を躱した。

それは確かに法子の動きに身体が本能的に対応出来たからもあるが、それでも相討ちだったのだ。

にも関わらず決着は覇王に傾いた。


法子は相討ちの直後、その刃を止めたのだ。

法子は覇王を倒す事を躊躇?

何故?


覇王の問いに法子は一言だけ答える。

「私の答えは今にあんたを倒す連中が教えてくれるわ・・・」

そこで法子は力尽きて意識なく倒れる。


「法子さーーん!」


玉龍が抱き寄せ治癒するが、見て分かる。

大量の出血に致命傷。

もう助からないのだと。

それだけ法子の負った傷は深かった。


先程立ち上がったのはまさに奇跡。

唯一やり残した自分の剣に責任もって処理したのだ。


覇王は振り返ると、

「せめて別れの挨拶ぐらいの間は与えてやろう」

覇王も気付いていた。

今、この場所に強い力を持つ強者が近付いている事に。

本来なら構わず刃を向けて戦おうとするのだが、自分と渡り合った先行き短い法子への花向けにした。

少なくとも、その者達は間違いなく自分と戦う宿命なのだと知っていたから。

そして覇王は白蛇の巫女を引き連れ要塞へと帰還したのだった。



覇王は要塞の通路を歩く。

決して法子との勝利に酔い痴れる事はなかった。

「俺は敗北したのか?」

その直後、覇王は強烈な痛みを胸に受ける。

「クッ!」

身体中の神経が蝕まれるような激痛。

すると何者かの声が聞こえて来たのだ?


(那我羅よ?そなたの覇道はその程度か?そのような者にこの星はくれてやらんぞ)


その声は覇王の魂に直接聞こえて来た。


「またキサマか?どうしても俺を手に入れたいようだな?だが、キサマに好きにさせるほど俺は柔ではない!俺はキサマ如きに奪われはせん!」


突如、覇王から発する攻撃的か覇気が全身から解放され、要塞が揺れる。

「は、覇王様?一体?」

隣にいた白蛇の巫女は今の衝撃に壁に吹き飛ばされて倒れ込んでいた。

そして覇王の身に起きた異変に気付き、震え出す。

「まさか、アレが?」

すると覇王は何事もなかったかのように歩き出した。

そして背後に迫る新たな強者の気配に笑みを見せたのだ。


孫悟空!八怪!沙悟浄!紅孩児!

鉄扇!百獣王!蛟魔王!万聖龍王!ナタク!


覇王討伐に迫る戦士達の存在。


「抗うが良い!歯向かうが良い!俺は覇王!何者も俺の覇道を止められる者は無い!」



覇王との戦い。


この戦いは何を意味するのか?

次回予告


覇王との戦いはまだ終わらない!


法子亡き今、孫悟空達の熱い戦いが更に激しくなる最終章!



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